公認会計士試験の合格に効果的な「超復習法」をCPA講師が解説

効果的な超復習法

公認会計士試験の合格に必要な学習時間は3,000〜5,000時間といわれます。しかし、ただ時間を費やせば良いわけではなく、復習の「質」と「タイミング」を最適化することが合否を分けます。

CPA会計学院の24年度合格者アンケートでは、公認会計士試験に合格するために重要なこととして「定期的な反復」が上位に挙がりました。地道に見える反復学習こそが、実力を着実に積み上げる最短ルートです。

本記事では、CPA会計学院の講師陣が受講生に伝えている復習メソッドを、講義中・初回復習・2回目以降・復習の質・復習の効率という5段階に整理して解説します。

講義の受講時にやるべきこと

復習の質は、講義の受け方で大きく変わります。良い復習は、良い講義受講から始まります。

論点を理解するために「受講する速度」と「環境」を見直す

講義の受講速度が速すぎて論点の理解があやふやになっているなら、本末転倒です。講義を受講する目的は「論点を理解すること」「各論点のポイントを把握すること」であり、ただ再生を進めることではありません。

集中をそぐものをそばに置かない、机に向かえる時間帯に受講する、図書館など集中できる環境を選ぶ、といった“集中できる環境”を作る工夫も重要です。聞き漏れがある状態では、最終的に真の理解に辿り着けません。

CPA会計学院の学習環境

CPA会計学院の校舎や自習室では、受講生が集中して学習に取り組める環境が整っています。各校舎ではiPadやイヤホンの貸し出しもしていますので、自分に合ったスタイルで効率よく学習を進めることができます。

CPA会計学院の学習環境

受講中のメモの質を上げる

講義中に取るメモの質が、その後の復習時間を大きく左右します。メモすべき内容の具体例は以下の通りです。

  • 講師による補足説明や板書内容など、理解に有用な情報
  • 「ここが最重要」「この文章は見なくてOK」など、講師が発する重要性の指示
  • 「理由は考えず暗記」「数値例をイメージしながら読む」など、復習時の留意点

メモを取る際の基本姿勢は「理解した上で書く」こと。理解しないまま写した内容は、後で読んでも有益な情報になりません。

実際に公認会計士試験に合格した受講生のメモ
【実際に公認会計士試験に合格した受講生のメモ】

講義動画は自分に合った受講スタイルで視聴する

講義動画を視聴していて分からない点が出てきた際、人によって大きく2つの視聴スタイルがあります。ひとまず最後まで視聴し、分からなかった点は復習時に理解するスタイルと、講義動画をその都度止めて、理解してから続きを視聴するスタイルです。どちらが正解ということはなく、自分の理解スピードや生活スタイルに合ったものを選んでください。

  • 最後まで視聴を止めないスタイル:集中力が高まりやすい。わからない箇所はチェックして復習時に理解する。講義後の復習にはある程度時間がかかる。
  • その都度視聴を止めて理解するスタイル:受講自体に時間がかかるが、講義後の復習時間は短くなる。

初回の復習は理解に徹する

初回の復習の目標は“時間をかけてでもしっかりと理解すること”

初回の復習は想定以上に時間がかかる場合があります。ここで復習時間を無理に短縮しようとすると、中途半端な理解のまま進んでしまい、2回目・3回目の復習でかえって時間がかかるという悪循環に陥ります。これが最も非効率なパターンです。

初回の復習でしっかり時間をかけて理解を固めると、2回目以降の復習時間を大幅に削減でき、トータルの学習コストが下がります。

初回復習で必ずやること

新たに理解できたこと・気づいたことは、必ずテキストの余白やノートにメモしておきましょう。「そのメモを見れば論点が理解できる状態」を目指すことが、2回目以降の復習でつまずかないための鍵です。わからない論点があれば、その部分だけ講義を再受講するのも有効な手段です。

CPA会計学院は複数講師の講義を視聴して理解を深めることが可能

CPA会計学院では、講師が多く在籍しており、自分に合った講義を選択して視聴することができます。わからない論点があった時は、他の講師の講義を視聴してみるのも疑問点の解消につながります。

2回目以降の復習はタイミングと目標設定が重要

2回目以降の復習の目標は徐々に論点を覚えて点数が取れる状態に持っていくこと

初回の復習で理解度を高めた後は、間隔を空けて繰り返すことで記憶が定着します。これは、復習と復習の間に間隔を空けることで、覚えた内容が脳内で整理されるためです。

一方で、間隔が空きすぎると多くの論点を忘れてしまい、思い出すだけで時間を消費してしまいます。「忘れかけてきたタイミング」で復習することがもっとも効果的です。

最適なタイミングで復習を行うのと復習を怠るのとでは学習成果に大きな差が生まれます。

以下は一般的に人が持つ記憶の保持力に対して最適なタイミングで復習をしたときの効果をあらわしたエビングハウスの忘却曲線です。

エビングハウスの忘却曲線

復習スケジュールの目安

復習回数タイミングの目安
1回目講義当日〜翌日まで
2回目1回目の3日以内
3回目2回目の1週間以内
4回目以降月1〜2回

復習は回を重ねるごとに所要時間が短くなります。手帳やスマートフォンのカレンダーアプリで「いつどの論点を復習するか」をあらかじめ管理しておくことで、重要な論点を長期間放置するリスクを防げます。

また、各時期に設定された答練の受験は、理想的なタイミングでの復習につながります。

答練を受験することで「どの論点が理解できていないか」「どこが苦手か」が可視化されます。次に同じ問題を解いたときにできるようになっていれば、復習の成果が出ていると思っていいでしょう。

どうしても受験時間が確保できない場合は、学業や仕事以外の私生活での負担を極力減らして勉強時間を確保する・スキマ時間を最大限に活用する、を試みた上で、それでも解決しない場合は講師やチューターに相談してください。

復習の質を上げる3つの方法

① ミスと気づきをテキストに一元化する

2回目以降の復習で新たに気づいたこと・注意ポイント・繰り返しミスした内容は、テキストの余白やまとめノートに一か所に集約しましょう。答練の補助資料を切り貼りする合格者もいます。

一元化した情報は「答練の直前に必ず見直す」などのタイミングで定期的にチェックすることで、繰り返しのミスを防ぐことができます。

CPA会計学院の24年度論文式試験で一桁順位を獲得したチューターも、このテキスト一元化を実践していました。具体的な加工方法については、受講生専用サイトの「テキスト加工・情報一元化」ミニガイダンスも参考にしてください。

② 「思い出し学習(想起学習)」を取り入れる

テキストを読むだけの復習より、一度テキストを閉じて論点を思い出そうとする行為の方が、脳科学的に記憶への定着効果が高いことが立証されています。

例えば、前日に学んだ内容を翌朝の通勤時間に頭の中で思い出す、目次を見て各論点の内容を自力で再現してみる(目次学習法)、などが挙げられます。特に理論科目では「テキストの棒読み」では記憶に定着しにくいため、この思い出し学習を意識的に取り入れることが重要です。

インプット:アウトプット=3:7を意識する

・インプット(講義受講等):アウトプット(問題を解く・答練等)= 3:7
問題を解く・答練を受験するというアウトプット行為は、常に「思い出し」を行っている状態です。

そのため学習効果が非常に高く、同時に「できなかったこと・わかっていなかったこと」が明確になります。答練は弱点を可視化する最善の機会と捉え、積極的に活用しましょう。

復習の効率を上げる2つの方法

① テキストに強弱をつける

テキストの全内容を毎回均一に読もうとするのは非効率です。「毎回必ず目を通す内容」と「そうでない内容」を区別し、印をつけるなどして強弱をつけた学習を心がけましょう。

毎回目を通すべき内容優先度を下げてよい内容
重要性が高いが理解が不十分な論点重要性の低い論点
理解を促進する図・表・文章試験直前に暗記すればよい論点
短答の結論部分短答では問われない論点
理解はできているが苦手な論点
自分の間違えやすい論点

すべての論点を深く正確に理解しようとする完璧主義は捨て、出題頻度と自分の習熟度に応じた時間配分を意識してください。

CPA会計学院のテキストはランク付けで強弱の付けやすい設計

CPA会計学院のテキストはA-Cのランク付けがしてあり、強弱の付けやすい設計になっています。そのため、より効率的で効果的な学習が期待できます。

CPA会計学院のテキスト

② 4象限マトリクスで時間配分を決める

各論点を「出題可能性」と「習熟度」の2軸で4象限に分類し、復習時間の配分を決める方法が有効です。

出題可能性:高い出題可能性:低い
習熟度:低い最優先で時間を使う最低限の時間を使う
習熟度:高い現状維持のため定期的に一旦無視

目安の時間配分は「最優先:最低限:現状維持:無視 = 6:3.5:0.5:0」程度です。カレンダーやアプリで各論点の復習タイミングを管理することで、重要論点を長期間放置する事態を防げます。

わからない論点の対処法

まず講義を再視聴する

CPA会計学院の24年度合格者アンケートでは、わからない論点への対処法として「自分で調べる(73%・1位)」「講義の再視聴(58%・2位)」が上位を占めていました。

特に理解が難しい複雑な論点は、2回受講することで真の理解に辿り着くケースが多くあります。また、担当講師以外の別の講師の動画で同じ論点を視聴することも有効です。説明の視点や具体例が変わることで、理解が深まることがあります。

自分の力で解決しようとするプロセス自体が、本試験で必要な思考力の向上にもつながります。

それでも解決しなければ必ず質問する

自分で調べても解決しない場合は、放置せずに必ず質問して解決しましょう。CPA会計学院では以下の手段で毎日質問に対応しています。

  • 対面・電話でのチューター質問:各校舎に毎日10名以上待機(日曜日も対応)
  • CPAバーチャル校(オンライン):フロア1でチューター・講師の両方に質問可能。営業時間中はほぼ待ち時間なし

よくある質問(FAQ)

初回の復習にとても時間がかかります。どうしたらよいですか?

まず講義の受け方を見直してください。集中できているか・適切な速度で受講しているか・必要なメモを取っているかの3点を確認し、問題があれば修正します。講義の受け方に問題がなく初回の復習に時間がかかる場合は、むしろ正常です。しっかり時間をかけて理解を深めることが、2回目以降の復習時間を大幅に削減します。初回の復習後も2回目以降に時間がかかる場合は、初回の理解度が不十分な可能性があります。「人に説明できるレベル」を意識して復習の質を上げましょう。

2回目以降の復習時間がうまく取れません

定期的な復習ができなければ記憶はどんどん薄れ、最悪の場合、講義受講前と同じ水準に戻ってしまいます。隙間時間の活用・両立している活動を減らすなどで時間を確保することが最優先です。それでも難しい場合は、重要性の高い論点に絞って復習し、重要性の低い論点を一時的に後回しにする戦略が有効です。解決しない場合は受験時期の見直しも含めて講師に相談してください。

何度も同じミスを繰り返してしまいます

ミスをしたら「どういうミスをしたか」「今後気をつけるべきこと」「再発防止策」をテキストに一元化することが最も効果的です。一元化した内容は情報価値が高いため、答練の直前など定期的にチェックする習慣をつけましょう。関連論点を目立たせる、付箋を貼るなどの工夫も有効です。

理論科目をテキストで読んでいても、頭に入ってきません

テキストの棒読みは記憶定着効果がほとんどありません。「人に説明できる状態」を目標に読み進めることで、ただ読んでいるだけの状態を回避できます。理解度が上がってきたら、いきなりテキストを開くのではなく「タイトルだけ見てゼロから内容を思い出す」という思い出し学習を取り入れましょう。また「注意点・ひっかけポイントを意識する」「新たな気づきがないか」などを考えながら読む姿勢も大切です。

公認会計士試験の合格に重要なのは「復習の質」

フェーズ目標重要ポイント
講義中理解とポイント把握適切な速度・集中環境・有益なメモ
初回復習理解に徹する時間を惜しまず・気づきをメモ一元化
2回目以降覚えて点数を取れる状態へ忘れかけたタイミングで・スケジュール管理
質の向上定着率を上げるミス一元化・思い出し学習・アウトプット重視
効率の向上時間対効果を最大化強弱をつける・4象限マトリクスで優先度管理

CPA会計学院の24年度合格者が「定期的な反復」を合格の最重要要素に挙げた背景には、こうした体系的な復習メソッドの実践があります。「何となく読み返す」から「戦略的に繰り返す」への転換が、合格への実力を積み上げます。

わからない論点はその日のうちに質問・解決し、理解の穴を放置しないことも合格者に共通する習慣です。CPA会計学院のチューター・講師サポートを積極的に活用しながら、復習の質を着実に高めていきましょう。

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