USCPAの試験科目・新試験制度

USCPAの試験科目・新試験制度

U.S.CPAは、2024年1月より新試験制度が適用されます。

新試験制度では必須科目と選択科目に分かれ、基礎的な内容は必須科目で、専門的な内容の選択科目で問われます。

受験者は必須3科目と、3つの選択科目から1科目選び、計4科目を受験します。

2024年1月以降の受験を検討されている方は、どのような変更があるか気になる方も多いでしょう。

そこで、USCPAの現在の試験制度と新しい試験制度を詳しく解説していきます。

USCPAとは

USCPAとは、米米国各州の会計士委員会が国各州が認定する公認会計士の資格。

米国や日本だけではなく、世界150カ国以上、約40万人がUSCPA資格を取得しています。日本でも2011年8月から受験が可能になりました。

USCPA試験に合格すると、会計や財務のプロフェッショナルとして認められるだけでなく、英語力もあることがアピールできることも魅力です。

また、自社でキャリアアップを望めるだけではなく、就職や転職でも有利に働きます。

まずは、USCPA試験の概要をチェックしていきましょう。

USCPA試験の概要

日本の公認会計士試験は、受験条件がなく誰でも受けられますが、USCPA試験の受験条件は、州ごとに決められています

USCPA試験を受けるには、主に「学位要件」と「単位要件」の2つを満たす必要があります。

学位要件として、四年制大学の学位(学士号)が求められます。一部の州では、在学中や高卒・短大卒でも受験が可能です。

単位要件では、会計科目やビジネス科目で一定の単位を取得していることが求められます。

日本人のUSCPA講座の受講検討者は、会計単位が不足している場合が多いですが、ほとんどのUSCPAスクールは米国大学と提携しており、会計やビジネス単位の取得が可能なので安心してください。

USCPA試験は、現在4科目にわかれています。

FAR(財務会計)・AUD(監査及び証明業務)・REG(米国連邦税法及び諸規制)・BEC(ビジネス環境及び諸概念)があり、どの科目から受けてもOKです。

最初に合格した科目の受験日から、18か月以内にすべての科目を取得することが合格の条件です。

各科目の合格実績は受験日から18か月です。合格実績は科目ごとに管理され、18か月以内に全科目合格できず、ある科目の合格実績が失効した場合、あらためて再受験する必要があります。

例えば最初の科目として1月1日にFARを受験して合格した場合、翌年の6月30日までに残り3科目を受験し合格しなければなりません(受験日を起算日とするため、合格通知が7月以降になっても全科目合格となります)。

日本の公認会計士試験の合格率は毎年10%前後を推移していますが、USCPA試験は科目によって異なるものの、合格率は50%前後となっています。

これは決してUSCPA試験が簡単であるという意味ではなく、受験条件が設けられており、もともとある程度の知識を持っている人達が受験しているため、高い合格率であることを忘れないでくださいね。

ただし、勉強時間はUSCPA試験のほうが1,000~1,500時間と、日本の公認会計士試験の1/3程度の勉強時間で済む人が多いです。

参考:AICPA「Learn more about CPA Exam scoring and pass rates

新試験制度とは

USCPA試験は、2014年の1月に変更されることになりました。

これまでは、必須科目が4科目でしたが、新試験制度では必須科目が3科目、選択科目が1科目になります。

どのように試験が変わるのか、次項で比べてみましょう。

現試験制度の試験科目(2023年12月まで)

先ほどもご紹介のとおり、現在のUSCPA試験は、FAR(財務会計)・AUD(監査及び証明業務)・REG(米国連邦税法及び諸規制)・BEC(ビジネス環境及び諸概念)の4科目

一度に4科目すべてを受ける必要はなく、最初に合格した科目の受験日から、18か月以内にすべての科目に合格できれば、どの科目から受けても構いません。

試験時間は1科目4時間、プロメトリックテストセンターのPCで受験します。

FAR

企業会計の問題が8割、政府会計と非営利組織会計の問題が2割出題されます。

政府会計とは、州や地方自治体の会計で、非営利組織会計とは学校や医療、福祉団体などの会計のことです。

まずはFARから学習することをおすすめします。

日商簿記2級程度の知識があると、学習しやすい内容です。

仕訳をしっかりとマスターすることもポイントの1つ。全科目の基礎となるため、しっかりと勉強しましょう。

AUD

監査や証明、レビュー業務などの問題が8割、職業倫理の問題が2割出題されます。

AUDは、多くの日本人が苦手意識を持ちやすい科目です。

暗記するだけでは合格が厳しく、理解を重視した学習が求められます。また、日本人が得意とする計算問題が少なく、抽象的な問題が多いため、実務経験や英語力が乏しいと苦戦しやすいです。

AUDでは財務諸表の理解が前提となるため、まずはFARをしっかりと学習してから、AUDに臨まれると良いでしょう。

REG

連邦税法の問題が7割、ビジネス法と職業倫理が3割出題されます。米国の税法やビジネス法を学習しなくてはなりません。

米国連邦税法の理解と計算方法の暗記が合格のカギを握ります。学習範囲は広めですが、計算問題が多く日本人が比較的得意とする科目と言われています。

税法は広い知識を必要としますが、ビジネス法や職業倫理は計算問題がほぼありません。比較的簡単な問題が多く得点源になるため、落とさないようにしましょう。

暗記科目で短期間で仕上げることができるため、最終科目とすることをおすすめします。

BEC

コーポレートガバナンス・経済学・ファイナンス・情報技術・オペレーションマネジメントの問題が出題されます。

範囲は広いですが、深く問われることは少ないため、基本的なことを覚えましょう。

配点比率は15%と少ないですが、BECでは記述式問題が3問出題されるため、英作文の対策が必要です。

新試験制度の試験科目(2024年1月から)

2024年の新試験制度では、コアと呼ばれる必須科目が3科目、ディシプリンと呼ばれる選択科目が3科目となります。

選択科目は1科目合格すればよく、計4科目の合格が総合合格の条件です。新試験制度では、現行制度のBECで出題される記述式問題が廃止されます。

ほかにもテストレットと呼ばれる問題群の難易度が回答により変化する仕組みの廃止、表計算がExcelではなくJavaベースのスプレッドシートになるなどの変更が予定されています。

必修科目

新試験制度では、FAR・AUD・REGの3つが必須科目。公認会計士に必須の知識とスキルがあるか試される試験です。

新試験制度のFARやREGは、より専門的なトピックが出題範囲から外れるため(BARやTCPに移動します)、出題範囲が縮小されるだけでなく難解な論点が減り、受験対策がしやすくなると見込まれます。

一方、AUDはBECの一部トピック(経済学の基礎的概念など)が加わるため、現行試験より学習範囲が広くなる見込みです。

選択科目

BAR(ビジネス分析と報告)・ISC(情報システムとコントロール)・TCP(税務コンプライアンスとプランニング)の3科目が選択科目。

必須3科目と比較すると、より広範で詳細な知識が問われると予想されます。現行試験科目より専門的なトピックが選択科目に割り振られる見込みです。

  • BAR(ビジネス分析と報告)→現行制度のFAR・BEC
  • ISC(情報システムとコントロール)→現行制度のBEC・AUD
  • TCP(税務コンプライアンスとプランニング)→現行制度のREG

選択科目の選び方

選択科目は、自分が将来どのような専門分野を極めていくかを考えて選ぶのがベストです。

財務会計であればBAR、ITであればISC、税務であればTCPとなるでしょう。

また、新試験制度はどの専門スクールも、しばらく出題傾向がつかみにくい状況になることが考えられます。

ISCは新しい分野なので、BARやTCPのほうが、試験対策をしやすいかもしれません。また、TCPは米国連邦税制の専門的な知識が問われるため、日本人受験生で選択される方は少ないかもしれません。

どの選択科目を選んで合格しても、USCPA資格としての価値に違いはありません。ただ、試験科目が違うという認識で良いでしょう。

また、1つの科目に絞らなくてもOK。合格できなかった場合、別の科目にチャレンジするのもありです。

新試験制度の影響

新試験制度に移行する2024年は、様々な経過措置が設けられています。

必須科目であるFAR・AUD・REGは、2023年12月31日までに合格した場合、有効期限内であれば、新試験制度のそれぞれの必須科目に合格しているとみなされます(あらためて新試験制度のFAR・AUD・REGを受験する必要はありません)。

新試験制度で廃止されるBECは、2023年12月31日までに合格した場合、有効期限内であれば、新試験制度の選択科目のいずれかに合格しているとみなされます。

なお、多くの州(日本人受験者が多いワシントン州、グアム、ニューヨーク州、モンタナ州、アラスカ州を含む)では、2024年1月1日時点で合格している科目は、2025年6月25日まで合格実績の有効期間を延長するという救済措置が設けられます。

新試験制度の対策

新試験制度で受験される方は、すべての科目の基礎となるFARから受験しましょう。現行試験制度より出題範囲が少なくなるため、準備期間も短くなるはずです。

2つ目の科目はAUDがお勧めです。AUDはFARとの関連性が高いため、FARの知識が残っている間に合格しましょう。

3つ目の科目はREGがお勧めです。税法の理解と計算方法の暗記が中心になりますから短期間での合格を目指しましょう。

そして最終科目はBARがお勧めです。財務諸表分析や管理会計など、幅広いビジネスパーソンに有用な知識やスキルを学べます。

CPA会計学院のUSCPA講座は新試験制度に対応

CPA会計学院のU.S.CPA講座は、2024年1月からスタートする新試験制度に対応しております。

徹底した受講生サポート

公認会計士試験合格者及びUSCPA試験合格者が「常駐」し、学習方法から論点の質問まで、どのようなご相談でも講師から個別に回答が得られます。
質問方法は、対面・電話・Zoom・メールといつでもどこでもご質問いただけ、疑問点を持ち越すことなく学習を継続いただけます。

エクセルシオール大学と提携した単位取得プログラム

受験やライセンス取得に必要な単位はエクセルシオール大学で取得可能です。単位認定試験料は受講料に含まれるため、何科目取得しても追加費用はいっさいかかりません。

日本人のために開発したオリジナルテキスト

CPA会計学院は、日本の公認会計士試験で合格者占有率41.6% ※の実績
を誇ります 。そのすべてのノウハウをオリジナルテキストに取り入れました。

米国大手ワイリー社と提携して開発したオリジナル問題集とWiley Test Bank

日本人が効率的に学習できるようにCPA会計学院がわかりやすく解説したオリ
ジナル問題集に加え、本試験さながらの環境で問題演習が受けられるWiley
Test Bankの両方を提供します。
MC問題 約9,600問・TBS問題 約500問(オリジナル問題集とWiley Test Bankの合計)

おわりに

USCPAは2024年1月から試験制度が変わります。

新試験制度では、現行試験で4科目で問われる出題トピックが6科目に分散されるため、1科目あたりの学習範囲が少なくなります。

今から学習をはじめられるのであれば、新試験制度に移行してからの受験がお勧めです。

USCPA試験は、試験制度の変更や会計や監査基準の変更など、独学では対応が難しいと言われています。

また、受験条件を満たす上でも、専門スクールであれば提携大学の単位を無理なく取得できるので、USCPA資格の取得を目指すのであれば、スクールに通われると効率的でしょう。

USCPAをこれから受験する人は、今後の動向に注目し、早めに対策していきましょう。

USCPAを目指したい方は
こちらのページも参考にしてください

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