公認会計士の試験制度は、受験しやすい制度

受験しやすい制度

現在の公認会計士試験は、年齢や学歴要件などの受験資格がないため、どなたでも受けることが可能になっています。

公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験に分かれています。

短答式試験は年に2回実施され、いずれかに合格することで論文式試験を受験することができます。短答式試験は一度合格すると免除され、論文式試験は科目合格(いずれも有効期間は2年間)が導入されており、チャレンジしやすい試験制度が導入されています。

公認会計士試験合格者は、実務補修・修了考査合格・業務補助等の実務経験を経て、正式の公認会計士登録が行えるようになります。

 

短答式試験の内容

公認会計士になろうとする者に必要な基本的知識が体系的に理解されているかを客観的に判定するために、幅広い分野から基本的な問題が多数出題されます。

実施時期・形態

  • 第Ⅰ回:12月上旬の日曜日
  • 第Ⅱ回:5月下旬の日曜日
  • 4科目、科目別に実施

短答式試験 実施方式

  • マークシート方式
  • 正誤問題、個数問題等の6肢択一問題が中心に出題される

合否判定

  • 一括合格制
  • 総得点の70%を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率で判定
  • 免除科目がある場合には、免除科目を除いた他の科目の総得点の比率によって判定

短答式試験 実施科目

科目 企業法 管理会計論 監査論 財務会計論
配点 100点 100点 100点 200点
試験実施 時間帯 9:30-10:30 11:30-12:30 14:00-15:00 16:00-18:00
試験時間 60分 60分 60分 120分

短答式試験 免除規定 ※主なもののみ掲載しています。

免除対象者 免除となる科目
❶ 税理士となる資格を有する者 財務会計論
❷ 税理士試験の簿記論及び財務諸表論の合格者及び免除者 財務会計論
❸ 大会社・国・地方公共団体等で会計または監査に関する事務
または業務等に従事した期間が通算7年以上になる者
財務会計論
❹ 一定の要件を満たす会計分野に関する専門職大学院修了者 財務会計論・管理会計論・監査論
❺ 司法試験合格者 短答式試験免除
❻ 前年、前々年の公認会計士短答式試験合格者 短答式試験免除

論文式試験の内容

公認会計士になろうとする者に必要な学識及び応用能力が備わっていることを的確に評価できるようにするため、知識を有しているかの判定に偏ることなく、実践的な思考力や判断力が備わっていることを判定するために、応用問題も含めた出題を行い、十分な時間をかけて論証する問題が出題されます。

実施時期・形態

  • 8月下旬の3日間
  • 5科目、科目別に実施

論文式試験 実施方式

  • 論述式(記述式)

論文式試験 合否判定

  • 一括合格制
  • 52%の得点比率を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率とします。ただし、1科目につき、その得点比率が40%に満たないものがある者は、不合格となることがあります。
  • 全体としては合格基準に達していなくても、一部の試験科目について公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率を得た科目については、申請によりそれ以降2年間は免除されます。
  • 免除科目がある場合には、免除科目を除いた他の科目の総得点の比率によって判定されます。

論文式試験 実施科目

第1日目
監査論 租税法
100点 満点 100点 満点
大問 2問 大問 2問
10:30-12:30 14:30-16:30
120分 120分
第2日目
会計学(管理会計論) 会計学(財務会計論)
300点 満点
大問 5問
10:30-12:30 14:30-17:30
120分 180分
第3日目
企業法 選択科目
100点 満点 100点 満点
大問 2問 大問 2問
10:30-12:30 14:30-16:30
120分 120分

論文式試験 免除規定 ※主なもののみ掲載しています。

免除対象者 免除となる科目
❶ 税理士となる資格を有する者 租税法
❷ 不動産鑑定士第2次試験合格者 経済学または民法
❸ 司法試験合格者 企業法・民法(選択科目)
❹ 前年、前々年の公認会計士論文式試験において、
公認会計士・監査審査会が相当と認められる成績を得た科目のある者(科目合格者)
該当科目

公認会計士試験科目の内容

公認会計士試験は、必須5科目と選択4科目(うち1科目を選択)の全9科目から成ります。
それぞれ科目別に、科目の概要をまとめました。

必須科目

財務会計論

財務会計論は、計算部分である簿記と理論部分である財務諸表論に分けられます。

簿記は、企業が公表する財務諸表である貸借対照表・損益計算書・キャッシュ・フロー計算書などの作成方法を学習する科目です。簿記は、公認会計士試験のすべての科目のベースになる知識であり、他の科目に比べて学習のボリュームも最も多いため、簿記を得意科目にすることは、短期合格に向けて特に重要になります。

財務諸表論は、簿記で学習した財務諸表の作成方法の理論的背景を学習する科目です。簿記で作成方法の処理を学び、財務諸表論でその理論的背景を詳しく学習するという関係なので、並行して学ぶことが効率的です。

管理会計論

管理会計論は、経営者または管理者が、企業の将来の方向性の計画立案、またはその計画が正しく実行されているかを分析するために必要な情報を提供する科目です。

具体的には、製品の原価を計算する原価計算と財務分析や経営管理に資する経営意思決定の仕方などを学習します。

短答式試験では、財務会計論と管理会計論は別の科目として扱われますが、論文式試験では、両者を合わせて、会計学として扱われます。

監査論

監査論は、公認会計士の独占業務である監査業務の実施方法を定めた諸制度や公認会計士が備えるべき資質や価値観について学習する科目です。

公認会計士という資格が、監査業務を行うために誕生した背景を考えれば、とても重要な科目と言えます。

企業法

企業法は、企業を取り巻く様々な法律を学習する科目であり、その中心は、会社法になります。会社法は、株式会社を中心にした企業の活動や組織形態などについてさまざまな規制が設定されているため、その法律の内容や立法趣旨を学習する科目です。

財務会計論・管理会計論・監査論・企業法の4科目が短答式試験の試験科目になります。

租税法

租税法は、法人税法・消費税法・所得税法といった、税金の仕組みを学習する科目です。公認会計士試験で問われる税法は、株式会社を中心とした企業を取り巻く税金が中心になります。税額の計算方法、各種申告書の作成方法などを学んでいきます。

短答式試験の科目に、この租税法と後述する選択科目の中から一つを選んで論文式試験の試験科目となります。

 

選択科目

経営学(選択科目)

経営学は、企業経営における理論を学習する科目です。具体的には、経営戦略論・経営組織論・ファイナンス理論などを学びます。

選択科目の中では、数学的素養がほとんど必要なく、最もボリュームが少ない科目であるため、多くの方が選択する科目となっています。

経済学(選択科目)

経済学は、経済理論を学ぶ科目です。具体的には、企業や個人単位における経済行動や個々の財の需給分析を学ぶミクロ経済学と、国全体の経済理論や貿易等も加味した経済理論を学ぶマクロ経済学から構成されています。

経済学は、微分等の数学的要素がかなり入ってくるため、数学が苦手な方は選択しないことがおすすめとなります。

民法(選択科目)

先に述べた会社法が企業活動について定めた法律なのに対し、民法は、国民生活全般について定めた法律です。そのため、我々一人ひとりが日々行う行為に対しての法律の制度や立法趣旨について学ぶ科目です。

数学的素養は必要ないですが、学習のボリュームが非常に多いので、注意が必要となります。

統計学(選択科目)

統計学は、確率論の考え方を前提に、標準偏差や回帰分析等の統計的手法を学ぶ科目です。近年のIT化に伴い、公認会計士にも統計学の知識が求められることが増えたために、2006年に新たに追加された科目です。

統計学は、微分のみならず積分などの高度な数学的要素が入ってくるため、理系の方のように数学が得意という方以外にはお勧めできない科目です。

選択科目は経営学がお勧め

論文式試験は、4つの選択科目から1つを選択して受験する形式になっています。先ほど説明した経営学・経済学・民法・統計学の4つがありますが、一般の受験生は、経営学を選択することを強く薦めます。

その理由は、他の選択科目に比べ勉強時間が少なくて済むことと、合格後に最も使う知識であることです。公認会計士試験は、6科目の試験であるため、選択科目で勉強時間を多く費やす科目を選んでしまうと、他の科目の勉強時間を奪ってしまうことになります。

そのため、ボリュームの少ない科目を選ぶことが重要であり、かつ、アドバイザリー業務等を行う際にも、経営学の組織論やファイナンス理論の知識は不可欠となります。

また、経営学が比較的負担が少ないという状況であるにも関わらず、経済学・民法・統計学を選択する人の多くは、その科目の専門家または、かなり得意である場合が多いことに注意する必要があります。たとえば、経済学部の大学院を卒業しているので経済学を選択するとか、理工学部で統計学を専門に勉強していたので、統計学を選択するといったケースが挙げられます。

ここで、公認会計士試験は、科目ごとに偏差点(偏差値のようなもの)で順位が付くため、そのような専門家の中で上位の順位(偏差点)を取ることは、かなりの困難を伴うのです。

実際、受験生の8割以上の方は経営学を選択しており、通常の大学生や社会人であれば、ほとんどの受験生が経営学を選択しています。

そのため、経営学以外の科目に相当な優位性がない状態であれば、経営学がお勧めとなります。。


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