USCPA試験の受験条件を解説|最短で要件を満たす方法を教えます

USCPA試験の受験条件を解説|最短で要件を満たす方法を教えます

USCPA(米国公認会計士)の資格を取得しようと考えている方の中には、

USCPAは受験条件(出願要件)を満たすのが大変だと聞いた
そもそもUSCPAの受験条件(出願要件)について詳しく知らない

という方も少なくないかもしれません。

USCPAの受験条件には「学歴要件」と「単位要件」の2つがあり、これらを満たしていなければ、試験を受けることができません。

受験資格の画像です

要件を見ると「満たすの大変そう…」と思うかもしれませんが、実はUSCPAの受験条件を満たすのはそれほど難しくはありません。

なぜならば、(1)日本の4年制大学でも良いから、そして、(2)不足している単位は資格スクールに通えば取得できるからです。大学の学部は、会計やビジネス系でなくても構いません。

受験資格を満たすのは難しくないの画像です

USCPAの受験条件が一番ゆるいアラスカを出願州とする場合、4年制大学を卒業している方なら、「会計15単位(科目指定なし)」を取得するだけで受験条件を満たすことが可能です。

USCPA資格スクールに通えば、USCPA資格取得の学習と並行して、不足している単位をオンラインで取得することが可能です。

CPA会計学院の提携大学・単位取得プログラム(Guam大学で単位取得が可能)

この記事では、USCPA試験の受験条件について、日本人が出願しやすい5つの州それぞれの要件詳細や、最短で受験条件を満たす方法(学歴別)を解説していきます。また、受験条件と併せて確認すべき「ライセンス取得資格」についても説明します。


この記事を読むことで、USCPA試験の受験条件の概要について理解しておくことで、「自分は受験条件を満たしているのか」「満たしてない場合にはどうしたら良いのか」といった疑問に適切に対応することができます。
受験条件に関する不安要素を取り除き、USCPA資格試験の勉強に集中するためにも、ぜひ最後までじっくりお読みください。

1. USCPAの受験条件:学歴要件と単位要件を満たす必要がある

帽子とペンの画像です

USCPA試験を受験するには、「(1)学歴要件」と「(2)単位要件」の2つの要件を満たしている必要があります。受験条件を満たしていない方は試験を受けることができないので、しっかり受験条件を確認してから出願しなければなりません。

【USCPAの受験条件(学歴要件と単位要件)】

学歴要件4年制大学を卒業している、または在学中である
単位要件会計・ビジネスの単位を一定数以上取得している
※スマートフォンでは横にスクロールが可能です。
※学歴要件と学位要件の両方を満たす必要があります。
※学位の必要性や必要な単位数は、出願する州ごとに異なります。
※モンタナ州は、高卒や専門学校卒でも学歴要件を満たせます。

それぞれの州の受験条件については2章で詳しく丁寧に解説しますが、ここでは学歴と単位の2つの要件について簡単に解説していきます。

1-1. 学歴要件:4年制大学(日本の大学でOK)に在学または卒業している

USCPA受験条件のうち学歴要件は、州によって異なりますが、「4年制大学に在学中または卒業(見込み含む)」とされている州が多いです。

【USCPAの受験条件(学歴要件)】

アラスカ州4年制大学を卒業(学位が必要)
ニューヨーク州学位条件はないため、大学在学中でもOK
ワシントン州4年制大学を卒業(学位が必要)
グアム4年制大学卒業の学位/または総取得単120 単位以上
モンタナ州学歴要件がなく、高卒・短大卒・専門学校卒・大卒何でもOK
※スマートフォンでは横にスクロールが可能です。

アラスカとワシントンは「4年制大学卒業の学位」が必須条件なので、卒業している必要があります。
一方で、必要な単位数を満たしていれば、大学在学中でも受けられる州もあります。

※アラスカの場合、4年制大学在学中の方は、卒業に必要な単位数が残り18単位以下で、かつ、会計15単位を取得していれば卒業見込みでも出願可能です。

最も学歴要件がゆるいのがモンタナ州で、大学の学位は必要ありません。専門学校卒や短大卒の方でも受験条件を満たせます。
ただし、USCPAに合格した後にライセンス登録するためには大学を卒業している必要がある点に注意が必要です。

※詳しくは後述しますが、受験条件と別に「ライセンス取得条件」が別途設けられており、大学の学位がなくても受験条件あるものの、ライセンス取得のために学位が必須、というケースがあるので注意しましょう。

「大学ならどこでもいいの?」と疑問に思う方がいると思いますが、4年制大学であればどこでも構いません。アメリカの大学である必要はなく、日本の大学でも受験資格を得られます。
また、学部も、会計やビジネスなどUSCPAに関連した学部である必要はなく、理系でも全く問題ありません

1-2. 単位要件:特定の会計・ビジネス科目の単位が含まれる

USCPA試験の受験条件のうち単位要件は、こちらも州によって異なるのですが、「総単位120単位、会計24単位、ビジネス24単位」などと、必要な単位数が定められています。

単位要件がゆるいアラスカの場合は、会計15単位を取得していればOKです。

一方、グアムの場合は、4年制大学卒業の学位または総取得単位として120単位、Upper Divisionに該当する会計24単位、ビジネス24単位(Economics 6単位、Finance 3単位、Business Law 3単位を含むこと)など、細かく指定があります。

※こちらも、USCPAを受験するための単位要件と、合格した後にライセンスを取得するための単位要件が異なるので、注意しましょう。

1-3. 受験条件はUSCPA試験をどの州で受けるかで異なる

受験条件は、USCPA試験をどの州に出願するかによって異なります。
「大学を卒業している必要があるか/在学中でも受けられるのか」「会計15単位でいいのか/多くの単位を取得する必要があるのか」など、州によって「受験条件の満たしやすさ」が異なるので、しっかり受験資格要件を確認する必要があります。

【USCPAの受験条件まとめ】

アラスカ州ニューヨーク州ワシントン州グアムモンタナ州
受験条件
(大学)
・4年制大学卒業・在学中でもOK・4年制大学卒業・4年制大学卒業の学位または総取得単120 単位以上・学位要件がないため、高卒や短大卒でもOK
受験条件(単位)・会計15単位・総単位120単位
・会計指定4科目
・総単位120単位
・会計24単位
・ビジネス24単位
・会計24単位
・ビジネス24 単位
・会計24単位
・ビジネス24単位
※スマートフォンでは横にスクロールが可能です。

また、受験条件とライセンス取得条件は異なります。そのため、USCPA試験に合格した後に、「USCPAのライセンスを取得したいかどうか」によって、どの州で受けるべきかが違ってくるので注意しましょう。
どこの州に出願してUSCPA試験を受験しても難易度は同じですし、受験する州は自由に選ぶことが可能です。また、ほとんどの州は日本で受験することを認めています。そのため「自分が受験資格・ライセンス取得条件を満たしやすい州を選んで出願して日本で受験する」ことができます。

2. 州ごとのUSCPA受験条件・ライセンス要件

アメリカの地図の画像です

ここからは、日本人がUSCPA試験を受けやすい5つの州について、受験条件を詳しく解説していきます。また、受験条件と合わせて「ライセンス取得要件」についても併記します。

受験条件がゆるくて簡単に受験できても、ライセンス取得要件が厳しい州もあるので、出願前に、受験資格とライセンス取得要件はセットで確認する必要があります。

※「試験合格の実績だけほしいからUSCPAライセンスまでは要らない」という方は、ライセンス取得条件は関係ありません。

なお、USCPA試験は全米で共通の試験となっており、どの州で受けても難易度は同じです。また、ほとんどの州では、日本で受験することが認められています。

2-1. アラスカ(最速で受験条件を満たしやすい)

アラスカは、5つの州の中でも受験資格の基準がゆるめなので、「早く受験条件を満たして早く受験したい」という方におすすめです。

4年制大学の卒業は必須(学位が必要)ですが、会計単位が15単位あれば良く、科目の指定もありません。日本の大学を含めて、どこかの4年制大学を卒業していれば、USCPAの資格スクールで会計単位を15単位取得すれば受験条件をクリアできます。

【アラスカの受験条件・ライセンス取得条件】

項目内容
受験条件・4年制大学を卒業(学位が必要)
・会計15単位(指定科目はなし)

※4年制大学在学中の方は、卒業に必要な単位数が残り18単位以下で、会計15単位を取得していれば卒業見込みでも出願可能です。
ライセンス取得条件・直属の上司であるU.S.CPAの下での会計実務経験
・総単位150単位、会計24単位、Bussiness Law3単位、 Economics3単位、 Statistics/ Computer Science/Algebra/Calculus/ Mathematicsいずれか3単位
日本での受験可能
参考:NASBA「Alaska – Applying for the Uniform CPA Examination」
※スマートフォンでは横にスクロールが可能です。

ただし、ライセンス取得条件には指定された科目の単位や実務経験が含まれるので注意しましょう。実務経験がなくてもライセンスを取得できるグアム(Inavtive License)と比べると、ライセンス取得条件のハードルは高いといえます。

※特定の州では合格実績の他州証明を利用して、出願州とライセンス取得州を変更することが可能です。CPA会計学院のUSCPA講座では、ライセンス取得は比較的ライセンス要件がゆるい「ワシントン州」や「グアム」で行うことを勧めています。

アラスカ州に出願→ワシントン州またはグアムでライセンス取得というルートは、最短でUSCPAライセンスの取得を進めたい人におすすめのルートです。

2-2. ニューヨーク(大学在学中でも受験条件を満たせる)

ニューヨークは、受験条件に「学位」の条件がないため、必要な単位を取得していれば大学在学中でも受験条件を満たせます。そのため、「大学在学中にUSCPAを取得したい」という方におすすめです。

取得必須の単位も会計科目のみなので、比較的条件を満たしやすいといえるでしょう。

【ニューヨークの受験条件・ライセンス取得条件】

項目内容
受験条件・総単位120単位
・会計指定4科目
※FinancialAccounting (upper level)、Taxation、Cost or Management Accounting、Audit (upper level)
ライセンス取得条件・直属の上司であるU.S.CPAの下での会計実務経験
・米国在住&就労ビザ
・4年制大学学位、会計33単位、ビジネス36単位
※会計36単位には、Business/AccountingCommunications、Ethicsand ProfessionalResponsibility、AccountingResearchを含む必要あり。
日本での受験可能
参考:NASBA「New York – Applying for the Uniform CPA Examination」
※スマートフォンでは横にスクロールが可能です。

ただし、ライセンス取得条件には、4年制大学の学位やビジネスの単位、会計実務経験、そして米国在住と就労ビザが含まれ、ライセンス取得条件のハードルはかなり高いといえます。

ライセンス取得も視野に入れている方は、アメリカに移住する予定がある方のみニューヨーク州での出願を選びましょう。

※特定の州では合格実績の他州証明を利用して、出願州とライセンス取得州を変更することが可能です。CPA会計学院のUSCPA講座では、ライセンス取得は比較的ライセンス要件がゆるい「ワシントン州」や「グアム」で行うことを勧めています。

2-3. ワシントン(ライセンス取得条件を満たしやすい)

ワシントンは、4年制大学卒業+総単位120単位+会計24単位+ビジネス24単位を満たす必要があり、受験条件を満たすのは他の州と比べてハードルが高めです。

ただし、「監査法人や会計事務所以外の会計実務経験」でもライセンス取得条件を満たせるのがメリットです。

【ワシントンの受験条件・ライセンス取得条件】

項目内容
受験条件・4年制大学を卒業(学位が必要)
・総単位120単位
・会計24単位(指定科目なし)
・ビジネス24単位(指定科目なし)
※会計単位のうち15単位以上はUpper Division(米国大学の3〜4年次で履修するレベルの単位)であること。
ライセンス取得条件・会計関連の1年以上(2,000 時間)の実務経験
・上記に加え、総単位150単位
※監査法人や会計事務所だけでなく、一般事業会社や政府機関等での会計実務経験(会計業務、予算管理、データ分析、内部監査、税務、経理業務、財務分析、監査業務など)が認められます。
日本での受験可能
参考:NASBA「New York – Applying for the Uniform CPA Examination」
※スマートフォンでは横にスクロールが可能です。

一般事業会社や政府機関等での会計実務経験(会計業務、予算管理、データ分析、内部監査、税務、経理業務、財務分析、監査業務など)でもライセンス取得が認められるため、USCPA試験に合格後、ライセンスを早く取得したい方に向いています

なお、ワシントン州では、他州で出願・合格した人がその合格実績を用いて、ワシントン州のライセンスを取得するということが可能です。

例えば、4年制大学卒業+会計15単位のみで受験できるアラスカ州に出願し、合格した後にワシントン州でライセンスを取得できます。ただし、ライセンス取得申請時点までにワシントン州の学歴条件(不足している会計単位・ビジネス単位・総取得単位)を後付けで取得することが必要です。

アラスカ州に出願→全科目合格後にワシントン州でライセンス取得というルートは、最短でUSCPA取得を進めたい人におすすめのルートです。

2-4. グアム(実務経験なしでInactiveライセンスを取得できる)

グアムは、4年制大学の3年または4年に在籍している方であれば「見込受験制度」を利用できるため、大学在学中でも受験できるのがメリットです。しかしながら、会計24単位・ビジネス24単位などをしっかり取得する必要があります。

【グアムの受験条件・ライセンス取得条件】

項目内容
受験条件・4年制大学卒業の学位・または総取得単位120単位以上
・会計24 単位(すべて Upper レベル・指定 4科目あり)
・ビジネス24 単位 (指定 3科目あり)
※Financial Accounting、Management Accounting、Taxation、Auditing
※Economics(6単位)、Finance(3単位)、Business Law(3単位)
ライセンス取得条件【Activeライセンス】
・総取得単位150単位以上
・1年(2,000時間)以上の会計実務経験
・一般企業・政府系機関・監査法人・会計事務所いずれかでの実務・会計業務・監査証明業務・財務または経営アドバイザリー業務・税務・会計コンサルティングなどの実務経験が認められます。

【Inactiveライセンス】
・総取得単位150単位以上
・実務経験は不要
・名刺にUSCPAについて記載する場合には「Inactive」を併記する必要あり
日本での受験可能
参考:NASBA「New York – Applying for the Uniform CPA Examination」
※スマートフォンでは横にスクロールが可能です。

受験資格を満たすための取得単位数が他の州より多めですが、ライセンス取得条件が緩めなのがメリットです。実務経験がなくても「Inactiveライセンス」を取得できますし、一般企業で1年の会計実務経験を積まれた後、「Activeライセンス」に切り替えることもできます。

ライセンス取得を視野に入れている方は、グアムに出願する選択肢もアリでしょう。

グアムでもワシントン州と同様、合格実績の他州証明を利用して、グアム以外の出願州からライセンス取得州をグアムに変更することが可能です。

2-5. モンタナ(高卒・短大卒でも受験資格を満たせる)

モンタナは、受験条件に「学位要件」と「総取得単位数要件」がないため、指定された会計24科目・ビジネス24単位を取得していれば、高卒、専門学校卒、短大卒の方でも、大学在学中の方でも受験条件を満たせます。

そのため、「大学を卒業していないけれどUSCPA試験を受験したい」という方に最適の州です。

【モンタナの受験条件・ライセンス取得条件】

項目内容
受験条件・会計24科目(すべてUpperレベル・指定4科目あり)
・ビジネス24単位
※Financial Accounting、Cost/Management Accounting、Taxation、Auditing
ライセンス取得条件上記に加えて、
・4年制大学卒業の学位
・総単位150単位
・会計関連の1年以上(2,000時間)の実務経験
(一般事業会社・政府系機関・会計事務所のいずれか)
日本での受験可能
参考:NASBA「New York – Applying for the Uniform CPA Examination」
※スマートフォンでは横にスクロールが可能です。

ただし、ライセンス取得条件には、4年制大学の「学位」が必要(つまり卒業が必須)ですし、実務経験も必要となります。

※特定の州では合格実績の他州証明を利用して、出願州とライセンス取得州を変更することが可能です。CPA会計学院のUSCPA講座では、ライセンス取得は比較的ライセンス要件がゆるい「ワシントン州」や「グアム」で行うことを勧めています。

3. USCPAの受験資格を最速で満たす方法

OKをしている男性の画像です

ここからは、「一刻も早くUSCPAの受験資格を満たしたい」という方に向けて、最速でUSCPAの受験資格を満たす方法について解説していきます。

現状がどの状態にあるかによるので、以下のように現状を場合分けしました。

【USCPA受験資格を最速で満たす方法】

現状USCPA受験資格を最速で満たす方法
4年制大学を卒業している方・不足単位を資格スクールで取得する
(アラスカが最速で満たせる)
4年制大学に在学中の方・在学中・卒業見込みで受験できる州を選ぶ
・大学の授業かUSCPA資格スクールで不足している単位を取得する
高卒・専門学校卒・短大卒の方・モンタナを出願州にする
・会計24科目+ビジネス24単位を資格スクールで取得する
※スマートフォンでは横にスクロールが可能です。

状況ごとに、最速で受験資格を満たす方法を確認してください。

3-1. 4年制大学を卒業している方の場合

既に4年制大学を卒業している場合、5つの全ての州で「学位要件」は満たしています。あとは「単位数」が足りない場合はそれを補えば、受験条件を満たすことができます。

4年制大学を卒業している方

(1)出願したい州の総取得単位数が足りているか確認する
(2)足りていない会計単位・ビジネス単位を、資格スクールで取得する(アラスカは会計15単位)

最速で受験資格を満たしたい場合におすすめなのがアラスカで、追加で「会計15単位」を取得するだけで受験条件を満たすことが可能です。

アラスカ以外の州が良い場合は、総取得単位数(120単位)が足りていることを確認したうえで、会計単位やビジネス単位の要件を満たしましょう。

足りない会計の単位・ビジネスの単位は、USCPA取得をサポートしている資格スクールに通えば、日本でWeb講義を受講しオンラインで単位認定試験に合格することにより取得できます。大学に通い直す必要はありません。

3-2. 4年制大学に在学中の場合

4年制大学に在学中の方は、「大学在学中でも受験できる州(ニューヨーク)」または「卒業見込みで受験できる州(アラスカ・グアム)」を選ぶと、最短で受験条件を満たすことができます。

または、受験条件に「学位」の条件がないモンタナを選ぶのもおすすめです。

4年制大学をもうすぐ卒業する方:要件がゆるいアラスカがおすすめ

  • 卒業に必要な単位数が残り18単位以下なら出願可能
  • 会計15単位を満たしていない場合は、大学で取得するか、資格スクールで取得する

4年制大学に入学したての方:学位・総合単位要件のないモンタナがおすすめ

  • 受験資格で指定されている「会計24科目+ビジネス24科目」を大学で取得する

卒業間近で単位を既にたくさん取っているのか、それともまだ入学して間もなくてほとんど単位を取得していないのかによっても、選ぶべき州が異なります。

入学して間もない場合は、通っている大学で指定されている科目を取得すれば良いですし、間もなく卒業という方は足りない科目だけ資格スクールで取得しても良いでしょう。

3-3. 高卒・専門学校卒・短大卒の方の場合

高卒・専門学校卒・短大卒の方の場合は、以下が最短ルートとなります。

高卒・専門学校卒・短大卒の方:モンタナを選択するのが最速

(1)4年制大学の学位は必要なく総合単位要件もない「モンタナ」を選択する
(2)必要な科目(会計24科目+ビジネス24単位)を資格スクールで取得する

モンタナは大学の「学位」が必要なく、総取得単位数の要件も無いため、大学に通わなくてもUSCPA試験の受験条件を満たせます。

【モンタナの受験条件・ライセンス取得条件】

項目内容
受験条件・会計24科目(すべてUpperレベル・指定4科目あり)
・ビジネス24単位
※Financial Accounting、Cost/Management Accounting、Taxation、Auditing
※スマートフォンでは横にスクロールが可能です。

モンタナ以外の州では、大学にある程度通って一定の単位を取得あるいは4年制大学卒業の学位が必要となるため、モンタナ一択となるでしょう。

4.【状況別】USCPA試験の受験州の選び方

選び方の積み木の画像です

ここまで解説したUSCPAの受験条件とライセンス取得条件を基に、「自分はどこの州に出願すればよいか」を選ぶ方法について解説していきます。

出願する州を選ぶ際には、以下のポイントを総合的に判断して選ぶ必要があります。

(1)現在の学歴(大学を卒業しているか?短大卒や高卒なのか?)

(2)ライセンス登録するか(ライセンスも登録したい?試験合格だけでいいのか?)

(3)ライセンス登録する場合は、実務経験があるか・経験を積むつもりがあるか
なお、当サイトの別記事「USCPA試験における出願州の選び方について解説」では、さらに詳しい選び方をチャート付きで解説しているのでぜひ参考にしてください。

4-1. ライセンス不要の方・最速でUSCPA試験に合格したい方:アラスカがおすすめ

ライセンス取得は考えていない方や、とにかく最速・低コストでUSCPA試験に合格したい方は、アラスカがおすすめです。なぜならば、前述した通り、アラスカの受験条件が最も満たしやすいからです。

アラスカの受験条件は、4年制大学(日本の大学でもOK)を卒業していることと、会計科目の単位を15単位取得していることのみです。

足りない会計単位は、USCPA資格スクールが提携している大学で取得することが可能です(Web講義の受講+オンラインで単位認定試験合格)。

【アラスカの受験条件・ライセンス取得条件】

項目内容
受験条件・4年制大学を卒業(学位が必要)
・会計15単位(指定科目はなし)
※4年制大学在学中の方は、卒業に必要な単位数が残り18単位以下で、会計15単位を取得していれば卒業見込みでも出願可能です。
ライセンス取得条件・直属の上司であるU.S.CPAの下での会計実務経験
・総単位150単位、会計24単位、Bussiness Law3単位、 Economics3単位、 Statistics/ Computer Science/Algebra/Calculus/Mathematicsいずれか3単位
日本での受験可能
※スマートフォンでは横にスクロールが可能です。

例えば、4年制大学卒業の学位をお持ちではあるものの、会計単位をまったくお持ちでない方は、学習開始から半年後にUSCPA試験の受験ができます。
※あくまでも必要単位数は人によって異なります。
※CPA会計学院が提携しているGuam大学では1年を春学期(2~5月・最大4科目)、夏学期(6~8月・最大3科目)、秋学期(9~12月・最大4科目)、冬学期(1月・最大1科目)に分かれ、1年を通じて取得できる科目数の上限は12科目(36単位)までと定められています。

ちなみに、CPA会計学院のUSCPA講座ならば、受講料の中に「提携大学での単位取得」の費用も含まれているので、追加費用がかからず安心です。

4-2. 実務経験なしでライセンスを取得したい方:グアムがおすすめ

実務経験なしでライセンス取得したい場合には、全科目合格後、グアムでInactiveライセンスを取得するのがおすすめです。実務経験なしでライセンス取得できるのは、グアムだけとなります。

ただし、グアムの実務経験なしのライセンスは「Inactiveライセンス」(監査実務を行っていない会計士)ということが分かるよう、名刺に「USCPA-Inactive」と記載することになるので注意しましょう。

まずは「Inactiveライセンス」を取得し、実務経験を積まれてから「Activeライセンス」に切り替えるのもおすすめです。

【グアムの受験条件・ライセンス取得条件】

項目内容
受験条件・4年制大学卒業の学位・または総取得単位120単位以上
・会計 24 単位(すべて Upper レベル・指定 4科目あり)
・ビジネス 24 単位 (指定 3科目あり)
※Financial Accounting、Management Accounting、Taxation、Auditing
※Economics(6単位)、Finance(3単位)、Business Law(3単位)
ライセンス取得条件【Activeライセンス】
・総取得単位150単位以上
・1年(2,000時間)以上の会計実務経験
※一般企業・政府系機関・監査法人・会計事務所いずれかでの実務・会計業務・監査証明業務・財務または経営アドバイザリー業務・税務・会計コンサルティングなどの実務経験が認められます。

【Inactiveライセンス】
・総取得単位150単位以上
・実務経験は不要
・名刺にUSCPAについて記載する場合には「Inactive」を併記する必要あり
日本での受験可能
※スマートフォンでは横にスクロールが可能です。

会計実務経験をお持ちでない方は、全科目合格後にグアムでInactiveライセンスを取得すると良いでしょう。

4-3. 実務経験要件のハードルが低い州を選びたい方:ワシントンがおすすめ

USCPAのライセンス取得までを目指していて、実務経験要件のハードルが低い州を選びたい方には、ワシントンがおすすめです。

ワシントンがおすすめの理由は、監査法人や会計事務所だけでなく、一般事業会社や政府機関等での会計実務経験でもライセンス取得に必要な実務経験と認められるからです(会計業務、予算管理、データ分析、内部監査、税務、経理業務、財務分析、監査業務など)。

USCPA試験合格前の実務経験も「8年以内」であれば認められるため、既に会計業務に従事しているという方はスピーディーにライセンス取得を完了できるでしょう。

【ワシントンの受験条件・ライセンス取得条件】

項目内容
受験条件・4年制大学を卒業(学位が必要)
・総単位120単位
・会計24科目(指定科目なし)
・ビジネス24単位(指定科目なし)
※会計単位のうち15単位以上はUpper Division(米国大学の3〜4年次で履修するレベルの単位)であること。
ライセンス取得条件・会計関連の1年以上(2,000 時間)の実務経験
・上記に加え、総単位150単位
※監査法人や会計事務所だけでなく、一般事業会社や政府機関等での会計実務経験(会計業務、予算管理、データ分析、内部監査、税務、経理業務、財務分析、監査業務など)が認められます。
日本での受験可能
※スマートフォンでは横にスクロールが可能です。

会計業務に従事したことがある方は、ワシントン州ライセンスの取得がおすすめです。

5. 自分に合った州を選んでUSCPAの資格取得を有利に進めよう

パソコンを操作している女性の画像です

ここまで解説した通り、USCPAの受験条件は州ごとに異なっており、状況によっておすすめの出願州が変わってきます。
大学を既に卒業している方の場合には、もっとも受験条件がゆるい「アラスカ州」で試験を受けるのがおすすめです。

ライセンスを取得したい場合には、合格後に「ワシントン州」の受験条件を後付けで満たして、「ワシントン州」でライセンスを取得するというのが王道となります。

ただし、個々の状況ごとにおすすめの出願州は異なってくるため、「自分のケースではどこの出願州を選べばいいの?」と少しでも不安なことがあれば、ぜひCPA会計学院にご相談ください。

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まとめ

本記事では「USCPAの受験条件」について解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。

USCPAの受験条件:学歴要件と単位要件を満たす必要がある

(1)学歴要件:4年制大学を卒業している、または在学中である
(2)単位要件:会計・ビジネスの単位を一定数以上取得している

日本からUSCPAを受験しやすい5つの州

  • アラスカ(最速で受験資格を満たしやすい)
  • ニューヨーク(大学在学中でも受験条件を満たせる)
  • ワシントン(ライセンス取得条件を満たしやすい)
  • グアム(実務経験なしでInactiveライセンスを取得できる)
  • モンタナ(高卒・短大卒でも受験条件を満たせる)

USCPA受験条件を最速で満たす方法

  • 4年制大学を卒業している方:足りていない単位を資格スクールで取得する
  • 4年制大学に在学中の方:在学中・卒業見込みで受験できる州を選ぶ/足りていない単位を資格スクールを経由して取得する
  • 高卒・専門学校卒・短大卒の方:モンタナを出願州に選んで、足りていない単位を資格スクールで取得する

USCPAを最短で取得したい方は、受験条件がゆるいアラスカ州で受験し合格した後、ワシントン州の学歴要件を満たし、ワシントン州ライセンスを取得するのが王道です。

会計単位やビジネス単位が足りない方や、どこに出願するか迷っている方など、何かお困りのことがあればぜひお気軽にご相談ください。

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