35歳で会計士試験に挑戦!他校移籍で監査論6位の上位合格!—山口 和廣 さん

【私が会計士を目指した理由】
この歳でもチャレンジできることを知り、挑戦しようと決めました

――:よろしくお願いします。山口さんは大変お若く見えるのですが、現在は35歳と伺っております。慶應大学商学部を卒業してから11年経ったところですよね?

山口:そうです。

――:2017年に見事会計士試験に合格されて、さらに監査論は6位という素晴らしい成績ですね。

山口:合格までに3年かかりましたが、このような成績が取れて本当に良かったと思います。

――:では大学卒業後、会計士を目指すまではどのような社会生活をされてきたのか教えてください。

山口:大学卒業後、不動産会社の営業職をやっていました。その後、母親が経営している会社にネットショップの運営を頼まれて、そこで働いていました

――:不動産会社の営業職の時代に、会計士とか会計に興味が湧いたのでしょうか?

山口:会計士に全く興味なかったです。当時はまさかその後会計士試験を受験することになるとは思っていませんでした。

――:大学時代も会計士に興味はありませんでしたか?

山口:全く興味なかったですね。会計士という職があることは知っている程度でした。

――:どういうきっかけで会計士を目指し勉強することになったのですか?

山口:前職の母親の会社で、たまたま私は数字に強かったので、財務や労務面などといったバックオフィスを任されるようになりました。そこで会計士に興味を持つようになりました。また、元々投資に興味があり、株式投資をしていたので、自宅で財務諸表を時々読んでいました。読むことは好きだったのですが、もっと深く理解するために勉強が必要だなと思いました。会計士の勉強をすれば資格も取れるし、財務諸表にも詳しくなれるし一石二鳥かな?という動機で会計士の勉強を始めました。

――:失礼な話ですが、年齢的なことを考えると会計士試験を受けることに、勉強する期間も含めて不安はなかったのですか?

山口:もちろん不安はありました。勉強時間の確保や金銭的不安もあるので最初はやるかどうか迷いました。いろいろ調べて、この歳でもチャレンジできることを知り、挑戦しようと決めました。会計士の勉強をすると決めてからは、絶対に受かるんだと思っていたので不安はもうありませんでした。

【他校での学習開始】
勉強を進める中で教材も足りないなと感じたので、一般教材とかも買ってそれを回して勉強していました

――:勉強開始当時は予備校に通っていましたか?

山口:最初は別の予備校で学習を開始しました。

――:通信講座で勉強いていたのですか?

山口:通学で校舎に通っていました。半年くらいその予備校に通っていました。

――:その学校を選んだ理由は何ですか?

山口:水道橋でいろいろな予備校を周った際、たまたま所長さんにご案内してもらいました。短期で受かりたかったので、「社会人なので短期で受かりたい」という話をしました。そうしたら「うちだったら1年で受かれるよ」って話しをいただきまして、その予備校に決めました。

――:実際に勉強始められてから短答式試験受験までどのくらいの期間でしたか?

山口:5ヶ月です。

――:5ヶ月!?ずいぶんと短い期間にガーッと詰めて勉強されたのですね?

山口:そうです。初めての短答受験は短期詰め込み型で勉強していました。

――:結果はいかがでしたか?

山口:全然だめでした(笑)。

――:敗因は何でしたか?

山口:勉強時間がまず足りませんでした。1年で会計士試験に受かるためには、12月の短答式試験に合格するのがベストだと思っていました。12月短答式試験に合格できれば、8月の論文式試験まで勉強時間を確保できるので、短期合格しやすいと考えていましたが、力及びませんでした。

――:そこからどうしましたか?

山口:次の5月短答式試験に向けてもっと勉強しなければいけないなと思ったのですが、通った予備校のカリキュラムが1年間のコースでした。そのため、12月短答式試験向けに短答対策の勉強を半年で終わらせて、そのあとは論文対策の講義や答練に移っていました。まだ自分は論文の勉強をする段階ではないと思っていたので、そこからは校舎には通わず自宅で勉強していました。しかし勉強を進める中で教材も足りないなと感じたので、一般教材とかも買ってそれを回して勉強していました。

――:次の5月短答式試験に備えて、他校と一般教材も含めてご自分で勉強して臨まれたのですね。2回目の5月短答試験の結果はいかがでしたか?

山口:惜しくも1.4%足らずで落ちてしまいました。

【理解ベースの教材と通信生がいつでも質問出来る体制のあるCPAへ移籍】
CPAは電話ですべての教科の先生が相談に乗ってくれると聞いて、そこが決め手になりました

――:やはり不安があってCPAに変えようと思ったのですね?

山口:はい。会計士試験の勉強を開始した時から、Twitterで国見先生のツイートにすごく影響を受けていまして、自分の学習に合いそうだなと感じていました。以前の予備校では教材の網羅性に不足を感じでいたこともあり、国見先生に直接相談をする機会を頂き、CPAへの移籍を決めました。

――:個別受講相談に来校されたのですね。どのような内容を相談しましたか?

山口:僕自身暗記が苦手なので、理解ベースの勉強法についてです。CPAの講義は理解を大切にして進んでいきますし、テキストも理解することを重視して作成しているというお話をしていただきました。

――:ここだったら信じられる。その学校でやってみようと思ったのですね?

山口:そうです。もうひとつCPAに移籍した理由がありまして、それが講師にいつでも相談できるっていう環境です。これが自分にとってはすごく大事だなと思っていました。通信で勉強すると決めていたので、相談ができなくなることが一番心配な部分でした。CPAは電話ですべての教科の先生が相談に乗ってくれる方針だと伺いまして、そこが決め手になりました。

――:実際に電話で質問や相談を利用されたのですね?

山口:はい。全科目の講師の方に一度以上は相談させてもらっています

――:講師に直接相談ができない予備校が多いのが通信学習のデメリットですが、CPAは本当に講師を常駐させていいます。実際に、通信生としてCPAを利用してみて、質問しやすさへの不満を感じたことはありますか?

山口:なかったです。本当にいつ電話しても、すぐに相談させてもらえました。

――:他校ではいつでも好きな時間に質問できる環境の用意はないですね?

山口:そうですね、自由に相談できないですよね。日にちが決まっていたり、自由には相談できないです。今相談したいことがその日にできないのは意外とストレスになるんですよね。

――:通信でやろうと思った理由は何ですか?

山口:家から遠いからです。それだけです(笑)

――:通信だと受験友達ができないので、一人で勉強する不安はありませんでしたか?

山口:一人でやるって決めたら黙々とやれる性格なので、孤独を感じませんでした。

――:CPAへ移籍されたのはいつですか?

山口:5月短答式試験が終わった後の7月です。

――:それから次の12月短答式試験までどのくらいの時間勉強されましたか?

山口:大体1日6時間くらいで、直前1ヶ月は8時間くらい勉強しました。

――:CPAの講義は見ましたか?

山口:圧縮講義を全部見ました。

――:すでに他校で一通りの勉強はされたと思いますが、あえて時間を取って講義を全部見ようと思った理由は何ですか?

山口:当時の僕の知識には網羅性が不足していると感じていたからです。もう一度基礎からしっかりと学ぶ必要があると思いました。また、移籍するということはテキストも変わるということなので、講義を見てCPAのテキストを使って勉強した方が効率的だと思いました。

――:ご自宅でWeb講義を見ながら勉強されたのですね。他方で、答練はどうしていましたか?

山口:郵送で送っていただいたものを自宅で解いて、送り返して採点してもらっていました。

――:講義を見ながらどのタイミングで答練を解くかを工夫していましたか?

山口:答練はためないことです。答練が届いたらすぐ受けて返却していました。

――:自分一人で答練を解くと、まだインプットが間に合ってないからと答練の提出を遅らせるケースが多いように感じますが、万全の状態ではない中でもすぐに答練を受けていたのですか?

山口:はい。3日とか1週間もしないうちに提出していました。答練を自分のペースで解くのではなく、答練にスケジュールを合わせるようにしていました。試験の日程は決まっていますから、「終わっていないからできない」と先延ばしにしてはいけないと思っていました。

――:ペース配分はCPAから郵送されてくるタイミングに委ねられていたのですね?

山口:はい。合格に向けた最善のペースだと信じていました。

【網羅性と重要性のあるテキスト】
十二分に細かい論点まで網羅したテキストになっていて、さらに重要性が付されているので、勉強しやすかったです

――:勉強が進む中で、得意科目や苦手科目はあったのでしょうか?

山口:苦手科目は作らないように意識していました。苦手だなと思う科目は重点的に勉強時間を増やしていたので、あまりなかったです。

――:短答模試はどのように受けていましたか?

山口:模擬試験はCPAの会場へ受けに行きました。やはり臨場感のある中で、受験する経験も必要だと思いました。

――:模試の結果はどうでした?

山口:比較的いい成績が取れていました。

――:順調に実力は上がっていたのですね。網羅性に惹かれて移籍されたと伺いましたが、実際にCPAの教材はいかがでしたか?

山口:圧倒的ですね。十分以上、十二分に細かい論点まで網羅したテキストになっていました。さらに重要性が付されていて、どの順番で勉強するべきかが明確になっているので、厚くて重たいだけのテキストではないところが本当によかったです。

――:CPAの場合、重要性を明示することで、A、B論点を中心に回しC論点は余裕がある場合や高得点を狙う場合に学習できるようになっています。山口さんはこの重要性をどのように活用しましたか?

山口:僕はA、B、C論点全て勉強しました。

――:既に他校で一度勉強しているから、合格を確実にするためにもC論点まで勉強されたのですね?

山口:そうです。CPAに移籍後は問題集を中心に勉強していたので、C論点までやる余裕がありました。

――:問題集は何回転くらいされましたか?

山口:短答問題集は3,4回転くらいです。

――:12月の短答本試験はいかがでしたか?

山口:78%くらい取れました。

――:十分余裕のある得点ですね。受けた瞬間から短答式試験は受かったなと思いましたか?

山口:そんな自信はなかったです(笑)。もしかしたらダメかもしれないと思いながら自己採点してみると、ちゃんと得点できていて安心しました。

【論文式試験に向けた勉強法】
論文対策をする前に一度先生に相談してアドバイスをいただき、学習スケジュールを立てました

――:短答式試験の自己採点後、すぐに論文の勉強にとりかかりましたか?

山口:すぐはできなかったです。1,2週間くらい休んでそこから取り組みました。

――:今度は論文科目である租税法と経営学が新たに加わって、今までの科目の論文対策もしなければいけない中で、どのように勉強を始められましたか?

山口:まずは租税法と経営学を勉強しようと決めてやり始めました。

――:この頃も通信学習でしたか?

山口:通信です。

――:よく企業法は短答式試験と論文式試験で、ガラッと試験問題が変わると言われますが、勉強法など変えたりされましたか?

山口:変えました。企業法は短答と論文で別科目のようだと思いました。企業法は今まで覚えた知識では全く解答が書けなかったので、論文対策をする前に一度先生に相談してアドバイスをいただき、租税法や経営学と同時期から勉強時間を割きました。

――:具体的にどのように勉強しましたか?

山口:論文対策集をまず読んで暗記して、その後テキストに戻って理解する流れで勉強していました。短答式試験のときの理解していた範囲と論文式試験の理解すべき範囲が一致するところもありましたが、違う部分も大きいと思いました。そのため論文式試験で正答となる文章が書けるように理解をし直しました。

――:論文対策集で暗記されたとおっしゃいましたが、どのように暗記しましたか?

山口:文章の流れと構造を暗記しようと努めました。元々暗記は苦手なので文章全文はとても覚えられないので、記述する順番や文の組み立て方を覚えていまいた。

――:暗記した内容を定着させるのに何か工夫はされましたか?

山口:最初に流れを理解して、次に構造を覚えて、あとは問題集を回転させることで、自分で文章書けるまで練習するというやり方をしていました

――:企業法は早い段階から手掛けられたということですが、一通りできるようになったなと感じたのはいつ頃ですか?

山口:2月~3月くらいには問題集を一周終えていました。

――:租税法と経営学も同時期に講義が終わるため、3月くらいには8月の論文式試験に臨むための下準備は出来たのですね?

山口:そうですね。その3科目は比較的早いうちから成績が上がっていたので、このまま勉強して入れば本試験でも得点できるだろうと思っていました。

――:論文受験期になかなか成績が伸びなくて悩んだ科目はありますか?

山口:簿記・管理が伸びなかったです。

――:どうしてですか?

山口:論文科目と企業法に時間をかけていた分、計算は12月に少しだけ勉強して以降ほとんど触れられない状態になっていました。それでどちらも成績はあまりよくなかったです。

――:それをどうやって克服しましたか?

山口:論文科目と企業法は3月である程度全体像が見えてきたので、その後計算科目にも時間を割けるようになり、最終的には上がってきました。

――:4月には論文模試がありますが、成績はいかがでしたか?

山口:4月の模試は悪かったです。

――:何の科目が悪かったのですか?

山口:全体的に悪かったのですが、管理と企業法が間に合わなくてすごく悪かったです。

――:この結果を踏まえて、どのように修正しましたか?

山口:本試験までまだ余裕があると思っていました。見通しが甘かったと痛感しました。計画を見直して、しっかりと間に合うように調整しました。

――:次の論文模試ではその成果はあったのでしょうか?

山口:2回目の成績は良かったです。

【論文式試験の壁】
僕の理解が足りてなかった、本試験で無自覚だった部分が露呈しました。

――:そして迎えた論文本試験を受けてみてどんな手ごたえでしたか?

山口:受かるだろうと思っていました。良い点数とは思わなかったですが、合格ボーダーくらいの点数は取れたんじゃないかという感触でした。でも不合格でした。

――:失礼ですが、どのくらいの成績でしたか?

山口:偏差値51で落ちました。

――:本当に合格ギリギリの成績だったのですね。

山口:短答式試験のときといい、詰めが甘かったですね。

――:敗因は何でしたか?

山口:管理会計論がすごく悪かったです管理と監査論がすごく悪くて、総合偏差値を下げてしまいました。

――:短答時代から苦手意識はあったのですか?

山口:短答式試験まではどちらも得意でした。

――:論文の勉強の際にも、特に苦手意識のあった科目ではなかったですよね?

山口:答練だと点数が取れていたので、苦手意識なかったです。本試験で無自覚だった部分が露呈しました。特に監査論は他の科目と違って考えさせる問題が多く、暗記ですまない問題だと齊藤先生がよくおっしゃっていました。覚えたものを書くという試験ではないという先生の指摘を痛感しました。僕の理解が足りてなかったです。

――:租税法・経営学の論文科目はいかがでしたか?

山口:経営学は科目免除を獲得できました。

――:ちなみに8月の本試験の直前の勉強時間はどのくらい取っていましたか?

山口:直前だけ8時間くらいやりました。

――:受験後は受かっただろうという自信があったと仰ってましたが、結果が出てへこみませんでしたか?

山口:へこみました(笑)。

――:どうやって気持ちを立て直したのですしか?

山口:とりあえず落ちた日に仲良かった友達と集まって、次の日の朝まで飲み明かしました。そしてここまでやってきたのに、今やめてしまったら全てが無駄になると思ったので、あと一年頑張ろうと決意しました。

【通学に切り替えての学習】
友達と一緒にランチ食べたりとかできるので、息抜きや気分転換になりました

――:次の論文式試験に向けて何かやり方を変えましたか?

山口:通学で勉強することにしました。

――:どうして通学にしようと思ったのですか?

山口:一年間のモチベーションをひとりで維持できるか不安だったことが理由です。あとはCPAに友達ができたので、校舎に通いながら勉強すれば友達と競い合ったりしてモチベーションも維持できると思って、通学にしました。

――:その友人はどのように知り合ったのですか?

山口:CPA主催のオフィスツアーで仲良くなりました。

――:通学と通信を両方経験している人は少ないのですが、何か違いはありましたか?

山口:通学は楽しかったです。

――:具体的に何が楽しかったですか?

山口:友達と一緒にランチ食べたりとかできるので、息抜きや気分転換になりました。

――:通学に切り替えて、CPAに何時に来て何時に帰る生活をしていましたか?

山口:校舎に行くのは午後2時から4時くらいに来ていました朝から校舎に来ている人もいましたが、僕は夜型なので校舎が閉まる夜9時半までいました。

――:自宅では勉強していましたか?

山口:いえ、通学に変えてからは、自宅ではしなかったです。

【監査論6位の勉強方法】
暗記したことを吐き出すのではなく、問われた内容を自分の言葉で伝える力が身につけることが大切です

――:管理会計論と監査論が足を引っ張って不合格となってしまったということでしたが、特にその科目を2年目は力を入れたのですか?

山口:力を入れました。管理は圧縮講義を全て聞き直して、テキストをしっかり理解ベースで一周させました。

――:全てやり直したのですか?

山口:一から全部例題も解き直しました。

――:監査論はどのように勉強しましたか?

山口:監査論もテキストをしっかり一個一個理解する観点に立ち直って読みました。

――:監査論は、合格する年には本試験6位という成績をあげていますが、何か効果的な学習方法がつかめましたか?

山口:監査論の勉強で良かったなと思うのは、答練の復習に力を入れたことです。答練は理解をしっかりしてないと書けません。そのため答案を見てから解説を読むことを他の科目に比べて重点的にやったことで本試験でも書きやすくなりました。

――:CPAの監査論の答練は、考えさせる問題が多く出ているので、表面的に理解するのではなくもう一回復習するためにしっかり読み込んで理解しておくと、本試験で初見の問題にも対応できるということですね?

山口:はい。暗記したことを吐き出すのではなく、問われた内容を自分の言葉で伝える力が身につきました。

――:その他2度目の論文受験で自分なりに気を付けてきたこと、取り組んだことはありますか?

山口:1回目の論文受験時は理解したつもりだったんだなと感じました。短答式試験用の理解で論文式試験に挑んでしまったという印象です。短答式試験に必要な理解と論文式試験で記述できることは違う部分があると思いました。しっかり論文式試験で記述できる、深い理解を意識して今年は勉強しました。

――:具体的に短答式試験と論文式試験の理解はどのように異なりますか?

山口:短答式試験は正誤判断なのでベースとなる理解があって、多少あやふやな部分があっても選択肢を比較して解答を導き出すことができます。でも論文式試験の場合は、理由を文章で書けないと点数が得られないので、キーワードを正確にアウトプットする必要があります。論文式試験は引っ掛けポイントのような部分的な理解ではなく、総括的な理解をした上での暗記が必要です。

――:では理解重視という原点に返って、もう一度深く理解しようと勉強を進めたのですね?

山口:そうです。

――:2年目の論文模試を受けてみて手ごたえはどうでしたか?

山口:はい。論文模試1回目は10位でした。2回目は勉強量が減ってしまっていたので、30位くらいでした。でも十分に手応えを感じました。

――:その結果をもって受験した2回目の論文式本試験の手応えはいかがでしたか?

山口:去年と同じく受かったなって思いました(笑)。ただ、去年も同じように自信があったにもかかわらず落ちてしまったので、心配ではありました。

――:今年は監査論と管理に関して、手ごたえはありましたか?

山口:去年よりも全然ありました(笑)。

――:合格発表日はどう迎えられましたか?

山口:去年落ちたときに朝まで飲んだ友達と一緒に見に行きました。

――:お友達も無事合格されていましたか?

山口:そうですね。今回は仲のいい友達みんな受かりました。

――:モチベーションも含めていろいろつらい気持ちを一緒に超えられた一生の友達ですね。

山口:はい。よい仲間に巡り会えました。

【会計士受験での反省】
正直なところ、最初からCPAに入学していたら2年で合格できたと思います

――:勉強しているときに、なかなか成績が伸びないスランプとかありましたか?

山口:思ったよりも試験範囲が膨大だなって、始めてすぐに思いました。この量を期間内に学習し終えて、覚えられるのだろうかと不安になったことがあります。あと1回目の論文受験時に、自分では勉強していたつもりでしたが周りもすごく勉強されてるので、成績が思うように上がらなかった時期がありましたその時は色々悩んだり、焦りました。

――:論文2年目は焦りとかありましたか?

山口:なかったです。勉強量もあまり多くなかったので楽しくできました。

――:これから受験する人からすると羨ましいコメントですね(笑)。

山口:僕の場合、合格までに3年かかっているので、本当は2年でいきたかったなって気持ちはありました

――:3年かかってしまったとおっしゃいましたが、2年で合格するためには何が足りなかったと思いますか?

山口:正直なところ、最初からCPAに入学していたら2年で合格できたと思います。あとは学習1年目に勉強時間をもう少し増やすべきだったなという反省もあります。

――:勉強開始時からCPAへ入学していたら何が変わっていたと思いますか?

山口:どうしても予備校を変えると2回もテキストへ書き込みをする必要があったり、講義も2度視聴することになります。計算の解法も予備校によって若干の違いがありますし、同じ論点を覚え直す必要もありません。同じ予備校に通っていれば、そういう時間はカットできたなと思います。

【私のテキスト活用方法】
成績上位者のテキストを参考にどこまで勉強すればいいのかを学びました

――:今度は教材に関しての質問に移らせていただきます。すごくテキストに書きこまれているのですが、図はどんな活用をされましたか?

山口:2回目の論文受験のときに、監査論の実力不足を強化しようと、一昨年の総合順位3位合格者のテキストを参考にさせていただきました。すごくたくさんの書き込みがあって、それを全部写しました。写しながら精読して理解をしました。

――:優秀な人のテキストに書いてあることは勉強になりましたか?

山口:なります。講義で齊藤先生の話していたことがびっしり書いてあったので、理解が深まったのと同時に、自分の理解が薄かったと実感しました。僕は学習経験者向けの圧縮講義を見ていましたが、実は初学者が学ぶような理解が漏れていたことに気付かされました。講義も1.5倍速度で聞いていて、短答受験の時に視聴したきりだったため、聞き逃しや記憶に残っていなかった部分も多くありました。

――:ここまで理解しとかないとダメなのだな、ということを3位の人の書き写しながら勉強になったということですね?

山口:とても勉強になりました。あと視覚の効果をすごく使っているなと思いましたね。たとえば覚えるところを赤でマークして、それ以外にも色ペンでグルグル巻いていたりしていました。パッと見たときに、どこを読まなきゃいけないとか、一番重要だなというところが目につくのでわかりやすかったです。模写するのにとても時間かかりましたが、勉強方法がわからない人とかはできる人のテキストを見た方がいいと思います。

――:優秀者の使ったものを使うというのは、ある意味合格への近道かもしれないですね。色合いも真似て同じ色にしましたか?

山口:上巻は色まで真似ました(笑)。

――:みなさん工夫されていますね

山口:そうですね。2回目の論文受験の時は理解することに重点的に時間をかけようと思っていたので、テキストへの加工も2回目の方が力を入れていました。

【将来の会計士像】
社会人経験を活かした会計士として活躍していきます

――:山口さんは今年無事合格ましたが、今後どのようなお仕事に就かれますか?監査法人に就職されるのですか?

山口:監査法人に就職が決まりました。

――:お母様の仕事もあるのでそちらを引き継ぐのかなと思いました。

山口:せっかく会計士に合格できたので、監査法人へ就職しようと思いました。

福岡:どちらの監査法人へ行かれるのですか?

山口:KPMGあずさ監査法人です。

――:山口さんがあずさ監査法人を選んだ理由はなんでしょうか?

山口:最終的には人に惹かれて選びました。合格後、いろんな法人の方とお会いして、面接も4社受けました。その中で、あずさ監査法人でお話を伺った方が、とても魅力的で尊敬できる方が多い印象を受けましたどの監査法人も監査業務の仕事そのものは変わらないので、だったら一緒にやりたいと思える人が多いところで働こうと思い決めました。

――:山口さんは今後どんな会計士になっていこうと思っていますか?

山口:国際的に活躍できる会計士になりたいです。前職で営業をやっていたので、その強みも活かしていきたいです。

――:本当に合格おめでとうございました。本日はありがとうございました。