通信で働きながら合格するには、この試験は覚えたら絶対できるという自信を持っておかないと無理だと思います。


――:山本晃佑さん、よろしくおねがいします。
受講されたコースが上級論文マスターコースですけれども、ここまでの勉強の流れといいますか、どのようなかたちで、いつから学習を開始したのかなどを教えてください。

山本:学習を開始したのは大学2年生の秋で、他校に通いました。2年コースで、3回生の12月に初めて短答式試験を受ける流れになっていました。
大学3年生のときの12月の短答式試験は落ちてしまって、大学4年生の5月に受かったんですけれども、その年の論文式試験は不合格になってしまいました。就職もあるのでどうしようかなと思っていたときに、監査法人のトレーニー採用があったので、働きながら勉強しようと決めました。それで、8月に落ちたタイミングで、CPAの上級論文マスターコースに入ったという流れです。

――:CPAにしようと思ったきっかけは何ですか?

山本:働きながら勉強するにあたって、通学では絶対無理だと思ったからです。授業や、受けられる答練をただ受けるだけになると思ったので、通信で一番充実しているのはどこだろうと考えました。CPAの通信スタイルだったら、圧縮講義、レギュラー講義などいろいろなバリエーションがある中で、各科目、自分のレベルに応じて受講できるのかなと思ったので、CPAに決めました。それが一番大きかったです。そのほかに、有名な講師である池邉先生や渡辺先生が入ってきて勢いがあったので、それにあやかりたいなという思いもありました。

――:講義はどのような感じで受講されていましたか?この科目は圧縮講義で、この科目はレギュラー講義でなど、もしあれば教えてください。

山本:他校で学習した知識はあると思ったので、企業法と監査の講義は受けませんでした。財務と管理の論文対策講義は受講しました。租税は、正直な話あまり勉強していなくて、5月と8月の試験でボーダーぎりぎりだったので、試験中はただ座っていただけみたいな感じになってしまいました。それでも、髙野先生が「租税は圧縮講義でも十分」とおっしゃっていて、時間の制約もあったので、圧縮講義を見ました。経営は、最初からレギュラー講義を受講しました。

――:財務の計算はどうされましたか?

山本:管理と財務の計算は、コンプリートトレーニングで押さえました。

――:それぞれ受けてみた感想をお伺いできればと思います。まず、論文対策講義についてですけれども、この講義は、実は去年、渡辺先生、池邉先生が移籍されてから初めて実施したものになるんです。本当に、論文式試験対策だけに特化した講義というかたちになっていたと思うんですけれども、受けてみてどうでしたか?

山本:良かったと思います。膨大な範囲の中で、論文式試験に出てくる典型的な論点を授業で教えてくれるので、学習すべきポイントが分かって、より効率的に試験対策ができたのかなという印象はあります。暗記すべきポイントが明確になったので、あとはそこを覚えるだけというように、メリハリもつきました。

――:租税と経営はどうでしたか?

山本:租税は圧縮講義を受けて、あとは、ずっと基礎答練をやっていました。上級答練は、直前答練まではあまり時間がなくて、理論だけとりあえず解いたんですけれども、計算は時間配分のために、何回かのうちからピックアップして解いたという感じになってしまいました。ただ、基礎答練の内容は、完璧に覚えようという意識でやっていました。最後の1週間もそれしかやりませんでした。それで、情報をコンパクトサマリーに集約するというような感じでやりました。

――:圧縮講義でも、普通についていけましたか?

山本:大丈夫でした。特に困ったところはありません。

――:経営はどうですか?

山本:経営は、授業を受けて、問題集を解いて、分からなかった箇所だけチェックして解き直すという感じでやっていました。理論が好きで、モチベーションにつながるところがあったので、時間を割いてやっていました。

――:科目間のバランスということで、時間配分としては、経営は本当に最低限やっていたというイメージですか?

山本:全部同じぐらいだったと思います。ただ租税は、基礎答練についてだけなんですけれども、かなり時間をかけていたイメージがあります。平日働いているので、勉強量が少ないんです。学習時間は平日4時間なんですけれども、ここで講義を受けたらとても眠くなってしまって何も見れないんです。だから仕事後は、ほとんど経営と租税の計算をやって、週末に、財務の論文対策講義や、租税・経営の講義をやっていました。

――:基本的に、お仕事から帰られてからは計算中心にされていたということですね。

山本:はい、租税は計算中心にやっていました。

――:租税に加えて経営学もですか?

山本:もちろんです。けれども、一番は租税をやっていました。

――:平日も、コンスタントに毎日4時間ぐらい学習されていたのですか?

山本:毎日ではなくて、やらない日はやらないと決めていました。疲れ過ぎて、2週間に2日ぐらいは何もしない日はありました。例えば金曜日に、適度に休憩を入れながらという感じです。

――:2週間に2日ぐらいで済むのというはすごいですね。

山本:複線型といって週4日勤務だったんです。金曜日が休みだったので、木曜日はいいかという気持ちでやって、平日の残り4日のうち3日は勉強するという感じでした。

――:トレーニー自体は大阪事務所でやられていて、残業はなかったのですか?

山本:残業はありませんでした。禁止されている感じです。

――:基本的に、コンスタントに平日4時間ぐらい勉強して、休むときは休むというかたちですね。トレーニーをしていて、同じ境遇の方もいらっしゃいましたか?

山本:はい。

――:通信生の場合、周りにあまり勉強仲間がいないというのもかなり聞きます。山本さんは他校で学習されていたので、そのときの仲間がいらっしゃいましたか?

山本:自習室を借りてそこで一人でやっていたので、特に勉強仲間はいませんでした。不安になったら、例えば、講師の方に質問したり、メンタル面が不安定になったときに、国見先生のTwitterを見て自分を励ましたりということをやっていた気はします。あとは、職場のJ1(監査法人入社1年目)の子に元気をもらったりしていました。

――:基本的に、仲間と一緒に勉強するという感じではなかったのですね。

山本:そういうことはなくて、一人でやっていました。

――:講師への質問は、電話でされていたのですか?

山本:はい。待機時間に時間を見計らって質問していました。

――:質問制度はどうでしたか?

山本:良かったです。

――:充実していたという印象ですか?

山本:通信でも電話でお答えしてくれるので、非常にありがたかったです。

――:基本的に、質問は電話やメールでできるんですけれども、電話が多かったですか?

山本:電話がほとんどでした。気になったら早くという感じです。

――:割と、電話派とメール派に分かれるんです。メール派の方はメールでしか質問しなかったり、電話派の方だと電話のみだったりします。あとはTwitterですね。

山本:急がないときなどは、Twitterで質問していたこともあります。

――:確かにちょっとした質問などは、TwitterのDMでも質問できますよね。

――:次に、教材を少し拝見させていただいてもよろしいですか?

山本:財務と管理は、ベースの論文対策講義に、そのレジュメも入ってきました。監査は、今は開講されているんですけれども、僕のときは論文対策講義はありませんでした。

――:監査は、講義を聞いていらっしゃらないんですよね。

山本:はい。答練の解説で重要なポイントをおっしゃってくれるので、それを解釈していました。そうすると、もう一回テキストに戻ったときに、ここは絶対大事だなというポイントが感覚的に分かるようになったんです。それで、テキストに線を引いていって、要らないところはずばっと切ったりしていました。

――:講義を受講しなかった代わりに、答練の解説でしっかりとチェックして、それをテキストに反映していくという流れですね。

山本:監査は、そのようにしていました。監査の成績が一番良かったので、それが功を奏したのかなと思います。

――:答練はまさしく論文式試験対策だけ扱っているので、そこで必要なエッセンスを解説でやっています。それをテキストに反映していけば、メリハリをつけて勉強できると思うので、いい勉強法だと思います。

山本:こうやって要らないところは斜線を引いて、絶対もう見ないようにしようとしていました。不要なところは完全に、ずばっと切ってやっていました。

――:他校から移籍される方は、テキストが変わってしまうことを割と嫌がるんです。普通は論文対策講義などを受講されるので、そのように講義を受講されるのであれば、当然、新しいテキストを使っていくしかないんですけれども、監査のように講義を受講しなかった科目について、抵抗はありませんでしたか?

山本:僕は、特になかったです。

――:テキストが変わってしまうことに関しては、すんなり移行できましたか?

山本:結局は同じ科目なので、逆に新鮮な気分でやることができました。監査論に関してはとても細かくて、他校を悪く言いたくはないんですけれども、これでいけるなという感じもあったので、逆に安心できた科目もあります。

――:そこがスタンスの違いで、たぶん他校は、本当に最低限の内容をテキストで扱って、あとは先生ごとにレジュメを作って補完するというシステムになっていると思うんですけれども、うちの場合は全部ここに集約するかたちになっているので、そこの違いかなと思います。

山本:逆に、どういうことだろうと思ったことを他校のテキストで見て、そうするともちろん違う表現で書かれているので、照らし合わせることで理解できた箇所もいくつかあった気がします。そういう点では、メリットにはなるのかなと思います。デメリットはあまり感じませんでした。

――:いろいろな表現がされているので、そこを照合することで逆に理解が深まる側面もあったという感じですね。企業法はどうでしたか?

山本:企業法は、論文対策問題集を使っていました。最初に、論文式試験対策するぞというときに、どうやったらいいだろうという思いが一番強い科目でした。
結局は、答案に書かれている中で、法律の制度趣旨や、ここは絶対暗記しないと駄目だろうなというところ、それから論証の中で、この条文を使うときには絶対使うフレーズがあるので、そこを論証で覚えていきました。それから論文対策問題集をベースにやって、趣旨や他にも覚えていたほうがいいなと思うところを、テキストに戻って確認するというような流れでやっていました。

――:そうすると企業法も、論文対策問題集と答練で、頻繁に出るフレーズなどを覚えていったという感じですね。

山本:条文集はページをめくるのが面倒だったので、50条ずつ付箋を貼っていって、50条、100条、150条、200条とか、めくるとすぐ引けるようにしました。そうすることで、かなり引くことに抵抗がなくなったので、良かったと思います。

――:条文集自体を加工したということですね。

山本:企業法はそんなに変わらないと思うので、過年度の条文集に付箋を貼って、まっさらなものをもう1冊置いておくような感じでやっていました。

――:条例集を自習用と答練用に分けて、それぞれ使っていたんですね。答練を、しっかりとうまく使っている感じがします。

山本:監査に関しては、答練が良かったなと思っています。

――:監査は時制をかなり出している感じなので、そこで実力はつくのかなと思います。

――:では、勉強していく中での工夫をお聞かせいただければと思います。やはり得意科目、苦手科目があると思うんです。受講生さんが、勉強するときについやってしまって不安に思ったりするのが、得意科目のほうがやっていて楽しいのでそちらをやってしまって、苦手科目は少しないがしろになってしまうなど、バランスを取るのが難しいところがあると思うんですけれども、そのあたりで何か工夫はされていましたか?

山本:僕の場合、まずは苦手科目も、絶対に自分は苦手と思わないようにしました。ただ単にまだ学習量が足りないだけだというマインドを持ってやっていたので、租税で全然計算ができなかったとしても、まだこれは覚えていないだけだと思うようにしました。けれども次の日に、その悔しさを持って、勉強時間のうち8割ぐらいを租税に費やすこともありました。
論文式試験はバランスが大事だと思うんですが、逆に、苦手分野を1〜3日かけてとことん潰していくのも、長期的に考えたらバランスが取れると思ったので、その時点で学習量が足りていないと思うところを数日で潰していったりしていました。

――:その気持ちの持ち方は大事ですね。

山本:この試験は、覚えたら絶対できるという自信を持っておかないと無理だと思うんです。これは、ただ単に自分が今知らないだけだと思うようにして、特に苦手とは考えずにやっていました。

――:やってもできないというか、自分の能力的にどうせ厳しいだろうという感じでいくと、どうしてもそこから先に進めなくなってしまうんですけれども、そういうことは特に関係なくて、やり続ければ最終的にはできるようになるという気持ちを持ってやっていくことができれば、苦手科目も苦手と思わなくなっていくというのは非常にいい気持ちの持ち方だと思います。

山本:論文式試験で、経営・財務の計算、総合問題など、どこまでできれば合格ラインなのか明確にしておかないと、心が折れそうになってしまいます。解答に振られているAとBのランクだけを見て、ここだけ合わせたらいいんだと思ってそこだけ復習するというように、合格ラインを明確にしてやっていました。

――:答練は、最後に講評があると思うんですけれども、それは見ていましたか?

山本:講評は見ていました。科目によると思うんですけれども、分からなかったところは、「これみんなは分かっているのかな」と思って見ていました。管理の計算の講評は、ここはできていなかったな、逆にここは取らないと駄目だなというように、よく見ていました。

――:講評に問題ごとの正答率が出ているので、メリハリはつけやすかったですか?

山本:平均点を絶対に見て、合格者のラインを明確にした上で、ハードルを高く持ち過ぎず、程良いラインで持つようにしていました。講評では各小問のパーセンテージも出ていてとても良かったので、頻繁に見ていた気がします。

――:あれも今年から始めたんです。講師が解説で、よく「これ取ってください」と言うと思うんですけれども、あれは解説を事前に収録しているので、まだ受講生さんがどれぐらいできるのか分かっていない段階で話しているんです。そこを、こちらとしては講評で修正しているようなイメージなので、こちらが「取ってください」と言った問題でも、正答率が低いのであれば取らなくてもいい問題もあるので、しっかり活用していただくと、とてもいいと思います。そういう趣旨で、講評で正答率を出しています。

山本:あれは良かったと思います。

――:話が戻ってしまうんですけれども、答練を中心にやられていて、提出はされていましたか?

山本:あまりしませんでした。時間もなかったですし、その前に、あの知識量で解いてもただ単に時間が過ぎるだけだなと思っていたところもありました。ある程度うしろのほうにまとめて解こうと思っていたので、提出は数回ぐらいしかしていません。

――:社会人で時間も限られているので、問題を見て、こんなことを書けばいいかなという感じで解説を見て、あとは解説講義でポイントを押さえていくというように回していたのですか?

山本:監査と企業法に関しては、ある程度基礎的な部分ができていたので、時間を計らずに、最初に見たときにぱっと書くべきポイントが浮かぶかというのを見て、それを1答練40分ぐらいでやっていました。文章には起こさずに解答を見て「ポイントは合っている、ずれていない」ということを意識してやっていました。あとは、足りなかった点を暗記していました。
本当は、時間を計って受けるのが一番いいんですけれども、それよりまだ他に覚えることがあるのではないかと思っていました。

――:当然、制限時間を計って問題を解いて、解いていく中であがいたりして、そこで得られるものもあると思うので、実際に解くのが理想形ではあります。ただ、全部の答練を解きましょうというのは、学習専念者にとってはいいんですけれども、働きながらとなると、それほど現実的ではなかったりするので、そういう方がどうやってショートカットしてやっているのかなということが、とても大事な情報なんです。
確かに実際に書かなくても、書くべきポイントや方向性さえ合わせることができれば、大部分点数はくるので、そこをチェックしていくのは、方針としてはとてもいいと思います。

山本:財務に関しては、最初から理論と計算を分けていました。理論は、企業法と監査と同じように、ポイントがずれていないかだけ追いかけていって、計算は、ある程度どこまで解けるのか時間を計ってやっていました。
租税の上級・直前答練は、迷う時間も含めてだと思うのできちんと計ってやっていました。経営は、答練自体にそれほど時間がかからないので、普通に解いて答え合わせという流れでやっていました。管理も、租税と同じように、時間はともあれ普通に解いていました。

――:管理は、あまり理論と計算を分けずにやっていましたか?

山本:はい。

――:今のお話と関連して、社会人の方の場合、どうしても時間を捻出するのはかなり大変だと思います。やり方として、休みなどを削って時間自体を増やして勉強に充てていく作戦と、今のように、本来、問題を全部解くべきところをショートカットして、その中で最大の効果を発揮するようにやっていく、やることの中で削れる部分を削っていく作戦の2つがあると思うんですけれども、どちらのほうが多かったですか?

山本:僕は、後者のほうです。

――:やり方を変えて時間を減らすほうですね。

――:答練に関するお話以外だと、どのような工夫をされていましたか?

山本:財務と管理の論文対策講義に関してなんですけれども、長期休暇が6月の頭ぐらいから論文式試験まであって、8月までの2ヶ月あまりの間に追い込もうと思っていたので、それまでの期間までにインプットは済ませるようにしていました。その2ヶ月はただ単に新知識を入れたくなくて、ひたすら回転でいきたかったので、それまでにとりあえず講義は全部消化したいなと思いました。
財務と管理の論文対策講義を、例えば第1講を受講しても、すぐ復習をせずにとりあえず消化していって、6月頭を越えたときに最後に回していく感じです。1回中断して復習に時間を取ったりせず、とりあえず通しでやって、最後に復習を持っていったというのがかなり荒技なんですけれども、それをやりました。

――:そうすると、講義中にメモをたくさん取ったのですか?

山本:はい、メモを取りました。

――:6月以降の休暇があることを見据えて、それまでの期間はとりあえず講義を聞いて、テキストの下読みのようなことを短期間にして、長期休暇の間にひたすら回すという感じですか?

山本:はい、経営もそうでした。

――:復習するのは時間がかかる上に、維持するのもやはり時間がかかりますよね。

山本:すぐ復習したところで飛んでしまったら何も意味がないので、とりあえず前にいこうと思ってやりました。

――:それも、時間が取れる人向けの学習方法ではあるんです。時間が取れるのであれば、最後に維持していくというところは、それほど時間はかからないといえばかからないので、いいと思います。ただ時間が取れない方だと、講義を受講して、復習して、それで1週間が終わってしまうので、なかなか次に進めなないことになります。

山本:とりあえず1周いこうということを、かなり意識してやっていました。

――:トレーニー制度は、直前期に休暇がたくさん取れるのでやはりいいですね。

山本:ただ最後のほう、ラスト1週間前とかはもう不安で泣きそうでした。

――:やはり不安だったでしょう。

山本:やはり模試とかを受けるととても不安になります。通信生なので模試を受けることがなかったし、同じ緊張感で受けるわけではないので、模試は、2回目となる論文式試験前に他校に行って、みんなと同じようにその場に座って受けるという練習もしました。
だいたい7月頭ぐらいに模試があるので、成績もそれほど振るわない中、「まだいける」と自分を煽って、本当に最後の最後まで諦めずに、最後は希望を手繰り寄せる感じでした。

――:確かにマインドはとても大事ですよね。苦手とは思わないとか、ただ単に自分のやっている量が足りないだけだと思うとか、あとは模試の成績も、今は届いていないけれども残り1〜2ヶ月で届くようにすることはできるという気持ちを持ってやっていくとか、そういった気持ちの持ちようで実際に勉強する量も変わってきたりするので、かなりうまくメンタル面でのコントロールはできていたのかなという印象を受けました。

山本:メンタルが不安なときは、お香を焚いたりしていました(笑)。

――:気持ちを落ち着けるためですか?
試験会場でお香の匂いするという方は、自分が受験したときもいました(笑)。

山本:7月ぐらいに楽天市場で買って、取り寄せて、ずっとやっていました。

――:CPAで学習されていて、あったほうがいいものや、こういうものが欲しかったと思うことはありますか?

山本:通信だったので、模試ぐらいは会場受験をやってほしかったなというのが正直なところです。

――:校舎の近くにお住まいの方は確かにいいんですけれども、他の地域にお住みの方はどうしてもできないので、実際のところ難しいです。

山本:合格体験記にも書いたんですけれども、講師の方との距離が近いというのが一番のメリットだと思います。できないところなども本音で言ってくれるし、受験生のことを分かってくれている感じがします。
監査も、論文式試験に特化した論文対策講義ができたし、僕は会社でも、リクルートの人に「絶対CPAが一番なんじゃないか」という話をしています。悪いところは特に思いつきません。

――:逆に、通信生の場合は、電話などで質問して講師と関わらないとメリットが享受できないので、そこはやはり意識してされたほうがいいと思いますか?

山本:質問することによって、どこが分かっていないか洗い出された気もするので、お勧めします。

――:最後に、これから会計士試験を目指す方へのメッセージをお願いします。

山本:僕は通信で一人で勉強していたんですけれども、親や友人もそうですし、もちろん会社の人など周りの人の期待に応えるということは、とても喜ばしいことだと思いました。
もちろんとてもつらいんですけれども、それ相応の達成感や充実感、何よりこの難関試験を乗り切ったという自信が、今後の人生にいい影響を与えていくのかなということは感じます。

――:インタビューは以上で終わりです。通信生の方と話す機会はあまりなくて、今回、大阪梅田校ができたので、梅田近辺にお住まいの方ということで伺わせていただきました。本当に貴重なお話が聞けてこちらとしても、今後の教務面や、受講生さんに対するフォロー体制の見直しに、ぜひこちらを生かしていきたいと思います。ありがとうございました。

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