【令和5年 公認会計士試験合格】 元プロ野球選手 CPA会計学院 池田駿 講師 特別インタビュー

※左からCPA会計学院の国見代表、池田講師

令和5年公認会計士試験で合格された、CPA会計学院 池田駿講師へプロ野球選手から会計士を目指した理由、学習方法等をCPA会計学院の国見代表がインタビューしました。

池田 駿 講師プロフィール

1992年新潟県生まれ|新潟明訓高校にて甲子園出場|専修大学からヤマハ社会人野球へ
2016年に読売ジャイアンツからドラフト4位指名。2017年からプロ野球選手として読売ジャイアンツ、楽天イーグルスにて活躍、2021年任意引退
2023年公認会計士試験合格、現在は受講したCPA会計学院の講師として活躍中

池田駿講師のプロ野球時代の画像

プロ野球選手から公認会計士を目指そうと思ったきっかけを教えてください。

池田
プロ野球選手として活動している間、個人事業主として税理士さんに確定申告を依頼していました。いつかの年末年始に税理士さんのオフィスを訪れた時、税金について勉強させてもらったんですよね。その時税金っておもしろいなと思って、引退したら税理士になって、将来はプロ野球選手の確定申告をする側に立ちたいと思うようになりました。 ただ、税理士になるための受験資格がいくつかあって、僕の場合特に年齢が問題でした。受験資格を満たすまで時間もかかりますし、その間に年齢が進むことを考えて、公認会計士の資格を目指すことにしました。公認会計士になれば税理士にも登録することができると知ったので。

国見
満たしていなかった受験資格は他にもあったんですか?

池田
もうあまり覚えていないんですが、簿記の資格とか、特定の学部を卒業している必要があったりとか、色々あった気がします。僕の場合、それらの条件を満たしてなかったんです。公認会計士の資格取得は非常に難しいと聞いていたんですが、受験資格に特別な制約がなかったので、チャレンジすることに決めました。

国見
そうだったんですね。ちょうど令和5年から税理士試験の受験資格制限が緩和されたので、もし数年後だったら税理士になっていたかもしれませんね。

池田
その可能性は十分にありますね。

国見
野球業界以外の職種をセカンドキャリアとして選択することに葛藤みたいなものはありましたか?

池田
そうですね。プロ野球選手としてのセカンドキャリアとしては、球団職員として子供たちに野球を教える選択肢や、スカウト、スコアラーといった仕事がありました。もちろんどれも素晴らしい仕事ではあるんですが、野球業界の中に限られるので選択肢としては狭いなと感じていました。ただ僕も年齢も年齢だったので、これから一般企業に就職する自信も無く、そうなってくるとやっぱり専門職が良いなと思って、引退する年のキャンプの時から公認会計士の勉強を始めました。

国見
なるほど、当初は税理士としてプロ野球選手の確定申告をやりたいって気持ちで公認会計士を目指し始めたと思うんですが、結果としてCPAの講師というキャリアを選んだのにはどういう経緯があったんですか?

池田
短答式試験に合格するまでは税理士になることを目標としていたんですが、論文式試験の勉強を進める中で、CPAの講師の方たちかっこいいなと思ったんですよね。高校時代に数学教師になりたいと思っていたこともあって、改めて講師の仕事に魅力を感じたんです。なのでその時くらいから公認会計士の試験に合格したら講師になれたらいいなと思い始めて、それからは講師になる目標をモチベーションにして論文式試験まで頑張っていました。

国見
なるほど、高校時代に数学教師になりたいと思っていたのは何かきっかけがあったんですか?

池田
単純に数学が大好きだったんです。授業中に自分で図形を描いたり、面積を計算したりしていました。結構ありとあらゆる場面で数学のことを考えたりしてるくらい好きだったので、それもあって数学教師になりたいと思っていました。

国見
本当に数学が好きだったんですね。では、今後なりたい講師像はありますか?

池田
僕は29歳で公認会計士の勉強を始めたんですが、野球しかしてこなかった僕でも、努力次第で公認会計士になれるんですよね。そういうキャリアとか、その人の背景とか関係なく目指せるところとか、地頭の良さとか関係なく合格できるんだよっていうのを色んな人に伝えたいです。

国見
今後、公認会計士試験にチャレンジする人の勇気になれるって素敵ですし、教育の面白いところですよね。

公認会計士を目指そうと決めた時のご家族の反応はどうでしたか?

池田
妻は本当に支えてくれました。プロ野球選手を辞めて公認会計士を目指すことに何も反対せず、むしろどんな道を選んでも応援するよと言ってくれました。勉強時間も本当にたくさん貰ったので、感謝の気持ちでいっぱいです。両親や妻のご両親はさすがに心配していましたが、合格した時にはみんな喜んでくれました。

国見
ご家庭がある中での決断は大変だったと思いますが、奥さんのサポートがあったのは素晴らしいことですね。

池田
はい、妻と家族のサポートがなければ合格は難しかったです。合格発表の日は本当に感動しました。正直ドラフト指名の時よりも、公認会計士試験の合格の方が感動しました。ドラフト指名受けた時って基本的に指名されないものだと思っているので、指名されてもあまり現実味がないんですけど、公認会計士試験の合格発表は手が震えるくらいすごくドキドキしました。自分の受験番号を見つけた時は嬉しくて泣いてしまいました。

国見
やっぱりたくさんの時間を注ぎ込んだ上に簡単に結果が出ない試験なので、それだけ大変だからこそ成し遂げた時の達成感が大きいですよね。

池田
本当にそう思います。

色々スクールがある中で、CPAを選んだ理由はなんですか?

池田
最初は公認会計士について全く知らなかったので、まず公認会計士を調べるところから始めました。その後いくつかの予備校を比較した結果CPAの合格実績が高かったので、自分にもチャンスがあると感じ、CPAを選びました。

国見
申し込む前って実際のサービスの中身って分からないですし、そうなると合格実績って大きな要因になりますよね。実際に通ってみて感じたCPAの良かったところをいくつか挙げるとしたらどういうものがありますか?

池田
僕は初心者からスタートしたので、まず簿記3級や簿記入門の講義を受けたんですが、それが終わった段階くらいで講師との面談というかガイダンスがあって、そこで講師が私の状況を深く理解してくれたんですよね。それが大きなモチベーションになりました。そういうこともあって、CPAの講師はとても親身で、個々の受講生に合わせたアプローチをしてくれる点が素晴らしいと感じていました。あとは初心者の僕でもわかりやすく理解できる講義や教材もすごく魅力に感じていました。

国見
池田さんは通信講座で勉強していたんでしたっけ?

池田
はい、通信講座で勉強していました。実際に講師を目の前にして講義を受けることはできなかったですが、Web上で講義の一部を巻き戻して聞いたり、理解できている部分は速度を上げたりできるので、効率的に勉強することができました。

国見
講師への相談はどれくらいの頻度で行っていましたか?

池田
最初の頃は月に1回程度相談していましたが、徐々に頻度を減らし、3〜4ヶ月に1回のペースになりました。なにかとすぐに相談するのも自分で考える力が弱ると思っていたので、基本的には自分で考える力を養うことに重点を置いていました。本当に困った時は、定期的に講師に相談して、モチベーション維持しながら頑張ってきました。

学習を始めたころはどのくらいのペースで学習していましたか?

池田
最初は1日に何時間勉強するか決めず、とにかく勉強する習慣をつけることから始めました。プロ野球選手の生活って、ナイターでも早めに球場に入って、ホームチームの練習が終わってからビジターチームの練習が始まるみたいな感じなんです。ホームチームの試合の時は比較的暇だったので、その待ち時間を利用して勉強していました。ほとんどの選手はその時間を携帯を見たりして過ごしてましたが、まずはそういうところから勉強を始めていました。

国見
球場の中で勉強していたんですね。

池田
そうですね、CPAのテキストを持って行ってました。試合前に、間違えてしまった問題についてチューターに電話で質問して、それを解決してから試合に向かうみたいな感じです。当然ごく一部の人からは冷たい目で見られましたけど、すごく応援してくれる方もいましたね。

国見
プロ野球選手を引退して勉強に専念するようになったのは、勉強を始めてどれくらい経ってからですか?

池田
約8か月から9か月後ですね。春のキャンプから始めて、その年の11月に引退したので。

国見
その期間は週にどのくらい勉強していたんですか?

池田
週に約30時間は勉強していました。平均すると、1日に4時間程度は勉強していたと思います。

国見
プロをやりながらすごいですね。引退を決めた時は、短答式試験に合格できる自信があったんですか?

池田
そうですね。引退してから短答までちょうど1年くらい、これならなんとかやっていけるかなっていう自信があったので、この1年に勝負をかけようと決断しました。

国見
引退してから12月の短答式試験までの期間はどのくらい勉強されましたか?

池田
1日平均で約10時間は勉強していました。家族もいるので、家族サービスの時間も大切にしながらも、勉強しない日は作らないようにしていました。どんなに忙しくても、最低でも1日3時間は勉強していたと思います。

国見
それはすごい。やっぱりプロ野球選手を引退して、この勉強に勝負をかける決断をしたからこそですね。

池田
はい、後に引けない危機感も背中を押してくれたと思います。

勉強していてぶつかった壁はありますか?

池田
はい、何度も壁にぶつかりました。財務会計論や管理会計論は計算が好きだったので、そこまでの苦労はしなかったです。だた、企業法や監査論に関しては全く経験がなくて知識ゼロからのスタートだったので、特に理解するのが大変でした。短答直前も模試とかで何度も同じところを間違えたりして、悔しい思いを何回もしてきました。

国見
結果として短答もしっかり合格したと思うんですけど、振り返ってみて「これやってたから合格できた」みたいなものってありますか?

池田
CPAのカリキュラムがしっかりしているので、まずカリキュラムに忠実に従っていたことですかね。講義が配信されたらすぐに見て、遅れを取らないように心がけていました。わからないところがあればすぐに解決して、答練や模試で反省を重ねて、その結果が試験でも出たんじゃないかなと思います。それと、講義を受け終わったら3時間以内にはその内容を復習して、さらに翌日にもう一度確認することを繰り返していました。休みの期間には過去に解いた問題を再度総復習みたいなこともやってましたね。

国見
復習もしながら学習を進めていくバランス感って大切ですよね。答案練習は計画通りに進められましたか?

池田
はい、絶対に守っていました。答練の点数が良いとモチベーションも上がるので、答練は欠かさなかったですね。

国見
素晴らしいですね。池田さんの勉強方法はすごく理想的だと思います。答練がペースメーカーになって、ある程度勉強も好循環になってくるとやっぱり良い点も取れるようになるし、それが楽しくなってきますよね。ちなみに短答試験前の論文対策は一切やってなかったですか?

池田
租税法の講義を2、3回受けましたが、なかなか重たい科目に感じたので途中で止めて、短答に特化して勉強していました。

国見
無理に短答前に論文の勉強をする必要もないですもんね。短答突破後の論文対策を始めた頃の勉強はどうでしたか?

池田
最初はマークシートから記述への変更に戸惑いました。短答の方がきついって聞いていたんですが、蓋を開けてみると実際は論文の方が大変でした。当たり前ですけど科目も2つ増えますし、論証の暗記もあったので。特に企業法は、短答と論文だと問題の聞かれ方が全く違って、記述をどう書き出して終わらせるかもわからない状態でした。

国見
その分からない状態から、どのように勉強して本試験合格まで辿り着いたんですか?

池田
最初に何をしたかというと、過去の試験問題と模範回答を印刷して、比較しながら勉強していました。論証の回転ももちろんしてたんですけど、僕の場合学習専念だったので、論証回転だけだと時間が余ったんですよね。本当は非効率なんでしょうけど、過去問10年分の資料を引っ張ってきて、いろいろな事例を見て自分ならどう書くかを考える訓練はよくしていました。

国見
短答より論文の方が楽だよねとよく言われるんですけど、結論勉強内容としては論文の方が大変だと思います。合格者も短答合格した人の中から35パーセントぐらいになるわけですから。ただやっぱりしっかり理解をしている人からすると、論文式試験は実力がしっかり出る試験だと思うのでそういう不安感は少ないでしょうね。短答式試験はマークシートで少し運が絡むところもあるので。

池田
論文式試験は確かに運では受からないですね。

勉強のモチベーションはどう維持していましたか?

池田
モチベーションに波があるタイプだったので維持するのは大変でした。モチベーションが高い時に頑張れるのは当たり前なんですけど、モチベーションが低い時には講師に相談したり、答練で良い点数を取ってなんとか維持していました。ただそういうモチベーションアップも結局一時的なものにすぎないんですよね。勉強期間全体で思い返すと、モチベーションが低い時期の方が長かったと思います。

国見
そうだったんですね、そんな中どうやって勉強を続けていたんですか?

池田
僕の場合、プロ野球選手を辞めて公認会計士試験に挑戦したので家族を危機に晒しながら勉強させてもらってたんです。その危機感が一番大きかったと思います。家族や将来のために、モチベーションに関わらず勉強を続けました。

国見
じゃあどれだけモチベーションが下がっても、とりあえずやるって感じだったんですね。

池田
そうですね、仕事も全くせず退路が無い状態で勉強に専念していたので、危機感でなんとかしてきた感じです。

国見
そんな中でもやっぱりリフレッシュは大事だと思うんですが、勉強中の息抜きはどうしていましたか?

池田
子供と過ごす時間が最大のリフレッシュでした。他にはランニングをしたり、妻に愚痴を聞いてもらったりしていました。勉強させてもらってるだけでも迷惑をかけてるのに、本当に家族の支えが大きかったです。

会計士を目指すことに悩んでいる人や、すでに勉強中の人にアドバイスをお願いします

池田
公認会計士を目指すことに悩んでいる人には、私のように全く異なる分野から挑戦しても、努力すれば合格できると伝えたいです。そして、すでに勉強している人に対しては、僕も最近まで受験生だったので、皆さんの勉強に対しての苦しい気持ちとかモチベーションが上がらない悩みとか痛いほどわかります。ただ、自分が今勉強できているのは、もちろん自分の力でもあるんですけど、ご両親や大切な人々の支えがあってこそだと思います。そういう大切な人たちのことを思えば、もう一歩、もう一時間でも勉強できるはずなので、そういう気持ちをモチベーションに繋げていただきたいです。

国見
支えてくれている周りの人たちへの感謝を忘れずに勉強を続けることってとても大切ですよね、素敵なお話ありがとうございました。

池田
そういう気持ちってどの分野でも必要な要素だと思うので、勉強だけじゃなくそういう人間的な部分も成長させてあげられるような講師になりたいと思います。こちらこそありがとうございました。

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