【令和4年 公認会計士試験合格】 河野玄斗さん 特別インタビュー

※左から河野玄斗さん、CPA会計学院の国見代表

令和4年公認会計士試験で合格された河野玄斗さんに、会計士を目指した理由、学習方法等をCPA会計学院の国見代表がインタビューしました。

河野 玄斗 さんプロフィール

約9か月の勉強期間で公認会計士合格
他にも医師国家試験、司法試験にも合格しており日本3大難関国家資格を制覇。
自身のYouTubeチャンネルは登録者100万人(2023年2月時点)に登録されており、日本テレビのクイズ番組「最強の頭脳 日本一決定戦!頭脳王」では2連覇を達成するなど各方面で活躍している。

医師国家試験と司法試験に合格している河野さんが、公認会計士試験を受験しようと思った理由を教えてください

河野
とても特殊な理由ですが、YouTubeで「色々な資格に挑戦する」企画をやっていて、その中で「何の資格を取ってほしいか教えてください」と呼びかけたところ、公認会計士を取ってほしいという声が結構ありました。
ただ、公認会計士試験が難しい試験であることは理解していたので、一歩が踏み出せずにいました。最終的に取得しようと思えた理由は、試験の科目が経営に直結していたり、実務を通して企業の色々なビジネスモデルを学べる資格だと実感できたりしたからです。今後、色々なところに活きてくると思えたので、それが最後の後押しになって取得することを決意しました。

国見
河野さんのYouTubeとかSNSを見ていて思うのが、たくさんのフォロワーの方々を勇気づけられてますよね。河野さん自身が勉強でチャレンジし続けることによって、日本中で学んでいる人たちが背中を押されているので、とても多大な貢献をされてきていると思います。それに、河野さんは自身のビジネスもやられているので、その点でもすごく活きるし、実務経験を積める公認会計士は自分のビジョンに対してもプラスですよね。

実際に勉強を始めたのはいつでしたか?

河野
2022年11月下旬から勉強を始めたのですが、正直最初は短答式試験免除*を使う予定だったので、短答式試験へ向けた勉強は少し手を抜いてしまっていました。論文式試験は理解重視なので短答式試験ほど細かい知識を覚える必要はなかったですし、自分の得意分野でもあったので。例えば、財務会計論の一部は短答式試験では出題されるが論文式試験では出題されない問題が多く、「これはほとんど短答でしか出ないよ」って講師も言うので、さらっと流していました。
そういうのがずっと続いて、願書提出の時期になっていたのですが、1月くらいに短答式試験免除*を使いそびれてしまったことに気が付きました。財務会計論の講義を見終わっていて、管理会計論を見始めるぐらいのタイミングで、その時「短答式試験も受けなきゃいけない。やばい」って思って、とにかく本気になりました。YouTubeとか会社のチームの人に「結構やばいから公認会計士受験に専念させてほしい」という話をして、そこから試験勉強一本で進みました。

※短答式試験免除・・・司法試験合格者が短答式試験の受験を免除される制度

国見
願書の提出期限よりもさらに何週間か前には免除申請をしなくてはいけないですからね。

河野
「そろそろ願書を提出するか」と思った時に気付きました。これはもう腹をくくって短答式試験を受けるしかないなと思いました。

国見
学習を始めた11月末から1月末ぐらいまでの間は、一日どれくらいの時間勉強していましたか?

河野
大体一日3時間ぐらいは勉強していたと思います。

国見
勉強中はどれくらい仕事をされていましたか?

河野
1日平均して8〜10時間ですね。YouTubeと有料講座の作成などをやっていました。

国見
普段通りに働きながら勉強していたんですね。それで2月から本気を出して、「連続10時間学習」の配信をされていたと思いますが、2月から5月は1日平均でどれくらい勉強してましたか?

河野
もうやれるだけやるスタンスだったので、具体的な勉強時間については考えていませんでしたが、ライブ配信で10時間学習して、終わらなかったところをその後詰め込んでやっていたので、13〜14時間くらいだと思います。

国見
2〜5月の4か月間で1,500時間以上学習されていたのですね。やはり正しいやり方だけでなく、相当な努力を重ねていることを心から尊敬します。河野さんは努力の天才でもありますね。

どのような勉強方法で取り組みましたか?

河野
とりあえず講義を早く消化することを目標にしていました。完璧に理解してから次の講義を見るのではなく、講義を見て「なんとなく理解できた」と思えたらどんどん進めていました。どこかのタイミングでつまずいた時に復習して、理解し直すというのを繰り返していましたね。結局、理解さえすれば覚えていなくても、正答に至れる時は往々にしてあります。特に学習を始めた時期は理解がとても大事かなと思います
だから、理解重視のCPAの教え方は自分に合っていたなと思いますし、理解と同時に暗記もとても大事だと思うので、コンサマという教材もとても良いなと思いました。コンサマは要点がまとまっていて、重要な論点を効率よく復習できます。覚えるところをなるべく減らして、本当に復習しなくてはいけないところだけを集約していました。まずはテキストで理解を深め、暗記するべきところはコンサマにマーカーを引いておいて繰り返し学習します。その後、別の色のマーカーを使って繰り返す範囲を絞り、何度も復習することを意識して学習していました。

国見
すべてを完璧に理解するのではなく、まずは考え方をおさえて理解を深め、その次に暗記へ進むという方法だったのですね。

河野
最初に暗記してもいつかは忘れますし、直前期に暗記することを想定しておいて、それができる態勢を準備しておく感じです。もちろん、問題を解いて思考過程を学んでおいたり、教材の大事なところだけをちゃんとコンサマの方に集約しておくなど工夫もしました。このような準備をしっかりしていたので、1か月前の模試でD判定でも、残りの1か月はコンサマで繰り返し学習して、短答対策問題集の過去問をひたすら解いていれば、直前で点数は伸ばせるなと思っていました。実際、試験に間に合わせることができたので、そのやり方は間違っていなかったです。

国見
11月末から学習を始めて、5月末の短答式試験に合格したというと、河野さんのこれまでの経歴もあるので特殊な例のように見えますが、いわゆる王道の勉強法で合格されているんですよね。ちゃんと「考え方」をおさえて理解を深めていけば、結果的に暗記事項も減っていきます。早めに暗記をするのではなく、忘れることを見越して最後に一気に暗記する学習方法は、そもそもの理解が間違っている方にとってはリスクがありますが、最短で合格するためには良い学習方法だなと思います。
一般的には、理解も暗記もして、答案練習で現状をチェックすることで理解不足などがないか現状把握をするのですが、本当に効率的に学習するなら、理解をしておいて、最後に覚えることも有効です。それを9か月で実践してしまうとはさすがだなと思います。

短答式試験の結果はどうでしたか?

河野
4科目合計で500満点中413点でした。

国見
各科目の点数はいかがでしたか?

河野
企業法が一番低くて65点でした。監査論が90点で管理会計論が82点、財務会計論は176点でした。

国見
結果としては苦手だった監査論と管理会計論も本試験では高い点数を取れたのですね。本試験が終わった瞬間に手応えはありましたか?

河野
管理会計論の足きりを不安視していたのですが、思いのほか今までで一番解きやすかったので、良い点数が取れたなという手ごたえがありました。財務会計論も手ごたえがあったので、あまり手ごたえのなかった企業法と監査論の点数次第だと感じていました。

国見
そこから論文式試験へ向けた学習に切り替えていくと思いますが、そもそも短答式試験前は論文式試験へ向けて何か対策をしていたんですか?

河野
新しい科目を学ぶのはわくわくするので、気晴らしもかねて経営学などの講義を視聴したこともあります。あとは、監査論は短答式試験と論文式試験の内容が近いと聞いたことがあったので、理解を深めることも目的に論文式試験向けの講義を見ていました。

国見
論文対策はほぼしてないような状態だったんですね。短答式試験に受かってからの3か月間は、論文式試験へ向けて各科目どのように学習されていましたか?

河野
まず租税法と経営学は、とにかく講義を消化して問題をこなしました。経営学のテキストは分厚いので正直繰り返し学習する気になれなかったんですが、コンサマはすごく薄いんですよ。なので、コンサマの方に集約して学習していました。租税法に関してもコンサマは何度も使いましたね。租税法は計算科目の皮を被った暗記科目だと思っていたので、最終的にはコンサマだけ見ればすべての問題を思い出せるようにまとめていました。

振り返ってみて、CPAのどのような点が良かったと感じてますか?

河野
率直なところですと、講師の方々の自由さですね。講師が自身のYouTubeチャンネルを講義中に告知したりしていて、そういう自由さも含めて講師に対して親近感を覚えました。講師に愛着を持てるかどうかって、勉強に対するモチベーションを大きく左右すると思うので、そういった良い意味での「ゆるさ」が良かったです。
理解重視のCPAの方針が自分の学習スタイルと合っていて、効率的に学習できたことも良かったです。それに理解用の教材と暗記用の教材がどちらもしっかり作られていて、TPOによって使い分けられるところも良かったです。各論点の重要性もランク分けされてたので、メリハリを付けて学習ができました

国見
講師との相性もありますし、CPAはちょっと自由すぎるのかもしれないですけど、その方がやりがいを持ってやってくれるんですよね。あとは教材も自由に選べるので、テキストとか短答問題集がいい人はそれをやるし、コンサマで進める方もいます。私もコンサマは結構オススメ派ですけど、やっぱり人によって合う合わないがあるので、なるべく選べるようにしていますね。

河野
あと、いつでも講師に相談できる点も良かったです。短答式試験前、「勉強が間に合わない」と思った時に、「今のところこういう学習プランを考えているんですけど、これで足りますか?」とか、「他にやった方がいいことはありますか?」と相談させていただいて、講師の方は丁寧に答えてくださいました。「監査論ではこの単元から7〜8割ぐらい出る」ということなども教えてくださって、やるべきことが明確になり、大変助かりました。

これから公認会計士として、どのような経験を積みたいと考えていますか?

河野
やはり公認会計士の特権は、企業が外部に公開できないような情報を監査という立場で見ることができるところだと思っているので、せっかくならその特権を活かしたいなと思っています。色々なビジネスモデルや、経営者の方が考えていることも含めて、色々インプットできる貴重な勉強を兼ねられる職業なので、実務の世界へ飛び込んでみたいと思います。

国見
公認会計士の業務といえば、まず監査だと思うんですけど、監査ではどのような領域に興味を持っていますか?

河野
一番興味があるのはIPO監査ですね。上場を控えている企業がどのようにここまで伸びてきて、今どのように伸びているのか興味があります。たくさんの企業を見てみたい気持ちもありますし、興味を引かれます。

これから公認会計士を目指す方へメッセージをいただけますでしょうか

河野
なんといっても三大国家資格の一つだけあって、長い戦いになると思いますが、乗り越えた先に必ず成功体験を積むことができて、その成功体験がまた次の成功体験を積むための基礎になります。成功体験があるからこそ「じゃあ自分は別のことにも挑戦できるんだ」というきっかけになるし、その成功体験を積む第1歩としての旅がこれから始まっていくことになるので、とにかく自分を信じて、合格だけを目指して頑張ってください。

国見
ありがとうございました。

河野
こちらこそ本当にありがとうございました。今回の公認会計士試験合格は、CPAで学習できたこともとても大きかったので、一年前にCPAを選んで本当に良かったと思っています。これからも多くの公認会計士の輩出に期待しています。

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