USCPA資格取得後のキャリア ロールモデル 01

USCPA資格取得後のキャリア ロールモデル 01
藤澤 重樹 氏

藤澤 重樹 氏

I7LIVE株式会社
Finance Director of International Tax

Takenaka Partners LLC
Managing Director

U.S.CPA 資格取得を目指された理由

日本の大学に在学中、ITバブルが崩壊し景気の先行きが不透明な状況で、英語力も何の専門性も持たないまま就職することに漠然とした不安を持っていたため、少し遠回りをしてでも世界のどこでも通用するビジネスパーソンになるためのスキル・専門性の土台を固めるためにアメリカの大学院(会計学修士課程)に進学する決断をし、そのスキル・専門性の土台を可視化する手段としてUSCPA取得を目指すことにしました。

資格取得後、現在の職種を選択された理由

資格取得前後で職種を変更しているわけでではありませんが、コンサル又は事業会社の社内税務アドバイザーとして一貫して税務業務に従事しているのは、適切な税務リスク管理やプランニングを行うことで会社・クライアントのビジネス(特にキャッシュフロー)に貢献できることにやりがいを感じているのと、日本が欧米諸国に比べると国際税務の分野で遅れをとっており、語学力と税務のスキルセットを持った人材が希少でまだまだ将来性があるという点です。

現在の職種において、USCPA 資格がどう活きているか

税務アドバイザー業務には、税務の知見のみではなく、ビジネス、会計、法務等の幅広い知識とバランス感覚が求められます。
例えば、税務の観点からはベストな解決策であったとしても、税務以外の観点から問題があると机上の空論になってしまいますし、税務以外のことがある程度理解できないと、税務リスクや節税の機会を見逃してしまうこともあります。

USCPAの試験では、幅広い科目の基本的な知識を問われるので、資格試験で学んだ内容は実務を行う上での基礎知識として役に立っていると思います。

資格を取得して感じたUSCPA資格の強み、メリット

USCPAのステータスは、日本における公認会計士や税理士のそれには劣るかもしれませんが、資格を持っているとアメリカでは社会的にそれなりの信頼を得ることはできます。

また、アメリカの日系子会社やBig 4等の大手会計事務所では、日英のバイリンガルでUS CPA資格を保有している人材が慢性的に不足しているので、アメリカで働くことに興味がある人にとっては、資格取得がアメリカで働く機会を得る近道になるかもしれないという点もメリットになるかと思います。

これからUSCPA資格にチャレンジする方へのメッセージ

一般に言われていることですが、USCPAの試験は、質問内容自体は基礎的な知識・理解を問うものが多く難易度は高くありませんが、試験範囲が広く問題量も多いため、事前対策をせずに一発合格するのは至難の業だと思います。

逆にいうと、時間をかけて、事前対策さえしておけば努力が報われる試験だと思いますので、今後の会計基準・会計関連業務のグローバル化を考えると、今後のキャリアパスの選択肢を広げたいと思っている方にとってはチャレンジする価値はあるのではないかと思っています。

在職中に学習する上でのアドバイス

私は最初に全ての試験の日程を固め、その日程に合わせて1〜1.5ヶ月間かけて1科目ずつ集中的に学習しました。 試験日を動かさないため、仕事や外食で帰宅が深夜になったとしても、毎日欠かさず学習するモチベーションにはなったので、ダラダラと試験勉強の期間を伸ばすことにならず個人的には良かったと思います。

学習方法としては、特別なことはしておらず、ひたすら過去問を解き、試験の問題に慣れるために時間を使いましたが、どうしても苦手な分野は思い切って切り捨て、他の分野で取り漏れがないようにする判断も場合によっては必要かと思います。