USCPA合格は出発点
BIG4監査法人への転職を引き寄せる2つの要因とは?
転職者
今回取り上げるのは、30歳男性でUSCPA資格の合格と海外での会計関連業務のご経験があったKさんがBIG4監査法人の会計監査ポジションへの転職を実現された事例です。
資格取得以前から海外での会計関連業務のご経験があったKさんがなぜUSCPAを取得する選択をされたのか。BIG4監査法人の会計監査ポジションへの転職が叶った鍵は何だったのか。Kさんのキャリアの変遷をコンサルタント目線でコメントしながらご紹介します。USCPAに合格後にBIG4監査法人での会計監査へのキャリアを検討している方、合格後スムーズに次の転職を実現したい方はぜひご一読ください。
Kさん基本プロフィール
出身大学 | 地方国立大学 |
資格 | TOEIC760点、日商簿記3級 |
1.グローバルとはかけ離れた手堅いキャリアからスタートしたKさんの社会人生活
タイトルをご覧いただき、「元々海外志向で新卒時からグローバルなファーストキャリアから開始したからこそ実現できたから自身には無縁なのではないか?」と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、Kさんはそんなイメージとは近しくない、国内企業の中でもかなり手堅いイメージのある大手金融機関の法人営業職からキャリアを開始されています。
一方で、学生時代から心の底では「いつか海外で働きたい」という気持ちがあったようです。USCPA資格に関心を抱いている方で、同じようなお考えをお持ちの方も一定数いらっしゃるのではないでしょうか?
Kさんの場合は、学生時代にTOEIC760点のスコアを取得されているところからも、そのご志向が垣間見えます。
キャリアアドバイザー
石川 吉輝
グローバルなキャリアを志す上で、必ずしも新卒からグローバルなキャリアでないと実現できないわけではありません。一方で、KさんのようにTOEICを学生時代のうちから勉強しておくことで、スムーズなキャリアチェンジを後押しできるでしょう。
2.心に秘めた願望を実現へ!一転してグローバルな環境へチャレンジ
3年ほど金融機関に勤めた後、Kさんは「海外で働きたい」という夢を叶えるため、今後のキャリアを左右する大きな決断、タイへの渡航をご決断をされます。
転職先の探し方はなんと、”現地の採用部門への飛び込み”。結果的に、日本人が代表を勤めるコンサルティングファームにご縁があり、グローバルキャリアをスタートさせました。
こちらの法人では、日系企業がタイへ進出する際の会計支援や、タイでの販路開拓支援等に従事されています。
1年半ほど勤められたのち、グローバルな会計・税務・M&A支援等のサービスを提供する日系会計コンサルティングファームのタイ拠点に転職されます。
年商数億円〜数千億円規模まで様々な規模の企業の会計・税務・労務等の支援に従事され、移転価格税制への対応や、内部監査統制、現地会計士サポート等、ハイレベルな業務もご経験され、グローバル×会計の領域である程度の力を身につけることに成功されています。
キャリアアドバイザー
石川 吉輝
現地に飛び込まれ、若いうちにしかできない経験を自ら掴みに行く行動力は評価ポイントです。小さな法人のバックオフィス支援もそうですが、2社目でハイレベルな業務経験を積んでいらっしゃるご経験はKさんの市場価値を更に向上させています。
3.一時的に無職?!キャリアを一段レベルアップさせるための修行期間
現地で一定のご経験を積まれたうえで、Kさんは更に一段上へステップアップしたいと考えるようになりました。既にある程度の経験は積んだものの、”グローバル×会計”という領域において更にレベルアップするためにはどうすれば良いか……。
そこでKさんが出会ったのがUSCPAでした。「社会に大きな価値提供をしており、高度かつ高品質な業務に従事しているのはBIG4をはじめとしたグローバルファーム。そして、USCPAのような資格を取得することでそのキャリアを切り開くことができるのではないか?」と考え、学習を開始されたようです。
ここからはKさん特有の事情ですが、ちょうどお勤めの企業の契約期間が満了になったことも相まり、日本へ帰国して実家で試験勉強へフォーカスする選択をされます。最短で合格しBIG4監査法人等への転職を実現するためのご選択をされました。
キャリアアドバイザー
石川 吉輝
USCPAは、”グローバル×会計”における一定の知識・スキルを持つことを証明するパスポートのような役割を担います。自身がある程度のレベルを伴っていることを相手に瞬時にアピールできることは、資格取得することの大きなメリットの1つですね。
Kさんの場合、キャリアにブランクが生じるリスクを背負い一度仕事から離れ短期集中する選択をされたのは勇気がいる決断だったのではないでしょうか。Kさんはところどころで勇気ある決断をされていますが、結果的には全てその決断がポジティブな方向へ導いていますね。
4.”計画性”と”転職時期”がBIG4監査法人への転職活動を成功へ導く
大前提、今回の転職が実現できたのはKさんの努力の賜物です。しかしながら、この転職が実現した背景として、鍵となる要素が2つありました。こちらをコンサルタント目線で解説します。
1つ目は、”計画性”です。Kさんが最初にCPASSキャリアへご相談に来られたのは、USCPA試験に2科目合格された段階の8月中旬。つまり、全科目合格されてからではなく、残り2科目に関しては学習中、2ヶ月後の10月中旬に全科目合格を予定されている段階でご相談に来られています。このタイミングでご相談に来られたことで、BIG4監査法人への転職というゴールから逆算された、監査法人へ転職する適切なタイミングを捉えた行動ができ、スムーズな次のキャリアのスタートを実現しています。
上記と連動しますが、2つ目は、”転職時期”です。監査経験のないUSCPAホルダーがBIG4監査法人へ転職する際、活動時期として外した方が良い時期があります。それは、監査法人の定期採用✳︎の時期です。なぜなら、監査法人の第一ターゲットである日本の公認会計士試験合格者と比較検討されてしまうこととなり、USCPAホルダーにとって不利な状況での活動となるためです。また、監査法人側の採用チームも定期採用でどれだけ日本の公認会計士試験合格者をどれだけ確保できるかに注力するため、USCPAホルダーを受け入れるリソースも不足する時期となります。
今回のKさんの場合、合格されたタイミングは10月中旬、同時に転職活動を開始しスピーディに進め、11月中には内定を獲得され、1月入社にてご入社されています。
キャリアアドバイザー
石川 吉輝
Kさんの場合、1ヶ月活動が遅れていたら定期採用の時期とかぶってしまっていました。
ご相談に来られずにゆっくり活動していたら、数ヶ月先まで転職時期が先延ばしになってしまう可能性もあります。
転職市場から逆算すると活動時期に向き不向きがある場合もあるため、転職を前提としてUSCPA資格の学習をされている方は、計画的にキャリア相談に来られながら学習されることを推奨します。
✳︎日本の公認会計士試験合格者を対象とした、BIG4をはじめとした監査法人が毎年一定の時期に実施する採用活動を指します。論文式試験合格発表後の11月下旬〜12月上旬や、ここで採用された人材が受け入れられる2月は監査法人の採用部門にとって最も重要な時期かつ忙しい時期となります。
いかがだったでしょうか?
BIG4監査法人の会計監査ポジションは人気な企業・職種ですので、入社するためには、USCPA試験に合格することに加え一工夫必要なケースが多いです。今回のように鍵となる要素を抑えるか否かで明暗が分かれるケースもございます。
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USCPA資格についての漠然としたご質問や、出願州選択のご相談まで、少しでも疑問をお持ちの方は、ぜひお気軽にご利用ください。
担当キャリアアドバイザー紹介
石川 吉輝
筑波大学理工学群出身。新卒で人材系メガベンチャーへ就職。その後、CPAキャリアサポート株式会社へ転職。CPASSキャリアにて、日本・米国公認会計士資格取得者や学習中の方の転職を支援。
合格後のキャリアをスムーズに開始されたい方は
ぜひCPASSキャリアのコンサルタントにご相談ください