理解の幅を広げるならCPA!他校から移籍して合格!—濱田 和輝さん

濱田 和輝さん

論文に向けて基礎からやり直したくてCPAに変えました。

梅澤:まずは会計士試験合格おめでとうございます。

濱田:ありがとうございます。

梅澤:濱田くんは、最初は他の予備校で勉強していて、そのあとCPAに移ってきて1発で合格されたということで、ちょっとCPAに移ってきた後のお話を中心に聞きたいです。まずは会計士を目指したきっかけとか、そういうところからお話いただければと思います。

濱田:わかりました。会計士を目指した大きな理由は2つあります。1つめは僕が会計士を本格的に目指したのは高校3年生の時なんですが、その数年前にリーマンショックがありまして、就職先がない、などといった問題がでてきました。その時に安心して就職できてお給料もそこそこいいものをもらえる職業は何なのかな?と調べていたら、会計士という職業を見つけたことが大きな理由の1つです。あと2つ目の理由として、僕は内部進学で附属校にいたんですけど、運動部を途中で辞めてしまって結構時間があったので何か打ち込めることはないかなと思っていたんです。その時にそれに匹敵するものが会計士なんじゃないかなと思い目指すことにしたというのがもう1つの大きな理由です。

梅澤:いつ頃、部活は辞めてしまったの?

濱田:高校2年生の時です。野球部に入っていたんですけど、途中で辞めてしまいました。


梅澤:
野球部だったんだ。

濱田:高校2年の修了時には既に簿記2級を持っていて、その後のステップアップを考えると簿記1級を取るか会計士を取るかどちらかではないかと考えました。ただ簿記1級を取ってから会計士の勉強を始めるより、最初から会計士の勉強を始めれば、効率的に勉強することができるという話も聞いたのでやってみることにしました。

梅澤:そうすると高3の頭ぐらいから、2年間のコースで勉強し始めたという感じですか?

濱田:そうだと思います。

梅澤:短答式試験はいつ合格したの?

濱田:大学2年生の5月です。

梅澤:大学1年生の12月は不合格で、大学2年生の5月に合格を勝ち取ったということですね。その時に何を重視して勉強していましたか?

濱田:大学1年生の 12月に不合格となってしまった時、それまでも自分なりに結構勉強はしていたんですが、さらに勉強時間を確保しない限り成績は伸びないことはわかっていました。とりあえず授業を進めてるだけという感じで一回目は失敗したので、二回目はそこのところを修正していきました。

梅澤:前の予備校では、計算を中心に勉強をしていたと聞いていたんだけど、計算にたくさん勉強時間を割いていたという感じかな?

濱田:そうですね。もちろん理論の授業もあったんですが、計算科目の答練の数が圧倒的に多かったんです。そのおかげで計算はだいぶ得意になりましたが、その分理論の力があまり付かなかった気がしています。

梅澤:じゃあ簿記と管理会計の計算部分で点数を稼いで、短答式試験に合格したって感じかな?

濱田:そうです。確か短答の財務会計論は155点でした。

梅澤:すごい。

濱田:それで67%ボーダーぴったりで合格しました。

梅澤:経営学と租税法の対策は5月短答の後から始めたという感じかな?それとも前からちょっとずつはやっていたのかな?

濱田:一応経営学も租税法も講義自体は12月の短答式試験が終わった後から見ていました。まずは短答特化で5月に受かりたいという気持ちが強かったので、しっかりとした対策は5月までしていなかったというのが本音ですね。

梅澤:ちょっと意識の外にあったというか?

濱田:とりあえずやっておいたっていう感じでしたね。5月短答が終わってから、すぐに租税法と経営学の対策をはじめました。やり方として基本はテストに合わせて勉強するようにしていました。

梅澤:その結果として、1回目の論文式試験は不合格だったと。その時不合格となってしまった反省点などは何かありますか?

濱田:やっぱり理論が弱かったというのはありました。租税法は計算も理論もできないといけないと思っていたんですが、計算ができるようになると理論ができなくなるといったように、負のスパイラルに陥っていました。1回目の8月の論文式試験が終わった後は時間があったのでもう1度基礎からやり直すのには一番いい時期だと思いました。なので、もう1回基礎からやり直して、次の論文では絶対に合格するぞという気持ちでやっていました。

CPAに変えて、理解している論点がグングン拡がるのを感じました。

梅澤:CPAを選んでくれた理由としては、やっぱり理論対策をしっかりやりたいなというところが大きかったの?

濱田:そうですね。後は、理論科目の講師が、校舎に常駐している点がとても良かったと思います。前の予備校でも質問体制はある程度はあったんですが、校舎に常駐している講師はいなかったので、すぐ質問したくてもなかなかできないことがありました。その点CPAでしたら常駐している菅沼先生に質問ができたり、齋藤先生にすぐに電話をかけられたのでとても助かったし、基礎からやり直したかった僕にはうってつけの環境でした。

梅澤:なるほど。CPAのカリキュラム、講義とか教材に関してここが良かったというところってありますか?

濱田:やはり他の予備校には無い、一番良かった点としては、重要性のABCランクが予めテキストに短答・論文分かれて付されていることだと思います。あと、全体的にテキストはすごくボリュームが多かったんですが、その分、図や表が沢山掲載されていて理解の助けになったので効率的な勉強ができました。

梅澤:それって入る前から知っていたの?

濱田:知らなかったです。

梅澤:じゃあ入ってみて、これは良いなと気づいたんだ。

CPAで監査論の見方が変わりました。

濱田:特に感激した点が重要性です。試験になかなか出ない論点などもあるので、効率的に勉強しないといけないと感じていました。本試験の傾向が変わって論点の重要性も変わると先生が「CからBに変えて」のような感じで適宜修正してくださっていたので、どこを重点的に勉強すればいいかすぐに確認できたことが良かったと思います。

梅澤:あとはプラスアルファ網羅性っていうところも。何回か試験を受けられている方って情報が足りないと不安になってしまうことはあると思うので。確かに出題可能性は低いけれども、テキストには恐らくほぼすべての予備校さんが取り扱っている論点は載っていて、ちゃんと重要度が示してあるんですよね。そこの強弱が自分自身でつけやすいというところは、CPAの狙い通りの教材の使い方をしていただいているので良かったなと思っています。あとはテキストの作り、その重要性以外で他の予備校と結構違うなって思ったところってありますか?

濱田:監査論のテキストが一番良かったと思います。というのも、監査論ってCPAに来る前までは他の科目とは全然違う、孤立したような科目だと思っていたんです。そんな中で齋藤先生の授業を聞いて、実は会計学とすごい密接しているんだということに気が付きました。もちろん全部が全部密接しているわけではないんですが、実施論のところが特に会計学と重なっているなと感じました。授業では実務的なことも教えて頂いたりして、監査論自体の見方が変わりましたね。

梅澤:それはすごい嬉しいことだね。

濱田:特にリスクアプローチのページなんですけど、結構詳しく書いてあって、とても理解がしやすかったことが印象的です。リスクアプローチを基に実施論をやっていくので、基礎となる部分をしっかり固められたおかげでその後の論点もすんなり頭に入ってきたという感じですかね。

梅澤:なるほど。今CPAでは齋藤先生の監査論がすごい評判が良いよね。CPA生以外にもすごい評判が出てきていて、おそらく予備校を変えることを決めた時にはそんなにCPAの教材って有名だった訳ではないと思うんだよね。でも今って、監査論といえばCPAの齋藤みたいな感じになってきているよね。

濱田:そういう感じはしますね。

梅澤:あとは他の教材でいいところはある?

濱田:他の教材もとっても良かったです。管理会計や監査論などは薄いテキストに別途基準や問題などをまとめてくれているものがありました。例えば、監査論だと改訂前文というのは論文でも必ずといっていい程20点相当のものが出てきたりします。管理会計論の理論であっても、コンパクトにまとめられていて、恐らくこれだけやっていれば論文でもそれなりに点数取れると思いました。さらに論文対策集はABCランクも付けてあるので、きちんと強弱つけながら勉強できます。分厚いテキストって夜家に帰った後って見る気にならないんですけど、論文対策集くらいの薄いテキストだったら寝る前にさらっとぐらいだったら読むことができます。最後の勉強の付け足しには持ってこいのものだと思います。

梅澤:そういった形でアウトプット用にまとまっている教材が、基本的にほとんどの科目にあるんですね。

濱田:これは自分の勉強方法のお勧めなんですが、例えば、最初講義を1回聞くんですけど、多分講義の内容は全部覚えていないと思うんです。そこで使うのがフリクションなんですけど、まず覚えていないところに線を引きます。フリクションは消せるので覚えたら線を消します。逆に覚えていないところには二重に線を入れることによって、強調することができるんです。そうすることによって覚えていないところと覚えたところが明確になって効率的に勉強できるようになりました。色塗りもそれだけやっていたら単なる作業ですけど、それでちゃんと覚えていく上での手段だったら有用なことじゃないかなって思います。

梅澤:なるほど。これは今通っている生徒にも伝えたいなと。1回マーカー引いちゃうと色は普通変えられないけど、最近だと消せるから便利だね。

濱田:あと重ね塗りもお勧めです。ここを覚えていなかったからもう上から重ねて線を引くといったような感じで。そうすると色が他の色と違うんですよね。

梅澤:確かに、そういう勉強法もあるんだね。

濱田:勉強法とまでいくのはわからないですけど、こういう自分が覚えていないところを明確にしていくことは、やはりすごく大事だと思います。あとはやはり重要なところは太文字で書かれていて、太文字は絶対論文で外さないで書いてくれよという先生からのメッセージだと思っていました。それを書けなかったらそこの論点は完全にマスターしていないということなので、まずそこのところを覚えるようにしていました。そうしていくと、だんだんと文章が解答に書いてある文章に近いように書けるようになっていくことができるようになりました。このような流れが本番の試験までの理想形だと思います。もちろん強弱もつけながらやらないといけなくて、僕も全部できた訳ではないですが、それなりにやってきたと思います。はじめは理論のキーワードが抜けていて、その辺の理解が弱かったんですけど、どこが大事で重点的にどこを抑えてなきゃいけないかが分かってきて大分書けるようになってきました。

梅澤:なるほど。この論文対策集。個人的にはもうテキストやらないで、これを太字の部分を全部押さえてしまえば、一般的な受験生が書けるような部分っていうのは、もう全部書けるようになるっていう、そういう前提で網羅性のあるものを作ったので。これをここまで利用してくれているっていうのは、すごく嬉しいです。

濱田:ありがとうございます。ただ管理会計の林先生が答練の解説でも言っていたんですけど、原価計算基準の理論部分というのは、だいたい論文対策集に書いてあることから出てきて、どんなに難しい問題でもこの教材をベースにして書くことができればバツにはならないと言っていました。それに比べて、管理会計論の後半の部分(管理会計分野)は、丸暗記で対応したら少し苦しいので、理解をベースにして自分のなかで納得して、イメージがある中でその場対応で色々書いていってましたね。ただ、この論文対策集に載っているものをとりあえず書けるという状態にしておけば、管理会計論の理論で負けることはないのかなと思っていました。

梅澤:なるほど。ただ受験生全般として、すごく理解が深まって合格しているっていう人がすごく多いかっていったら、実はそうでもなかったりはするんじゃないかな。やはりしっかりと図だったり表だったりがたくさん入っているテキストで、納得をして覚えているっていう状態があると、どんどん強くなっていくのかなという気はしますね。

濱田:最初にこの論文対策集をもらった時は、これだけを回そうとは思っていなくて、自習の時に管理会計の1・2のテキストを使いながら、問題集を加工してやっていました。直前期はやはり時間もなくなってくるので、テキストも確認するんですけど、論文対策集重視というやり方がいいのかなと思います。

梅澤:そうだね。それはちょっと生徒にも伝えていこうと思います。

濱田:お願いします。あとやっぱり論文対策集は薄いので、持ち運びにも良いんです。例えばテキストを自習中に見て、最後の帰り際に復習がてらにこれを思い出しながら、テキストにこう書いてあったんだなということについて見ることによって、さらに理解が深まったり、イメージが頭のなかに定着していくんだと思います。

梅澤:やっぱり移動時間も勉強するっていうのは大事だもんね。ちなみに移動時間ってどれぐらいあったの?

濱田:普段は移動時間ゼロなんですけど、実家に帰る時もあるので、そうすると2時間とか2時間半ぐらいかかってしまいます。そのなかでただ何もしないで携帯をいじるのも、もったいないので、全部の時間とは言わないですが、30分とか1時間ぐらいは論文対策集を見ながら少しやっていましたかね。

梅澤:他の科目の論文対策集だと?

濱田:企業法ですね。管理会計とは違ってランクはもちろん振ってあるんですけど、それだけじゃやっぱり試験はできないと菅沼先生も仰っていて、テキストと論文対策集のパーバランスは1対1ぐらいにしてと言われました。ただ僕はちょっとひねくれ者で、あまりテキストを使いたくなかったので、テキストで重要そうなところは予めノートに書いておいて、サブノート形式で見ながら勉強していました。

梅澤:工夫していたんだね。

濱田:そんな感じです。

梅澤:自分流のテキストというか。

濱田:そうですね。テキストに載っている、論述していく上で必要な考え方などをまとめていました。

梅澤:こういう方針で書いていくとか。そういう工夫っていうのは、人によって結構変わってくるかなと。自分も受験生時代、論文対策の骨格だけを抜き出したミニ論集、論総集みたいなのを自分で作って、まずはそれを回すみたいなやり方をして工夫はしていたんだよね。企業法って問題数が少ないから結構知らない論点が出たときのリスクが大きいよね。

濱田:知らないところが出て、そこを勉強していなかったらまずいですよね。でも、テキストの理解がベースにあると、ある程度それらしいことが書けるんですよね。

梅澤:なるほど。

濱田:今回の本試験の第一問の種類株式も、多分皆ができないなかでの勝負だったと思うんです。確か答練の最後らへんにも株式が出題されそうだっていう話は聞いていたので。

梅澤:バッチリ当たった訳だ、それが。

濱田:そうです。

梅澤:じゃあ企業法は結構取れた?

濱田:偏差値60いきました。

梅澤:素晴らしい。

濱田:ありがとうございます。

梅澤:他の科目、総合で偏差値はどれぐらいだったの?

濱田:55です。経営学は59取れました。

梅澤:やっぱり経営学が皆できたんだね。

濱田:経営学はでもあんまり自分で得意っていう印象なくて。いつも答練とかでは平均70だったら69とかで、目標点いくかいかないかぐらいだったんですけど、それでも他のCPA生とかもそうなので、永田先生の経営学の講座自体が良かったんだと思いますね。

梅澤:今回は本当に合格者、不合格者合わせても、平均で60近いぐらい偏差で皆取っていたので。多分CPAで平均点ぐらいだと多分それぐらいっていう、まさに実力通りというか、CPA生の成績通りという成績を取ってくれたのかなと。

いつでも質問できる体制と、受講生同士が刺激し合える学習環境

梅澤:あとは教材面以外でCPAの良かったところって、他に何かありますか?

濱田:あんまり意識したことはないんですけど、答練が終わった後とかに先生にすぐ質問できる体制もそうですし、切磋琢磨できる勉強仲間がいたこともよかったです。無意識のうちにこの人にだけは負けたくないっていう気持ちとかも芽生えて、それがいい意味で勉強するサイクルにはなっていたのかなと思いますね。

梅澤:やっぱりそうだね。ライバルっていうのは大事だよね。今回結構CPA生で上位合格者がたくさん出ていて、やっぱりそういう人達が同じ教室で勉強をしていて、自習室で勉強していてっていうのを見ていると、やっぱりもっともっとやらなきゃなみたいなっていうのがあったりするよね。

濱田:やっぱりこの試験って相対試験なので、受かる人もいれば落ちる人もいるので、自分より上がいるってことは自分が落ちる可能性が高くなるっていうことなので、それってやっぱり危機感は持ちますよね。

梅澤:素晴らしい。危機感って芽生えたのっていつぐらいからっていうのはあります?もうずっと?

濱田:やっぱりこれって相対試験なので、ずっと危機感はあったと思います。

梅澤:最初ってやっぱり授業を消化するのに精一杯で、あんまりそういうところまで意識向けられる人って多くないと思っていて。

濱田:答練を受けると優秀者が成績上位者として名前が貼りだされるんです。僕は絶対にそういうところには載れなかったので、そうすると負けたくないという気持ちが大きかったです。

梅澤:負けず嫌い?

濱田:どうなんですかね、そこまでではないんですけど、この試験をやる上では、誰しも少しはそういう気持ちは持っていると思うんですよね。

梅澤:そこがこだわった部分というか、この試験においてはしっかり勝つぞという気持ちで勉強していたのかな?

濱田:そうですね。あとこの試験は学校の試験と一番違うところって、一夜漬けでは全然太刀打ちできないっていうところだと思います。1日必死になって頑張ったところで、その試験に受かる全体の量からしたら、微々たるものになる時もあると思うんですよ。要するにこつこつコンスタントにやっていくことが、多分この試験で重要視されているので、そういうところを意識していったら良いのではないかと思います。

濱田 和輝さん

この試験は頭の良さでなく、努力できるかどうかで決まります。

梅澤:最後に今勉強中の人に何かメッセージがあれば。

濱田:別に僕も偉い人じゃないんですけど、僕も勉強を始める頃とか短答受かる前までって、こういう合格体験記を見るとすごい頭の良くて秀才な方が載っているんだなって思っていたんです。僕はそんなに秀才ではないと思っていて、ただ一方で努力は結構したと思っています。そんな僕でも努力すればこの試験は突破できたので、秀才ばかりが受かる試験でもないなと実感しました。自分が今何で勉強するんだろう?って思っている人もいると思うんですけど、それは1年後2年後3年後とかに花開く時が絶対にくると思うので、諦めないでほしいんです。先ほども言ったんですが僕みたいに秀才ではなくても合格する人もいるので、頑張ってほしいなと思います。

梅澤:もうその言葉で受験生は元気づけられると思います。素晴らしいメッセージをありがとうございます。

濱田:いえいえ、ありがとうございます。

梅澤:今日はありがとうございました。

濱田:こちらこそありがとうございました。

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