【私が会計士試験を目指した理由】
経理部として働いて、様々な業種の監査をする会計士への憧れが強くなりました

――:大熊さんよろしくお願いします。

大熊:よろしくお願いします。

――:大熊さんは今30歳でお仕事は何をされていましたか?

大熊:一般事業会社で、経理の方をやっておりました。

――:経理の仕事を通して会計士について興味を持たれたのですか?

大熊:もともと大学生の時から会計の勉強をしておりまして、就職活動も経理や会計事務所を中心にしていました。

――:現在経理の仕事をされて、6~7年目くらいですか?

大熊:そのくらいです。

――:会計士の試験を目指そうと思ったきっかけはありましたか?

大熊:もともと学生時代から、専門的な知識を身につけて将来働きたいと思っていました。実際に働き始めて、会計士の先生方とお話しさせて頂く機会が増え、自分も社内の経理部門として数字を作る面白さを感じつつも、外からいろんな業種を見てみたいという思いが強くなっていきました。現行の会計士試験の試験制度であれば働きながらでも合格できるのではないか、と感じ出したことがきっかけです。

――:なるほど。それは働いて何年目に感じられたのですか?

大熊:そうですね、働きだして2、3年目くらいから会計士試験を意識し始めました。

――:社会人で資格取得を目指すとどうしても勉強時間の制約があるので、税理士ならば科目別に受験することができるため、勉強時間が確保やすいと考え税理士を目指す方もいらっしゃいます。会計士を選ばれた理由である、資格の魅力や、試験に教えていただけますか?

大熊:会計士にはキャリアの選択肢が広いという魅力があります。試験制度については、私は税理士の試験を最後まで受け切ったわけではないので、一概に比べるのは難しいですが、税理士の簿記と財表は科目合格していました。

――:この2科目を持っていると、会計士試験でも科目免除が認められますね。

大熊:会計士試験の短答式試験の財務会計論が免除になります。

――:すでに簿記と財表は学習できているし、免除科目もあるので自分にとって会計士試験は、受ける科目も限定できて有利であると思ったのですね?

大熊:そうです。

――:CPAの重要性はA、B、Cが全科目、論点別に全て明示してありますから、それを信じて出題可能性のあるところから勉強する方が効率よくできそうだなと思っていただけたのですね?

大熊:短期間での合格を目指せるのではないかと思い、会計士試験を受けようと決めました。

【仕事と勉強の両立】
多忙な仕事や家族の時間を大切にしながら勉強を続けました

――:就職して3年目の2013年に日商簿記1級も取得し、会計士試験で財務会計論の免除を取得したうえで、会計士を目指されたということですね?

大熊:その通りです。

――:会計士を目指されてからは学校を変えましたか?またどのように受講していましたか?

大熊:引き続き通っていた他校の予備校で、会計士の講座を学習しました。働きながらの学習のため、校舎に通う時間がなく通信講座で勉強していました。

――:財務会計論は既に税理士試験の課程で勉強していて科目合格していますが、監査論や企業法については初めて学ぶことになりますよね?初学者向けのコースで入学されましたか?

大熊:そうです、初学者コースで勉強し始めました。

――:通信での勉強は孤独ではなかったですか?一方で会社では同僚がお仕事終わったあとに飲みの誘いを断ったりするのは大変でしたか?

大熊:正直なところ、会計士の勉強を始めたからといって、飲み会を断って帰宅し勉強するという生活ではありませんでした。職場も上場企業でしたので年度の決算の他に四半期決算もありました。そのため平日はほぼ勉強できませんでした。平日勉強できなかった分をいかに休日でカバーするかに重きを置いていました。

――:では休日はほとんど勉強されていたのですね。会社は土日が定期的にお休みでしたか?

大熊:そうですね。ただ繁忙期は休日でも出勤していました。それ以外の時は基本的には土日は休みでした。

――:休日はどのくらい勉強に時間を使っていましたか?

大熊:やる時は1日に10〜12時間ぐらいですかね。

――:土日共10時間程度勉強時間を確保できたのですか?

大熊:家族との時間は必ず確保するようにしました。土日のどちらか、または決まった時間だけは家族で外出する等の時間にしていました。そのため毎週土日にしっかり勉強できていたという訳ではなくて、土日両方12時間やる週も当然ありますし、1日は家族との時間を楽しむという日もありました。

――:短答式試験の直前である5月上旬は経理のお仕事が一番忙しい時期ですよね?5月の短答式試験も受験しましたか?

大熊:5月短答は受けてはいました。ですが、やはり試験直前期に会社の繁忙期でまともな学習時間を確保できず、試験に向けた対策が何もできていなかったので、絶対無理だろうなと思って受けていました。

――:実際に短答式試験に合格されたのはいつ頃ですか?

大熊:2016年の12月です。短答合格までが本当に長くかかりました。

――:何年間ぐらいかかりましたか?

大熊:トータルで4年ぐらいです。ただ最初の1~2年は、会計士試験の勉強に関しては生活リズムも含めて助走期間といった感じでした。本気で会計士の試験に向けて勉強仕出したのはその後からです。

――:社会人3年目以降の2013年からということですか?

大熊:そうです。

――:社会人3年目あたりから本格的に約3年勉強して、2016年12月に短答式試験に無事合格されたのですね?

大熊:そうですね。

――:先に税理士試験で財簿を取っていたため、会計士試験でも財務会計論の免除がありましたが、これは試験勉強に有利に働きましたか?

大熊:会計を勉強する上でのベースになりました。管理会計論においても、日商簿記一級を取っていたので、会計学に関しては取っ付きやすかったです。そのため、私のような学習スケジュールでも本格的に会計士試験の勉強をやりだしてから約3年で、短答式試験を合格することができました。

――:合格の手応えを感じだしたのは何回目の受験からですか?

大熊:最後の5回目ですね。

――:最初の頃は一応受けるけれども、無理だろうと思っていたのでしたね?

大熊:短答式試験は5回受けましたが、5月の受験は毎回無理だろうと思っていました。

――:短答式試験は1年に2回チャンスがありますが、12月が本命でいらっしゃったんですね。

大熊:そうです。

【CPAへの移籍】
時間のない社会人にとって、CPAのテキストや問題集に細かく重要性が振られていてありがたかった。また、自習室も十分に確保されていて助かりました

――:CPAに移籍されたのはいつ頃ですか?

大熊:2015年の12月、今から2年くらい前です。

――:CPAに移籍後の2016年の12月に見事短答式試験に合格されて、論文式試験はいかがでしたか?

大熊:2017年8月の論文式試験に無事に合格しました。論文受験期も年末年始、4~5月は会社の繁忙期でどうしても会社の業務が忙しくて土日も出勤することが結構あり、ほとんどできない期間もありました。それ以外の土日を勉強にあてていました。

――:CPAに変えようと思ったのはなぜですか?

大熊:移籍を決意した一番の理由は、CPAのテキストに重要性が細かく振ってあることです。他校で勉強していた時には、テキストや問題集の1論点ごとに細かく重要性が振られていることはありませんでした。時間がない私にとって取捨選択、どこへ集中して時間を使いどこは捨てていいのか、そういう判断がとても大事であり難しかったのです。

――:なるほど。

大熊:そこで効率的に学習するために、テキストに細かく重要性の振り分けをしている学校はないのかな、と各予備校を検討して探していた時に、早稲田校で齊藤先生と相談させていただいて、CPAのテキストを拝見しました。

――:無料の受講相談に行かれてCPAのテキストをご覧になったのですね?

大熊:そうです。当時住んでいたところから早稲田校がCPAで一番近い校舎ということもあってそこでお話させて頂きました。その時にテキストや問題集も見させて頂きましたが、論点・例題ごとの本当に細かい項目ごとに重要性が割り振られていたので、これはいいなと思いました。A論点とB論点を徹底的にやっていこう、C論点は捨ててしまって大丈夫なんだということが明確になりました。時間がない中勉強していく上で、集中的に重要な論点に時間を掛けられると思ってCPAに移籍することを決めました。

――:なるほど。

大熊:移籍のきっかけとは異なりますが、他校では個別の自習室を使うのにも混んでいて自由に使えない時がありました。

――:他校の自習室はなかなか自由に使えるわけではないんですね。

大熊:校舎によって一概には言えないと思いますが、私の通っていた校舎では個別のパーテーションで仕切られている自習室はすぐに埋まってしまって、他に自習できるのは3人掛け横並びの教室を使うだけのスペースしかなかったです。

――:やっぱりパーテーションで仕切られている方が集中できますか?

大熊:そうですね、やはり集中力が全然違います。それがCPAでは自由に使えるというのがいいと思います。

――:勉強できる環境があり、重要性が全部振ってあるので、学習時間の確保が難しい大熊さんには最適な環境だと思われたのですね。

大熊:そうですね。齊藤先生との面談の時もA、B論点中心に勉強することを優先させるというお話を伺って、その言葉を信じて勉強してきたことが合格に繋がったのだと思います。

【重要性と理解重視の学習】
CPAのテキストは、講義で知っていた知識を定着できるよう作り込まれていました

――:CPAでは理解重視の学習方法も大切にしています。できるだけ暗記項目を減らして、理解を図るために多く図表を挿入したり、テキストが厚くなっても記憶に残るような説明を教材にしています。大熊さんはこのテキストをどのように使っていましたか?

大熊:図表を多く使っていることはテキストの様々なページで感じます。私の場合時間がなかったので、CPAの全講義を最初から受けたという訳ではありませんでした。テキストだけで理解ができるように丁寧に説明が記載されているので、どうしても理解できなかったところだけ講義を見るというやり方で勉強することができました。

――:テキストをベースにそこまで勉強が進むものなのですか?

大熊:進みます。CPA移籍前に全科目一通りの講義は終えていましたので、「知っている」から「得点できる」ようになる必要がありました。CPAのテキストは、なんとなく講義で知っていた知識を定着させることができるよう作り込まれていました。そのためCPAのテキストを使ってまずは自分で勉強を進めていって、理解できないところは講義を見て復習していました。要所だけを見ていた講義でも、しっかりと理解することができましたし、テキストと合わせて受講することで更に理解が深まるようになっていました。

――:テキストをベースに講義は必要な範囲のみを見る学習方法は全科目で行いましたか?例えば監査論などの過去に学習していなかった科目はまず講義を見てから学習した、などの科目による工夫はありましたか?

大熊:いえ、CPAでは全科目テキストをベースにした学習方法でした。他校ですでに短答科目の学習範囲の講義は見終えていたため、全く新しい範囲というのはありませんでした。

――:他校での今まで学習してきたことをベースに、CPAではそれをしっかり押さえておこうとされたわけですね。重要性に従って、Cランクの論点を後回しにできれば、今やるべきことが限定でき、学習の進め方も速くなるので勉強が進んでいるなという実感も持てますね。

大熊:CPAではCランクと言われている問題も、他校で学習していた時には結構時間を割いて解いていたな、と思うことが多かったです。

――:今CPAはありがたいことに他校から移られる方が増えています。今年合格された受講生さんの中にもいらっしゃいますが、「他校ではCランクの論点も結構時間をかけてやっていた」、「重要性についてもっと早く知っていれば、よりコンパクトに早く合格ことができたのに」という声を頂いております。

大熊:私もまさにそう思います。

【答練の活用方法】
答練はライブでは受けられなかったが、本番と同じ時間、同じ順番で解くようにしていました

――:CPAに移籍後も通信講座で勉強していましたか?

大熊:勉強場所を確保したかったことと、疑問点をすぐに先生に聞くメリットを受講相談の際に伺っていたので、早稲田校に通学で通っていました。

――:基本的にはCPAの自習室で自習され、テキストとDVD受講で勉強されていたとのことですが、答練はどのように受けていましたか?

大熊:答練も講義同様ライブで受けることは出来ませんでした。しかし、必ず答練は後からもらうようにして、休日などの勉強ができる時にまとめて解いていました。短答までに必要な答練は応用答練、直前答練がありましたが、全部解くようにしていました。ライブで受けられる訳ではなかったので、家や自習室でひとりで解くことになりますが、本番をイメージして本番と同じように解いていました。

――:後出しと言われる答練の受け方ですが、注意していたことはありましたか?

大熊:自由な時間に答練を解くとなると、どうしても自分で好きな科目から始めてしまったり、今日は疲れたからこの科目は明日やろうとかになってしまうと思うんですが、必ず本番と同じ時間、同じ順番で解くようにしていました。この問題が本番だ、というイメージを持つようにして気持ちを切らさずに答練に臨むことは意識していました。試験科目の順番や時間は決まっていますし、集中力などの訓練はできるはずなので対策できそうなことは全てやるつもりでいました。

――:単純に答練を解くだけでなく、ご自分で模試の様な形式にして受けていたのですね?

大熊:土日の丸1日勉強に使える日があった時は必ずこのやり方で受けていました。

――:答練で問われる内容の学習とは別に、全体としてのモチベーションを本番に持って行く機会を作っていこうというわけですね?

大熊:そうです。

――:すごいですね。

大熊:本番のイメージというのはとても大事だと思っていました。それは答練時から常に忘れない様にしていました。

――:短答の時は本番にできるだけ近い条件で答練を受けていたということですが、論文受験の時はどのように答練を受けていましたか?

大熊:論文も本番と同じ様に当然やりたいところでしたが、論文式試験は3日間試験を行うので3日間まとまった時間を確保することは難しかったです。そこで、勉強するサイクルを本番に合わせました。例えば1日目は監査論と租税法、2日目に会計学、3日目が企業法と選択科目という順番で本番は行われますので、そのサイクルで日頃の勉強をしていきました。

――:普通の勉強も、必ずそのサイクルでやっていらしたのですか?

大熊:論文受験の間全部ではありませんでしたが、直前1ヶ月は頭の切り替えなどを体に染み込ませようと思いました。どこまで効果があったかはわかりませんが(笑)

――:面白いですね。初めてその学習スケジュールを聞きました。

【得意科目・苦手科目】
社会人は、勉強時間に制約があるが、企業法の規定など具体的にイメージできる有利さもあります

――:大熊さんは得意科目や苦手科目はありましたか?

大熊:正直得意と思えるほどの科目はありませんでした。ただ苦手科目だけは作らないようにしようと思っていました。特に論文式試験で配点方的が大きい会計学だけは苦手になってはダメだと意識して勉強していました。

――:大熊さんは税理士試験の簿財合格を持って受験されたので、短答式試験では財務会計論が免除となりましたが、免除科目があることは論文式試験や短答式試験の他の科目の配分なんかにも有利に働きますか?

大熊:科目免除を持たないで受験することと比較してということですよね?

――:全科目会計士試験に向けて勉強することと、簿財を持っておられる方が会計士試験を受けることはどのくらい差があると思いますか?

大熊:短答式試験では1科目免除になるので、当然他の科目に勉強時間をあてられる分有利だと思います。論文式試験でも財務会計論はある程度の基礎が税理士試験の簿財でできているので、他の科目に勉強時間を多く費やすことができる、という印象はあります。

――:税理士の簿財の試験範囲とは異なる内容、例えば連結などに時間をかけていましたか?

大熊:連結に関しては会計士の勉強をやりだしてから集中的に時間を使ったという感じはします。

――:細かい出題傾向に違いはあれど、そんなに負担は大きくありませんでしたか?

大熊:そんなに負担は大きくなかったと思います。あとは実務として使っていたということも大きかったです。もちろん実務は実務、試験は試験で、繋がらない部分もありますが、繋がる部分も少なくはありません。連結する上での構造的な基本的な考え方やキャッシュフロー計算書も実務で開示していたりもするので、そのような構成だったりはある程度頭に入っていました。どういう作りで、どういう論点があるのかなど、基本的な所で結びつきやすかったというのはあると思います。

――:会社法を勉強する際にも、会社で働いていたらより具体的にイメージできたりしますよね?

大熊:機関等イメージがつきやすい所は確かにありました。

――:学生ですと、会社の機関の名前を言われてもなかなかピンと来ないですからね。

大熊:完全に暗記になってしまう部分もあると思います。

――:常に本番を意識して勉強されていたとお聞きしましたが、科目間の勉強のバランスは自分の中でどのように意識してコントロールしていましたか?何か工夫はありましたか?

大熊:やはり会計学のウェイトは高かったです。会計学は絶対に苦手になってはいけない。会計学でむしろ得点を稼がないと思っていました。そのため会計学に使う時間は割合的には多かったかもしれないです。論文試験科目である、選択科目は経営学でしたが、経営学や租税法は短答式試験合格後からも勉強時間の確保はほとんどできないだろうと思っていたので、短答時代から初めました。

――:いいバランスだったと思います。

大熊:租税法に関しては消費税、法人税はすでに少し勉強していましたし、実務で携わる部分もありました。論文式試験に向けた勉強をする上で、このアドバンテージは大きかったかもしれません。経営学は全くゼロスタートだったので短答受験の時から勉強を始めました。

――:その勉強時間を何かに記録していましたか?

大熊:細かい記録は取っていませんでしたが、この時期にこれをやるという目安、配分は自宅の机に貼って、管理していました。

――:会計士試験に対して、ご家族の協力というのはどのような感じでしたか?

大熊:家族の協力なしでは合格できなかったと思います。生まれて間もない子供がいる中で、土日のほとんど勉強に費やすことを認めてくれていました。その上、協力的にサポートしてくれていたことには本当に感謝しています。

――:ではお子さんも産まれて、試験も合格された今年はとても素敵な年でしたね。夢だった専門的な資格を持ち、一生会計士と名乗っていけるようになって今どのように感じますか?一家の主としても心強いですよね?

大熊:子どもが生まれたことが、モチベーションになったというのもあるかもしれません。家族の時間を犠牲にして、かつ支えてくれたことに、なんとか報いる形で恩返ししなければという思いがありました。

――:家族というのはいいものですね。

【悲願の会計士試験合格】
家族にこれ以上迷惑はかけられないと背水の陣。最後の挑戦で勝利の女神が微笑みました

――:試験の成績はどうでしたか?

大熊:本当に合格ギリギリでした。恥ずかしいくらいにギリギリです。

――:やっぱり先程言われていた通り、会計学の成績が良いですね。

大熊:会計学だけはそこで取らなければいけないなという思いがありました。見事本番でハマった形です。会計学が他の科目の不足部分を補っています。

――:改めて、会計士試験ってすごいですね。普通受かった人の順位は出さないと思いますが、会計士試験は全ての受験生の順位が出ますからね。試験に落ちた人は、自分が全受験者に対してどの位置にいるかを知っておいた方が次に繋がるので、効果的だと思います。

大熊:私は本当にギリギリの合格でした。

――:あと100番200番、順位が上か下かというだけで全然人生が変わりますからね。

大熊:正直この生活をもう1年やるかと言われたら、どうしようかなという思いはありましたね。

――:背水の陣だった訳ですね。お子さんも産まれたわけですしね。

大熊:もし今回落ちていたらこれ以上迷惑はかけられないと思って諦めていたかもしれません。

――:家族の犠牲もそうですし、自分の馬力という意味でもしんどくなりますよね。それだけ今まで色んなことに制約つけて勉強されていたということですよね。その思いが通じて今回合格できたということですね。大熊さんにはスランプとかはありましたか?勉強していく中でどうも空回りしているなというような感覚はありましたか?

大熊:スランプというか、そもそも仕事で勉強時間が取れない期間がありました。その時は仕事が忙しくて、どうしようと考えている余裕もありませんでした。

――:仕事が忙しくて、帰り道の電車の中で疲れたなと思うこともある中で、それでも勉強を進めて行かなければならないと鼓舞されていたと思います。昨日から進歩していないしどうしよう、と思うことはありましたか?

大熊:平日はあまり勉強のことは考えていませんでしたが、休みの日に思い出して焦ることはよくありました。

――:そんな時にどうやって自分を励ましましたか?お仕事をされながらだと、どうしてもカリキュラムから遅れが出てしまいますよね。

大熊:一人だと難しかったかなと思います。やっぱり家族がいたから、というのが大きかったです。諦めてしまったら今まで掛けてきた数年間が、今後活かせる部分もあるとは思いますが、試験に合格するという意味では無駄になってしまいます。ここまで協力してくれた家族に顔向けできない、今までの時間を無駄にはできないという事は強く思っていました。

【私のテキスト活用方法】
A、B論点しか時間がなかった。CPAのテキストのA、B論点をやっていれば十分試験範囲を網羅できます

――:教材に関してお話を伺えたらと思います。

大熊:はい。そんなに面白みがある訳ではありませんが(笑)

――:他の合格者のテキストに比べてキレイですね。

大熊:テキストを加工する時間もそれだけ割けていなかったということなんですが、ただ一番意識していたのはこのランクですね。

――:やっぱりこの重要性のランキングというのをマークされていますね。

大熊:そうです。本当はA論点とB論点を色分けした方が良かったかなと思いましたが、一目でここはA、ここはBとわかる様にして。もうCはバツしちゃっています。

――:C論点のような後回しにしてもよい部分には、見ない様にバツがされていますね。

大熊:本来はあまり良くないかもしれませんね。

――:それはやり方次第です。その分ご自身でリスクを取られている訳ですから、働きながら合格を目指す上で多少は生じるものだと思います。

大熊:確かにリスクは自分でも覚悟をしていました。このような短答C、論文Cの論点は一切触れていないです。

――:予備校を移籍する上で大切にしていた、重要性がCPAにはあるので、バッサリ切れるところが決まって勉強する道筋は見つけやすかったですよね。

大熊:これが他校ではできませんでした。重要性が載ってないんです。

――:そうですよね。これはCPAのように先生が少数精鋭の学校だからこそできるんです。ここまで細かい論点ごとに重要性を明示できているのはCPAだけです。それをうまく使って頂いた合格者がいらっしゃるのは本当にありがたいです。もし大熊さんが上位合格を目指されていたり、受験専念で確実に合格したいと仰っていたら、CPAもさらにA、B論点だけでなく、C論点の学習もするようお話をしていたと思います。

大熊:当然私もC論点をやらなくてもいいとは思っていませんが、時間をどこに使うかというと徹底的にA論点と余裕があったらB論点という感じです。

――:実際A、B論点に絞っての学習をやってみてどうでしたか。会計士試験において勉強量は十分でしたか?それとも足りませんでしたか?

大熊:結果論になりますが、A論点をしっかりやって、なおかつB論点もやって、A、Bランクをしっかりやっていれば十分網羅できているという実感はありました。

――:先ほど成績を見せて頂いた際、それほど良くはなかったと大熊さんはおっしゃいましたね。もしC論点までやっていたら、成績は上がっていたと思いますか?

大熊:多分成績は上がらなかったと思います。時間があってもAB論点の、精度を高めることに注力していたと思います。

――:そうですね。定着度を上げていけば、もっと上に行けただろうということですね。

大熊:もし時間があったとしても、私はAB論点しかやっていないです。

――:受験を終えてみてもやはりそう思いますか?

大熊:そうですね。

――:絞ってA、B論点をしっかり精度を上げてやれば大丈夫だろうと、それはどの科目も同じでしょうか?

大熊:そうですね。

――:社会人の方、すごく助かると思いますよ。

大熊:少しでも同じ境遇の方やこれから受験を検討されている方のお力に成ればと思いまして。

――:本当に良いお話をありがとうございました。

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