苦手な計算科目も身に染み付いた理解で在学中合格!—渡辺 紘子 さん

梅澤:お願いします。今日は会計士を始めようと思ったきっかけから、受験生時代のこと、そして、将来の展望まで様々なことを聞いていきます。よろしくお願いします。早速、振り返ると、短答受かったのが3年生の12月だよね?

渡辺:よろしくお願いします。そうですね、短答に合格したのが3年の12月ですね。その後、4年生の8月の論文式試験に合格しました。

“在学中合格率NO.1”がCPAを選んだ決め手

梅澤:じゃあその流れで聞いてみるんだけど、渡辺さんが入ってきたのは大学1年生の秋ぐらいだったっけ?

渡辺:それぐらいだったと思います。

梅澤:1年生の秋に始めようと思ったわけだけど、そもそも公認会計士を受験しようと思った、勉強を始めようと思ったきっかけって何かあったりする?

渡辺:高校で部活をやっていたんですけど、そこで副部長をやっていたのですが、卒業すると副部長っていう役職はもう自分には何も残らないなと感じました。大学も最初はサークル入っていたんですけど、また大学を卒業したときに何も残らないのではないかと考えた時、どこに移動しても自分に残る資格みたいなものがほしいなっていう考えたました。あと学部は法学部なんですけど、本当は商学部に進学したくて、元々経営や会計に興味があったことも大きかったです。

梅澤:そうだったんだ。確かに学部は法学部法律学科だよね。

渡辺:はい。そのため、資格と言えば弁護士を目指す人が多くて、弁護士を目指している友達もいたんですけど、やはり経済系のお金の動きのほうに興味があったので弁護士ではなく、経済界最高峰の公認会計士を目指しましたね。

梅澤:なるほどね。ちなみに高校の時、部活は何やっていたの?

渡辺:吹奏楽です。団体で動かないといけないから、部長とか副部長の役割って大きくて、そこにやりがいを感じていました。

梅澤:それから、大学に入って、形に残ることを成し遂げたいと考えて、興味のあった経済系の資格を志したわけか。実際に会計士かなって思ったのっていつぐらいなのかな?

渡辺:夏休みに入った頃だと思います。公認会計士のダブルスクールの公告やチラシを目にすることが多くて、興味を持ちました。

梅澤:自分のケースもそうだったよ。やっぱり何か大学生活だったり高校生活のなかで打ち込むものだったり、何か核になるようなものが欲しかったりするよね。サークルは高校の部活よりはゆるくて、そんなに打ち込むものでもないなっていう時に、何か1個掲げる大きな目標として候補に挙がってくるのが公認会計士っていう感じなのかな?

渡辺:大学に入ると、部活が無くなってしまって、物足りなさを感じ、心にぽっかり穴が開いたような状態でした。大学に入ったのに、勉強せずに遊んで四年間過ごすことに不安感を抱きもしました。

梅澤:CPAを選んだ何かきっかけとかってあるの?

渡辺:最初に大原の説明会に参加して、設備とかは魅力的に感じたのですが、在学中の合格率で見たら、CPAが一番だなと感じました。目標は受かることなので、やはり、合格率を売りにしているところのほうがいいのかなと考えて、CPAを選びました。

限られた時間のなかで得点を伸ばす秘訣はカリキュラムと質問できる環境

梅澤:では、具体的な勉強の話に移らせてもらいます。初めは管理会計から始めていたかな?

渡辺: そうですね。4月ごろから企業法や監査論といったほかの科目も始まって、手が回らなくなった感じですね。授業の消化に追われて、答練に向けてしっかりと復習ができていなかったです。初めての短答式であった3年の5月が駄目だったのもそこが原因だったのかなと思います。

梅澤:5月の短答ってどのくらいの得点率だった?

渡辺:50%とか51%とかそれぐらいの感じです。次の12月を受けたときは71%ぐらいでした。

梅澤:71%ぐらいか。一度駄目で、その反省とか悔しさを生かして12月の短答合格を果たしたと思うんだけど、自分の中での反省点とか改善点とか聞いてもいいかな?そういった話は受験生のみんなの参考になるかなと思うんだけど、どうかな?

渡辺:正直、5月を受ける時に計算を捨てていて、理論だけでなんとかならないか?みたいな感じでやっていました。計算の短答問題集もほぼほぼ開いたことがない状態とかで受けた結果で基本的なところから見直して、計算を重点的にやろうと考えたので、答練を2週は回すことを意識していました。

梅澤:では、1回目と2回目で大きく変わったところと言えば、計算が変わった感じかな?

渡辺:そうですね。5月の時、計算は2割ぐらいだったので、大きく計算の点が向上しましたね。

梅澤:理論は取れていてって感じだったんだね。難しいとは思うけど、計算力を問題集や、答練を利用して、底上げしたと思うんだけど、具体的に何を意識していたとかあるかな?

渡辺:わからないところを洗い出すことを徹底していました。とりあえず量をこなしてみると、間違えている論点で、どの知識が抜けているのかが明確になりました。何回も間違えるところは理解が弱くて、そこからは、質問も行くようにして、疑問点をすぐに解決するように心がけていました。

梅澤:わかりました。短答受かった後、8月の論文まで9か月ぐらいあったと思うけど、その時期についてお話を聞いていきたいです。その間、モチベーションとかは落ちなかったのかな?

渡辺:はい。短答前は私CPAのなかで友達がほとんどいませんでした、短答終わって論文の勉強に入ってから、答練をライブで受けている人と仲良くなって、友達がいるかいないかでCPAへの滞在時間みたいなものも全然変わりました。友達より早く自習室に行こうとか、答練で負けたくないっていう気持ちが湧いてきて、それが結果としてモチベーションを維持できたと思います。

梅澤:懇親会も定期的に開催されていて、それも友人を増やす良いきっかけになったのではないかと思う。勉強仲間ってモチベーションって意味でも大事な存在なんだね。あとは、具体的な自分なりにこういう勉強のサイクルとか、方法がしっくりきたとかってあるかな?

渡辺:論文になってようやく配布されるカリキュラム通りに進めることができるようになりました。まずその答練、ライブ講義を日程通りに受けることを目標にしました。小さなゴールを設けることで、やることが明確化されてよかったです。短答の時は、自分で答練の日とかも設定していたので、次第にペースが遅くなってしまった点が反省点です。重要性を意識して、限られた時間のなかで答練の点数を一番高くするには、どこをやればいいのかっていう効率性を強く考えるようになりました。

重要性を重視して効率的な勉強時間を演出

梅澤:短答の時の勉強方法について詳しく聞いてもいいかな?

渡辺:短答の時は、テキストを最初読んでいても、何がポイントなのかが最初わからないので、短答問題集をたくさんやっていたという記憶があります。

梅澤:短答問題集大事だよね。問題集を解かないとテキストどう読んでもいいかもわからないっていうところがあると思うので、それをまず短答問題集をしっかりやって、引っ掛けのポイントとかを押さえていこうとかっていうところだよね。論文はどうかな?

渡辺:論文は答練をやり直したりすることに重点を置いていました。制限時間内でどの問題を解くのかという取捨選択が大事だなということを論文期には痛感しました。そのため、答練を重視して、実戦練習を積みました。それから、またテキストに戻って、普段の勉強で足りないところを確認することを繰り返していました。

梅澤:短答、論文に共通して、やはり理解の重要性という点で共通していると思う。短答問題集や答練アウトプットベースで、結局テキストの知識をいかに紐づけていくかが大事だよね。あと、理論のテキストはボリュームがあって、回すのが大変だと思うけどそこら辺はどのように勉強してたかな?

渡辺:確かに、ボリュームはあったんですけど、短答、論文ごとの重要性が振られていたので、重要性を意識して勉強することができ、結果として分厚いテキストを効率よく勉強することができたと思います。 また、試験の点を取る上では知らなくてもいい論点もあることがわかり、それが返って安心感にもつながりました。

梅澤:ここで、話が少し変わるんだけど、8月の論文が終わって、これから女性会計士として活躍していくと思うんだけど、会計士を志す女性がCPAを選ぶ理由やメリットあれば聞かせてほしいな。

渡辺:就活や講習所で、大学生よりも既卒の方や社会人の方を多く見受けます。CPAの強みとしては、勉強している生徒の大半が大学生で同年代の仲間が多く作れる点に魅力があると思います。また、監査法人の先輩、リクルーターにもCPAのOBが多くいて、縦のつながりの強さも感じました。

梅澤:あとは実際にCPAで色んな授業を受けていたと思うんだ。圧縮講義も受けたことあるじゃん。普通の初学者向けの講義も受けたことあると思うんだけど、講義を色んな回数を受けて、やっぱり何がCPAって良かったかなとか、何か特徴とかって感じたことってある?

渡辺:重要度はテキストに書いてあるものに加えて、口頭でも特に重要ですっていう説明とかもあるので、それを意識しながら受けていくとすごい効率的だなって。あと、理解重視の授業でわかりやすいですよね。さらに、勉強してて個々の論点が浮かぶことがあるんですけど、やっぱりそれが全体として何の話をしているのかっていうのを理解していないと点数にならない。特に企業法とか論ズレの恐れがあるなってすごい思って、何の話をしているのかとか流れっていうのはすごい大事だなって特に論文の時に思いました。

間違えたところ、混同しやすいところ全てをテキストに一元化自分だけの最強のテキスト

梅澤:今日は、使ってたテキストを持って来てもらったので、テキストの使い方をきいてみたいな。何か具体的に自分なりのこだわりっていうか、まとめ方だったり、色の付け方だったりっていうのが点数に繋がったなとかって何かある?具体的なページとかで。

渡辺:直前期の話だと、やっぱり大きい論点っていうのが重要なのかなって思って、論点別にここだけ読み返したいのでこういう付箋を貼ったりしてました。

答練の直前だったり、試験の直前に見返すべき論点みたいなのをこういうマーカーで引いて、パッて開けるようにしているみたいな感じで。

梅澤:なるほど。

渡辺:試験に出るかわからないって言われていたところのマーカーが多いですね。

梅澤:つまり自分がちょっとここが弱そうだなっていうところを予めマークとかしておいて、そこをやっぱり直前とか、試験直前とかにチェックできるようにしているっていう?

渡辺:話が混同しやすいところ。株主総会と取締役会の決議とか。違い何だったっけってなった時に、すぐ参照ページとかを書いて、リンクするようにしたりとかしました。

梅澤:間違ったところとか、自分のなかで混乱しやすいところとかっていうのをまとめてるっていう?

渡辺:そうですね。あと問題集とか答練で間違えたところはテキストに書き込んでました。テキストに一元化することが大事だと言われていたので。

梅澤:やり方とかって人それぞれ違ってて、付箋貼るとか、人によってはもう折っちゃう人もいるだろうけど、そこをちゃんとその都度、答練で間違ったものとかをテキストに一元化できていたっていうのは素晴らしいと思います。

渡辺:そうですね。結構言われたことは素直にやるっていうのは大事なのかなっていうのはすごく思います。

梅澤:確かにね。でもそういう当たり前なことで、これが大事だよっていうところって、なかなかちゃんと忠実にやっている人っていうのも多くないと思うから、実はそういうのをちゃんとやるのが大事なんだっていうのを言っていただけるだけでもすごい参考になるとは思うんだよね。次、経営ならではの、何か良かったこととかってあるの?このテキストの書き込みとか。

渡辺:答練で間違えたところを書き込むっていうのと、これも似たような話の時に比較を書いておくっていうところぐらいですかね。

梅澤:だからやっぱり根本的には一緒だよね。間違ったところとか、混同しやすいところとか、間違えやすいところを付箋だったり、ちゃんとマークしておいて、答練とか試験前には確認しておく。

渡辺:こっちは計算のほうだったので、答練で出てきた数字とかも書き込んで。答え方とかも書いておくっていう。

梅澤:じゃあ具体例もそこに書いちゃうんだ?数字とかも?

渡辺:そうです。具体例を実際の問題として確認できて良かったです。

梅澤:それはなかなかあんまり聞いたことないような。数字を使って問題みたいに確認できるようにしておくっていうのも確かにいいかもね。

暗記に頼らず、身についた知識で計算は攻略していく

梅澤:そうだよね。わかりました。苦手科目の話だけど、やっぱりちょっと計算が全般を通して特に多分1年目の時の苦手意識があるのかな。

渡辺:そうですね。

梅澤:最終的に会計学も、得意って訳じゃないんだけど、苦手ではなくなったのかなっていう感じだと思うのね。難しいのって、みんな理論と計算のバランスがちょっといつも悩むじゃん。多分悩んだと思うのね。今も12月の短答終わって、5月目指していたり、論文目指す人もやっぱりあとは短答でどのぐらいの割合でやればいいのか、今みんな計算頑張っているんだけど。理論いつからやったらいいのかとかって、すごい悩んではいる時に何かすごい細かい話じゃなくて、全般的に自分なりに気付いた理論と計算のバランスって何なのかってある?多分振り返ってみると、あれだけちょっと悩んだから自分なりの解が多少あるような気がするんだよね。

渡辺:やっぱり初めて短答を受けた5月の時に、理論だけ見れば結構いっていたな、確か6割超えていたりしていたので。やっぱり得意不得意の差が大きいのが意外と落とし穴になるのかなっていう気がして、いかに苦手なほうを最低限まで持ってくるかっていう。その最低限のところをクリアできないと、やっぱり合格できないのかなっていうふうに感じて。なので、そのわからないところをひたすら質問しに行って、できないところをつぶしていくっていう。特に計算だと、計算も色々論点があるので、それをガーって書き出してリストみたいなのにして、個別原価計算とかもそういうのを書き出していて。もう特にここは拾わなきゃいけないっていうのを順位付けしていって、ちょっとずつ解いていって、大問として出た時にここだけは計算まで取らなきゃいけないっていうところを拾って、その最低限だけはどれも超すように、というのをセーフティーネットみたいな感じでやりました。

梅澤:やっていたんだ。確かにね。この試験受ける人皆そうなんだけど、やっぱり計算がなかなか上手くいかなくて、理論はある程度すんなりいく人のほうが多いので、タイプ的には渡辺さんみたいにちょっと苦しんだ人のほうが圧倒的に多いと思うのね。なので、その計算科目の時間が取れる分、ちゃんと土台をまず作っておいて、理論は最後ある程度詰め込んで何とかするっていうところが上手くできるかどうかっていうところだとは思う。できる限り計算に時間使って、というところをいかにバランス取れるかっていう、計算だけやっていると理論大丈夫かなって不安になってくると思うんだけど。ちょっと勇気を持って、それが正解なんだって、ある程度思えるような感じを皆さん持っていられたらいいのかなっていう気はするよね。

渡辺:そうですね。最初1、2か月ぐらいはずっと計算で。

梅澤:計算はかなり初めのほうにまとまってやらないといけないよ、理論は後のほうだよみたいな時に、不安じゃん、結構計算だけやるって。理論大丈夫かなって、かなり結果的に見たら、でも12月とかもそうだったと思うんだけど、形にはなったかなっていうところだとは思うので。そこを合格者の人がそうやって言ってくれるだけでも、結構皆勇気出る。

渡辺:こうやって身に付くのに時間がかかるのが計算だなっていうのは感じました。

梅澤:そうなんだよね。そこをいかに耐え抜くかっていうところなんだけどね。

渡辺:ただ暗記だとやっぱり乗り切れないっていうのが計算だなって思うので。

梅澤:そこに出てくるのが必ず理論の不安が出てくるので。やっぱりそこを皆不安に思っているっていうところで。そこが一番悩んだところだと思うし、悩んだからこそ色々説得力出てくるかなと思って、聞いてみました。

目標を持って日々努力できる会計士になる

梅澤:何か実際に4月から働くとは思うんだけど、実際にまだ研修とかも受けていないので実感ないと思うんだけど、こんな会計士になりたいなとか、何か自分なりの目標とかってあったりしますか?

渡辺:やっぱり今まで勉強って大学受験だったりとか会計士試験で、何か目標を作ってそれが終わってっていうことが多かったんですけど、そういう目標を自分で作ってずっと勉強して、色々努力していけるような会計士になりたいなっていうのを思います。

梅澤:やっぱり1年目2年目でそれぞれ自分なりの課題とか目標とかって変わってくると思うんだけど、それを1個ずつこなしていって自分の求めているものっていうのが、だんだんだんだん実現できてくると思うので。でも高校の時も、高校の時はどうだったか知らないんだけど、大学生活のこの4年間でちゃんとその目標を達成したと思うのよ、渡辺さん。これからも働き出してもそういうのを1個ずつちゃんとクリアしていくんだろうなっていうふうには。それはもう思っているっていうか、期待するとかじゃなくて、していくんだろうなっていうのは思っています。なので、これからも頑張っていただければと思います。

渡辺:ありがとうございます。

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