他校で習ったことはゼロベースにし、CPAで偏差値10以上も上がりました。

――:それでは、森下龍太郎様、本日はよろしくお願いします。

森下:宜しくお願いします。

――:今は何歳ですか?

森下:23歳です。

――:会計士試験の学習を始めたのはいつですか?

森下:20歳のときです。

――:最初からCPAですか?

森下:もともとは、他校に通っていました。

――:学生時代に他校に通われていたのですね。

森下:大学2年生の夏に会計士を目指そうと決めて、少し遅れて他校に入るかたちになりました。カリキュラムを追いかけて、努力を怠ることもせずに、短答式試験は一発で合格できたんです。ただその短答式試験も、たぶんあと1問駄目だったら落ちていました。

――:本当にぎりぎりだったのですね。

森下:簿記1級も、短答式試験も、何か1個でもマークミスがあれば駄目だったという状態でした。受かれば同じというようなことを先生はおっしゃってくれたんですけれども、自分としては、ぎりぎりで乗り越えてきたなと思います。

最初の論文式試験を他校在学中に受けたんですけれども、監査論と企業法がとにかく苦手でした。中学生や高校生のときから、数学より国語のほうが苦手だったので、その延長かなと思います。計算するほうが得意で、読解するのは苦手という感じです。

自分でもそういう意識はあったので、特に監査論は、他校で通っていた校舎だけではなく、別の校舎にも行って、一番人気の先生に質問するなど力を入れながら勉強していました。そのように頑張ったんですけれども、1年目の論文式試験は、監査論と企業法が両方とも偏差値43という結果でした。

――:自分としては頑張ったのにという感じですね。

森下:このときに、会計士試験に合格するのは、もしかしてもう無理なのではないかとも思いました。とりあえず、他校では勉強法が確立できなかったので、この2科目をどうにかしないと来年も合格できないと思ったんです。

撤退するか、合格を目指すなら状況を変えるかの2択だなと思いました。当時からSNSをしていて、監査論は齊藤先生がとても分かりやすいという話を聞いたり、ツイートなども読んだりしていたので、まずは齊藤先生と会って話をしてみて、どんな人なのかなという感じでこの水道橋校に来たんです。

――:短答式試験には受かったけれども、次の論文式試験で、監査論と企業法は駄目だったということですね。まだ三振はしていないけれども、撤退するかどうかまで迷われたのですか?

森下:そうですね。それが大学4年生のときで、他の人は春から社会人になるので、自分にもそういう選択肢があると思いました。国際学部でTOEICなどの武器もあったので、会計とは全然違うところにいこうかなという気持ちもありました。

――:英語もできるし、普通に新卒カードを使って就職することも考えたのですね。それでもチャレンジしてみようということで、CPAに一度相談に来ていただいた感じですね。相談したとき、CPAの講師はどうでしたか?疑問点に対して、全部しっかり答えてくれましたか?

森下:そのときは、国見先生と齊藤先生と話しました。特に齊藤先生は、こんなに優しいのかというぐらいで、2号館の校舎案内にも連れて行ってくれました。また、途中ですれ違う合格者の方みんなに齊藤先生がお辞儀されていて、とても丁寧で、腰が低くて、優しい方だと思いました。

他校で一番人気のある先生は、大御所感がかなりあって、「VTRで見ているあの人」という感じでした。だから直接質問に行くということもあまりなく、直接会ったとしても「会えた」という感じで、しかも15分などの限られた時間だったので、それと比べるとCPAは全然違いました。

――:CPAの講師はすぐ身近にいる感じですよね。相談に来て、他校とは全然違うなということで、ここでやってみようと決められたのですね。
入会したコースは、上級論文マスターコースですよね。実際にやってみて、他校とここが違うなというところはありましたか?

森下:まずはテキストが充実しているなと思いました。監査論は3冊あって、他校では1冊だったので3倍の量になりました。

――:他校では、論文式試験対策向けの監査論のテキストは1冊だけ、一方うちは3冊ということで、やり切るのは大変ではありませんでしたか?

森下:単純に3倍というよりは、理解を促進するために図などが用いられているので、量的には2倍ぐらいだったと思います。それに理解が進みやすかったので、まったく苦になりませんでした。

――:余計なところで3倍にしているのではなくて、必要なところを補って3倍の量になっているという感じですね。
このテキストは、かなり使い込んだ感じですね。付箋の色には、何か意味があるのですか?

森下:この付箋の色は、もうその色がなくなってしまっただけなんですけれども、付箋を貼っている位置には意味があります。
まずは授業を受けたときにマーカーを引いて、自習のときに、覚える意味も込めて波線を引きました。マスターしたところは付箋を剥がして、どうしてもマスターできないところは付箋を下にして、定期的にメンテナンスが必要だなというところは上に残しておきました。

もっと細い付箋もあって、質問用として使っていたんですけれども、それはもう全部質問したので剥がしています。

――:毎回、質問するときに止まってしまうので、とりあえず疑問点の箇所にだけ小さい付箋を貼っておいたのですね。

森下:1~2日以内には解決できるようにしていました。

――:勉強は、基本的には水道橋校でされていたのですか?

森下:水道橋校の2号館を使っていました。

――:他校では15分などの制限があったと思うんですけれども、質問は、割と自由にできましたか?

森下:国見先生が、質問をしない生徒が非常に多くてもったいないというようなことを発信していたので、積極的に、齊藤先生や松本先生などにも質問していました。

――:毎週ではないけれども、勉強していて分からなければすぐに聞きに来るという感じですか?

森下:もっと多かったと思います。齊藤先生が水道橋校にいなかったら早稲田校に行ったこともあるし、電話をしたこともあります。TwitterのDMでも質問して、ありがたいなと思っていました。

――:では、かなり質問していただいたのですね。実際に質問を重ねていって、他校では残念ながら監査論・企業法は偏差値43だったとのことですけれども、CPAに移ってきてからの上がり方はどうでしたか?

森下:企業法は、4月、5月ぐらいにはA判定を取りました。やはり勉強不足だったと思います。他校のときは、経営学と租税法という、初めての論文式試験科目に時間を割き過ぎていたし、会計学に特化しろとも言われていたので、その結果、残った2科目に時間を割けなかったのかなと思います。

企業法は、理解に苦しむ場面はそれほどありませんでした。菅沼先生の授業も全部受け直して、理解できないということもあまりなく、一番テキストは厚かったんですけれども、ひたすら回転させていった感じで、偏差値55ぐらいは超えていたと思います。

――:授業はDVDやWebですよね。レギュラー講義と圧縮講義、どちらで学習されましたか?

森下:圧縮講義です。

――:圧縮講義のほうが、時短になるので良かったですか?

森下:財務の計算以外は、他の科目も含めて全部圧縮講義で見ました。財務の理論と管理はコンプリートトレーニングを回しました。ですので、財務の計算以外の授業は、すべて受け直したかたちです。

――:もう一回知識を構築し直した感じですね。少し話が戻ってしまうんですけれども、予備校を移るときに、今まで他校で教えてもらっていた、ここが重要な論点だというところが変わってしまいますよね。さらに下書きの仕方なども変わってしまうと思うんですけれども、そのあたりの不安はあまりなかったのですか?

森下:不安はありました。特に財務などは、このテキストより汚くなるぐらい使い込んでいて、付箋だらけで、1冊にすべてまとめていたので、それをなくすのはどうかと思いました。けれどもCPAで髙野先生にそのことを相談したときに、「絶対やめたほうがいい、中途半端な状態で来ないほうがいい、ゼロベースでやり直したほうがいいからね」ということを言われたので、前のテキストはCPAに移ってからは1回も使っていません。

――:他校で習ったことはゼロベースにして、新たにやっていくという方針ですね。たぶん他校でも、財務は割と得意なほうだったと思うんですけれども、CPAに来てからは伸びましたか?

森下:論文式試験の結果では、全科目伸びました。

――:どれか一つ、例えばさっき言った、監査論や企業法に力を割いてしまったから他が少し下がるということもなく、全部上がったイメージですね。

森下:偏差値でいうと、会計学は48から58、企業法と監査論は43から55になりました。

――:監査論も偏差値43だったのに、合格範囲の55まで上がったのですね。

森下:租税法・経営学はもともと得意な科目だったんですけれども、当時は偏差値54ぐらいだったのが、CPAに来てからは60を超えるぐらい取れるようになったので、全科目安定して総合偏差値58ぐらいで合格できました。

――:論文式試験が終わったときに、これは合格したなと思いましたか?

森下:いえ、偏差値43を取ったトラウマがあるので確信は持てませんでした。例えば会計学などの数字であれば「連結のところはかなりできた」というような感触があったんですけれども、監査論などに関しては、採点する試験委員の方が自分の字が嫌いなのでないか、字が小さいから点数は低いのではないかなどいろいろ考えてしまって、結果が出るまで怖かったです。

――:これは何ですか?

森下:財務のコンプリートトレーニングです。

――:コンプリートトレーニングを自分で切って、穴を開けて、バインダーに綴じたのですね。全部メモを書いているようですけれども、授業で先生が言ったことで、テキストやレジュメに書かれていないことは書いていた感じですか?

森下:渡辺先生を信用してやっていたので、ここに書かれたところ、オレンジで線を引いたところは、絶対に試験で答えられるようにしようと思っていました。付箋もさっきと同様、定期的に見るものは上、苦手なものは下というように分けて貼っていたし、あとは見出しを作って、リースといったらこの8個のことは言われなくても思い描けるようにしよう、ということを特に意識してやっていました。棚卸資産など、他のところでも同じように意識してやりました。

また、例えば純資産だけやっていないかなど、ある程度は重要性で加減をつけながらですけれども、ゼロになるところはないように、バランス感も意識しながらやっていました。科目間でもこのようにやっていたので、試験の結果では、どれも安定したのではないかなと思っています。

――:カレンダーも作られていたのですか?

森下:これが一番紹介したいことです。他校ではStudyplus(スタディプラス)をやっていて、昨年は4,500時間の勉強を記録したんですけれども、見事に偏差値43を2個も取ってしまったので使わなくなりました。

そこからはアナログ式にして、この12月4日が一番最初なんですけれども、最後の8月26日まで毎週ずっと作っていました。

森下:これで週間予定を作る以外に、長期的な予定も裏に書いていました。これは、科目ごとに何の教材を使うかの紙です。これは財務諸表に関して、逆算して長期的な予定を立てていたものです。全科目、このように予定を立てていました。

森下:例えばここは、齊藤先生が大切とおっしゃったページなので、「大切」と書いて、絶対やるぞという気持ちで勉強しました。これは理解できなかったところで、何回もなぞったり、丸(○)や四角(×)を入れたりしていました。

――:最初はマーカーを引いて、できないところはそのようにされていたのですね。

森下:一つのワードとして覚えようとしたりしていました。

――:重要性でランク分けされているんですけれども、どのランクまでやりましたか?

森下:Bです。

――:Cはどうされましたか?捨てていましたか?

森下:Cはやりませんでした。

――:それでも偏差値55、あるいはそれ以上取れるというのは素晴らしいですね。その代わり、ABに関してはほぼ100%まで仕上げていった感じですか?

森下:ABの理解は絶対に外さないようにして、暗記も9割ぐらいは仕上げていきました。特に財務は、渡辺先生が重要な箇所を絞っていたので、ABは暗記も100%できていないといけないなと思っていました。

――:12月4日は、CPAに移ってきて勉強を始めたときですか?

森下:はい。最初は、何をどれぐらいやったか書きました。例えばこれは、財務の計算・財務の理論・管理・租税法・経営学・企業法・監査論という科目に分けて、どれぐらい授業を受けたかなどを書いていました。

あとは、例えばこの日に授業を受けたのであれば、忘却曲線があるから、定着を図るには次の日に10分でもいいから復習したほうがいいなど、学習計画を立てることもできました。あまり勉強していない科目があると焦るので、可視化するためにも書いていました。
最後のほうで回転期間に入ってからは、勉強時間ではなく、何をやったかなど具体的な勉強内容を書きました。「ここで退職給付と源泉をやっているから、これはやらなくてもいいな」「これはリースでいいな、ただ2週間以内にはもう一回やったほうがいいよな」というような目安として、短期的な習慣を作っていたのがこれです。

長期ベースでは、これは3月2日に作ったんですけれども、本試験での得点比率を考えたりしました。例えば企業法でいうと、このときは自信がなくて、まずは偏差値52を取りたいから、「模試で52を取りたい、そのためには何をしたらいいのか」ということを逆算して考えました。「まずは授業を受け切る。その上で、論文対策集を20時間、強弱を付けて1~2周やりたい」「リースは、ここではやれなくて仕方ない、こっちで3周する」みたいなものを全科目作ったりしました。

――:最初に計画を立てて、しっかりやっていたのですね。

森下:長期的な視点と短期的な視点を分けて、計画を立てて考えてやることが、たぶん一番頭を使って勉強したところだと思っています。

――:確かに、何をやったか見ていないと、自分の好きなことばかりやってしまいがちですよね。

森下:勉強に疲れてしまったときこそ、模試が終わって一回落ち着いたときに、何をしよう、何をしたらいいのかということで、財務の計算で最優先事項はどれか、2番目はどれかを書き直してみたりしていました。
これは、国見先生が、直前期の定着の仕方をツイートしていたので、それをそのまま書き殴ったものです。齊藤先生や松本先生、いろいろな先生の言葉を書き殴って、そこから何か得られるのではないかなと思ってやっていました。割と必死に、教材は何を使おうかとか、計算はコンプリートトレーニング1本でとか、いろいろ考えました。

――:例えば、財表(財務会計論理論)はテキストと答練をやる、という感じですか?

森下:そうですね。テキストと答練メインで、少しだけ問題集は見ておこうなど、しっかり決めてやっていました。

――:講師に相談するときに、こういうふうに勉強しようと思うという感じで見せていたのですか?

森下:こういうふうに勉強していいですかという確認や、方向がずれていないかという確認はしていました。

――:自分一人で決めても、その方向が合っているかどうか分からないので不安ですよね。

森下:ひとりよがりにならないように、方向がずれていないかということは聞いていました。やはり3月あたりは授業がかなり残っていたので、4月、5月までに受け切らないといけないと言われていたのにその期間が過ぎてしまう、どうしようと思っていました。あと44日以内にこの量を終わらせないといけないとか、答練の財務だと、受けて、復習して、解き直すと8時間はかかるなとか、そういうことを計算していました。この頃は目標も低かったし、ナーバスだったと思います。

――:確かに、結果的に本試験では偏差値55を取れているけれども、この頃は52ぐらい取れればいいかなという感じのようですね。

森下:企業法と監査論は、偏差値52で満足というスタンスでした。

――:CPAの答練は、全部受けたのですか?

森下:租税のテキスト3など、重要性が低い論点のものは受けなかったんですけれども、それ以外は受けて、解説もしっかり受けました。

――:解説は、自宅でDVDなどを見たりするので、割とみんな帰ってしまうんですよね。

森下:何か手助けにならないかと思ったので、最後の2人になるぐらいまでしっかり見ていました。

――:答練が終わったあとに解説を受けて、それでも疑問に思うところはその場で質問して解消していった感じですね。他校や本試験と比べて、難し過ぎたとか簡単過ぎたとか、難易度はどうでしたか?

森下:難易度とは少しずれるんですけれども、暗記ではなく、考えさせる問題だなと思いました。暗記や吐き出しというよりは、本試験とマッチしているなと思う問題が多々ありました。だから難しかったんだと思います。テキスト暗記だけではいけない、しっかりと理解しているかというところを見られている感じがしました。

――:校舎に来て、この先生がいるからという感じで質問して、10分~20分で終わるときもあれば、かなり長く話したときもありましたか?

森下:齊藤先生とは、1時間ぐらい話したこともありました。

――:勉強以外のことも質問するのですか?基本的には勉強のことになると思うんですけれども、ここが分からないということ以外に何か相談しましたか?

森下:メンタル面の相談などもしていました。

――:そのような質問にも、しっかり答えてくれましたか?

森下:国見先生には、財務のことより、気持ちのことやストレスとの向き合い方、集中の仕方など、抽象的なことをたくさん聞きました。

――:答えはどんどん出てきましたか?

森下:その場でマップなどを書いてくれました。今でも家に飾っています。

――:確かに、国見はそういうことが大好きですからね。

森下:大谷選手の例え話などを交えながら、よく話してもらいました。

――:分かりやすく例え話をしますよね、僕らにもします。心が折れそうになったときなどは、そういう相談をうまく使ってもらったという感じですね。実際に、もう勉強をやめたいと思うときはありましたか?

森下:それはあまりなかったです。

――:模試や答練の結果で、1~2週間ぐらい落ち込んでしまう人もいるんですけれども、そういうことはなかったということですか?たぶん、こういった記録や計画を毎日書いていたからですよね。

森下:あとは、勉強時間が他校のときより減ったんです。朝8時などもっと早くからやっている方もいたんですけれども、その人たちと比べると、自分は校舎に行くのが12時ぐらいだったので、ゆっくり寝ていた分ストレスが少なかったのかなと思います。12時~21時など時間を決めて、しっかり集中してやっていました。

――:12時頃に来て、休憩も入れると1日8時間ぐらい勉強していたのですか?

森下:はい。他校のときは週1で休みを入れていたんですけれども、12時からでいい分、毎日勉強しました。

――:休んだのは年末年始ぐらいですか?

森下:そうですね。どの日も何かしら書いてあると思います。

――:その8時間の中で、こういう表をうまく使って、自分の中で科目のバランスを取っていたのですね。答練や模試の結果を見て、ここは弱かったからスケジュールを練り直すということもありましたか?

森下:ありました。

――:本試験では、自分がやっていないところが出ることもありますよね。今回もいくつかあったと思うんですけれども、焦らずにできましたか?

森下:焦りました。管理で、大問が丸ごと習っていない範囲外のような問題で、何だこれはというようなものもありますけれども、自分は重要なところを絞ってしっかり予定を立ててやってきているので、ここは他の人もできないだろうと割り切って後回しにしました。それから、残された時間でできるところをしっかり見極めて埋めていきました。(2)と(3)には答えていないけれども、それを踏まえないといけない(4)の問題を、この流れはたぶんこんな感じだろうと予測して、当てたりもしました。1点でも多く取ろうと、ポジティブに攻めました。

――:以前受けたときよりは、やはりうまくできましたか?

森下:はい。経験も加わったからだと思います。

――:うちは理解重視でやっているので、もし分からなくても、分かる部分で点を取りにいくということもできますよね。

森下:自分が暗記していないところを聞かれて、全部答えられなかったとしても、理解していれば少しは点をもらえるぐらいは取れると思うので、そういう解き方はしていました。

――:水道橋校に通われていて、友達やグループはできましたか?それとも一人でやっていたタイプですか?

森下:高校の同級生がいたので、成績や勉強法について話すことはあったんですけれども、基本的には一人でやっていました。

――:どちらのタイプか分かれますよね。グループでいる人たちもいるけれども、一人でやっている人は、講師をうまく使ってくれていると思います。

――:大前提になってしまうんですけれども、なぜ会計士を目指そうと思ったのですか?

森下:企業経営に関する仕事というか、会社を経営したいと思っていました。けれどもアイデアもなく、周りにそういう友人もいなかったので、このまま大学で英語を習得して卒業後は旅行代理店に就職するのかと考えていました。ただ、それは何か違うなと思いました。

どうしたら経営者と関わったり、将来自分が経営者になれたり、そういう可能性がある生き方ができるんだろうと思ったときに、会計士という職業を知りました。会計の面から経営者と話すことができる、経営者と近い距離で仕事ができる、特にベンチャーに関わることができると思ったので会計士を目指しました。

――:CPAのいいところは、もちろん教材が、他校と比べて理解重視ということもあるんですけれども、それ以上に、講師にいつでも相談できる環境だと思っています。

森下:講師の方との距離感が近いことや、常駐というのはとても大きいです。

――:就職先は決まっていますか?

森下:はい。IPO(株式公開)などに携わることになります。一番行きたい法人の、一番行きたい部署だったので頑張ります。

――:IPOの、監査メインですか?

森下:監査半分、IPO半分です。

――:資金調達にも関わることになると思います。IPO先では、経理担当者やCFOが監査法人出身だったりするので、その人たちとやり取りする感じですね。今後の抱負というのは、今言っていたIPOなどの部分でどんどん自分の実力を付けていくことですか?

森下:そうですね。

――:最後に、学習されている方へアドバイスをお願いします。

森下:自分も、合格体験記やインタビューをたくさん読んでいました。
合格することを夢見てやっていたので、今こうして自分がインタビューを受けていることはとても感慨深いです。これを読んでいる方にも、そうなってほしいです。

会計士試験は、もともと頭がいいとか天才とかでなくても合格できる試験だと思います。それには勉強の量と質が必要だと思うんですけれども、勉強に集中できて量もこなせる人、そして勉強法が間違っていたときに、積極的に先生に相談に行くことができて、かつ、そこで直せと言われたらしっかり直せる素直な人、プライドも出さずに謙虚になれる人は、本当に受かると思っています。努力を続けて、後悔のないよう頑張ってほしいです。

――:おっしゃる通りだと思います。僕も、天才しか受からないような試験かと思っていたんですけれども、やはり勉強量×質が重要ですよね。CPAの講師を頼っていただければ質は担保できるので、あとは本人がやるかやらないかだと思います。

森下:合格する可能性は一番高い予備校だし、実際、天才ではない自分が300位ぐらいで合格できました。合格者が1,300人ぐらいだったので、合格枠として残り1,000人ぐらいはいることになります。1,300人中1,000人ぐらいは、凡人というか普通の人です。努力は裏切らないので、ぜひ頑張ってほしいです。

――:ありがとうございました。

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