大切な繋がりが出来たからこそ、合格まで勉強を続けられた!在学中一発合格—大野 詩織 さん

簿記が楽しかったことがきっかけで会計士の勉強を始めた。

齊藤:じゃあ、まず最初に会計士を知ったきっかけ、会計士を目指そうと思ったきっかけってどんな感じでしたかを教えてください。

大野:きっかけは、たまたま高校で開催されていたセミナーに参加して、その時に初めて会計士という職業を知りました。そこで、会計士にしか出来ない監査業務というものがあるというのと、監査法人は女性が働きやすいということ、復職しやすい環境だと聞いて、いいなと思ったのがきっかけです。あと、私は文系だったんですけど、元々数学自体はそんなに抵抗がなくて得意だったので、それだったら私もできるかなと思ったんです。あとは、力仕事ではないので、男性と同じ土俵で戦えるところも、魅力の1つとその当時から思っていました。

齊藤:会計士は復職しやすいっていうのもかなり大きいよね。手に資格があって、じゃあその自分の今までやってきた知識とか、経験とかを使って、同じ土俵なりでまた勝負ができると。で、会計士をやってみようかなと。それっていつ頃決めたの?大学に入る直前とか、入ってからですか?

大野:高校3年生が終わって春休みのときに、簿記3級の講座を試しに受けてみようかなと思って受けたんです。その時、簿記自体は楽しいなと思えたので、大学に入る時ぐらいに会計士の勉強をすることに決めました。

齊藤:なるほど。最初は簿記が楽しかったということなんだけど、どういうところが楽しかった?

大野:簿記の3級とか2級の範囲だと、会計処理が難しいというよりは計算を間違えないようにやるというところが1番大事だと思ったので、何かを作り出すとか、その場で考えるとかでもなく、ただその決まったものを間違えずに正確にやるっていうことには、自信があったんです。

齊藤:その時は簿記に自信があったんだ?(笑)

大野:簿記3級の時の、その時のレベルでは(笑)。日商簿記検定の3級に受かったことで結構自信がついたので。

齊藤:なるほど。よく高校で習っていたこととちょっと違って興味を引いたみたいな話も聞くんだけども、今まで習った科目と違いみたいなのって、その当時は感じたりしてた?

大野:企業の経営とか、企業の中身とかそういうこと自体には興味があったので、簿記ってその一部かなと思っていました。

齊藤:なるほど。会社とか、経済というか、その会社の取引みたいなものが見えてきて、結構面白いな、楽しいかなと。じゃあその中で、CPAを選んだ時に、大野さんは他に専門学校があるとかって知ってた?

大野:最初に知った予備校がCPAだったので、その流れで何となく(笑)。

齊藤:何となくかぁ(笑)。じゃあ、その中でCPAを選んだ理由とかあったりする?

大野:特に他の予備校はまったく見てなくて、最初に会ったCPAの先生が親切そうだったので、何も疑いもなく選びました。そして、CPAで簿記講座を受けて、その時の先生がわかりやすかったので、公認会計士講座も迷わずCPAにしました。

齊藤:自然な流れっていう感じか(笑)。なるほど。わかりました。

CPAの良いところは、受講生同士の仲が良く連帯感があること。

齊藤:じゃあ、実際にCPAで学んでみてどうだった?ここは良かったなっていうのはあったりするかな?

大野:良かったところは、たくさんあるんですけど、1番は受講生同士が仲良かったことですね。他の予備校に通っている人とかの話も聞いたんですけど、全然受講生同士では仲が良い感じではないと言ってましたし、CPAは受講生の時は当然ですが、合格後も先輩とか後輩のつながりが強いし、同期同士でも仲良いです。合格者の先輩が校舎によく来られるし。入学した後で知ったことなんですけど、そう連帯感というか仲がいいというのはCPAだけだったんです。ここって、CPAのすごいいいところだな、入学して良かったなって思いました。

齊藤:具体的には辛いときとかに相談に乗ってくれるとか、あとは、お互い励ましあえるとか、そういうイメージなのかな?

大野:そうですね、わからないこともすぐに聞けるし、やっぱり人と話しながら勉強する方が自分には合ってましたね。私は家で勉強することは出来なかったので、専門学校に来ないと勉強出来ないのです。学校に来ると友達がいっぱいいるっていう楽しみがあったからこそ、ちゃんと毎日学校に来れました。来る理由にもなったし、勉強の息抜きに友達と話せたからこそ、勉強しようっていう気にもなれたんです。そして、成績が伸びずに勉強が辛くて、本当に会計士の勉強を辞めようかなと思ったときも、CPAの友達が本気で止めてくれるとか、人生の大切な存在になっていました。色んな意味で大切な繋がりが出来たからこそ、合格まで勉強を続けられたんだと思います。大切な友人がいっぱい出来て、私にはとてもプラスになりました。

齊藤:やっぱり受講生同士が仲良くなると、お互い切磋琢磨じゃないけど、刺激し合えていいよね。他にもその当時はわからなかったけど、今振り返って良かったことはあったりする?

大野:先生との距離が近いことですね。入った当初は緊張したし、いろんな先生と仲が良かったわけではなかったんですけど、質問がしやすい環境にあったので、どんどん先生との距離が近づきまました。私は誰かと話すことによって理解をしてゆくというのが、理解する手段として1番良かったので、授業ごとに質問に行ったりして、先生と話しながら問題を解決し、理解も深めていました。ついでに、勉強方法もアドバイスをしてもらえたので、安心して続けられました。

齊藤:自分でテキストを見て、何となくわかったつもりにならないで済んだ、っていう感じかな。確かに、ずっと合格者にインタビューしてきて、人と話していて理解できたとか、人と話したものは忘れづらかったとか、そういう感想はすごく多かったなぁ。大野さんも同じタイプなのね。受講生同士や先生といろいろ話し合って、どんどん理解が深まっていった、忘れづらくなっていった、そういう感じなのですね。わかりました。

一番辛かった時期は、先生の励ましで乗り越えられた

齊藤:一発で受かった大野さんですけど、勉強していたときに辛かったなとか、今考えるとここを乗り越えたときが山だったなとか、っていうようなターニングポイントってある?そういうターニングポイントをどういうふうに克服していったのか?とかいろいろあると思うんだけど、1番このとき辛かったな、しんどかったなっていうときはいつぐらいだったの?

大野:短答の前の3ヶ月ぐらいですかね。

齊藤:短答の前の3ヶ月ぐらいってなると、2年生の9月ぐらい?

大野:はい、9月の終わりの短答直前答練が始まったときからです。そこまでは成績はあまり良くなかったんですけど、これから上がってくるだろうし、何とかなるかなっていう気がどこかにあったんです。でも、短答直前答練っていう、テストの名前が変わった瞬間に、「あ、直前なんだ」って思って、直前なのにまだ出来てないんだ、というふうにどんどん追い詰められていって。どうしようっていうのをどんどん感じるようになっていって、このままでは試験に落ちるかもと現実的に考えるようになったんです。

齊藤:なるほど、もう試験が直前に迫ってきて、試験が現実みたいな感じになってきたと。今までは、本試験はまだ遠いなみたいな感じで、今後成績が上がっていって受かれるんじゃないかみたいな感じだったのが、試験が近づいてきたことによって、プレッシャーを感じてしまったのかな。でもそれって、多くの人が感じると思うんだよね。直前になって、「あぁ、大丈夫かな?このままでいけるのかな?」っていう気持ちになると思うんだけど、大野さんの中でそれをどう吸収してパワーに変えていったの?

大野:私は結局、最後まで合格点は取れなかったし、最後の最後まで成績がすごく上がったわけではないんです。でも、ちゃんと頑張っているのにあまり結果が出ない中でも、先生が「勉強方法自体はこれでいいよ」って言ってくれたので、その言葉を信じて諦めずに続けたことが1番合格に繋がったのではないかなと思います。

齊藤:CPAでもそうだけど、他の専門学校とかで勉強している人もそうで、結構周りを見ると、めちゃくちゃ効率的にというか、要領良く点数を取る受験生ってある一定割合いるけど、もちろんそういう人ばっかりではなくて、どちらかと言うと、ウサギとカメで言うならカメのタイプの人って会計士になる人って多いと思う。その人の共通点としては、1個ずつ成長していくというか、諦めずに頑張っていくっていうようなところが大事なんだろうね。で、それ以外に辛かった時期ってあったりする?論文の方になってからは、そんなになかった?

大野:論文は6月ぐらいからですね。

齊藤:またずいぶんと直前だね。(笑)

大野:直前にならないと私、危機感を感じないんで。(笑)

齊藤:なるほど。

大野:直前まではまだ大丈夫かなと思っちゃうんで。成績が悪くて受付で泣いていたこともありましたけど、どこかでまあ大丈夫かなって思ったりもしてたので。でも直前になると本当に落ちると思って泣いていました。(笑)

齊藤:それまでは嘘泣きだったのか(笑)?

大野:いや、嘘泣きではないです。悲しくはありました。問題が解けない悔しさとかはありましたよ。でも、まだ、本当に極限に心は追い詰められていなかったんです。

暗記と理解を組み合わせることで苦手科目が克服できた。

齊藤:じゃあ、論文で苦労した科目はある?

大野:財務会計論ですね。

齊藤:財務って論文になると700点中130点ぐらいあるもんね。

大野:前から苦手なことには気づいていて、元々そんなに勉強してもすぐ結果が出る方ではなかったから、やっていれば上がるかなって思っていたのに、なかなか上がらなかったので、どうしようって思い始めました。

齊藤:それをどう克服していったの?

大野:財表に関してはやり方を変えました。

齊藤:どういうふうにやり方を変えたの?

大野:それまでは論文対策集を使わないで、テキストだけをまわしていたんです。それだと成績が上がらなかったので、論文対策集に載っている問題と解答を見て、ワードを覚えるのではなく、その文章の流れを覚えることにしたんです。まわりの言葉までちゃんと書けるようにしました。そうすることで財表の成績が上がりました。

齊藤:財表だけじゃなくて、監査とか企業とかも、ある程度流れは暗記した方がいいと俺は思っていて、こういう問題が出たらこういう順番で書こうとか、こういう論点がある、というところまで出てこないと勝負にならないかなと。で、そのあとの文章に関しては、多少自分の言葉で記述しても充分戦えるかなと。

大野:こういう論点があるとか、こういうこと書かなきゃいけないとか、なかなか掴めなかったんです。メリットを答えなさいっていう問題があったときに、答えを3つぐらい書かなきゃいけない時に、その3つを覚えてないといけないじゃないですか、1個思い出しても意味がないですし。

齊藤:3つのうち1個だけだと何か、すごく長く書いちゃうというか、無駄に長引かしちゃって、3分の1の点数しかこないと。

大野:結局、最終的に暗記なんだなって思って。テキストを理解してればいいのかなって思ったんですけど、意外と暗記だなっていうことに気づいて、それで、点数が上がりました。

齊藤:そうだよね、論点の3つとかだと、3つ出てこないとやっぱり厳しいから、そこは暗記なんだよね。それをどう文章にしていこうっていうところはある程度、自分の言葉であっても、例えば、3分の2とかの点数はくるんだけど、論点が1個も書いてないと、採点する方も点数を与えられないわけだよね。そういうところは覚えた方がいいと。他に苦手だった科目とかは?

大野:企業ですかね。企業は、私はテキストや問題集をみているだけでは覚えられないので、常に書けるようになっているかまでチェックして答練に臨んでいました。まず、問題だけをみて、ここだけを覚えなくちゃいけないというものを、最低限のキーワードが言えるか、流れが言えるかを繰り返していました。全部書いていたら時間がないので。

齊藤:フローチャートみたいなのを作っていたっていうこと?

大野:フローチャートっていうか、そんな良いものじゃなくて。殴り書きで。頭の中でもいいですし、すぐに書き出せるかなっていう、自分の中で言えるかなっていう感じで。

齊藤:なるほど。実はね、私もやっていたんだよね、その企業の勉強で。趣旨がこうだとか、論点が3つあるなら3つあるで、要約するとこうだよみたいなのを書いて。自分は毎回書く時間なかったから、綺麗にまとめて持ち歩いていたりして。でも、論証の長い文章を覚えるのって、暗記が得意な人ならいいのかもしれないけど、あんまり得意じゃないというか、むしろ苦手だなっていう人は覚えられないから、ある程度、順番というか流れとか、中に書く論点はこれだとか、キーワードとかもちょっと書き出していたような気がするな、そういえば。

そういうことを殴り書きするか、頭の中で整理してやっていたっていう感じか。なるほどね。

得意科目にする秘訣は、質問に行って先生と話すこと。

齊藤:じゃあ一方、得意科目。

大野:監査ですね(笑)。

齊藤:じゃあ、何で得意になったの?

大野:1番授業を真剣に聞いてたからですね。ライブ受講だったので。やはりライブとDVDで見るのは違うなって思いました。

齊藤:でも、簿記も財表もライブあるよね(笑)。

大野:私進度が遅れてたんで、ライブに出なかったんです。あと、1番質問に行ったからっていうのもありますね。質問に行きやすい先生だったから(笑)。

齋藤:さっき言ってたもんね。質問できて、理解できるタイプで、そこで理解していったと。で、忘れづらくなっていう感じで。あとは何かある?

大野:あとは、他の科目と比べてイメージがしやすかったりして監査論の勉強が楽しかったのもあります。

齊藤:楽しいと監査に結構時間使っちゃった?短答5科目、論文7科目の中で。

大野:いや、そんなに使ってないです。

齊藤:得意になったのは時間を取ったから得意になったのではなくて、やっぱり講義の時の集中力とか、わからない時にすぐ質問したとか、講義の中で出来る限りイメージすることに気をつけていたっていうところが、得意になった理由かな。監査が苦手だっていう受講生がいたら、どうアドバイスする?

大野:斎藤先生と話すことです。

齊藤:あはは(笑)。

大野:わからないところがどこかと、どういうふうにわからないのかまでは自分で考えて、それをとりあえず齋藤先生にぶつけて、それに対して反論してもらうことによって、理解が深まると思います。わからない論点は、どこまでわかっているかを明確にして、ここがこうわからないとぶつけると、プラスアルファの回答が返ってくるんです。回答を聞いて考えている段階で、自分の中で論点が整理できているんだと思います。

齊藤:どの科目も同じだと思うんだけど、考えるっていうことをしないとやっぱり忘れちゃうし、テキストに書いてあるからこうだってやっていると、どうしても面白くもないだろうし、点数も伸びないのかなと。その点監査は、自分で考えるっていう習慣もついたんだろうし、わからないところは質問で解決出来たというところが良かったのかもね。

本試験直前に確認できるメモが役立った

齊藤:他監査以外に、自分これ得意でしたって胸を張って言える科目ありますか?

大野:経営ですかね。

齊藤:何で経営が得意になったの?

大野:暗記すればいいからですね。

齊藤:経営、暗記なんだ(笑)。合格者によって言うことが違うな。面白いな、これ。

大野:ただ暗記すればいいから(笑)。計算は大切な公式とかがわかれば、当てはめて解けるじゃないですか。これ絶対に覚えておけば、あとは当てはめれば出来るという事項を全部書き出していたので、それさえテスト直前に見ていれば、いけるなと。

齊藤:なるほど、公式をまとめたノート?があるわけですね。

大野:それは全科目でやっていました。簿記でもそうだし。絶対に忘れちゃいけない公式とか、これはこの仕訳とか、全部まとめていました。

齊藤:そのノートちょっと見せてよ、今度。

大野:あれっ、挟まっていたような気がするけど、これとかそうです。

齊藤:え!裏紙に書いてるんだ(笑)。

大野:全部だいたい裏紙です。大事なところだけ書いています。重要な論点を書いているだけです。テストの直前にみるので、これを見れば安心できるっていうものを書いています。

齊藤:でもこれ短答用だよね?

大野:短答です。

齊藤:短答のひっかけで覚えづらいところがまとまっているような気がする。だって論文でこの3つはいらないもんね。

大野:そうです。

齊藤:なるほど、短答の時に、自分が間違えやすいところを、テキストとかテストで引っかかったところから持ってきているの?

大野:テストで引っかかったところはまた別に作ってあります。自分で問題書いて、◯✕と、答えみたいな。ここが◯か✕かと、どこが間違っているかを書くの。自分で問題作ってみたいな感じで作ってました。

こうやって、自分で引っかかりそうなところを書き出すっていうところが1つのポイントで、書いている時に覚えられるんです。自分で書き出すことでそれを何回も見ているうちに忘れづらくなっていくっていう、2つの効果があるのかなと思ってます。

齊藤:なるほどね。他の科目も作ってやっているっていう感じか。

大野:企業とか特に、短答の時はそれが必要だし、財表も作っていました。文章を書いて穴埋形式にするみたいな感じで。自分で赤い字で書いて、赤いシートで隠してやっていました。

齋藤:そういう穴埋めの問題って財表で出るの?

大野:いや、穴埋めは出ませんけど、そこを覚えたいなっていうところを自分で穴埋めにするんです。

齊藤:なるほど、へぇ〜。そういうまとめがあると安心するよね。1番大きいのは、最後これ見ればいいやっていう安心感のような気もするし、どうまとめるとか、まとめ方っていうのは人それぞれあると思うけれど。あとは、何を書くかっていうのも当然人それぞれで、自分が忘れやすいところをまとめればいいだけだから。

最終チェックできるようにテキストを加工していた

齊藤:じゃあ最後に、このテキストの使い方聞こう。どう使っていたか。

大野:論文ですか?短答ですか?

齊藤:両方、どう読んでいたかとか、短答のときにどういう時に気をつけていたとか?

大野:ピンクは授業中のメモなので、テキストに書いていないことです。先生がわかりやすく言ったり、例えを言ったら、そっちの方がわかりやすいので書いていて。青とかは問題で間違えたところで、書いておいた方がいいなというところで。水色はたぶん短答用とかですね。

また、暗記するところだけ付箋貼ってます。直前にパッとみて覚えようって。これは論文用の付箋ですけど。

齊藤:そこをパーっと確認して受けると。

大野:このまとめたのを全部見たら安心できるので、はい、臨もうみたいな気になる(笑)。適当にバーっとテキストみていて、途中でテキストをしまってくださいなんて言われたら不安になってしまいますから。

齊藤:この付箋、すごい少なくない?これだけみて、もう大丈夫って思える(笑)?

大野:いや、時間なかったんで。直前にそんなに時間ないじゃないですか、だから削ってます。極限に削った付箋です。

合格のコツはマイナス思考になりすぎないことと、スケジュール管理をすること。

齊藤:わかりました。何か他にこれだけは勉強をするうえで守った方がいいぞというようなことってあったりする?

大野:マイナス思考になりすぎないことです。

齊藤:例えば、今振り返って、大野さんはどんな時にマイナス思考になりすぎていたと思うの?

大野:短答のときに合格点に行かずに臨む時に、「やばいな、今回ダメかもな」っていうのをちょっとでも頭の中で考えたら、余計に緊張するし、ダメだと思います。あえて、別に落ちても死なないし、みたいな気概で行くと良いかと(笑)。

齊藤:それ、よく俺が言う言葉じゃん(笑)!

大野:はい(笑)。先生に言われたとおりに考えています。なるべくポジティブに考えて、自分を追いつめたら、緊張して何もいいことないし。おかげさまで、全然余裕もないし、受かるか受からないかギリギリのところだったのに、意外に短答まで全く緊張せずにきて、本番も緊張せずに終わりました。

齊藤:そうだよね、本試験の時も、私全然緊張していないですって言っていたもんね。

大野:あれは、人生で1番、メンタルコントロールが上手かったなって思います。本当に緊張しなかったんですよね。本番と思わないように自分で、2週間前ぐらいから、本番だけど本番じゃないって自分に言い聞かせていたんです。そうしたら、自分で緊張せずに受けることができました。

齊藤:高校時代とかって、確かブラスバンドやっていたよね?発表とかの前はどうだったの?

大野:それは緊張します。自分が喋る時は緊張しないんですよ。演奏するのは緊張するんです(笑)

齊藤:何で(笑)?

大野:演奏することは誤魔化しようがないというか。

齊藤:論文の時はどうだった?

大野:論文の時は緊張しちゃったんです。だから得意だった監査が悪かったんです。本番だなって思っちゃってて、短答ほどメンタルコントロールが出来なくて。それで1日目の監査始まる前も、すごくではないですけど、鼓動が早いなって。その状態で監査に臨んでしまったので、それがダメだったかなと思います。

齊藤:なので論文を考えると、1日目の監査、租税でそこそこ戦えたなっていう状況じゃないと、どんどんマイナス思考になりやすくなってしまうから、悪かったな、実力出せなかったな、でも、みんなよりは出来ているでしょうというようなところを1日目の科目は目指した方がいいよね。

あと合格のコツってあったりする?

大野:計画的にやることですかね。全部、何時間勉強したかもメモ取って、1日の初めに、今日は何時から何時までこれをやって、みたいに全部決めていくこと。

齊藤:スケジュール管理をしっかりするということか。

大野:時間数を書くと意外と意識するので、勉強時間が少ない週とか、書かないとわからないんですけど、書くと今週は勉強時間少ないなとわかって、土日に頑張ろうってなるし、意識がすごく変わるので。レコーディングダイエットと同じことです。

齊藤:なるほど、書くとやらなきゃいけないってなるし、残ってるし、その結果、その週のテストが悪かったら自分のせいだなって感じに思えるし、そういうイメージなのかな。やっぱり、計画的にやるっていうときに気をつけていたのは、科目のバランスかな?

大野:そうですね。苦手だからってそれだけすごい時間数をかけても、どれかを削らざるを得なくなるので、ダメですし。バランスよく、苦手な科目をなるべく多く出来るようにしていました。

齊藤:なるほどね、そういうふうにするためにも計画的にやって方がいいぞと。あとは1年目の時とかに気を付けたほうがいいことってある?簿記とか財務諸表論とか管理会計論で。

大野:その時に時間管理をしていなかったので、ちゃんと時間管理をする方が効率的な勉強ができると思います。

齊藤:なるほど。結構前の方から計画的にスケジュール立ててやっていくと、やる気も出てくるし、ちょっとうまく行かなかった時に理由がすぐわかるようになるっていうイメージかな。

一緒にいて楽しい、自分の存在を喜んでもらえる会計士になりたい

齊藤:じゃあ、最後。まだ働いていない方に聞いてもイメージが出来ないのだけれど、将来、こんな会計士として働いていたいなとか、監査法人の上司をみていて、こんな素敵な人いるんですよとか、そういうのを聞かせてもらえますか?

大野:私、一カ月間、監査法人の研修を受けて価値観が変わったんです。

齊藤:え、どんな価値観になったの?

大野:社会人の歳上の人が多くて、そういう人たちと話していたりとか、絶対にパソコンを忘れちゃダメだよと言われたりして、責任の重さを感じたりとか。社会人って学生とは本当に違うなっていうことを感じて。あとは、いろんな偉い人の話を聞いたりすることが多かったので、そういうこととかで、周りの会計士というよりは、人間として周りにこの人といて楽しいなとか、自分の存在を喜んでもらえるような人間になれたらいいなと。人の役に立ちたいとかは小さい頃からあるんですけど、人を喜ばせたりするのとか、笑顔にするっていうのがすごい好きなので。

齊藤:なるほど。今、具体的に監査業務で、その人の役に立つとか、その人と一緒に居たいなとか、あとは、人が喜ぶことを出来るところはあると思うし、そうじゃない仕事っていうのも当然あると思うし、そういうのを経験しながら、自分としてどういう仕事が合うのかなとか、どういうところでより、自分が経験してきた知識とかを役立たせていこうかっていうのは、今後、じっくり考えて、最終的には人の役に立つとか人の笑顔が見れるみたいなところを大事にして、いろんな仕事を頑張っていきたいなっていう感じか。頑張ってね。本日は、ありがとうございました。

大野:こちらこそ、ありがとうございました。

関連の合格者の声