苦手科目が偏差値64の得意科目に!他校移籍から見事合格!—久保 諒宜 さん
【私が会計士を目指した理由】
父の背中を追って会計の道を目指しました
ーーよろしくお願いします。久保さんは今明治大学の経営学部の4年生ですね。北海道の高校から明治大学経営学部へ進学した動機は何ですか?
久保:父親が地元で税理士をしていまして税理士や会計士に興味があったので、大学受験の時に商学部や経営学部に進もうと思い、受験しました。
ーー大学に入るときから、税理士や会計士として資格をとって自立できるようになろう、と考えていたのですか?
久保:はい、そうなりたいと考えていました。
ーー大学に入学した4月からサークル活動などもあったかと思いますが、税理士や会計士に向けてどのような活動をされていましたか?
久保:大学1年生の4月から大学の経理研で、簿記3級から授業をやってくれる講座がありまして、簿記3級を始めました。あとはサークルやバイトもしていました。
ーー税理士や会計士に興味があったので、経理研があるなら参加しようと思ったのですね?
久保:そうですね。簿記というのがどういうものなのかを学ぼうと思いまして。
ーーサークルは、どういうサークルにしたのですか?
久保:フットサルなどをやっているサークルに入りました。色々なスポーツをやる所だったので、面白そうだなと思ってそのサークルにしました。
ーー簿記3級はいつ頃取得しましたか?
久保:大学1年の6月です。2級は同年11月に受験しました。全経簿記上級を2月くらいに受験するカリキュラムになっていて、その後会計士などを目指す方は予備校に通うという形式でした。
ーー大学1年生の頃は、大学の授業もたくさんありますが、サークル活動やバイトも頻繁にしていましたか?簿記の勉強との両立はできていましたか?
久保:人並み程度にサークルやバイトをしていましたが、簿記1級を受ける頃なると、週4くらいで学内講座の講義があったので、想像以上に両立は難しく、全経簿記上級は受験したものの不合格でした。このままでは会計士試験も難しいと思い、バイトもその時辞めてサークル活動も抑えるようになりました。
ーー1年生の冬くらいですね
久保:そうです。2年生になる少し前に会計士試験の勉強のため予備校に入りました。
【他校での学習開始とはじめての短答式試験】
監査論でしっかりと得点できていたら、合格ボーダーにいっていたかもしれないという結果でした
ーー最初に学習を開始したのはCPAではなく、他校の予備校でしたね(笑)?
久保:そうです。学習を始めようとした当時は全国展開している大手予備校しか知らず、その学校の講師の方の説明を聞き、自分が行く予備校を決めました。
ーーどのような基準で判断したのですか?
久保:その予備校は、担任制度があり、親身で先生がずっと面倒をみてくれそうに感じたので、そこに惹かれました。また、答練もすごく多いと聞いていて、これをやっていれば大丈夫そうだと感じたので決めました。CPAを全く知らなかったのでCPAという選択肢がありませんでした(笑)経理研は、個人に座席を与えてくれるので、ずっと所属していました。
ーーそれで勉強を始められたということですね。会計士の勉強はどうでしたか?
久保:結構大変でした。夜6時30分からの講義が週5~6日あり、そこまで忙しいとは想定していませんでした。遊ぶ暇が減ってしまったのが、辛かったです。
ーー2年生進級後は昼間に大学の授業に行って、夜は予備校の講義を受ける日々だったのですね?
久保:そうです。
ーーサークル活動とかアルバイトはどうしたのですか?
久保:アルバイトは完全に辞めて、サークルは個人的な誘いとかは専門学校が終わった後の遅い時間に参加しました。日曜日は何もなかったので、気晴らしに日曜日に参加したこともあります。
ーー短答式試験を初めて受けられたのはいつ頃ですか?
久保:大学2年生の2016年12月です。
ーー講義や答練が一通り終わったタイミングですね
久保:はい。しかしその時の12月短答式試験は不合格で、次の5月の短答式試験で合格しました。
ーー3年生の5月ですね。2年の12月短答受験時は得意科目や苦手科目がありましたか?
久保:監査論が苦手でした。企業法も短答形式ならちょっと点数が取れる程度でした。
ーー短答模試を受けられたと思いますが、成績はどうでしたか?
久保:成績は良くはなかったです。
ーー短答式試験を受けるにあたって不安になりましたか?
久保:模試を受けた段階ではこのままで合格できるだろうか、と思いました。
ーー大学1年生から簿記の勉強を進められていたので、計算科目は得意でしたか?
久保:出来る方だと当時は思っていましたが、今振り返るとあまり出来ていませんでした。当時はいけるかなと思っていました。
ーー1回目の短答式試験を終えて、難しかったなという手応えでしたか?。
久保:試験本番はある程度までは取れていました。
ーーどのくらいの点数でしたか?
久保:総合得点が65点くらいでした。監査論が45点くらいで、それが原因で不合格でした。
ーー監査論でしっかりと得点できていたら、合格ボーダーにいっていたかもしれないという結果だったのですね。その結果を受けて2年の12月までは、1日どのくらい勉強していましたか?
久保:その時は、朝から勉強が出来ていなかったので、昼から夜まで勉強時間を確保していました。夜に講義がある日は講義も受けていました。
【短答式試験合格と論文式試験】
やれる事はやったかな、やる事が多すぎて手が付かなかった部分もありました
ーー2回目に受験した5月の短答式試験で見事合格されましたが、5月短答式試験後に何か勉強方法などを変えましたか?
久保:色々反省をしましたが1番は、模試や答練で合格ラインを取れていれば、合格出来るかなと思い、毎回の答練や模試で自信が持てる点数を取れるように勉強をすることを意識していました。
ーーこの時の勉強時間や方法は以前と変わりませんでしたか?
久保:一問一答の問題集を、12月までは前から順に解いていましたが、5月の短答受験時は、分かる問題は後回しにして、間違えた問題や迷った問題だけに付箋を貼り、そこだけを回すようにしました。徹底的に間違いをなくすように工夫していました。
ーー5月の短答式試験直前にも短答模試がありますが、成績はいかがでしたか?
久保:何とか大丈夫じゃないかな、という感じでした。
ーー短答式試験を受けてみて、結果は?
久保:結果は、75,76点くらいです。少し合格ボーダーよりも余裕がある程度の成績を取れていました。
ーーこれなら5月の短答式試験は合格できそうだと自信になったのですね。5月短答式試験合格後、3ヶ月後の8月論文式試験を目指すことになりますが、新たに試験科目として追加される経営学と租税法は短答式試験合格まで全く勉強していませんでしたか?
久保:いえ、講義はカリキュラム上12月の短答式試験が終わってからすでに始まっていたので受けていました。
ーー5月に短答式試験を控えていた状態でも、論文科目の講義も一応受けていたということですね。答練も受けていましたか?
久保:答練は必要最低限のものだけ受けていました。模試が4月の頭くらいにあったので、それまでに少し書ける程度にはしていましたが、きちんとはやっていませんでした。4月くらいからは短答式試験直前だったこともあって、一切論文科目はやりませんでした。
ーー5月短答式試験から8月論文式試験までは、勉強時間も少なくタイトなスケジュールだったと思いますが、どのように勉強をされましたか?
久保:経営学もやりつつ、量が多かったのでまずは租税法を固めました。
ーー他の短答科目、例えば企業法はどのように勉強していましたか?
久保:Aランクの部分はある程度やっていましたが、そのAランクだけでも時間が足りませんでした。
ーー監査論や計算科目はどうされていましたか?
久保:監査論は勉強する時間がなくて、租税法と経営学と財務会計と管理会計を中心に勉強していました。租税法と経営学に時間をかけた結果、企業法と監査論が疎かになりました。
ーー論文模擬試験の手ごたえはどうでしたか?
久保:模擬試験の成績はよくなかったです。
ーーこれは本番も厳しそうだと思いましたか?
久保:5月短答受験者は3ヶ月で論文式試験対策の勉強をする必要があるので、模擬試験では良い成績は取れないだろうと思っていました。本番までに点数が上がればいいかなと思いました。
ーー論文式試験の勉強期間は3ヶ月間ですが、悔いなく勉強できましたか?
久保:やれる事はやったかな、と思っていました。やる事が多すぎて、手が付かなかった部分もありました。
ーー先ほど、朝は勉強していなかったと仰っていましたが、この頃の勉強時間はどのくらい確保していましたか?
久保:論文式試験の勉強をしていた時は、朝からしっかり勉強していました。
【論文式試験不合格によりCPAへ移籍】
その問題が何を問うているかを見極める対応力がなかったので、直さなければいけないと思いました
ーー本試験を迎えていかがでしたか?
久保:全く手ごたえがありませんでした。出来たのか出来なかったのかも分からない感じでした。
ーー結果は残念な結果だったということでした。成績開示で順位も分かりますが、本試験の成績はどうでしたか?
久保:全然ダメでした。唯一租税法の得点が良かったです。
ーー全体的にどの科目もレベルを上げないといけない感じでしたか?
久保:監査論は偏差値が36くらいで足切りされていたので、合格まで遠い状態でした。
ーー結果発表は11月ですが、その後についてどのように考えましたか?
久保:典型的な論点などの暗記事項はきちんと覚えて臨んだので、少しは戦えるかなと思っていたのですが、蓋を開けてみたら全然戦えていませんでした。覚えていてもそれを吐き出せず、問われたことに対して適切に答えられていないと感じました。本試験では同じ論点を問う問題でも、少しひねった言い回しで出題されるので、答練などで見てきた問題の暗記をしても得点にならない部分が多くありました。その問題が何を問うているかを見極める対応力がなかったので、直さなければいけないと思ったのですが、当時通っていた予備校では暗記中心の演習で進めていくことが多かったので、その能力が身についていませんでした。それで受かる人もいますが、暗記で戦うのは自分には合わないのではと感じました。
ーー暗記だけで戦う自信はないなと思ったんですね?
久保:もう1年勉強して受からなかったら大学も卒業して何も残らない、それはなんとしても避けたいと思って移籍を決意しました。
ーー移籍を決意されるにあたってやはりいろいろ悩みましたか?
久保:同じ予備校の友達がいなくなってしまうことや、教材が変わることが一番怖くて、すごく迷いました。
ーー移籍を検討している中で、CPAを知ったのですか?
久保:SNSで監査論と経営学で一桁台合格者をたくさん輩出していることや、合格率がすごく高いという情報を見ていて、魅力的だなと思い話を聞きに行きました。
ーーたまたまSNSやtwitterで、CPAには経営学とか監査論の上位が合格者がたくさんがいることを知り、どんなやり方をしているのか1回聞いてみようと思ったのですね。実際話を聞いてみてどうでしたか?
久保:理解重視という点に惹かれました。理解を重視して答練や講義をやっているという所が、自分の足りない部分を補ってくれそうだなと思いました。
ーー一方で、テキストを変えてしまうことについて心配していましたね。その点は、いかがでしたか?
久保:テキストが変わっても、最終的に合格出来ればいいと考えました。そのため合格の可能性がどちらの方が高いのかを考えた時に、CPAの方が高いと思えたので、テキストの不安よりそちらを重視してCPAにしようと思いました。
ーーCPAに入学されたのは、論文試験の合格発表が終わってからいつ頃でしたか?
久保:2016年12月の1,2週目くらいです。年内に来年に向けた勉強を始めようと思っていたので、切り替えは早かったです。
ーー最近他校から移籍する人が多く来てくださっていて、嬉しく思っています。CPAのテキストを使っていく中で、もう1回最初から勉強していきましたか?
久保:監査論は本試験で偏差値36ととても悪かったので、1から見直すためにレギュラー講義でしっかり復習し直しました。企業法も今まで勉強した事が8月の論文式試験に活かせていなかったと感じたので、土台を先につけてそのあと応用力を身につけようと思いました。そのため講義をもう1回ちゃんと見ようと思い、企業法もレギュラー講義で受講しました。
ーー初学向けのレギュラー講義をもう一度素直な気持ちで見直そうと思ったのですね。企業法の本試験での偏差値はどれくらいでしたか?
久保:偏差値50に届かないくらいでした。
ーーではこの2科目は時間に余裕があるうちに勉強を始めたのですね?
久保:まずは全範囲講義を見直さないといけないなと思いました。
【理解重視と重要性】
CPAのテキストは図があって字も大きく、自分で書き込めるスペースもあるのでテキストベースで勉強しました
ーーCPAは理解重視と重要性を謳っており、論点や例題ごとにA、B,Cと分けて明示しています。こちらを参考にして勉強していましたか?
久保:企業法はほぼA論点とB論点しか見ていませんでした。C論点はやらない、C論点の講義も見ない、A、B論点だけ重点的に、特にA論点だけは完璧にしようと取り組みました。
ーー監査論は?
久保:監査論のA論点は熟読し、B論点は復習の時に軽く流し読みをするくらいで、A論点だけ重点的に復習していました。
ーーこの勉強する範囲を選んでいく勉強方法は正しかったと思いますか?
久保:元々テキストに戻って復習するという習慣があまりなかったので、テキストをベースに勉強する習慣がついたことは良かったと思います。
ーー今まではテキストに戻らずに何を使って復習していたのですか?
久保:別紙で渡される論文対策集をどの科目もメインでやっていました。CPAに移籍してから、ほぼ全科目テキストベースで勉強していたので、問題に躓いたらテキストに戻るという習慣がついて、さらにA、Bと論点が分かれていたので、メリハリもつけやすく勉強しやすかったです。
ーーもう一回受験し直す機会があったとしても、A、B論点中心に勉強しますか?
久保:やります。やはりC論点はやらないと思います。
ーー問題集をベースに勉強することと、テキストをベースにすることにどのような違いがありましたか?
久保:理論科目が顕著ですが、論文対策集は問題とそれに対する答えが書いてあるのみですので、見にくいというのを個人的に感じていました。CPAのテキストは図があって字も大きく、自分で書き込めるスペースもあったので、財表では特にテキストで勉強しました。たまに論文対策集に載っていない問題も、テキストには載ってる論点もあるので、テキストを見ておけば細かい論点を問う問題でも解答できるので、テキストベースで勉強していました。
ーーテキストの方が網羅的に書かれているために、テキストベースで勉強していったというわけですね。理論科目はもう一回レギュラー講義から受けていましたが、答練はどのような受け方をしていましたか?講義はDVD受講ですよね?
久保:講義は全てDVDです。答練は決められた日程通りに全部受けました。
ーーDVD受講で倍速の機能は使いましたか?
久保:科目によっては使いました。簿記などの計算科目は学習経験者向けの圧縮講義を倍速で見ていました。苦手だった監査論と企業法は基本的には等倍で受講しました。
ーー時間はかかりますがその受講方法でよかったと思いますか?
久保:よかったと思います。監査論や企業法の方が計算科目よりも理解が大切になりますから、等倍速の方がよかったと思います。
ーー講義をどのように進めていくかは自分で考えましたか?それとも先生からのアドバイスですか?
久保:自分で試行錯誤していきました。最初、監査論や企業法も1.5倍速で見ていましたが無理だなと思いまして、少しずつ等倍速にしていきました。
ーー無理して速く聞いて、理解が抜け落ちるよりもじっくり聞いた方がいいと思ったのですね
久保:講義を受ける時間が多くかかってしまっても、後々の学習のことを考えたらその方が結果的には早いと思い、自分で理論科目は等倍で見るように変更しました。
【CPAでの学習方法】
講義を見終えてからの答練は右肩上がりに点数が伸びました
ーー答練に関しては全部ライブで受けられたのですね?
久保:ほぼライブで受けました。
ーー答練に関しては、臨場感を大切にするという理由からライブ受講だったのですか?
久保:自分のペースで答練を受けてしまったら、「まだこの範囲の学習は終わってないから、終わってからにしよう」と受けるべき日程からどんどん遅れていく癖がついてしまうと思ったので、合格者講師が合格までに最適な日程を組んでくださっているカリキュラムに従ってやるのが一番良いと思い、受けていました。
ーー答練の毎回の成績はどうでしたか?
久保:講義を見終わるまでの、企業法や監査論の答練はよくなかったです。でも講義が見終われば何とかなると思っていました。
ーー実際にそうなりましたか?
久保:上級答練の後半は点数がしっかりと取れていたと思います。序盤の基礎答練はあまりよくなかったのですが、右肩上がりによくなりました。
ーーこの頃の勉強時間はどうでしたか?夜は何時くらいまで勉強されていましたか?
久保:夜は11時くらいまで勉強して、朝も出来るだけ早く起きようとしましたが、寝坊する時もありました。
ーー監査論や企業法も無事3月くらいまでに一通り講義は見終わりましたか?
久保:はい。
ーーCPAの講義を見なかった科目はありませんでしたか?
久保:見なかった科目はないです。全科目見ました。
ーーテキストは色々書き込みをすでにしてあった前の予備校のものを使っていましたか?新たにCPAのテキストで勉強をしていましたか?
久保:CPAのテキストで勉強しました。前のテキストでわかりやすかった論点は手書きで書き足しました。
ーー4,5月になって、論文模試の結果はどうでしたか?
久保:全体偏差値54くらいでした。CPAは母集団のレベルが高いので、偏差値52を超えられていれば本試験でも大丈夫かなと思えました。
ーーCPAの受講生は相対的にレベルが高いですもんね
久保:模試だけなく、答練での平均点もすごく高いので、その中で偏差値52を超えられていたのは自信になりました。
ーー模試も始まってきた頃、丁度大学4年生で大学の授業もなくなるし、絶対学生の間に合格したいという気持ちがあったと思いますから、更に最後試験に向けて詰めていきましたよね?生活パターンは変わりましたか?
久保:今までは、朝の9時~10時頃から勉強を始めていましたが、直前の5~6月あたりからは、朝7時~7時半くらいから勉強して、夜の12時頃まで勉強していました。
ーー1日何時間勉強しましたか?すごく勉強しましたね
久保:10時間くらいです。
ーー10時間集中出来ましたか?
久保:そうですね。時期も迫っていて、この時期は全科目に触れておきたいなと思っていたので、10時間くらいは必要になりました。
ーー特定の科目に集中して勉強するのではなく、総合的な学習をしていたのですね?
久保:1日全科目に触れるという形で勉強していました。
ーー8月の論文本試験までそのペースで勉強されていたのですか?
久保:事前にしっかりと学習していたので、試験1ヶ月を切っている8月は体調を崩さない程度にリラックスして勉強していました。
ーー2回目以降の論文模試の偏差値はよかったですか?
久保:CPAの2回目の模試も偏差値55~56くらいです。外部受験者など受験者数が増えたなかで、偏差値が変動しなかったことをいい意味で捉えていました。
ーー順調に実力発揮できていると感じていたのですね
久保:他校の模試も受けましたが、外部模試でも偏差値52を切っていませんでした。だからこのまま続けていけば大丈夫かなと自信がつきました。
ーーそして論文式試験が目前に迫った8月には体調管理も含めて、あまり無理せず勉強できたということですね?
久保:無理せず、やるべきことを淡々とやっていました。
ーーお話を聞いていると、とても順調に勉強が進んでいた印象を受けますが、久保さんはスランプを感じたり、なかなか成績が伸びなくて自分は受かるのだろうかと悩んだことはありませんでしたか?
久保:スランプは科目によってはありましたが、全体的にしっかりと勉強を続けていれば大丈夫だと思っていました。その毎日着実に続けることが難しい時はありました。
ーー大学生なら色々な誘いもあると思いますので、自分を律するのは大変ですよね?
久保:大学の同級生が就活を終えた時期が一番辛かったです。みんな楽しそうにしていて誘いもくるので、勉強に集中するのが大変でした。
【苦手科目の飛躍と論文式試験合格】
前年まで苦手で足切りを受けていた科目が、今回他の科目を引っ張るようになりました
ーー論文式試験を受ける頃には、苦手だと言っていた偏差値40台の企業法も点数をとれるようになっていましたか?
久保:最低限はとれるようになっていました。
ーー論文式試験本番の手ごたえはどうでしたか?
久保:何とも言えなかったです(笑)解いていて自分が分からない問題は、みんなも分からないだろうくらいの気持ちで解いていました。その分取れるべき問題で必ず正答しようと思っていました。
ーー見事論文式試験に合格しましたが、監査論は、前年は偏差値36でしたが、今年の成績はいかがでしたか?
久保:監査論は偏差値57まで伸びました。この科目をCPA移籍後1番勉強していたので嬉しかったです。
ーーCPAの自慢の科目ですね。大幅に飛躍しましたね。ちなみに企業法の成績はどうでしたか?
久保:企業法は偏差値64くらいです。
ーー64!すごいですね!
久保:全科目の中で1番良かったです。
ーー高成績を取った秘訣は何ですか?
久保:テキストを見て、どんな問題でも適切に答えられるように意識していました。テキストには似たような派生論点も載っているため、論ずれをおこさないように同じような問題でも、どこが違うのか自分の中ではっきりさせました。本試験でCPAの答練で見たことがある問題が出たというのも大きかったのですが、テキストで派生論点までちゃんと勉強出来ていたことがよかったのかなと思います。
ーー総合偏差値はどのくらいでしたか?
久保:偏差値54くらいだったと思います。企業法と監査論に助けられました。
ーー面白いですね。前年まで苦手で足切りを受けていた科目が、今回他の科目を引っ張るようになったのですね。レギュラー講義を受けてよかったですね
久保:成果が出ました。感謝しています。
【CPAと他校の違い】
学習スタイルが暗記中心か理解中心か、が1番違うと思います
ーー久保さんは他社とCPAの両方の予備校を経験していますが、CPAと他校はどんなところに違いがありますか?
久保:学習スタイルが暗記中心か理解中心か、が1番違うと思います。
ーーでも暗記が得意な人はそれほどいませんよね?
久保:他校は会計学と租税法、つまり計算で得点を多く稼いで合格点に持っていく傾向があります。個人的な印象ですが、他校の受講生は企業法とか監査論の理論科目で足切りになってしまって不合格になっているように感じます。会計士を目指す人は比較的数字や計算が好きな人が多いと思いますので、レベルの高い計算科目で上位を狙うより、理論科目でしっかりと得点できたほうが、総合的には上位合格出来るのだと思います。
ーー他校では教材に重要性を付けていますか?
久保:テキストには載ってなかったですが、論文対策集は少し付いていました。科目によって差がありました。
ーー予備校間で結構違うものですね。
久保:そうですね。結構違うと思いました。
ーー今最初から受験するとしたら、CPAを選んでいましたか?
久保:今だったら選びました。
ーーCPAのよかったところは何ですか?
久保:答練が少しひねってあり、王道な問題が出なかったことがよかったです。例えば企業法だと、第1問は論文対策集に載っている問題が出るのですが、第2問はテキストから派生した論点などが出ていて、論文対策集だけを勉強していても得点できないということが答練から伝わりました。財務会計論もストレートに答えを問う問題ではなく、論点の半分だけ答えさせる問題や、他の論点も混ぜて解答する問題が多く、その場で考えることが多かったです。初見の問題に対応する力が身につきました。
ーー他校の答練では、典型的な問題が多かったのですか?
久保:問題集に載っていた問題がそのまま答練にも出て、覚えたものを書いていくので、解答を覚えていたら書けるけど、覚えていなければ書けないという問題が多かったです。初見の問題もありましたが、ちゃんと考えるという問題はあまりありませんでした。
ーーCPAの答練は問題の半分は論対集から出て、やった事が出来ているか確認して、半分はその場で考えていくように作られています。これは結構大きな違いですね
久保:あとはCPAの論文答練は試験範囲が広いです。基礎答練の1回目とか2回目くらいまでしか範囲を区切らず、上級答練からは全範囲が試験範囲だったので答練前に1通り全範囲を復習しないといけないので、答練がある日から逆算して勉強する習慣ができました。範囲が絞られていたらその範囲だけ直前に勉強していい点数を取ってしまいますが、山を張らずに本当の実力が反映されるので、冷静に自分の合格までの進捗を確かめることができます。僕自身、毎回答練に完璧な状態挑めず色々考えながら解答を書いていました。丸暗記した文章は書けないので、その場で解答を導き出す訓練ができ、本番に一番近い形で日々答練ができた点がよかったと思います。
ーー本試験でも初見の問題が出題されるので、その場で考えて解答を書かないといけないので、日ごろからその訓練が出来たことはよかったですね
【私のテキスト活用方法】
同じ問題は本試験ではほぼ出ないので、いかに派生して自分の知識を出せるかがポイントです
ーー久保さんが実際に使っていた教材を見ながら、ご説明頂ければと思います。
久保:答練だけに出て、問題集に載っていない問題に自分で付箋を貼って、テキストベースで勉強出来るようにしていました。そして答練で書けなかった部分をペンで引いて、見返した時にここが書けなかったのだと分かるようにしていました。
ーー黄色い付箋が付いていますが、これは何か意味があるのですか?
久保:これはB論点の所を貼っていました。テキストの分量が多いので、どこに何が書いてあるのかすぐ分からないので、答練で出た所を見返せるようにしました。
ーーどの科目も同じようにされていたのですか?
久保:科目によってやり方を変えていました。
ーー他の科目はどうされましたか?
久保:監査論は答練で出た問題に論理構成をつけて返却してくれるので、論理構成をテキストに貼って論理的に覚えようとしていました。
ーーポイントさえ理解しておけば、同じような問題が出てもその主旨から説明していけるように勉強をされたのですね。ちなみに、財務のテキストと比べると監査論のテキストは付箋がカラフルですけど、何か理由はあるのですか?
久保:答練で出た問題と、事例問題を目立たせています。
ーー監査論では事例問題が出題されますよね。対応出来るようになりましたか?
久保:対応出来ていたと思います。本試験の第1問でわりとマイナーな監査論の問題が出て、解いている時にこの問題はあまりやってこなかったので心配になりましたが、第2問は答練で似た問題が出た気がして、それはしっかり書けたので試験が終わった後、監査論は大丈夫という安心感がありました。事例対策は答練で学べました。
ーー監査論で事例対策するのは大変ですよね?
久保:同じ問題は本試験ではほぼ出ないので、いかに派生して自分の知識を出せるかがポイントとなってきます。
ーー暗記で乗り切ろうとすると正直難しいですよね?
久保:暗記すべき箇所はもちろんする必要がありますが、監査論は特に暗記だけでは厳しいと思います。
ーー久保さんは美しい論理構成が試験で書けるような知識の入れ方をしたのですね
【将来の会計士像】
税務を中心にしながら会計士として地元に貢献したいです
ーー就職する監査法人に決めた理由を教えてください
久保:新日本監査法人にしました。
ーーどうして新日本監査法人を選ばれたのですか?
久保:金融に興味があり、金融に強い部署や面倒を見てくれた方がいたので、それで決めました。
ーー金融のプロを目指していくのですね。どんな会計士になりたいですか?
久保:しばらくは東京で金融の経験を積みたいと思います。自分は地銀に興味があるのですが、地方都市の金融についてある程度全体像をつかめるようになったら、最終的に地元に戻りたいと思っています。
ーーご実家は北海道の帯広でしたね?
久保:そうです。税務を中心にしながら会計士として、こっちで学んだ事を生かしていけたらなと考えています。
ーー本日は、長時間にわたりありがとうございました。ぜひ、公認会計士として、大きな夢を叶えてください
インタビュアー:福岡