総合順位1位合格! 理解を重視することが本当に大切だと思います。その理解を手助けしてくれる講義や教材がCPAにはありました。

令和初の公認会計士試験に総合順位1位で合格された堀江一史くんに、CPAの国見講師がお話を伺いました。

国見:総合一位合格はすごいですね。試験後に手応えはありましたか?

堀江くん:手応えは無かったです。合格はできるくらいの答案は書けたとは思っていたんですが、蓋を開けてみたらびっくりしました。

国見:そもそもの会計士に興味を持ったきっかけはなんでしたか?

堀江くん:親の勧めといいますか、高校時代に特に打ちこむものがなかったので、父親に暇なら簿記を取ったら?と言われて、高校生のうちに簿記2級まで取りました。

大学にそのまま上がったあとも、特に入りたいサークルがなかったので、暇なら会計士をそのまま始めればいいじゃん、という感じで目指すことにしました。

国見:具体的にスクール選びの時に、どうしてCPAを選んだんですか?

堀江くん:それも親の勧めの影響が大きかったです。親がCPAがいいんじゃないかと言ってくれました。

他校とCPAが一堂に会する大学の説明会に参加して、全部回って聞いてみたのですが、CPAは合格率が高くて、教材もしっかりしてそうだなという印象を受けて、CPAを選びました。

国見:なるほど、そういう経緯だったのですね。

簿記2級まで独学でやっていたということは、CPAの講座は本講座からいきなり学習をスタートしましたか?それとも、入門講座からスタートしましたか。

堀江くん:一応、復習も兼ねて入門講座から見させていただきました。

国見:具体的にCPAに入学された時期と試験に合格された時期を教えてください。

堀江くん:入学したのは大学1年の5月です。1年生の6~7月は入門講座をやって、8月から本講座の学習を始めました。短答式試験に合格したのは、大学2年生の12月で、論文式試験合格はその後の大学3年生の8月です。

国見:CPAが推奨する2年コースの王道のスケジュールですね。

友人や講師やチューターとの出会いが本当に大きくて、CPAの雰囲気の良さに救われました。

具体的に2年間学習してきて、CPAの良かったところをいくつか教えてください。

堀江くん:良かったところはたくさんあります。逆に悪かったところが見当たらないくらいです。それがまず何よりだと思います。
その中でも大きかったのは、アットホームな雰囲気です。僕は早稲田校で学習していましたが、早稲田校はCPAの中でも特にアットホームなところで、先生方との距離も近いです。

僕は最初、大学1年の春休みまでCPAで一人で勉強していたのですが、一人で勉強しているとどうしても身が入らなくて、カリキュラムから遅れ出した時期がありました。そんな時、早稲田校で唯一いた友人がパイプになって周りの受講生と繋いでくれて、そこから10人くらいの受講生と仲良くなったことで、校舎に通うモチベーションや勉強するモチベーションが上がりました。その出会いが本当に大きくて、CPA早稲田校の雰囲気の良さに救われました。

国見:早い時期に友人が結構できたことで、勉強の苦痛も少なくなったというか、勉強がやりやすくなったということですね。講師とかチューターには質問や相談はされましたか。

堀江くん:しました。それも最初一人で勉強していた時はなかなか怖くて行けなかったのですが、友人が出来てからは、友人がチューターの方々と仲が良かったので、一緒に付いていったりするうちに、どんどん話しやすくなりました。質問も本当にたくさんさせていただきました。

国見:堀江くんはどんな質問を多くしていましたか?

堀江くん:短答生のときは、そんなこと知らなくてもいいだろうというような、チューターが困るような細かい所まで聞いていました。論文生になってからは、理解する上で整理しきれない部分や、自分の解釈に齟齬がないかの確認として質問していました。

国見:質問はたくさんされていたのですね。校舎や質問する機会をたくさん活用していただいたことがわかります。

会計士試験は全科目一括合格制なので、得意科目やこれが好きだなという科目は作らないように意識していました。

国見:CPA教材についてはどうでしたか?

堀江くん:僕はCPAのテキストをメインで使っていました。特にどこが良いというより、悪いところがないテキストでした。僕はテキストにめちゃくちゃ書き込むんです。講義中に先生が仰ったこととか。短答生の時は、自分が間違えたところに間違えた内容やひっかけ方を書き込んだり、それが工夫点の一つです。また、先生方は重要度別に色分けされていることが多いと思うんですが、色を固定すると見映えが殺風景になるなと思い、講義ごとに色を変えたりするという工夫もしました。

国見:そういう工夫もしながら、飽きがこないようにしていたんですね。

短答や答練で間違えた所の注意点をテキストに書き込むことによって、最終的にはテキストを中心に回していたということですか?

堀江くん:そうですね。ガイダンスで情報を一元化したほうが良いというのを佐藤講師が仰ってて、それを意識して、テキストを見ればすべて分かるようにしていました。

国見:なるほど。どんな優秀な方でも、一人ですべての知識を正確に理解することはできないので、講師やチューターに色々質問することは、会計士の勉強に対してとてもプラスだと思います。

情報の一元化も、当然様々なやり方がありますが、直前期に回すものが絞られている、これさえやればOKというものを作り込んでいくことはとても重要です。その中でCPAのテキストは網羅性が一番高いので、漏れなく復習するのに最適な教材だと思います。本当にCPAの王道のやり方を信じて学習してもらえたんだと感じました。

国見:では、具体的な学習方法を教えてください。

普通は総合1位でも1桁順位の科目は1個か2個くらいしかないことが多いのですが、堀江くんは科目の順位も総なめにしています。これを見ると全科目得意なのではないかと思いますが、自分の中でより得意な科目、苦手な科目はありますか?

堀江くん:得意科目は作らないようにしていました。僕は飽き性な性格のため、周りの受講生が今日は企業法やるぞ、とか計画している中で、僕はそれが絶対できないなと感じて、一日の学習時間の中で複数科目に触れるようにしていました。

会計士試験は全科目一括合格制なので、得意科目やこれが好きだなという科目は作らないように意識していました。

その中でも最初に苦手になってしまったのは、管理会計論でした。短答直前答練1回目のときに、管理会計論が30点だったんです。

それは凡ミスではなくて、完全な実力で30点でした。他の科目の成績は良かったのに管理会計論だけなぜ出来ないのか、問題演習が足りないのか、テキストの理解が足りないのかを考えました。そこで理解が足りないと判断したので、もう一度講義を見直しました。苦手だなと思うものがあったら、その場ですぐ改善していくようにしていました。

国見:得意科目を作って苦手科目をフォローするのではなく、全科目のバランスを大事にしながら、自分の理解が弱かったり苦手な部分を放置せずに確実に潰していった結果、全科目上位での合格をすることができたわけですね。

堀江くん:そうですね。苦手なものを苦手なままにすることが怖いと思っていたので、絶対に克服するようにしていました。

国見:短答式本試験の結果はどうでしたか?点数の内訳を覚えていますか?

堀江くん:管理会計論と監査論が70点で、企業法が85点で、財務会計論が172点くらいだったと思います。

国見:素晴らしいですね。合計397点くらいかな。80%くらいで短答式試験は合格したのですね。理解不足だと感じた管理会計論の短答直前答練1回の実施が9月でしたから、そこから3ヶ月くらいで克服されたんですね。

堀江くん:そうですね。管理会計論は、短答直前答練2回が50点くらいで、それ以降は70点超をキープできるようになりました。

国見:すごいですね。時間を作って理解を再強化した成果がしっかりと表れてますね。話を伺っているととても順調に学習できていたように感じますが、勉強を続ける中で、1番苦労したことは何ですか?

堀江くん:短答直前期と論文直前期は同じ日の繰り返しだったので、それが精神的に辛かったですね。早く本番が来てほしいという感じです。

国見:本番を迎えることに対する不安はなかったですか?

堀江くん:緊張するタイプではありますが、論文式試験のときは不安はあまりなかったです。

短答式試験は自分が分からない問題があったときに、他の受験生が勘で正解してしまっていたら、どうやってリカバリーしようかと不安になることもありましたが、論文式試験では自分が出来ない問題は他の人もできないだろうという自信がありました。

国見:逆に一番楽しかったことはありましたか?

堀江くん:論文模試の1回目と2回目の間ごろ、5月~7月くらいですね。
その時期は答練の成績が安定していて、勉強の面でなんでも上手くいくなという気持ちでした。

国見:勉強してきたことが身になったと実感した時期はいつですか?

堀江くん:短答直前答練が始まった大学2年の10月~11月くらいですかね。それまでは論点ごとの答練が多かったのですが、短答直前答練から全範囲が試験範囲になり、自分の強み弱みが分かるようになったので、本格的な答練が始まってからですね。

国見:短答直前期に理解不足の論点を見つけて焦ったり、落ち込んだりしませんでしたか?

堀江くん:ありましたよ。ただ、落ち込んでその論点を放置すると状況は悪くなる一方なので、それを克服するようにしていました。

財務会計論の計算については、短答式試験まではC論点を扱う講義は視聴せず、論文式試験に向けて、重要な連結のC論点をピックアップして学習しました。

国見:具体的に1科目ずつどのように勉強されていたか教えていただけますか。

まず、財務会計論の計算はどのように勉強されましたか?会計学は2位の順位を取っていますね。短答式試験と論文式試験に分けて教えてください。

堀江くん:短答式試験前は、財務会計論の計算は特に工夫した点はないと思います。講義を見て、テキストを復習して、いけるなと思ったら短答問題集を問いていました。

国見:短答までは壁にぶつかることなく、講義を理解して、復習して、理解が固まったと思ったら短答問題集を問いてというのを繰り返していたら、普通に点数がしっかり取れるようになったということですね。

堀江くん:財務会計論の計算は結構好きで、短答式試験の直前期は理論科目でしんどいなと感じたときに、気分転換に計算問題を解くという位置づけにしていました。

国見:論文式試験に向けての財務会計論の計算はどうでしたか。

堀江くん:講義は短答までの重要論点までしか見ていなかったので、それ以降の論文向けの講義や細かい論点まで見ました。論文式試験の答練の解き直しをメインに行っていました。

国見:短答式試験まではC論点を扱う講義は視聴せず、論文式試験に向けて、その中で重要な連結のC論点をピックアップして学習したということですね。また、総合問題は、特別な対策をしたというよりは、自然に答練をやりこんでいく中で書き方を吸収したんですね。

堀江くん:論文対策問題集は、個人的にはあまり使っておらず、本当に答練の問題をベースに回すという感じでした。

国見:あくまで、テキストと答練でやっていたということですね。第5問の得点は48.55、偏差値69.35ですね。偏差値も第5問がとても高いことからその成果が伺えます。

堀江くん:僕の解き方は、タイムテーブルを書かないんですよ。最初からずっと仕訳で解いていました。

国見:仕訳派なんですね。

堀江くん:はい。ずっと左右が合い続けるじゃないですか。それに安心感がありました。

国見:じゃあ仕訳の勘定科目は略しながら、解いていたんですね。資本連結・成果連結ともに全部仕訳で攻めるのですか?

堀江くん:そうです。投資と資本の相殺から全部書いています。

国見:本来タイムテーブルより時間はかかりますが、より正確性があり、ミスは減りやすい方法ですね。

堀江くん:その分スピードには気を付けていました。

国見:知識が固まっていて、仕訳を悩まずに書ければ、略字を使った仕訳も非効率ではないと思います。仕訳は1個1個理解して納得して解いていたというイメージですか?

堀江くん:理解はどの科目も、本当に気をつけていたところです。まず理解しないと、覚えようにも覚えてられないと思っていました。

国見:そうですよね。これだけの高得点を取るには暗記中心では不可能ですからね

理解をしっかりしていることは、点数からも見て取れますね。だからこそ、初見の問題でも的を射た回答ができるんだと思います。

財務会計論の理論は、短答式試験までに基本的な理解はできていたから、論文式試験に向けては、新しく理解し直すというよりも、文章の流れや言い回しなどを中心に対策しました。

国見:財務会計論の理論はどうでしたか。

堀江くん:理論は実は最初の方は怠けていて、講義をライブで受けていたんですが、スマホを見たり集中していなくて、そんな状態なので、後からテキストを見返しても全然分かりませんでした。なので、大学2年生の5月くらいから講義を全部Webで見返しました。

国見:意外に、管理会計論も財務会計論も講義を見直していたんですね。CPAはWeb講義が見放題なので、うまく活用していましたね。

堀江くん:学習し始めの頃は、試験までのスケジュールがイメージできず、集中できなかったり、講義の聞き方もまだ定まっていませんでした。講義が見放題で、見直しを簡単に出来る点がCPAの良いところだと思います。

国見:理解をする際に意識されていたことはありますか?

堀江くん:講義の中で先生が仰ったことは、絶対に理解しようとしていました。分からないところは、なんだろうと考えた上で、質問して、テキストに書かれていることや先生の仰ったことは、分からないままにしないようにしていました。

国見:一つずつ自分の中で納得を固めて、納得できないところを潰すことを心がけていたんですね。

堀江くん:その上でどうしても時間が経つと忘れていってしまうので、後から見ても思い出せるように、テキストに書き込んでいました。

国見:短答式試験に向けて、財務の理論など理論科目を暗記するときは、どのようにやっていましたか?理論科目も、テキストベースでやられていましたか?

堀江くん:テキストベースでやっていました。

暗記する方法としては、短答式試験最後の1週間で、4科目の全テキストをそれぞれ1周ずつ反復しました。全科目の講義を見終わった9月くらいから、3ヶ月間は毎日同じことをしていました。

1日で本試験の順番通りに全科目反復し続けました。企業法と監査論と財務会計論理論は、短答問題集をランダムに開いたページからやることにしていて、分からなかったらテキストに戻るということを繰り返していました。

それを1日1科目あたり6ページくらいのペースでゆっくりやっていました。何十周も高速回転したというよりは、じっくり2~3回確認しながら回していました。

国見:ランダムに開いた問題が解けるかどうかも大事ですが、納得できないところはテキストを見て確認する方を重視していたんですね。
ちゃんと理解しているからこそ、回転数が少なくてもしっかり覚えられるんでしょうね。

堀江くん:特に講義後の理解を重視していました。講義を見た後は、次の日に短答問題集を解くようにしていました。

もちろん初見の問題なので分からない部分もありますが、テキストを1回読んだ上で短答問題集を解いて、読んだばかりの論点を扱った問題が解けても、その正解に意味あるのか疑問に思い、翌日以降に初見でできた問題は、講義の中で完全に理解した部分として扱っていました。

解けなかった問題は、さらに次の日にテキストを読んで理解していくことを繰り返していました。

国見:問題を解くことができるかどうかだけではなくて、ちゃんとテキストを見て理解の怪しいところを潰しているというのは、上辺だけの理解ではない、本物の実力を養っていることに繋がると思います。

財務会計論の理論は、論文式試験に向けてはどのように対策されていましたか?

堀江くん:論文対策集をメインにやっていました。財務会計論の理論も短答式試験までは重要論点の講義までしか見ていなかったので、残りの細かい論点を扱う講義を見ましたが、基本は論文対策集をやっていました。短答式試験までに基本的な理解はできていたから、論文式試験に向けては、新しく理解し直すというよりも、文章の流れや言い回しなどを中心に対策したということになるかと思います。

論文式試験対策には優秀答案がとても参考になりました。

国見:何か論文式試験対策で苦労されたことはありましたか。

堀江くん:比較的スムーズな方だったのではないかと思います。

論文も全科目共通した勉強法がありまして、論文式試験は理解できているだけでは不十分で、書き方やテクニックの部分で差がつくものだと考えていたので、答案練習の復習をひたすらやっていました。

自分が書いた答練と模範解答と優秀答案の3つを比較して、自分に何が足りないのかを別の紙にメモしていました。それを、答練の前に確認して、自分が過去に何ができなかったかを分かるようにしていました。

国見:論文は理解していないと戦えないということが大前提ではありますが、その上で理解したものをどうやって文章にまとめあげるか、というところにより時間を使われていたということですね。

短答式試験前までに培ってきた知識を、初見の問題に対して発揮しきる力が、そういう過程で養われたんだなと感じました。優秀答案も結構役立っていたんですね。

堀江くん:優秀答案はとても参考になりました。模範解答とは異なり、同じ受講生が試験時間内に書いた文章なので、真似できることが多かったです。また、自分の答案も優秀答案に選ばれるように書こうというモチベーションになりました。

国見:優秀答案の開示はCPAの新しいサービスです。

模範解答の文章は綺麗にまとまりすぎているので、実際の解答で、優秀な答案とボーダーラインである偏差値52ラインの答案を開示するようにしました。お役に立てたようで嬉しいです。

管理会計論では、文章を丸暗記するということはなくて、管理会計論のロジカルフローを視覚的に、図として捉えて後から思い出せるようにしていたり、あとは理由や論点の個数などを意識していました。

国見:短答式試験前は鬼門だった管理会計論はどのように学習しましたか?

堀江くん:管理会計論は財務会計論計算と同じようにテキストと問題集を中心にやっていましたが、やったつもりになっているだけで、全然理解していないということに途中で気づきました。

2回目に講義を見る際は、梅澤講師が仰っていることを一言一句考えながら見るようにしました。そのように意識してやってみると、ちゃんと問題が解けるようになり、いかに最初に自分が適当に取り組んでいたか思い知らされました。丁寧に1個ずつ潰していくことが大切だと感じました。

国見:管理会計論は本当にちゃんと理解していないとなかなか点数が安定しないですよね。

例題とか個別問題を点で解けるようにはするのですが、ちゃんと全体像の中での理解が弱いと、初見の問題で安定しないんです。そこがなかなか修正できなくて、管理会計が苦手だという人も受験生は多いと思います。管理会計論は本当に理解が大切なので、短答後の僅かな期間で修正されたのは素晴らしいなと思います。

管理会計論は論文式試験に向けてはどのように学習していましたか?

堀江くん:論文式試験は、論文対策問題集の理論をメインにやっていました。計算問題は、財務会計論と違って、短答式試験とそこまで内容が変わらないと思ったので、計算は今までの知識をキープすることに留め、理論の理解を深めました。

国見:管理会計論は短答式試験よりも論文式試験の方がボリュームは増えますが、理解がちゃんと出来ている方からすると、ボリュームが増えても、全体の流れが分かるから大きな負担にはならないのかもしれないですね。

管理会計論や財務会計論の論文対策問題集をおさえていくときに、特に重視した点があれば教えていただけますか。

堀江くん:文章を丸暗記するということはなくて、管理会計論のロジカルフローを視覚的に、図として捉えて後から思い出せるようにしていたり、あとは理由や論点の個数などを意識していました。個数を覚えていれば、何か忘れているときにすぐ分かるので。

国見:文章というよりは、書くべき内容の骨格をおさえて、その時に抜けないように個数という側面から覚えたりしていたということですね。

堀江くん:理解していて、的を射た内容であれば自分の言葉で書いても点数が来ると思っていたので、何が書いてあるかというのを分かるようにしていました。

国見:論文対策問題集は、最終的にどのくらい回転させましたか?

堀江くん:トータルで、5~6周だと思います。1個ずつしっかりやっていって、1~2ヶ月で1周するくらいのペースでやっていました。

国見:少ないですね。参考になります。普段はなかなか覚えられない方が多いので、私も直前期はたくさん回転してくださいと言うのですが、ちゃんと理解していれば回転数がすくなくてもちゃんと覚えられるんだなと感じました。

監査論は、講義後にしっかり復習して、疑問点は友人とぶつけ合って、疑問点があれば講師に質問していました。

国見:続きまして、監査論はどのように勉強されていましたか?

堀江くん:監査論は理論の中でもより暗記の要素が少なくて、短答式試験のときから理解を特に重視していました。

当時齊藤講師が早稲田校にいらっしゃったのでライブで講義を受けていたんですが、一緒にずっとライブ講義を受けていた方がいて、その方と翌日に疑問を解消し合う会みたいなものを開いていました。

国見:講義後しっかり復習して、疑問点は友人とぶつけ合って、疑問点があれば齊藤講師に質問されていたんですね。短答式試験で苦労はされませんでしたか?

堀江くん:短答式試験のほうが論文式試験より苦労しなかったのではないかと思います。

国見:監査論は問題によって何を書くべきかが毎回変わると思いますが、どのように論文式試験に向けて勉強されましたか?

堀江くん:論文式試験については、理解していたら出来るはずだと思ってしまって、あまり勉強していなかったんです。

でもそれだと平均程度の点数は取れるのですが、それ以上の点数を取ることができるはずもなく、テキストの内容は十分理解していたので、論文対策問題集を毎日解くようにしていました。

僕にとって監査論の論文形式は、解き方に重点を置くべき科目だと思ったので、優秀答案との比較などを特に意識してやった科目かなと思います。

国見:理解や知識はすでに培ったものがあったから、論文対策問題集などを使って、答練の度にアウトプットを意識していったという感じですね。

企業法は、どこかで理解していないと絶対に覚えられないので、横の理解を意識していました。

国見:企業法はいかがでしたか?企業法も6位で合格していますね。

堀江くん:企業法は、横の理解を意識していました。それぞれ機関は機関、という理解になりがちだと思うのですが、株式やっているときも機関だったらどうだったかなということを、短答式試験のときから意識するようにしていました。

国見:章を超えた繋がりとか関係性を意識されていたということですね。

堀江くん:そうですね。企業法は、結構暗記の要素が強いじゃないですか。僕は暗記がすごく苦手で、どこかで理解していないと絶対に覚えられないので、短答式試験のときから趣旨や論点を1周は読むように心がけていました。

国見:企業法も条文を最後に覚えてしまえば何とかなりやすい科目ではありますが、一つ一つ理由はあるので、理由から押さえたほうが暗記はしやすいですね。企業法の中でも理解を意識しながらやられていたということですね。

最終的に短答式試験の直前などに暗記される際は、どのようにやられていましたか?テキストを回転させたりしていましたか?

堀江くん:そうですね。テキストしか見ていなかったです。短答問題集をランダムに解いてみて、テキストに戻って不安点を押さえるというやり方でした。

国見:企業法の論文向けはどのように学習しましたか?

堀江くん:企業法は、用語や条文など暗記する要素が多いので、特に最後の方は、割と文章を丸暗記するようにしていました。

国見:典型論点はしっかり覚えていたということですね。企業法は最近の傾向だと、細かい論点も出ていると思います。そういう枝葉の論点についてはどのような対策をされていましたか?

堀江くん:結論だけは押さえるようにしていました。全く知らない論点はないようにしていました。

国見:論文対策で必要なところは言い回し文章なども覚えていくというのが、リスク回避として企業法では一番いいですね。

堀江くん:あとは、何条に何が書いてあるかは、一度見て、なんとなく把握するようにしていました。

租税法は、細かく色々なものに手を出すのではなく、基本をしっかりおさえて学習しました。

国見:一番成績の良い1位の租税法はどのようにやられていましたか。

堀江くん:租税法は、講義を見て、次の日に例題だけ解いて、その次の日にテキストをもう一度見るというのを、12月短答後から3月くらいまでひたすら繰り返していました。

国見:まず例題レベルを理解しながら、しっかりと解けるように繰り返し演習したんですね。

堀江くん:個別問題集や重要性の低い論点の講義は触れていなかったです。細かく色々なものに手を出すのではなく、基本をしっかりおさえて学習しました。逆にそこをしっかり固めた結果、本試験でこの成績が取れたのだと思います。

国見:特に第2問の跳ね方がすごいですね。得点51.3って偏差値85.5ですもんね。

堀江くん:消費税の問題が当たったんだと思います。細かい論点をおさえるというよりは、重要なところをしっかり押さえて学習していました。

経営学については、これまでに確立した学習スタイルに当てはめて学習しました。

国見:経営学はどうでしょうか。

堀江くん:経営学も租税と同じような学習方法です。短答式試験のときの企業法、監査論を学習し始めたあたりから自分の学習スタイルが確立していたので、そのパターンに当てはめて学習しました。講義を見て、翌日問題を解いて、翌々日テキスト読むという繰り返しが自分には一番合っていました。

国見:全科目共通しているのが、ちゃんと授業を受けて、理解して、テキストベースで土台を固めていくということですね。管理と財務の理論は、最初の頃は少しサボってしまったものの、しっかりと講義を見直して、挽回されたということですね。

入学から論文式試験まで、CPAの教材だけで学習しました。

国見:CPAの講義やテキストで、より理解しやすいと感じた点があれば教えてください。

堀江くん:テキストは、図があったり、先生方が理解しやすいようにと工夫されている点が、まさに刺さりました。

国見:特によかった科目の講義トップ3を挙げていただけますか。気遣い無用で本音で挙げてください。

堀江くん:1位は、租税法の高野講師です。説明する時にまるで対話しているように話をしてくれるので、親近感が湧きやすかったです。また、より理解が深まるように具体例を用いて説明して下さるので、イメージが付きやすかったです。

2位は、池邉講師の論文ダイジェスト講義です。池邉講師の講義は高野講師とは逆で、本当に専門的な解説をしてくださいました。最初はその専門用語等に苦戦しましたが、池邉講師の講義が理解できれば、絶対に管理会計論は出来るという自信になりました。

国見:そうですね。池邉講師は緻密にしっかり説明する講義を展開します。講師によってタイプがあって、高野講師とか私は、どちらかというとイメージ重視で、あまり厳密なことは言わずに大枠を押さえるアプローチをしていますが、池邉講師や渡辺講師は、緻密に教えていくスタイルを持っています。それはアプローチの違いですね。池邉講師はそこに強いこだわりを持たれています。

堀江くん:3位は、忖度ではなく国見講師です。講義中よく雑談をしてくださるのですが、それが面白いので、講義を見たいな、という気にさせていただきました。

国見:人によって感想は違うと思いますが、CPAは本当に講義を大切にしていますので、しっかりと聞いていただけて嬉しいです。CPAの教材以外で使用されていたものはありましたか?

堀江くん:ないです。入学から論文式試験までCPAの教材だけです。

国見:CPAの教材だけでこれだけの成績を取れるというのは、我々講師としても嬉しい限りです。重要性に応じた学習方法で、C論点を切っていてもこの成績が取れるんだなと思いました。

堀江くん:短答式試験のときはC論点は切っていなかったです。論文式試験のときはやることが膨大だったので、たまに見るくらいでした。

国見:CPAの施設やサービス面で良かったところがあれば教えてください。

堀江くん:答練の講評をとても重視していました。作問した講師の方から取るべき問題やコメントを書いていただけて、受験者の平均点や合格点が載っているので、学習の進捗や他の受講生と比べてどのくらいの位置にいるのかを把握できて本当によかったです。

CPAには優秀な受講生がたくさんいらっしゃるので、お互いに刺激し合いながら学習することができます。

国見:短答、論文ともに答練の成績はいつも毎回1位を取っていたくらい優秀だったのでしょうか?

堀江くん:成績は良い方だったと思います。でも毎回ではないですね。科目レベルで1桁順位に入れるくらいでした。

国見:受講生の間では堀江くんが1位だよね、という空気が出来上がっていたのでしょうか?

堀江くん:そんな雰囲気はなかったです。

国見:ライバルだと思う人はいましたか?

堀江くん:いました。僕は論文模試は、2回とも総合2位で、1位は同じCPA早稲田校の同級生で、顔見知り程度でしたが、見える距離に自分より上の人がいたので、彼には負けないように勉強していました。

国見:では、堀江くんの独占場というわけではなかったんですね。ちゃんとライバルがいて、負けたくないという気持ちを持っていたということですね。

堀江くん:CPAには優秀な受講生がたくさんいらっしゃるので、お互いに刺激し合いながら学習することができます。

国見:本講座が始まってからの2年間のスケジュールについて教えてください。入学から直前期までの2年間をどのように勉強されていたのか振り返って教えてください。

堀江くん:大学2年の5月までは講義に追いつくのが精いっぱいで、講義見て最低限復習するくらいしか出来ていなかったです。勉強時間でいうと、週4日程度で1日3~4時間くらいでした。

国見:すべての時間を勉強に費やしていたわけではないと思いますが、1週間の中でCPAがどのくらいのウェイトを取っていたか教えていただけますか?

堀江くん:友人が出来てからはサークル感覚でCPAに通っていたので、週6~7日でCPAに通うことが自分の中で普通という感覚でした。友人が出来る前は気が向いたとき、週4日くらいで、残りの日は大学が終わったらまっすぐ家に帰っていました。

国見:勉強はすべてCPAでやっていましたか。

堀江くん:短答直前の3週間だけは家で勉強していました。あとは家では全くやっていなかったです。

CPAの講師が推奨する、王道の学習スタイルを貫いて一発合格を勝ち取りました。

国見:CPAでは1年生の8月から2年生の5月までの間に、財務会計論の計算と理論、管理会計論が一通り終わりますが、その3科目を講義を見て復習する、管理会計論はそこで少し理解が弱かったという感じですね。

大学2年生の5月以降は、企業法や監査論などの残りの科目も始まり、9月末くらいまで講義を視聴していたと思いますが、その間はどうでしたか。

堀江くん:そこからCPAの勉強仲間もでき、勉強記録を付け始めました。大学のテストがあるときはCPAの学習は全くしていません。6月は月106時間、7月は半分が大学の試験期間なので70時間、8月は194時間、9月は185時間、10月は198時間、11月は110時間です。

国見:なるほど。8月から直前の4ヶ月間は、1ヶ月180~200時間くらい、週40~50時間くらいですね。直前期という雰囲気がでてくる時期ですが、どういう作業が増えたのでしょうか。

堀江くん:単純に科目数が増えました。企業法・監査論が加わって、講義の日はどうしても新しい科目中心になってしまいますが、すでに講義が終わっている財務会計論や管理会計論の復習を疎かに出来ないので、毎日復習時間を増やしていった結果だと思います。

国見:短答式試験は無事に合格されて、短答式試験後のスケジュールはどうでしたか?

堀江くん:短答式試験後は少しサボりました。

国見:そうですね、12~1月は先ほどの学習時間と比べると下がっていますね。12月が96時間となっていますが、短答式試験までの時間も入っての時間ですから、短答式試験後はあまり手がついていなかったようですね。

堀江くん:12月は大学のテストがあったこともあり、余計に勉強時間が取れていないです。短答式試験後2週間くらいはほぼ手を付けてないです。

国見:そうなりがちですね。なるべくそうならないように我々も促すのですが。3月あたりから学習時間が上がってきていますね。3月は157時間、4月は145時間、5月は134時間、6月は173時間、7月は127時間、8月は166時間。3~5月は週40時間、7~8月は週40時間を超えてくるようなイメージですかね。

堀江くん:そうですね。

国見:この時間は、合格者の平均学習時間は40~50時間くらいかなという感覚があるので、平均からは少ないくらいですね。長時間やるよりは、やるときに集中してやるタイプですか?

堀江くん:そうですね。30分くらいで休憩を入れないと集中が続かないタイプなので、1日10時間以上勉強した日は記録した中でも5日くらいしかないです。適度にリラックスしながらやっていましたね。

国見:1週間の中で完全にオフの日は作っていましたか?

堀江くん:定期的には作っていませんでしたが、今日はやる気が出ないなという日は休憩にあてるようにしていました。

国見:CPAでは財務会計論の計算と理論を分けた7科目で学習を進めていきますが、科目別にどのくらい勉強時間を使ったか分かれば教えてください。

堀江くん:感覚でいうと、短答式試験以降は7分割だと思います。その時に勉強できる科目を全部バランスよくという意識でやっていました。

国見:トータルの勉強時間を出すと、短答式試験前で約1650時間、短答短答式試験後が約1150時間の計2800時間くらいですね。

一発合格者の学習時間は、3000時間くらいが下限ラインくらいだと考えているので、その平均学習時間を切って総合1位というのは衝撃です。これは社会人の方には夢がありますね。働きながら合格を目指す方の学習時間は、週30時間が目安なので、この学習時間でも優秀な成績で一発合格できるという証明になります。

ただ、油断はしないように、もうちょっとやったほうがいいぞってことは、講師として言っていきたいと思います。

得意不得意が偏らないようバランス良く学習して、不安な論点を一つずつ地道に消していくという学習を続けた結果、総合1位という素晴らしい成績を収めることができたのですね。

堀江くんに勉強方法を伺うと、我々CPAの講師が推奨する、本当に王道の学習スタイルを貫いてくれたんだと思いますね。しっかりと講義を受けて、一つずつ理解を深めていき、理解が弱かった科目は反省してやり直す。その結果、反復の回数を減らし、理解したものを答練で正確に記述する力を身につける。

情報一元化もしっかりしていて、短答式試験に向けてもいいやり方をされていますし、論文式試験でも培った理解を試験で得点に結びつけるにはどうしたらいいかを答練ごとにしっかり分析してやっていたという形なので、本当に隙のない勉強の仕方をされていると思いました。

勉強時間が思ったより少なかったことは驚きましたが、それもCPAの重要性に基づいた効率的な学習をしていたからこその成果なんだと思います。学習方法やスケジュール、教材の使用方法など、勉強させていただきました。

理解を手助けしてくれる講義や教材がCPAにはありました。

国見:これから会計士を目指す方や勉強中の方に対してメッセージやアドバイスがあればいただけますか。

堀江くん:長いスパンの試験になるので、暗記で乗り切るのは難しいと思います。理解を重視することが本当に大切だと思います。その理解を手助けしてくれる講義や教材がCPAにはありました。

国見:これからどんな会計士になっていきたいか、今後の目標を教えてください。

堀江くん:特別突起したことではなくて、受験生時代からバランス感覚を養ってここまでくることが出来たので、色んな業種や業務への理解を幅広くして、何でも出来るオールラウンダーな会計士になりたいです。好き嫌いを作らず色んな事に挑戦していけたらと思います。

国見:会計士試験は2年で合格を目指すものでしたが、キャリアは40年かけて高めていくものなので、是非素敵な会計士になって、活躍していただければと思います。

あとはこれから1年間CPAのチューターをやっていただくので、ぜひ1年間、CPAの受講生のサポートをしていただけたらと思います。今日はありがとうございました。

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