5月短答から8月論文一発合格!!短期間での効率的な勉強法—堤 浩志 さん

齊藤:堤君は、大学の1年生のときから2年コースで会計士を目指し始めたんだよね。で、12月が確か1点足らずで不合格となってしまったんだよね。

その次の5月の短答はかなり余裕で受かって、8月の論文もすんなり受かったという流れだよね。特に5月の短答に合格して、8月の論文に一発で受かったときの勉強の仕方とか、あとは心の持ちようとか、そういうところを中心に聞かせてもらえればと思います。よろしくお願いいたします。

堤:よろしくお願いします。

 圧倒的合格率を裏付けするCPAの強み

齊藤:まず、堤君が会計士を知ったきっかけとか、なんで目指そうかなと思ったのかとか聞いていきたいです。

堤:会計士という職業は確か高校生のときから知っていました。出身校で開催されていた就職セミナーで、何人か卒業生の方が来ていらっしゃった中の1人に会計士の方がいらっしゃって、その方の話を聞いたことがきっかけです。当時は存在を知っていたくらいで、そのときにまさか自分が会計士になっているとは思ってもいなかったです。

齊藤:実際会計士を目指そうって決めたときってどんなタイミングだった?

堤:決めたのは確か1年生のゴールデンウィークの時です。4月にとりあえずCPAの簿記3級の無料講座を受けてみようと思って、受講していたんですけど、ひょっとして会計士は自分に向いているかもしれないと思ったんです。そうなってきたときに、何か大学生活の中で形を残したことをやるんだったら、遊び倒すというのもアリかも知れなかったんですけど、折角だからちゃんと将来形に残るものをやりたいなと思ったんです。それでゴールデンウィーク中に考えて決めましたね。「よし、やろう」って。

齊藤:なるほど。その無料体験で簿記を受けていたとき、「面白いな」と思ったのか、それとも「難しいな」という感覚だったの?

堤:そうですね。やっぱり楽しいと純粋に思いましたね。高校のときから数学とかも割と好きで、数字に対してあんまり抵抗がなかったというのもあって、あまり苦ではなかったですね。

齊藤:そうするとやっぱり無料体験を受講しながら抵抗があるかないかっていうのが判断材料になったという感じかな。分かりました。無料体験を受けて、簿記に対して抵抗も無いし、楽しいなと思ったから、じゃあ会計士やってみるか、というような感じでスタートしたんだね。CPA以外にも予備校があるっていうことは知ってた?

堤:はい。

齊藤:じゃあその中で、なんで「CPAでやってみよう」って思った?

堤:某予備校と迷っていたところがあって、そこでも同じように三級の無料講座をやっていたんです。実は私、両方の無料体験講座を受けてたんです。

齊藤:両方受けてたの?

堤:はい、両方受けていました。CPAは圧倒的な合格率や、在学生合格者を顔出しで出していたり、他の予備校にはないような宣伝をしていました。「あ、CPAの合格率は間違いなく高いんだな」と思っていた上で、比較をするために他の予備校も申し込んでみたんです。でもCPAの方がその時の雰囲気や、講師の方の丁寧さ、授業の展開の仕方などが自分に合っているかなと感じました。

齊藤:じゃあ実際に入ってみて、その雰囲気は自分に合っていた?

堤:合っていたと思いますね。私自身、あまり大学の受験勉強を苦だと思っていたことがなかったんです。なぜかと言うと、校舎に来て友達に会えるから勉強自体苦に感じることが無く、楽しく勉強できていたからです。CPAでも同じような感じで、仲のいい友達が何人かできればその友達ともその休憩時間にお喋りすることがすごい楽しくて、そのために行ってるって言ったらちょっと語弊がありますけど、苦しいことなく勉強できたかなとは思いますね。

齊藤:会計士の受験も、2年間と長いじゃない、その中でどう自分を楽しく持っていけるかっていうのもすごく大事だよね。

堤:長期戦になるんで、個人の性格もあると思うんですけど、私としてはやっぱり1人で勉強はできないなと思っていました。

なので、CPAには同学年で目指す人が多くて、友達が圧倒的にできやすい環境にあるということが決め手になりましたね。

齊藤:実際やってみて、友達も最後の方みんなで一緒に頑張ろうって雰囲気になっていたよね。

堤:私が12月落ちてしまって、5月受ける時も友達が試験会場まで応援に来てくれたりして、すごい心強くてありがたかったですね。

齊藤:勉強の時も、友達と質問とかしたり相談とかしていたのかな?

堤:情報交換とかしたりしてましたね。

齊藤:やっぱり堤君の代は結構みんな楽しそうにやってたっていうのはあるよね。

堤:はい。あんまりドヨーンとした顔をしている人もあんまりいなかった気がしてて、いい雰囲気だなって終始思ってました。

齊藤:それでやっぱり雰囲気とか講義とかは内容はそのままだったよ、と。あとはその時見た実績と、じゃあ受けてみて受かったあとを踏まえた実績とかも特に差はなかったっていう感じかな?

堤:そうですね。事実、私と一緒に勉強していた友達もほとんど論文に受かったので、昔見た合格実績と差は無く、むしろその時よりも実績は上がっていると思います。

理解の定着には答練を活用

齊藤:受かるために大事にしてたこととか、注意してたこととかあったりはする?

堤:結構最初の理解を重視するタイプで、特に計算科目なんですが、連結会計などの難しいところもテキストを読んで分からないんだったら確実に解けるわけがないので、テキストを読めば絶対分かるという状況にしたかったんです。読んで分からないところは早めになくすというのは最初の作業で意識的にやっていましたね。

齊藤:最初の理解が大事だから講義を受けて、復習のときにしっかりテキストの加工をするという感じかな?

堤:そうですね。テキストの加工も、読み込みもやっていました。勉強の基本がテキストだと思っていたので。

齊藤:なるほど。勉強してて辛かったこととか苦しかったこととかってあったと思うんだけど、そういうときにどういう風に克服していった?

堤:積極的にCPAと関係のない友達と遊ぶということを意識していました。CPAの友達は皆大好きなんですけど、どうしても一緒にご飯を食べていると「あそこの論点が~」となることが多々あるんです。そういう話も良いんですが、定期的にCPA以外の大学の友達に会うと、会計士の勉強のことを忘れて会話もできるし、いい気分転換になっていたのかなと思いました。

齊藤:気分転換は勉強と無関係な人としていたんだね。

堤:やり方はなんでもいいとは思うんですけど、気分転換は大事だと思いますね、

齊藤:自分なりの息抜き方法みたいなものがあれば良いってことだね。得意科目、苦手科目についてだけど、堤君はあまり得意科目も苦手科目もなくバランスがすごくよかったなっていう印象はあるんだけど。

堤:管理、簿記は得意な方でしたね。苦手なのは圧倒的に、企業法でした。

企業法は理解も必要なんですけど、暗記も結構重要な科目なんです。暗記は苦手じゃないって思っていたはずなんですけど、実はそんなに得意じゃなかったのかも知れないな、と思って。

齊藤:管理、簿記が得意になった秘訣ってある?

堤:それも先ほどもちょっと話したんですけど、学習当初にテキストを何回も読んで、分からないところをなくして、あとは実際に手を動かして問題を解くことだと思います。実際に問題を覚えるレベルくらいまで問題集をやり込みました。

齊藤:最初の理解と、それを定着させるためにどうやっていた?

堤:やっぱり答練ですね。それはほぼすべての勉強に言えると思うんですけど、一度しっかりやったことってなかなか忘れなくて、もしくは忘れたとしても、ちょっとやったらすぐ思い出すとか、そういう状況になると思うんです。なので、答練のたびに指定された範囲を極めるつもりでやっていました。やはり答練を目安として、復習をして定着を図ることができましたね。

齊藤:一方、企業法は何で苦手になっちゃったんだろうね?答練を受けて反復するとかさ、最初の理解を注意するとか、企業法でもやっていたんだよね?

堤:やっていたはずですね。12月短答前の9月・10月くらいの頃に、ゼミなどで大学が忙しくなった時期があって、そこで答練も2個くらい遅れてしまっていて。それは今考えると良くなかったなと思っています。特に試験前、企業法に時間をかけることを疎かにし過ぎたという感じはありますね。「暗記得意だからまだいけるかな」って後回しにして、「最後詰め込めばいけるでしょ」って思ってたら甘かったことに気が付きました。

齊藤:もうちょっと後でもいいかな、と。

堤:そうですね。「案外いける」はだめですね。

5月短答と8月論文、短期間での勉強法

齊藤:ちゃんと答練に合わせて復習しておけばということだよね。じゃあ、12月まではそんな感じで勉強してて、5月から8月の試験を受けるうえで自分がすごく相談受けるのは、やっぱり租税法をどれくらいやっておいた方がいいですか、とか、短答5科目の論文の勉強はどういう風にやったらいいですか、とか。あとは12月に惜しくも数点だったというような人はそこまで一生懸命やらなくても受かるんじゃないかとか、油断というようなものも出てきやすいと思うんだよね。その時に、堤君はどういう気持ちで5月8月を受けようと思ったのかとか、具体的にどういう風に勉強したのかとかありますか?

堤:私、12月落ちて、1点差だったんですけど。租税法をその後やるか少し迷ったんです。先生にも相談したんですけど、さすがに1点差だったらやってもいいかなって思ってやることにしたんです。でもその時に意識したのは、やるからにはしっかりやるという風な気持ちで、答練もちゃんと受けようと思っていました。自分はどうせ5月短答を受けるからしばらく租税の知識は使わないと思って、適当にやっていればその時間が完全に無駄になっちゃうなと思っていたので。やるからには減価償却とか租税公課を極めるくらいのつもりでやらないといけないかなと思っていましたね。少なくとも答練を受けるレベルには持って行かないと、やらないほうがいいかなと。

齊藤: 適当にやるのはよくないよねという感じか。経営は12月後はやっていた?

堤:経営はほぼノータッチでした。

齊藤:こっちはじゃあ後回しでもいいかという感じだったんだね。

堤:そうですね。誰に聞いても、経営は5月が終わった後でいいでしょと言われたので。確かにそうだったなと終わってからも思います。

齊藤:なるほど。短答5科目について、今までの12月に向けての5科目の勉強の仕方と、5月から8月論文を見据えた勉強の仕方っていうのはちょっと変えたりしたの?

堤:問題を解くときに確実に正誤が判断できた問題には印を付けるようにしていました。後でもう一度問題集を解くときに、確実にマルと判断した問題はもう一度その問題に時間を裂くのは無駄かなって。そこに時間を割くよりかは迷った問題をちゃんと知識として入れるほうがいいなと思っていたので、そういう意味において、印をつけておくべきだと感じました。

齊藤:復習の効率性って話かな?

堤:そうですね。なんでマルなのかバツなのかということも意識して解くようにしていました。

齊藤:なんでマルか、なんでバツかって考えながら、5月の短答、8月の論文を見据えてやって、それがやっぱ論文にも活きたのかな?

堤:活きたと思います。基本的にはなんでマルかなんでバツかといったところが聞かれるのが論文だとは思うんで。もちろん、短答と論文で聞かれる細かさは違いますけど、範囲が違うわけじゃないので、論点ごとに突き詰めて「なんで」と考えることは重要だと思います。特に企業法だとその意識が割と薄くなりがちで、論文の勉強を始めてみて気づいたのが、「なんで?」という視点が抜けていることでした。ちょっとした細かい知識や入り込んだところとかの背景は分かっていなかったというか、理解していなかったなということが多々ありました。ここの趣旨や文章は見た事ないことがテキストに載っていて、全然テキストを見ていなかったんだなとその時思いました。

齊藤:確かに。あとは心構えみたいな感じで、どういうことを考えながらどういうところを注意しながら勉強に向かっていったの?

堤:そうですね。正直な話、絶対なんとしても5月で受かりたいって思っていて、8月終わったら絶対に友達と旅行に行きたくて、それがひとつのモチベーションになっていました。そういう風に絶対に受かりたいって気持ちがあったので、手を抜こうとは思わなかったですね。

齊藤:いま5月受ける人の中でもトップクラスなんだから、論文も確実に受かるっていうところまで確実に持っていくぞ、と。

堤:そうですね。そういうのはありましたね。

齊藤:あと意識してたことはある?

堤:穴の科目があるとあとで挽回できる科目が必要になってくるので、それは極力なくしたいなとは思っていたんです。基本的に全科目最低7割は取れるように考えてましたね。正直、苦手科目は最終的に1科目くらいできちゃうのはしょうがないかもしれないです。でも苦手な科目があるとそれを補うことに時間を割いてしまって、折角の自分の得点源とかも活かしきれなくなってしまいます。なので、意識としては、苦手科目を作らないようにしていましたね。

短期間だからこその効率化 科目別の勉強配分

齊藤:そういういろんなことを踏まえて、合格するために大事だなと思うことがあれば教えてください。

堤:一番重視したことはテキストを大事にするということです。あとは、何がなんでも受かりたいって気持ちですね。5月短答を受けることになってしまった時点で3年生の8月は受からなくても、4年生の8月でいいかなとチラっと頭によぎったことはあったんですけど、いざ5月に受かってみると、「いや絶対今年の8月に受かりたいぞ」って思ってきて。

齊藤:そうだよね(笑)。

堤:「いや、これは来年で良いと思ってる場合じゃない」と思って、何がなんでも受かりたいって思ってきたんです。焦ってからでは遅いと思うんで、あらかじめ自分は受かりたいし、絶対に受かれるって気持ちを持っておかないと、精神的に結構不安定になっちゃうかもしれないです。「落ちるんじゃないか」とか、特に5月短答を受ける前とかは、夜寝る時とか「やばい、変な問題が出てきたらどうしよう」とか、ビビってしまうことが結構あって、それよりかは、根拠がなくても強気くらいの方がいいのかなと思いますね。

あとはやっぱり「勉強つまんない」って思ってるとやりたくなくなってくるものですし、できれば勉強内容のどこかに、例えば「こういう考え方結構面白いな」とか、講義中に「そういう視点で確かに見ることができる、なるほどな」などに気付くことができたとしたら、結構勉強していても楽しいんじゃないかなと思っています。

齊藤:堤君の話を聞くと、やっぱり管理が好きだった、それによって管理の点数も伸びた。あとはなんでマルなのかなんでバツなのかっていってその理由を考える。「テキストに書いてあるから、マルだろ」と「書いてあるからバツだぞ」とか、そういう短絡的なものではなくて、何でだろうっていうことを考えることによって、短答にも論文にも活きた、ということだね。そういう風に考えることによって、楽しく勉強できたのかもしれないね。

堤:そうですね。「なんで」という気持ちでやってた方が、学問を勉強している感じがして頭が良くなった気がするんです。「今日も成長できた」というような感じがして、そうなってくると楽しくなってくるかなと思いますね。

齊藤:やっぱり成長している、って人間分からないと、なかなか面白いなと思ったり、頑張ろうっていう気持ちにはなりづらいよね。あと聞いておきたいのは、さっきの5月のあと、8月まで具体的に、この科目に重点を置いたとか、この科目はあまり触れる時間なかったとかあったりする?

堤:ありますね。本当に全然やらなかったのは、管理です。自分が得意だったのもあるんで、なんとも言えないですけど。あの科目は特に忘却曲線がゆるいというか、ちょっとやらなかったからといっていきなりできなくなる科目でもないですし。特に上級部分の理論だったら計算を理解してやってる人だったら、特に覚えなくても書ける人が多いですし、自分自身結構好きで割とよくテキストは読んでいたので、大体頭に入ってたってところもあったんで。その次は簿記もそんなにやってないですね。構造論点を、答練形式のもので見直す、もしくは個別問題集のような形でたまに気分転換に見直すくらいで、あとはひたすら理論に追われてました。

齊藤:なるほど。他の科目はどんな感じでやっていたのかな?

堤:まあ、租税と財表に一番多く時間を割いていたかなって思いますね。

租税は結構時間をかければかけるだけ、できるような感じはしていました。特に租税は範囲が広いので、範囲を絞って、重要性の高い論点は手を付けると決めて、そこはがっつりやるようにしていました。

齊藤:監査企業はどう?

堤:企業は結構力を入れてやっていました。監査論は結構自分の言葉で書くことも割としやすい科目だなって思っていて、テキストの内容を理解していればその場で考えてもなんとか書けることは多いんです。一方で企業法ってやっぱり文章の書き方だったり、文章を覚え込まないと何も書けないっていうことは結構ある気がするんです。なので、企業法の方が文章を覚えにいくつもりで勉強していましたね。

齊藤:財表も結構時間をかけたのかな?

堤:財表も、キーワードが出てこないと文章が締まらないという感じはしていたので、「この言い方上手いな」とか「このワード頭に入ってなかったな」とか、そういうワードを頭に叩き込んで勉強していましたね。

齊藤:文章に重要なキーワードを入れることによって、文章が締まるから、その締まるキーワードがないとぼやけちゃうんだよね。

堤:そうですね。財表ってキーワードがないと意味が伝わりづらくなっちゃうことがあると思うんで。

齊藤:あとは自分の言葉に変えちゃったりすると違う意味になってしまったりとかするよね。

堤:そうなんですよね。理論だったら、企業、財表、監査の順で勉強していたかなと思いますね。監査は一番自分の言葉で理解したことは伝えやすいかなとは思っていました。

齊藤:短答の監査論の場合だとテキストの言葉通りというよりはそこをちょっと試験委員の方が言葉を置き換えて出題することもあるからね。でもその一方で企業法とか財務諸論だとそれを置き換えてしまうと締まらなかったり、違う意味になってしまったりするから、そういったところを主に対策してたって感じかな?

堤:はい。あと監査論で意外に重要だなと思ったのが、基準集ですね。基準集に掲載されている監査基準の改訂前文などは結構試験でも出るなと思っていて。割と重要なことも書いてあるな、と読んでいて思いました。もっと時間があればそこの部分を結構勉強したかったなと思いました。

齊藤:そうだね。監査は、監査基準の文言とか、改訂全文とかはある程度覚えたほうがよくて、改訂全文の方は出題可能性から見てもやった方がいいと思います。監査基準は財表と一緒で、キーワードとしてその文章が入ってくると締まると思うんだよね。今の話を聞いていると、経営は得意そうだよね?

堤:そうですね。経営は計算も理論も結構好きでした。ちゃんと答練の対策もして、それで、じゃぁいざ受けてみようって感じで答練も受けたんですけど、理論の方はほとんど勉強してなくて。実際、本試験であんなに少ない問題数なのに、試験範囲が広くて覚えることが多すぎだな、と感じていました。一問何点なんだ、って思ったくらいで。なので、あんまり経営の理論に時間を掛けるのもおすすめできないです。私は経営の答練は先にとりあえずバーッと答えを埋めて、そこで知らなかった問題をピックアップしていきました。答練対策のために一度経営の理論をしっかり覚えようとすると、5月8月は結構時間がなかったので、先に答えを見てしまうことは結構やっていました。

齊藤:要は答練を使って重要度みたいなのを把握しながら、復習の度合いを決めたって感じか?

堤:経営学は完全に答練をインプット用の教材として使っていましたね。

齊藤:それは正直もう時間がなかったから?

堤:そうですね、時間がなかったから。あとは永田先生の言っていることを信用することですね。答練で出ることをきっちり押さえてればCPA生が負けることはないと言っていたし、実際そうだったんで。だから、時間がなくても最低限答練のところは押さえるという感じで、やれば酷いことにはならないかなという感じはします。

齊藤:なるほど。あとは今勉強してる受講生に、勉強をするうえでここがポイントとか、こういうところに気を付けたほうがいいぞとかいうところある?

堤:問題集を解くときによく、すぐに答えを見ないほうが良いと言われると思うんですけど、時間がなかったり、あまりにも時間をかけすぎるんだったら答えをすぐに見てしまっても構わないと思うんです。答えを見てしまうことに罪悪感を感じる人も結構いると思うんですけど、答えを見た上で理解して身に付ければいいんじゃない、と思うところがあって。そうやって勉強できれば効率よく勉強できるかなと。

齊藤:それって最初の一回転目とかから?それとも後の方になって?

堤:後の方になってからだと思います。後の方になって無意識にやっていましたね。じっくり考えるのは最初の方くらいで大丈夫だと思っていたんで、最後の方は答練の解説や問題集の解説とかはテキストの一部くらいのつもりで確認していました。

齊藤:そうだよね。で、気を付けなきゃいけないのは、いま確認してもらったけど、最初のうちからそれやっちゃうとあんまり効果なくて。なんか分かった、出来た気になってしまうのは怖いところだよね。なるほど。他はなにかありますか?

 確かなルーティーンが合格を掴む

堤:この試験終わってみて、公認会計士は案外遠い存在じゃなかったなって思いました。公認会計試験って難しくて忍耐力もいるし、弁護士、公認会計士って日本の三大資格みたいに言われるので、誰でも受かる試験だとは思わないです。それでもしっかり勉強していれば決して受からない試験ではないなと最終的には思いました。気軽に勧められるものでもないですけど、是非臆せず始めてもらえればいいなと思いますね。

齊藤:じゃあそれがはるか遠くの資格じゃないって思えるための、堤君なりの気を付けてたこととか、これが大事だよとか、何かそういうのまとめてもらえると嬉しいんだけど。

堤:理解して勉強してできるようになって、じゃあ答練だ、ってその繰り返しがもうルーティーンとなってきて、気付いたらゴールまで来てたってところはあると思うんですよね。できるようになって答練を受けて確認して「できた」「できなかった」、じゃあどうしよう、分析してこういうところ詰めが甘かった、じゃあ勉強をして。その繰り返しをやっていくうちに気付いたら受かるレベルになっているという感じかなと思いました。

齊藤:ゴールが近づいて来る、って感じだ。

堤:そうですね。近づいて来てる感じは多分どんどん分かって来るっていうか、そういう試験だなって思いましたね。

齊藤:分かりました。いろいろ聞いて来て、最後に堤君は将来どんな会計士になりたいか。まだ大学3年生だから具体的には正直ないと思うけれども、こんなこともやってみたいなとか、こんなところで自分の経験とか知識っていうものを使っていければなとかありますか?

堤:大学は金融、経済系に興味があって入ったので、監査法人でも金融事業部で働くことになりました。大学が金融系の授業で楽しいのもあったりして、それならそういう業界を見られればいいなと思って金融事業部入ったのもあります。金融って日本経済の中心みたいなイメージが私の中であって、銀行ともまったく無縁でもないし、と思って、まずは金融系の知識を監査法人で付けていこうかなと。その中で、いろんな上司の方とか同期の話を聞いて、やりたいことも見つかって来るんじゃないかなと思っています。今の段階では何となく証券会社の監査に興味があるなと思っているんですけど、それはただ興味があるだけで、全然中身を知ってるわけじゃないんで、実際にいろいろ体験して知識を付けてじっくり考えようとは思っています。

齊藤:じゃあ金融を目指すのも、日本の根幹は金融機関でいろいろ回っているから、まずはそこをいろいろ銀行なり証券なり保険なりっていうところを知った上で、どういうふうに価値を提供できるのかっていうところはいろいろ働きながら考えていきたいな、という感じかな。

堤:そうですね。いまのところではそんな感じですね。

齊藤:やっぱり難しいとは思うんだけど、そういう夢というか、なりたい像っていうのを考えるのにいい機会なのかな。

堤:そうですね。それも4年生の間にしっかり考えなきゃなとは思っているんで、とりあえずいろいろやって考えてみようかなと思っていますね。

齊藤:是非頑張ってください。ありがとうございました。

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