得意な絵を書いて理解の強化!総合74位合格!—村石 魁さん
【私が会計士を目指した理由】
大学時代に胸を張って頑張ったと言えるものが欲しくて、会計士の勉強をすることに決めました
――:村石さん本日はよろしくお願いします。早速ですが、村石さんが会計士という資格を知って、目指そうと思ったのはいつ頃からですか?
村石:僕が会計士を目指そうと思ったのは大学1年生の4月頃です。大学入学してすぐです。内部進学生ということもあり大学受験をしていなかったので、大学では何か勉強で成し遂げた経験がほしいと会計士を目指しました。
――:内部進学の方は、大学では勉強しようと思う方が多いですね?
村石:はい、そうですね。高校まではアメリカンフットボール部に所属しており、週7、週6ぐらい練習でけっこう夜遅くまでやっていました。大学でも体育系の部活で継続するつもりでしたが、高校の引退直前に少し膝の靭帯を切ってしまって手術をしたので、選手として部活をするのは厳しい状態になりました。マネージャーなどで部活を継続させることも考えましたが、会計士の資格は就職にも有利ですし、仕事も多岐に渡って様々な経験ができるので、会計士試験の勉強に気持ちを切り替えました。
――:その決断には迷いもなかったですか?
村石:高校では全くといっていい程、勉強をやってこなかったので、大学では本気で勉強に取り組もうと思って、商学部に行くことが決まってたので、どうせなら会計士やってみようかなって思いました。ケガをしてしまったので現役は難しそうでしたが、体育会でも、選手ではなくてスタッフや選手をサポートする役があるんですけども、体育会か会計士勉強かとホントに2択で迷ってて、とにかく大学生活は打ち込めるものが欲しかったのと、大学時代に胸を張って頑張ったと言えるものが欲しかったので、会計士の勉強をすることに決めました。
――:大学に入学されて、サークルには入ったんですよね?
村石:はい、入りました。サークルは、一応半年ぐらい所属したのですけれども、たまに顔を出す程度の本当に息抜きぐらいでしたね。ほとんど出ない、行かないって感じのいわゆる幽霊部員でしたね。
――:では、会計士試験の予備校の入学にあたって他の予備校も検討しましたか?
村石:他校の体験講座にも行きました。その上でCPAを選びました。
――:CPAを選んだ理由はなんですか?
村石:規模が他校に比べて小さいため、一人一人へのサポートが厚く、面倒見がいいのがCPAの特徴す。僕はそこに惹かれてCPAに入学しました。
――:実際にCPAのサポートはどのようなものでしたか?
村石:先生方にはとてもお世話になりました。質問に行くと理解できるまで丁寧に教えていただきました。中でも僕が一番お世話になったのは齊藤先生です。勉強の進捗をよく気をかけて積極的に声をかけて下さいました。今どこまで進んでいるのか、何につまづいていているのかなど、すぐに相談できモチベーションの維持につながりました。
【CPAでの学習開始】
周りが真剣に勉強しているのを見ると、自分もやらなきゃ受からないなって気持ちになります
――:勉強は基本的にCPAの校舎に来てしていたのですか?
村石:そうです。しかし、学習1年目の途中までは家で勉強をすることが多く、DVDだけCPA早稲田校で観てすぐに帰宅したり、大学が休みの日は家にDVDを持って帰って勉強することが多かったです。
――:自宅で勉強した方が効率的だと感じたのですか?
村石:そうですね、家が早稲田から遠いという訳ではないんですけれども、1時間ちょっとくらいの距離なのです。なので、ちょっと腰が重いというか、休みの日とか出かけなくても家でも勉強できるだろうと思ってました。自分の中では家でも勉強できると思っていたので、わざわざ学校まで行っても変わらないんじゃないかと思ってたので、だったら家でもいいか、と考えていましたね。
――:実際に自宅でも効率的にできましたか?
村石:自宅にこもってする勉強法では、周りがどのくらい勉強をしているかがわからないので、少しずつ遅れるというデメリットがありました。自分の中では十分勉強しているつもりでも周りの受講生はもっと勉強していて、いざ答練などで成績を見た時に、平均点に満たないことがありました。これはあまり良くないな、と自分の中で感じていました。2年生の8月ぐらいからこのままではまずいと、ホントに焦りが押し寄せていました。そのため、周りのペースも知るために、8月頃からはCPAの校舎で勉強することにしました。
――:村石さんは1年生の4月から始められて、短答を合格されたのはいつですか?
村石:短答を合格したのは、2年生の12月ですね。一応最初は、私は2年生の5月に受けるつもりでかなり速いペースで勉強していたんですけれども、理論科目の勉強が始まったあたりからきつくなって、やっぱり計算は意外とすんなり習得することが出来たんですけれども、やっぱり理論科目はどうしても時間をかけないと入ってこない部分があるので、結局2年生の5月の短答には間に合いませんでした。先ほども話しましたが、12月の短答試験4ヶ月ぐらい前の、夏ぐらいからちょっとホントに焦りがひどくなりましたが、何とか受験までに間に合わせて、短答試験に合格したという流れです。
――:実際にCPAの校舎に来て勉強するようになって、何か変化はありましたか?
村石:周りが真剣に勉強しているのを見ると、自分もやらなきゃ受からないなって気持ちになるのと、あと先生方がいつも声をかけて頂けるのでモチベーションの持続に繋がりましたね。
【私の勉強スケジュール】
CPAが用意してくれる予定表に沿って学習する方法が一番良いと信じて学習していました
――:村石さんは得意科目や苦手科目はありますか?
村石:得意科目は管理会計論と監査論で、苦手科目は簿記です。
――:なぜ簿記が苦手科目になってしまったのでしょうか?
村石:初めは平均ぐらいは取れていたんですけど、理論科目に手をつけたあたりから少しずつ疎かになり始めて、触れずに放置しているうちに、だんだんと苦手意識がついてしまった感じです。
――:その科目が苦手だなと感じたり、苦手になりにくくするための工夫って、何かされたのでしょうか?
村石:これがいい方法とは言えないので、こんな事を言って良いのかわかりませんが、僕の場合は、結局最後まで簿記を得意にすることはできませんでしたが、最後は何とか普通ぐらいのレベルまでは持ってくことができたんです。最後まで、そのレベルで終わってしまったんですけども、簿記は、たまに解くぐらいにしてました。あんまり苦手なので、やっても勉強自体の意欲がなくなってしまうと感じていたので、簿記については、ホントに最低限だけ勉強で触れて、最低限の点数を取れればいいと達観してました。もう半分半ば諦めというか、何とかなるだろうと思っていました(笑)。
――:なるほど、凄い英断ですね(笑)。苦手科目を最低限と割り切ると、どうしても得意科目ばかりを勉強しがちになる危険性もあると思います。そのバランスはどのように考えたのですか?
村石:そうですね、僕だけじゃないと思うのですが、得意科目に本当に時間を沢山使っちゃう人って多いと思うんです。放っておくと、僕もやりたいときは管理会計論ばかりをずっと解いてる日とかもあったので、これは良くないことだなと思ってました。毎日の計画を立てるのは苦手だったのですけど、その日1日の計画ぐらいだったら僕でもできるので、今日はこの科目をやろうというのは朝勉強を始める前に決めて、最低限やることは終わらせてから自分のやりたい科目をやることにしてました。
――:学習を遅れずに進めていくにあたり、自分なりの工夫はあったのですか?
村石:自分の中で答練は絶対にライブで受けようと決めていました。絶対に遅れたらいけないと、講師の方々からいつも言われていたので、必ずライブで受けることにしていました。実際に、今までライブに間に合わなかったことは1,2回くらいしかなかったんですけども、そのおかげで「何日までに何処までを終わらせる」ということ守れたので、学習を進めやすかったです。
――:答練を一つのペースメーカーにしていたという事ですね?
村石:答練を後から受けることにすると、「範囲がまだ終わってないから今日も受けなくていいや」と甘えてしまうと思います。持って帰ってやろうとか、間に合ったら答練を受けようと考えると、どんどん日程が後ろ倒しになってしまいます。だから、ライブ答練の日程という締切りを設けました。間に合わなかったり、自分の勉強が追いつかなかった時でも必ず受けていました。
――:学習計画書は作ってたんですか?
村石:僕自身は、計画を立ててそれを遂行するってことがあんまり得意なタイプじゃなくて、それでも何回かは計画を立てようと思ったんですけども、あんまりうまくいかないというか、結構が計画との差が毎回出てしまうので、それだったらCPAの先生方が用意してくれる予定表を使って、それに沿って遅れないようにしていく、っていう方法が一番良いと信じて学習していました。
【受講生時代の過ごし方】
途中で辞めること考えませんでしたし何年かかってでも絶対に受かるまでやろうと決めていました
――:CPAで勉強するようになって、朝は何時頃に来て、夜は何時頃に帰ったのですか?
村石:早起きするのが得意な方だったので、朝は7時半ぐらいに早稲田に来て、校舎が開いていないときは近くの喫茶店とかで勉強してから校舎に来ていました。夜は、校舎が閉まる夜9時半までいました。
――:1日中いたんですね?
村石:そうです。家だと集中できないので、行き帰りの電車とCPAにいる間でしっかり勉強しようと思いました。なるべく滞在時間を長くして校舎にいる時は集中し、家では気分転換をする感じです。オンとオフのメリハリをつけることを意識していました。
――:その頃って大学2年生ですよね?学校の単位も結構あったかと思いますが、大学との両立はどうしていたのですか?―
村石:単位を落とすことをあまり気にしない人もいるんですけど、僕は気にしてしまうタイプだったので単位は落とさないように努力していました。しかしCPAの勉強もあるので、できるだけ出席がない授業をとって、出なきゃいけない語学とかの授業は最低限出るという感じにしていましたね。また、商学部だったので会計士の勉強と範囲が重なる科目もあったので、そういう科目も意図的に取るようにしてました。
――:朝の7時半に来られてる受講生は他にいましたか?
村石:僕と、あともう1人いました。その人も毎日欠かさず朝早く来ていたので、自分も頑張らなくてはという気持ちになれました。お互いを高めあえるライバルの存在は大きかったですね。
――:彼の結果はどうだったのですか?
村石:一緒に合格しました(笑)。本当に良かったです。
――:先生に質問や学習相談をしましたか?
村石:はい。先生には本当にお世話になりました。いつも自分の進捗をチェックしてくれましたし、模試を返す時にも、先生からすごく積極的に声をかけて下さってので、ホントに親身になって自分に目をかけて下さった先生です。頭が上がらないです(笑)。僕は、受付寄るのがけっこう苦手で、必要最低限というか、講義のDVDを借りる時とかテキストをもらうときぐらいしか受付には行かなかったですね。
――:恥ずかしがり屋な性格ですか(笑)?
村石:はい(笑)。僕は、体育会系ではあったんですけどもあんまりアグレッシブなタイプではないのです。今後、そこはちょっと直したいとこなんですけど、大人しめなのです(笑)。
――:質問には頻繁に行った方ですか?
村石:あまりしに行かなくて、周りの友達に聞いたりとかして、本当にわからない時だけ、行くようにしてました。テキストが読めばわかるように作られているので、自分にはそれで十分だと思いました。
――:チューターには相談したのですか?
村石:チューターは、年が自分と近い方が多かったので気楽に声をかけやすかったです。特に短答受験前にお世話になった、磯田さんという2つ上の学年で同じ早大学院出身の先輩は、すごく目をかけて下さったので、シャイな私でもその時はよく相談しに行ってましたね。私は、悪い方向に考えてしまうところがあるので、いつも相談にのってもらい軌道修正ができて助かりました。
――:学習の中で不安やスランプはなかったですか?
村石:長い期間勉強して受からなかったらどうしよう、という不安はありました。しかし自分の中では「学生時代にこれを頑張った」と胸を張れるものが欲しかったので、途中で辞めること考えませんでしたし何年かかってでも絶対に受かるまでやろうと決めていました。
【私のテキスト活用方法】
絵を描くのが好きなので、イメージがしやすいように、絵を使って論点をまとめるようにしていました
――:今日は監査論のテキストを持ってきていただきました。監査論は得意科目だったのですか?
村石:そうですね、短答でも論文でも、自分の中では点数は稼げる科目でしたね。
――:なるほど。監査論を苦手にする受験生は多いので、村石さんの工夫を教えてください。
村石:はい。監査論って、企業法とかと違ってただ覚えるだけじゃなくて、覚えた上で、さらになぜだろう?と自分の中で噛み砕いて落とし込んで問題に答える、っていう感覚の勉強が必要な科目だと思っているんです。ですから、テキストの難しい言葉だけを目で追っているだけだと、なかなか頭に入ってこないところがあります。それを打開するには、イメージをすることが大事だなと僕は感じていました。僕、絵を描くのが好きなので、イメージがしやすいように、絵を使って論点のメリット、デメリットとかをまとめたりするようにしていました。
――:一口に絵を描くと言っても、大変ですよね。本当にわかっていないと絵にならないですし。
村石:そのとおりです。たとえば、管理会計論のテキストだと図表があってイメージしやすいと思うんですけど、監査論になると理論科目の性格上、絵や図とかにはなかなかし難いと思います。それだったら自分で絵は描いちゃおうって僕は考えました。視覚で理解を落とし込むと、思い出す時にイメージしやすいので、その当事者の気持ちになってその場面をイメージして絵に書いていました。そうすると、すっと頭の中に入ってくるのです。
――:面白いインプットの仕方ですね。
村石:そうですね。あまりやってる人は見たことないですね(笑)。
――:村石さんが取り組まれたことは、自分の中で言葉尻だけの理解で終わらせずに、イメージとしてどの角度から聞かれても答えられる、人に説明するぐらいのレベルまでもっていったということですね?確かに、理解って自分だけ分かっているレベルでは足りず、わかった事を他人にスラスラと説明できるぐらいのレベルまでならないと、本当の理解ではないですよね。
村石:そのとおりです。その理解図を全部自分で作っちゃおう、という気持ちで理解したことを絵にしていました。
――:理解したことを、自分で喋って表現できるかどうかで確認した、という人は結構いらっしゃったけど、絵にする話は斬新です。
村石:書かれた後を見れば、小さは1つの絵ですけど、それを作るのまでが大変でした(笑)。描いたり消したり、本当にこうなのかな?と何度も消したり書いたりしていました。そうしているうちに、本当に正しく理解できているかどうかが、わかるようになってきました。しっかり理解して、ちゃんと正確に書かないと間違って覚えることになるので、何度も見返して描きました。でも時々、描いた絵を先生のところに持って行って、「すいません、ちょっと図を描いてみたんですけど、これであっていますか?」っていう質問にはけっこう行ったりしていました。
――:こういうやり方をすると記憶に残りますね。
村石:そうですね、思い出す時には、文字や文章を思い出すより全然スッと思い出すことができて、あとは言葉を肉付けするだけでした。
――:本試験前まで、こういう図を中心に見直しをしていたのですか?
村石:そうですね。もちろん太字の文字や重要な文字は、本番まで何度も見直ことになりますが、まず文字や語句を追う前に、この図を見て自分の中でイメージを再現してから文字を追うと、すごく頭に入ってきました。この図をイメージすることから、常に僕の頭は始まりました。図をイメージすることは、今どんな話をしているのかってことを再確認してから重要な語句を覚えることができるので、単純な暗記や意味を理解できないままに文字や文書だけを追う時間を大幅に圧縮できたと思います。
――:結果的には、時間の短縮にもなったのですね?
村石:そのとおりです。でもその分、作成するのには時間がかかりました。もちろん、時間をかけてでも作ってしまえば、後から楽になるのはわかっていたので、テキストの図や絵作りは、自分の勉強時間の中ではかなり力入れました。
――:では、このテキスト以外のノートは必要なかったのですね?
村石:僕は、テキストだけに集約するタイプだったので、全部テキストに書き込んでいきました。それ以外のまとめノートみたいなのは作ってなかったです。
【重要性が明記されている教材】
もう一度最初に戻って予備校を選べるとしてもやはりCPAに入りたいです
――:CPAでは、テキストや全ての問題集に、重要性を付しています。この短答対策Aランクとか、論文対策Bランクとか付された重要性は参考にされましたか?
村石:僕は、重要性を大切な指標として使っていました。監査論、企業法、などの理論科目は特にそうなんですけど、覚えることが多いと言うか、短答対策でも論文対策でも、本当に廻らなくなる時がありました。その時に、この重要性を参考にして、時間のない時はA論点、B論点だけとか、C論点の中でも重要な単元のC論点だけを復習していましたね。
――:合格までCPAで勉強されてきましたが、受験が終わってみて、CPAで勉強したことを今どんなふうに思われますか?
村石:僕は本当にCPAに入って良かったなと思いますし、もう一度最初に戻って予備校を選べるとしてもやはりCPAに入りたいですね。これから勉強される皆さんに、ぜひCPAで勉強されることをお勧めします。
【これからの学生生活】
大学生としての期間が1年間以上も残っているので、留学に挑戦してみたいです
――:大学3年で合格されたので、大学生活もあと1年半残っていますね。学生生活でも色々やれる時間がありますが、大学生中にチャレンジしたいことってありますか?
村石:そうですね。僕は高校から内部進学で大学受験を経ずに入学して、かなり英語が弱い部分があると実感しています。せっかく大学生としての期間が1年間以上も残っているので、英語の勉強をして機会があれば留学、短期でも留学に挑戦してみたいですね。
――:入所する監査法人でも、語学のサポートをしてくれるんですか?
村石:そうですね、最初にそれぞれのレベルにあったサポートを準備してくださっていて、ホントに僕みたいな初学者というか基礎の基礎からやるコースから、TOEIC900以上の人がやるコースまでいろいろと準備されています。そのまま海外研修なども用意されているのですごく充実しているので楽しみです。
【将来の会計士像】
入った環境で全力を尽くして、監査の世界で一流になりたいです
――:どちらの監査法人に進まれるのですか?
村石:KPMGあずさ監査法人に就職しました。
――:これからどんな会計士になりたいと考えていますか?
村石:公認会計士といっても様々な専門分野の方がいるので、その中で代わりの効かない自分の個性を出せるような会計士になりたいですね。
――:なるほど。しばらくは監査に従事するつもりですか?
村石:そうですね。せっかく公認会計士になったので、監査業務を体感したいです。まずは入った環境で全力を尽くして、監査の世界で一流になりたいです。
――:お疲れ様でした。本日は長時間ありがとうございました。インタビューはこれで終わらせていただききます。