僕と監査論(吉田和樹)

皆さんお久しぶりです!チューターの吉田です。

投稿のきっかけ

今回は山田のブログの反響が非常に良かったということで,ある日,僕と山田で何か他にも受講生のためになるブログを書けないかなーと話していました。そこで,監査論について,短答生にしても論文生にしてもなかなか点数が伸びずに,どうやったら点数が伸びるのだろう,いまいち勉強法がわからないという受講生が多いのではないかという話になりました。そこで,実は自分で言うのもあれなのですが,監査論については受講生時代に1番の得意科目で,短答では100点,論文では偏差値66の僕が勉強法を解説するのが適任なのではないかという話になり(このように表記するほうが説得力も増すかなと思ったのですが,自慢っぽくてすみません笑),今回のブログを書くに至りました。

そこで,今回は,監査論の勉強法の中でも,どこまでイメージすれば良いのかについて掴みきれていない受講生が多いと思うので,それに焦点を絞って,実際に僕がどのくらいのレベル感までイメージしていたのか,具体的な例とともに解説していきたいと思います!

 

具体的には,イメージがつかない論点を目の前にしたときには,自分の生活や実際の監査の現場に落とし込んでイメージをすると非常に理解がしやすくなります。

 

そこで今回は

①リスクアプローチ

②アサーションと監査要点の関係

③グループ監査における構成単位の監査人の利用

④継続企業の前提の判断に関する各段階の違い

の4点について話していこうと思います!

 

①「リスクアプローチ」

皆さんは恐らく今公認会計士試験の勉強をしていると思うのですが,徐々に勉強が進んでいくに連れて色々な科目や論点が増えていって,どの科目,論点にどれだけ時間を使うかについて非常に悩むと思います。そこで恐らく皆さんがしている意思決定についてリスクアプローチの概念に基づいて解説していきます。

 

つまり,上記のような勉強方法についてもリスクアプローチの概念が適用されているのです(そもそも上記のような勉強法が出来ていない方は上記を実践する,又は一度勉強方法についての相談に来ることをおすすめします)。

このように,自分の日常生活に落とし込んでみると,非常にスッと理解できますよね?これを各論点について行っていくのです(もちろん日常生活に落とし込めない論点もありますが笑)。

 

②「アサーションと監査要点の関係」

これについても受講生から,「実はそんなにイメージがついていないんですよ,,」との相談がチラホラあります。

これについて,僕が高校生時代までずっとやっていたサッカーに例えて話してみます。

ここで,僕が絶対にサッカーでプロになるという目標を立てたとします(監査でいう最終的な目標である,財務諸表全体の適正性の立証)。

次に,シュートの決定力,持久力,パスの精度,メンタルの強化など様々な要素(財務諸表項目)を,例えばシュートの決定力の向上をしたいのであれば,それを達成するために,足の筋力の強化や,シュートのコントロールの向上,シュートの際の姿勢を良くするなど,様々な要素(アサーション)に展開していく。各要素の中から,どの要素の練習に時間をかけるのかを決める(監査でいう,リスクアプローチの適用)。

つまり,先程言った各要素(監査でいうアサーション)の中から,プロになるためにすべき要素を複数選び(監査要点の設定),それらについて徹底的に練習し,能力を高め,それらを積み上げる(個々の監査要点についての十分かつ適切な監査証拠の入手をし,それらを統合する)。

それによってプロになるために必要な能力を習得することが出来,念願のプロ入りが叶うのです(監査でいう財務諸表全体の適正性の立証)。

上述のようにアサーションと監査要点の関係についてはサッカーなどのようなものにも例えることが出来るのです。

 

③グループ監査における構成単位の監査人の利用

グループ監査において,構成単位の監査人の作業を利用する場合には,構成単位の監査人の信頼性の検討をするかと思いますが,これについて,「大学でレポート提出の課題があったが,他にやることが多くレポート作成の時間がないため,心優しい友達にレポートの作成,提出を頼む」場合を例に話します(こんな状況はなかなかないかもしれませんが笑笑)。

もし,皆さんがこの状況に陥ったら,無意識のうちに,責任感を持ってしっかりとしたレポートを書いてくれそうな友達をまずは探すはずです。逆に言えばそういった人でなければ頼みませんよね?笑。また,友達にレポートを頼んで提出してもらったとしても,レポートの評価が良かった悪かったに関わらず,その評価の結果は本人が負うことになりますよね。このように構成単位の監査人の場合にも,その監査人がしっかりとした能力があって,適正な監査結果を提供してくれるのかについて検討し,もしその監査人を利用したとしても最終的にはグループ監査人が責任を負うのです。

 

④継続企業の前提の判断に関する各段階の違い

次に継続企業の前提に関する論点ですが,この論点では①継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況②継続企業の前提に関する重要な不確実性③継続企業を前提とした財務諸表を作成することが不適切という状況の3つについてしっかりと区別できていない受講生が多いため,これについては,「歌手の方が喉の病気にかかった場合」を例に考えていきます。

この場合において,歌手の方が喉の病気にかかって今後歌を歌うことができなくなる可能性があると医者から診断されたとします(これが①の継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況)。しかし,もちろんまだ今後,歌を歌える可能性(企業を継続していける可能性)はあります。この病気に関して,もちろん歌手の方は何かしらの治療(当該事象又は状況を解消し,又は改善するための改善策)を受け,治そうとすると思います。しかし,その治療策の過去の完治の実績が多い場合には,当該治療後に歌を歌えなくなる可能性(重要な不確実性)は低いといえますが,もし,当該治療策の過去の完治の実績が殆ど無い場合には,当該治療後に歌を歌えなくなる可能性(重要な不確実性)は高いといえます。そして,この治療がうまくいかずに,結果として歌を歌えなくなった場合には,今後はもう歌手としての活動を行っていくことは出来ないという判断になると思います(③の継続企業を前提とした財務諸表を作成することが不適切という状況)。

このように,継続企業の前提に関する判断の各段階についても監査以外の例で例えることが出来るのです。

 

最後に

以上が僕が実際に受講生時代に行っていた理解方法です。これを実践することで,他の人よりも少ない回転数でより高い得点を稼ぐことが出来ていました。また,この方法は1つ1つの論点について具体例に落とし込んで理解していくため,テキスト1回転あたりにかかる時間は割と長くなります。それでも,それをしっかりと行うことでその後の回転数を削減でき,監査論の総勉強時間で見たときの時間の短縮にも繋がるのです。また,監査論に費やす時間を短縮できるということは,その他の科目に費やすことの出来る時間が増え,その他の科目の得点のアップも期待できます。

是非実践してみてください!!!


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