
連結キャッシュフロー計算書を理解する!連結をおさえるにはまずは個別から
連結キャッシュ・フロー計算書は、難しい論点だと思っている人がいる一方で、簡単だと思ってる人もいるという、人によって印象が大きく違う論点です。(たぶんきっと、前者の方が多いかな笑)
ところで最近国見さんがこんなTweetをしてました。
連結キャッシュより個別キャッシュの方が何倍か出題可能性が高いのですが,個別キャッシュと連結キャッシュを同列で仕上げようとしている人多い。まずは個別キャッシュをしっかり理解するという選択もあり。
かつそれが,最終的に連結キャッシュの理解に繫がる。— 国見健介 (@cpakunimi) 2018年8月19日
今回注目したのは最後の文章です。この部分を取り出してみると、
「連結キャッシュ・フロー計算書を理解するには、個別キャッシュ・フロー計算書の理解が重要」
という意味が含まれていると思います。
自分はこのツイートをみて、ビビビッと来たので簡単に補足してみます。
連結キャッシュ・フロー計算書は作成方法が2つあるので、作成方法別に考えてみましょう。
(以下,キャッシュ・フロー計算書はCSと略します)
▼ 原則法の場合
原則法は個別CSを合算し、そこに修正を加えて連結CSを作成するという方法です。
この「個別の合算に修正を加えて連結を作成する」という構造は通常の連結BS・PLの作成と同じです。(なので原則法といいます。)
この点に着目すると、原則法は、通常の連結と同じく「”個別の合算からスタート”を意識するのが大事」ということに気づけます。
CPAでは「連結を理解するためには、個別の合算からスタートしている点を意識しましょう」としつこく伝えていますが、連結CSの原則法でも同じことが言えるのです。
ただし、連結CSの場合の個別の合算というのは、個別CSの合算です。てことは、そもそも個別CSが理解できていないと、連結CSの作成は理解ができないということになります。
つまり、原則法の場合「連結キャッシュ・フロー計算書を理解するには、個別キャッシュ・フロー計算書の理解が重要」といえるのです。
▼ 簡便法の場合
簡便法は連結BS・PLから連結CSを作成する方法です。
これはBS・PLからCSを作りますので、まさしく個別CSの知識が必須です。
つまり、簡便法においても「連結キャッシュ・フロー計算書を理解するには、個別キャッシュ・フロー計算書の理解が重要」となるなのです。
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以上のとおり、連結CSの理解は個別CSの理解が前提となっています。
そのため、もし連結CSが難しいと思っている場合には「連結よりも個別の方の理解が弱いかも」という視点で復習をしてみるのをおすすめします!
なお、連結CSは短答対策という意味では重要性が低いので、短答に向けて勉強している方はご自身の状況に合わせて時間をとるようにしてください。
また、CPAでは今年の12月の短答式試験後に論文用の対策講義が予定されています。この講義において連結CSの構造を理解することができるので、CPA生はぜひそちらも楽しみにしていてください。
CPA 財務会計論講師
登川雄太(@nobocpa)
このブログがみなさんに気付きを与え,お役に立つことができますように。