息抜きブログ②(山田智博)

こんにちは。チューターの山田智博です。
論文模試真っ最中ですね。
論文式試験までもあと40日程、12月短答まであと5ヶ月程となりました。
日々の勉強がようやく終わり、試験が終わった後は〇〇するぞ。といった試験後の生活に対する憧憬が止まらない方や期待と希望で胸がいっぱいな方もたくさんいると思います。かたや一方で、時間が足りない、勉強やらなきゃ!!どうしよう!と焦燥感でいっぱいの方もたくさんいらっしゃると思います。皆さんはどちらに該当しているでしょうか。僕はこの時期は後者でした(笑)。前者の気持ちを持ちつつもやはり、時間の足りなさに対する焦燥感が凄かったです。大事なことは、いつも通り、目の前の事をコツコツとこなすことですね。平常心が大事です。平常心。
とまあ、前置きはここまでとしまして、今回は息抜きということでまた読書のお話でもさせて頂こうかなと思ってます。実は、前回出させてもらった速読に関するブログが思ったより反響がよくて、速読の詳しい事を聞かれたり、もしくは、速読で読んだ中でおススメの本を教えて下さいといった質問がよく来ました。また、その中には僕が読んでいた「すごい読書術」を読んでくださり、かつ、本当にちょっとの意識や読み方を変えただけで速読が出来るようになったと報告してくださる方も2~3人いらっしゃいました。速読の仕方を僕が教えたわけでもないのに、勝手にマスターさせた気になって喜んでいます(笑)。ところで、今回の息抜きブログでは、最近読んだ中で、おススメの本を紹介していこうかなと思います。
今回紹介したい本はこちら!!『チーズはどこへ消えた?』です。
この本は世界で2400万部も売れた大ベストセラーであり、小1時間で読むことが出来るぐらいの分量です。ビジネス書としても用いられることがあり、単純な話ではあるけども、世渡りをしていく為に必要な考え方、例えば世の中の変化を敏感に察知したり、変化を恐れずに挑戦していくことだったりが書かれています。
実は昔CPAの課題図書でもあったそうです。
詳しい内容については是非皆さんに読んで頂きたいので、ここで書くことはしませんがちょっとだけ紹介しますね。
簡潔にまとめると2匹のネズミと2人の小人がチーズをいかにして探して行くか、その考え方、行動がそれぞれ違っていて、人生において大事なことを教えてくれる。といったものです。
ネズミの名はスニッフとスカリー、小人の名はヘムとホーです。この探し求めるチーズというものはただの食事としてのチーズではなく(もちろん食事としての役割も果たすが)、この物語では、チーズ=私たちが人生で求めるもの(仕事、財産、家族、健康等)つまり、チーズを手に入れることは同時に幸せを掴むことに繋がっているという事になっています。
ネズミのスニッフとスカリーは単純な知能の持ち主なので、本能のままにチーズを追い求める性質。小人のヘムとホーは知性を持っているため、あれこれと物事を考えながらチーズを探していく性質です。この物語で一番際立っているのは、“本能で目的に向かうもの”と“理論や思考を基に目的に向かうもの”の対比です。この動物的本能と、人間の経験則に基づく思考の対比というものはとても面白いです。単純な思考の持ち主と複雑に物事を考えられる思考の持ち主。両方の視点を客観的に眺めていく事によって、煮詰まって身動きが取れなくなってしまった際に新たな気付きが得られるかもしれません。
また、大きな主題として「変化」に対してどの様な対処をすべきかというものがあります。基本的に人間は変化を嫌う傾向にあり、この物語の登場人物である小人も同じ事を話しています。なぜなら、先が見えないという事に恐怖感を抱いてしまうため、出来るだけその場で安住する事を望むのです。しどろもどろになりながら、たくさん悩んで、そして、その恐怖を克服しながらチーズを手に入れに行くといった感じです。
この本を読んでいて、1番気になった個所は「恐怖がなかったらどうするかを考えよ!」です。確かに、何をやるとしてもリスク(例えば、○○をしたら△△と思われるのではないかとか、××したら□□できなくなってしまう)を考えて行動に移れないことって多々ありますよね。でも、もしそういう事を全く考えずに行動出来たら、、、!!何でもできるかもしれない!!と思ったのです。街中でめちゃくちゃ美人を見つけた!声をかけたい!仲良くなりたい!とは思うものの、声を掛けたらキモイって思われるかも、声をかけたときに周りにいる人に変に思われるかも、どうせ声をかけたって無駄だ、等色々な思考が頭をよぎり、基本的に大多数の人が声をかけずに終わることになると思います。一方で、「恐怖が無かったらどうするか」を考えてみましょう。まあ考えずともわかるとは思いますが、必ず声をかけるという行動に移るでしょう。日本だけでも人口は1億3000万人ほどいるわけですから、街中で見かけただけなら次出会う事なんてもう0%に等しいのではないでしょうか。声をかけなきゃその後は何もなくなる、そんな時にリスクばかり考えて何も行動をしないとなると勿体ないですね。いくら美しいと思ってもその人とはもう一生会えず、心の中でその人を夢の人として飼う事しかできなくなってしまいます。人の優れている点として、試行錯誤して最善の策を練られる、経験をもとにどういう行動をとった方がよいかを考えられる事が挙げられますが、時としてそれが足枷にもなりえます。一般的に頭が固いと揶揄されるやつですね。皆さんも気づかぬうちに恐怖のせいで頭が固い状態になっているのかもしれませんね。そういった思考にがんじ絡めになった際は一度頭をリフレッシュして物事をシンプルに考えていく必要も出てきます。なんといっても生きていく上では変化に対応するための柔軟な思考というものが不可欠になっていくと思うんです。頭をリフレッシュして物事をシンプルに考えるきっかけとして本書を読むのもいいかもしれません。
ところで、過去の自分の成功経験等にすがりたくなることって多々あると思います。前はこうやったらできたから、また同じようにやれば出来るだとか、昔は自分は光り輝いていたことをいつまでもひけらかしたりとかです。そういう風に過去にずっととらわれていると、新しいことやっていけないですよね。しかも、周りの人からしても、正直うざく感じちゃうとおもうんです。過去の成功の下、そのノウハウを生かしてまた何かするとかだったらすごい良いと思いますが。この物語の中では、「チーズは誰かに持っていかれたと割り切りなさい」という様な表現があります。そうです、過去の成功にいつまでもすがりついていないで、その過去の成功は今はもうないもの、だから新しいことに踏み出そうという思考回路になれたらいいですね。僕は最近、この「チーズは誰かに持っていかれた」という思考を大事にしています。持っていかれたんだから、仕方ない、自分でまた新しいチーズを探しに行こうという気持ちになれるんです。エクセルで関数を駆使することで3~5分で終わるような作業のやり方を教えてもらっても、前からのやり方なら覚えているし、新しい関数のやり方を覚えるのに時間がかかるし、ミスしそうだから導入しないという様な人はいつまでも成長できないのです。
この物語、90ページぐらいしかなくて、本当にすぐ読み切れますし、これから生きていく上で大事なものに気づかされる気がします。人によって感じれることは違うし、タイミングによっても感じることは違うと思うので、僕とは違う感想を持つかもしれません。その際は是非教えて下さい。その様な視点があったのか!と僕も唸りたいです(笑)。物語を読みながら、自分のチーズとは何だろうか、変化を恐れて行動できずにいるのではないだろうか、等たくさん考えれて、そして、今後の生きる活力になる。こんな良書は滅多にないなと感じています。
変化に対応する柔軟な思考、そして、新たなことを吸収し、挑戦していく行動力。シンプルにやるべきこと、したいことを考えるといった新たな視点。皆さんもきっとこの本を読むことでいろいろ吸収できるのではないでしょうか。新しいチーズを求めて明日からも精進してまいります。