
連結キャッシュ・フロー計算書を理解する!経過勘定の増減に注意しよう

連結キャッシュ・フロー計算書について、以下のような問題を出しました。
【連結C/S】P→親、S→子
①C/Sは間接法により作成
②個別C/Sの小計の上の金額は
→〔未払費用の増加額:P社30 S社20〕
③当期にPはSに対して貸し付けを行っており、当該貸付金から未払利息が5生じている。この場合、連結CSの「未払費用の増加額」は…#ツイ簿記
— 登川雄太 (@nobocpa) July 6, 2017
今回はこの問題の解答と解説です。問題を見てなかった方は解答を見るまえに考えて見てください。
解答
では答えを発表します。
正答は
「 50 」
です。
どうでしたか?
Twitter上では正答出来た方は20%届かず、多くの方が間違えてしまいました。
解説
ボブ「いやおかしいです!考えてみてください。親子会社間の経過勘定5は連結B/Sの作成に当たり相殺されます。てことは、相殺される5だけ増加額は減るわけですから、45になるはずでしょう。」
ノボ「やれやれだぜ。今回の未払費用は、未払費用でも未払利息だ。」
ボブ「え!?どういうこと???」
どうでしょう?この会話でピンと来ましたか?
ピンと来ない方は以下の点を確認しましょう。
ポイントは、小計の上で加減している資産・負債は、すべての資産・負債ではなく、営業活動に係るもののみという点です。
なぜなら、小計で算定したいのは純粋な営業活動に関するキャッシュ・フローであり、利息等の営業活動以外のキャッシュ・フローは含まれないためです。
なので、そもそもP社の未払費用の増加額30には未払利息に関する額は一切含まれていません。
そのため、連結上で未払利息を相殺したとしても、小計の上の未払費用には影響を与えないのです。
まとめ
未払費用には2つあります。
①未払営業費等の営業活動に関するもの
②未払利息等の営業活動に関しないもの
この内、小計の上で増減を加減するのは、①の方のみということになります。
C/Sで経過勘定みたら、一回ストップ!中身を確認!
を胸に刻んでおきましょう!
【簿記の細道】
ボブ「あちゃー小計の上の意味を完全に忘れてました。」
ノボ「小計の上はなかなか難しいから、ちゃんと理解し納得するには反復が大切だ。石の上にも三年!小計の上の理解には最低3回転だ!」
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CPA会計学院 財務会計論講師
登川雄太
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