短答直前期、最もコストパフォーマンスが高いのは、原価計算基準! 磯田講師(チューター)

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こんにちは、早稲田校チューターの磯田です。

 

短答式試験が今週末に迫っています。本番で一点でも多く得点するために知識の詰め込みや再確認を行っている人は多いと思います。

僕が、直前期に見る教材として、最もコストパフォーマンスが高いと考えるのは、原価計算基準です。原価計算基準は、近年、出題割合がとても高くなっています。例えば前回、2015年12月の短答式試験の原価計算基準からの出題は、4問(16肢、20点分)でした。すべて当てることが出来たら大きな得点源になります。

 

そこで今日は、最近の短答式試験(2012年12月から2015年12月までの7回分)における原価計算基準の出題傾向について書いていきたいと思います。

原価計算基準は、原文をそのまんま引用した出題が多い

  1. 原価計算基準は、原文をそのまんま引用した出題が多い

原価計算基準からの出題は、その多くが原文を引用してきたものです。

一例を挙げます

 

 

下記のア〜エの記述のうち,わが国の「原価計算基準」に照らして正しいものの組合せを

示す番号を一つ選びなさい。( 5 点) 2015年12月本試験問題

ア.原価の費目別計算とは,一定期間における原価要素を費目別に分類測定する手続をいい,財務会計における費用計算であると同時に,原価計算における第一次の計算段階である。費目別計算においては,原価要素を,原則として,機能別分類を基礎とし,これを直接費と間接費とに大別し,さらに必要に応じ形態別分類を加味して分類する。

イ.購入代価に加算する材料副費の一部又は全部は,これを予定配賦率によって計算することができる。予定配賦率は,一定期間の材料副費の予定総額を,その期間における材料の予定購入代価又は予定購入数量の総額をもって除して算定する。ただし,購入事務費,検収費,整理費,選別費,手入費,保管費等については,それぞれに適当な予定配賦率を設定することができる。

ウ.材料副費の一部を材料の購入原価に算入しない場合には,これを間接経費に属する項目とし又は材料費に配賦する。購入した材料に対して値引又は割戻等を受けたときには,これを材料の購入原価から控除する。ただし,値引又は割戻等が材料消費後に判明した場合には,これを同種材料の間接経費から控除し,値引又は割戻等を受けた材料が判明しない場合には,これを当期の材料副費等から控除し,又はその他適当な方法によって処理することができる。

エ.材料の購入原価は,必要ある場合には,予定価格等をもって計算することができる。他工場からの振替製品の受入価格は,必要ある場合には,正常市価によることができる。間接材料費であって,工場消耗品,消耗工具器具備品等,継続記録法又はたな卸計算法による出入記録を行なわないものの原価は,原則として当該原価計算期間における買入額をもって計算する。

 

アは基準9,10、イ,ウ,エは基準11と、いずれもひっかけ箇所以外は原文をそのまま引用したものです。

従って、原文をしっかり読み込んでいれば、見慣れた文章であることからすらすら読むことができ、また原文との違いに気が付くはずです。そのため、あまり時間をかけずに正答することが出来ます。

重要な基準は、たとえ過去の試験で出題されようと、出題されうる!

  1. 重要な基準は、たとえ過去の試験で出題されようと、出題されうる!

これは意外かもしれませんが、最近の本試験で出題された基準も出題可能性は十分にあります。

47ある基準の中で、基準はバランスよく出題されているか?答えはNOです。

例えば1で例に挙げたアの肢。基準9,10からの出題ですが、ちょっと前の試験でも、全く同じ文章で出題されています。

 

 

下記のア~エの記述のうち,わが国の「原価計算基準」に照らして正しいものの組合せを

示す番号を一つ選びなさい。( 5 点) 2013年の12月本試験問題

ア.補助部門とは,製造部門に対して補助的関係にある部門をいい,これを補助経営部門と工場管理部門とに分ける。工具製作,修繕,動力等の補助経営部門が相当の規模となった場合には,これを独立の経営単位とし,計算上製造部門として取り扱う。

イ.原価の費目別計算とは,一定期間における原価要素を費目別に分類測定する手続きをいい,財務会計における費用計算であると同時に,原価計算における第一次の計算段階である。費目別計算においては,原価要素を原則として,機能別分類を基礎とし,これを直接費と間接費に大別し,さらに必要に応じて形態別分類を加味して分類する。

ウ.原価要素は,これを原価部門に分類集計するに当たり,当該部門において発生したことが直接的に認識されるかどうかによって,部門個別費と部門共通費とに分類されるが,部門共通費であって工場全体に関して発生し,適当な配賦基準の得がたいものは,これを一般費とし,補助部門費として処理することができる。

エ.総合原価計算において,製造工程が二以上の連続する工程に分けられ,工程ごとにその工程製品の総合原価を計算する場合には,一工程から次工程へと振り替えられた工程製品の総合原価を当該工程の完成品として当該工程の勘定に残しておき,次工程に振り替えない。

 

 

イの肢を見てください。原文をそのまま引用しているので、先ほど引用した2015年12月の問題と文章が一緒なのは当たり前と思われるかもしれませんが、実はひっかけ箇所まで同じで、文中後半の「形態別」と「機能別」の記述が原文と逆になっているのです。

 

また、上の例では、2年前の試験と出題箇所がかぶっていますが、実は2回連続で同じ基準が出題されることもあります。

 

 

下記のア〜エの記述のうち,正しいものの組合せを示す番号を一つ選びなさい。( 5 点)

2014年12月本試験問題

 

ア.わが国の「原価計算基準」では,総合原価計算において制度として直接原価計算を実施することを認めているが,その場合,会計年度末において,当該会計期間に発生した固定費額は,これを期末の仕掛品および製品と当年度の売上品とに配賦することとしている。

イ.固定費と変動費を分解する方法の一つにスキャッター・チャート法がある。この方法は,利用可能なすべてのデータをグラフに記入し,それらの点の真ん中を通る直線を目分量で引くため,この原価関数は主観的にならざるを得ず,他の予測法である髙低点法に比べて正確性に劣る手法である。

ウ.営業量が少し変化すると利益が大きく変化する現象は,一般に財務レバレッジと呼ばれているが,その大きさは財務レバレッジ係数で測定される。財務レバレッジの現象は固定費の存在によって生じるのであり,財務レバレッジ係数は固定費の割合が大きいほど大きくなる。

エ.安全余裕率と損益分岐点比率は,どちらも企業経営の安全性を測定するものであり,実務上でもよく使用されている指標である。この両者には密接な関係がある。例えば,安全余裕率が20 %の場合,損益分岐点比率は100 %から安全余裕率を差し引いて,80 %と算定される。

 

 

下記のア~エの記述のうち,わが国の「原価計算基準」に照らして正しいものの組合せを

示す番号を一つ選びなさい。( 5 点) 2014年5月本試験問題

 

ア.等級別総合原価計算は,同一工程において,同種製品を連続生産するが,その製品を形状,大きさ,品位等によって等級に区別する場合に適用する。等級別総合原価計算にあっては,各等級製品について適当な等価係数を求め,一期間における完成品の総合原価又は一期間の製造費用を等価係数に基づき各等級製品にあん分してその製品原価を計算する。

イ.単純総合原価計算,等級別総合原価計算および組別総合原価計算は,いずれも原価集計の単位が期間投入量であることを特質とする。すなわち,いずれも継続製造指図書に基づき,一期間における投入量について総製造費用を算定し,これを期間投入量に集計することによって完成品総合原価を計算する点において共通する。

ウ.総合原価計算において,必要ある場合には,一期間における製造費用のうち,変動直接費及び変動間接費のみを部門に集計して部門費を計算し,これに期首仕掛品を加えて完成品と期末仕掛品とにあん分して製品の直接原価を計算し,固定費を製品に集計しないことができる。この場合,会計年度末においては,当該会計期間に発生した固定費額は,これを期末の仕掛品および製品とに配賦する。

エ.連産品とは,同一工程において同一原料から生産される異種の製品であって,相互に主副を明確に区別できないものをいう。連産品の価額は,連産品の正常市価等を基準として定めた等価係数に基づき,一期間の総合原価を連産品にあん分して計算する。この場合,連産品で加工の上売却できるものについては,加工製品の見積売却価額から加工費の見積額を控除した額をもって,その正常市価とみなし,等価係数算定の基礎とする。

 

 

太文字で強調した、2014年12月から引用した問題のアの肢と、2014年5月から引用した問題のウの肢を見てください。多少言い回しは異なるものの、同じ基準30からの出題です。

このように2回続けて同じ基準が聞かれることもあるのです。そのため、過去の本試験に出た基準だから、今回は出ないと思ってはいけません。

従って、重要性が高いと言われている基準を重点的に読んでいくのが得策です。また、直近の本試験問題を確認するものいいと思います。

 

 

一方で、出題頻度がきわめて低い基準もあります。本当に時間がない方は、こちらのブログ【期待値を高める学習について 原価計算基準の出題実績ランキング公開 梅澤講師(管理会計論)】も参照してみてください。(前半は全く関係ないことが書いてありますが… 後半に原価計算基準の出題頻度について真面目な表が載っています!)

このブログで示した表で、設定1,2に分類した基準は出題頻度が低く、また、出題されたとしても1問に1肢程度であるため、たとえその肢がわからなくても解答にたどり着けます。そのため、時間がない方は、ここの優先順位を下げるのもひとつの戦略だと言えると思います。

 

 

原価計算基準についての考察は以上です。

短答式試験を受験するみなさん、くれぐれも体調には気を付けて、残りの期間頑張ってください。

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