登川講師

【退職給付会計】金利が下がると業績にどういう影響が及ぶのか

<問題>
当社は確定給付型退職一時金制度を採用している。
数理計算上の差異が発生した場合は発生年度に一括費用処理している。

ここで、市場金利の低下により退職給付債務の算定に用いる割引率が低下した場合の当期純利益に与える影響を答えなさい。

 

<解説>
最近マイナス金利が話題になりました。マイナス金利の導入の目的は市場金利を下げることと言われています。
市場金利が低下すると会社の業績にも影響を及ぼしますが、影響が出る項目の1つとして退職給付引当金(退職給付に係る負債)があります。

退職給付引当金のベースである退職給付債務は割引計算で算定されるため、金利の変動により割引率が変更されると引当金も変動します。

具体的には

割引率が下がれば退職給付債務は増加します。

割引率が上がれば退職給付債務は減少します。

退職給付引当金と割引率

 

<解答>
ここで冒頭の問題の答えですが、

割引率が下がれば退職給付債務が増加してしまうため不利差異が生じます。

これを一括費用処理する場合には、生じた不利差異の分だけ当期純利益が減少します

 

実際の実務では・・・

ちなみに住友林業は以下の様な資料を発表しています。(今回の問題の題材)

当社は退職給付会計における数理計算上の差異に関し、発生年度に一括処理を行っておりますが、市場金利低下の影響により、退職給付債務の計算に用いる割引率の水準が大幅に低下したこと等から、数理計算上の差異115億円を販売費及び一般管理費に計上する見込みとなりました。このため、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに前回発表予想を下回る見込みです

2016年04月20日 業績予想の修正に関するお知らせ

割引率の低下により115億円分もの費用が発生し、とても大きな影響が出てしまったようです。

⇒To Be Continued…!?

********************
東京CPA会計学院 財務会計論講師
登川雄太
ツイッターはこちら

このブログがみなさんに気付きを与え,お役に立つことができますように。

資料を取寄せる(無料)  オンラインで教材購入