登川講師

【リース取引】日商簿記2級と公認会計士講座のリース会計はここが違う

日商簿記検定2級においてリース会計が来年度(2017年6月)から試験範囲に加わります。

リース取引というのは物件をレンタルして使用する取引です。実務ではコピー機,パソコンからジェット機まで幅広く利用されています。
図2
簡単にまとめるとこんな感じの取引です。

ちなみにリース取引のメリットは下記記事で解説しているのでこちらも参考にして下さい。
会社がリース取引をする3つのメリット

リース取引は実務で広く浸透している取引なのでこの度簿記検定の2級に加わったわけですが、実は日商簿記2級(東京CPAでは入門Ⅱと呼んでいる講座)で扱うリース会計と実際のリース会計(公認会計士講座で扱うやり方)は違う点があります。

2級のリースを学んでから公認会計士講座のリースを勉強するとその違いに戸惑うことがありますので、今回はこの点について解説します。

1.取得価額の決定が違う

2級では見積現金購入価額をリース資産の取得価額としますが、実際には見積現金購入価額とリース料の割引現在価値のどちらか低い方を採用します。
スライド1

2級ではシンプルに見積現金購入価額にしますが、リース取引と現金での購入取引とは別物です。そのため資産の過大計上を避けるために2つの金額を比較して低い方を採用するという方法を実際には採用します。※1

2.利息の配分方法が違う

2級では利息の配分方法は定額法ですが、実際には利息法で計算します。
スライド2

利息法を採用することでリース債務(≒借金)が減った分だけ支払利息も減少するという実態を表すことができます。※2

3.減価償却の方法が違う

2級では耐用年数をリース期間で減価償却を行いますが,実際には所有権移転外リース取引か所有権移転リース取引かで減価償却方法が違います。所有権移転外の場合にはリース期間終了時に返却してしまいますので耐用年数をリース期間で行いますが、所有権移転の場合にはリース期間終了後も使用し続けるのでリース期間に関係なく経済的耐用年数で減価償却をします。
スライド3

また、2級では残存価額ゼロで減価償却を行います。これは所有権移転外を前提にした考え方です。所有権移転外の場合、返却するため当然に処分価値はゼロというわけです。対して、所有権移転の場合には使用後に処分することもできるため、処分価値がある場合には残存価額を設定して減価償却を行います。

2級では所有権移転か移転外かという違いは出てこないのですが、会計士試験ではこの違いは重要です。どちらに該当するかで減価償却が変わるため問題文を読む際は注意が必要です。

この点も2級と会計士講座の違いです。

 

 

以上の3点が大きな違いですのでしっかりおさえましょう!

※1 所有権移転のファイナンス・リース取引で貸手の購入価額が判明する場合には,当該金額になります。

※2 重要性が低い場合には支払利息を定額法で計算することもできます。

⇒To Be Continued…!?

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東京CPA会計学院 財務会計論講師
登川雄太
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