菅沼講師

「論文式試験における事例問題を学習する際の注意点」 菅沼講師(企業法)

企業法主任講師の菅沼です。@suganuma_cpa

 

まだまだ寒い日が続きますね!

もう3月だからと油断せずに,体調に気をつけましょう!

 

さて,私の目の前にはいつも管理会計論の梅澤先生(@umechan_cpa)が座っているんですが,毎年この時期になると花粉に攻撃されて辛そうです。

私は花粉症ではないのですが,梅澤先生が言う花粉対策は,「よく寝ること」だそうです。対花粉に限らず,しっかりと睡眠をとることは,疲労回復,免疫力強化のためには重要ですね。

花粉対策について詳しく聞きたい方は,小学校3年生の頃から花粉症と戦っている梅澤先生に聞いて頂ければと思います笑

 

私が試験対策以外に「○○対策」として,みなさんに何か伝えられるものはあるかと考えたのですが,ありました。二日酔い対策です。

本題の後にご披露いたしましょう。

 

 論文式試験における事例問題を学習する際の注意点

 

今日は,論文式試験における事例問題を学習する際の注意点を書いていきます。

 

論文対策集には様々な事例問題が掲載されております。また,論文式試験では事例問題が多く出題されますので,受験生の方々も,多くの時間を割いて学習していることと思います。

 

しかし,事例問題の学習に対して,誤ったアプローチをしている方が非常に多いと感じますので,今回はその注意点について説明していきたいと思います。

 

事例問題を学習する際に,よくありがちなのが,問われている事例や条文等を正確に捉えないまま,解答例をなんとなく暗記するという学習です。

 

こういった学習方法では,論文対策集や答練で出題された事例と同じものしか対応することができなくなってしまいます。

また,ひたすら文章の暗記に頼った学習になってしまうので,学習の負担も非常に大きいです。

 

そこで,論文対策集に掲載されている事例問題を学習する前に,その論点や条文の内容等をテキストと条文で確認してみましょう。つまり,論文対策集の問題文と解答例をじっくり見る前に,テキスト等を確認するということです。

 

 

手順はこうです。

 

問題文と解答例をざっと見て,問われている内容が何かを確認する

表見代表取締役(354条)なのか,競業避止義務(356条1項1号)なのか,失念株なのか,会社成立後未払いの設立費用の法律関係なのか等

 

その論点や条文の内容等(問題の所在,適用される条文の内容・趣旨・要件・効果等,補足や関連論点)をテキストと条文で確認する

 

以上を確認することで,事例を正しく分析する力が身につきます。そうすると,様々な事例に対応することができるようになるのです。

 

具体例があった方がわかりやすいと思うので,表見代表取締役の規定(354条)を例に挙げて説明していきます。

 

354条は,「株式会社は,代表取締役以外の取締役に社長,副社長その他株式会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には,当該取締役がした行為について,善意の第三者に対してその責任を負う」と規定しています。

 

本来,代表権のない取締役が対外的業務執行をしても無権代表行為としてその行為は無効です。つまり,会社に効果が帰属しないため,会社が責任を負う必要はないわけです。

しかし,それでは,当該取締役を会社代表者として取引をした善意の第三者が保護されません。

そこで,会社に帰責性がある等の一定の要件を満たした場合は,表見代表取締役の行為について,株式会社が責任を負うと定められているのです。

 

すなわち,表見代表取締役の規定は,本来であれば株式会社に効果が帰属しないものを株式会社に帰属させること,すなわち,株式会社が責任を負わないはずのものを負わせるというものです。

 

しかし,論文答練の採点をしていると,

 

・ 「取締役が第三者に対して責任を負うか否かが問われている事例」において表見代表取締役の規定を適用している

 

・ 「会社の責任が問われている事例」において表見代表取締役の規定を適用するのが妥当な場面であっても,354条を適用せずに,問われてもいない取締役の責任(423条,429条等)を問題としている

 

こういった,求められている内容を外している答案が非常に多いと感じますが,これらは,論点や条文の内容,その効果を正確に捉えられていないことが原因です。

 

こうならないためにも,論文対策集を学習する際には,一度テキストに戻って,論点や条文の内容等を把握するようにしましょう!

 

 

 

では,お待ちかね(?),菅沼流「二日酔い対策」をご披露いたしましょう。

出血大サービス,今回は,2種類の対策を教えちゃいます。

 

1.水分を取ること

まずは,定番,王道過ぎて申し訳ないのですが,やはり,「水分を取ること」です。

 

脱水状態に陥りやすいので,特に,就寝前には,「これでもか!」と思うくらいの水を飲みましょう。さらに,吸収が良いスポーツドリンクを適量組み合わせるとグッドです。

 

2.スプライトを飲むこと

これは,二日酔いになってしまってからの対策なのですが,経験上,結構効きます。

しかも,何かの記事で見ましたが,効果があるという研究結果もあるみたいです笑

 

ただ,これを教えてしまった私は,「スプライトを飲んでいる=昨晩飲みすぎてしまった」という風に推定されてしまうため,日常からスプライトを飲んでおいたりしてフェイントをする必要が出てきました。さらに,三ツ矢サイダーやキリンレモンを組み合わせたフェイントも考えています。

 

「こういうのは,忘年会シーズンに言ってよー!」と思われる方,ごもっともです!

試験対策もそうですが,私も研究を重ねて,今年の年末には,より良い二日酔い対策をお伝えできるようがんばります!

 

 

 

 

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