梅沢講師

管理会計論 講義復習ブログ⑧ 工程別総合原価計算 (梅澤講師)

 

管理会計論CPA専任講師の梅澤です。@umechan_cpa

 

11月からCPAでは初学者向け公認会計士講座の管理会計論の講義がスタートしています。この講義復習ブログでは,主にCPAの受講生向けに,講義内容の復習ポイントについて説明していきたいと思います。

 工程別総合原価計算

今回は,中級期第12回~第13回で学習した工程別総合原価計算についてです。

 

総合原価計算における製造部門に集計する原価要素の範囲について

総合原価計算においては,期間生産量に原価を集計します。そのため,製造部門が仕掛品勘定を兼ねる結果,両者を明確に切り離して考えることができません。結果,原則としてすべての製造原価要素が製造部門である工程に集計されます。

この点,個別原価計算においては,特定製造指図書の生産命令数量に原価を集計します。そのため,製造部門と仕掛品勘定を切り離して考えることができるため,製造部門に集計する原価要素は,原則として製造間接費のみとなります。

 

工程別計算の目的について

部門別計算と同様に,正確な製品原価計算と,原価管理・責任会計となります。ただし,正確な製品原価計算の観点は,単一工程の総合原価計算を行う場合と比較して押さえてください。

 

予定原価での工程間振替について

目的は原価管理と計算の迅速化です。原価管理については,前工程のメリットと後工程のメリットを分けて押さえると良いでしょう。

なお,補足にある正常市価での振り替えについては,製造部門を利益で評価することで,より強く原価削減が動機づけられる点を理解しておいてください。

 

非累加法について

非累加法については,出題実績的には重要性は高くありません。時間の無い方は計算についてはまるごと削ってしまって良い論点です。しかし,理論についてはしっかりと理解して押さえてください。

なお,改正計算方式は累加法と同様の計算結果となりますが,勘定記入は非累加法になる点について,誤解の無いようにしてください。

また,非累加法のメリットですが,原価管理・責任会計と計算の迅速化の観点からのメリットは,累加法のままでも予定原価等での振り替えによっても得られるものであり,実質的な存在意義は標準原価計算への移行準備のみといわれることがある点も知っておいてください。

 

加工費工程別総合原価計算について

まず,加工費法の適用要件(形式的)を押さえましょう。そのうえで,実質的な要件としての歩減が僅少であることを,理由付で説明できるようになっておいてください。この辺りの説明ができると,加工費法が全原価要素工程別総合原価計算の簡便法であることが理解できている証拠になります。

 

追加材料について

追加材料の基本方針は,始点投入材料と追加材料のそれぞれの生産データ(ボックス図)を整理することです。そのうえで,始点投入材料にのみ加工費がかかるという前提で計算をしてくことになります。

 

追加材料の按分比率の算定方針は,追加材料の投入によって製品数量が増加しない場合は以下のようになります。

・定点投入の場合には投入地点を通過した数量比で按分

・平均的投入の場合には投入区間の加工量の比で按分

 

追加材料の投入によって製品数量が増加する場合は,増加率で割り戻して,始点ベースでの数量を算定することで,始点投入材料と始点投入材料に分けることになります。

 

追加材料の投入に伴って,加工費が増加するケースの問題はできなくてもまったく問題ありません。ただし,解けるようにしたい方は,特に面積図を作れるように練習してください。

 

最後に,工程別総合原価計算の章で追加材料を学習しましたが,非常に出題頻度の高い論点になります。最重要論点の位置づけで復習するようにしてください。

 

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