
管理会計論 講義復習ブログ③ 経費会計(梅澤講師)

管理会計論CPA専任講師の梅澤です。@umechan_cpa
11月からCPAでは初学者向け公認会計士講座の管理会計論の講義がスタートしています。この講義復習ブログでは,主にCPAの受講生向けに,講義内容の復習ポイントについて説明していきたいと思います。
中級期第4回 経費会計
今回は,中級期第4回で学習した経費会計についてです。
経費の定義について
材料費でも労務費でもないものが経費になります。そのため,材料費会計でも指摘していますが,棚卸減耗費は材料勘定から出ますが,物品の消費ではないので経費に分類される点に注意です。
経費の分類について
何が直接経費になりうるのかを押さえましょう。外注加工賃,特許権使用料,減価償却費が直接経費になりうる代表例です。なお,減価償却費は,通常は間接経費ですが,特定の指図書の製品製造のための機械の減価償却費は直接経費となります。
また,経費の機能別分類ともいえる,複合経費というものが設定されることがあります。複合経費は,補助部門費のようなものですので,原価管理を目的として設定される点に注意してください。
経費の消費額について
経費は,原則として実際発生額で計算しますが,例外的に予定価格ないし予定額による計算も認められています。なお,予定額による計算は,外注加工賃や棚卸減耗費の発生額を予定することが想定できます。
外注加工賃について
外注加工賃については,無償支給でかつ製造現場に直接引き渡されるのであれば直接経費になります。これは,加工品それ自体の原価を認識せず,外注加工賃が製品原価計算にダイレクトに反映されるためです。
一方,それ以外の場合には外注加工賃は直接材料費になります。これは,加工品それ自体の原価を一度認識するために,外注加工賃(もしくは,それに対応する金額)が加工品原価に反映され,加工品の消費額が製品原価計算に反映されるためです。
なお,有償支給の場合の交付材料差益の取り扱いがややこしいですが,結局は,“外注加工品の原価はいくらであるべきか”をしっかりと考え,元々の材料費部分と外注加工の対価部分の合計で,加工品原価を認識することがポイントとなります。
特許権使用料について
基本的には直接経費扱いで大丈夫ですが,特段の指示(期間に応じて支払っている等)がある場合のみ間接経費扱いとすることがある点に注意してください。
最後に,経費会計は原価の分類ができることと,外注加工賃の処理がポイントとなります。難しくは無いですが,意外と抜けやすい論点なので,講義後の復習をした後も定期的に復習するようにしてください。