黒田バズーカ―が企業業績に与えた影響とは?

アベノミクスで株価は上がり、円安に向かい、大企業の業績は回復傾向にありますね。

アベノミクスとは

第一の矢が、異次元金融緩和(黒田バズーカ)

第二の矢が、財政支出

第三の矢が、規制改革と新規成長分野育成による経済成長

ですが、

今回は、ここまでの黒田バズーカと財政支出により、大企業業の績にはどのような影響があったのかを考えてみたいと思います。

まず、異次元金融緩和により、市場にお金が余るので、株式投資が活発になるのと、日本は本気だというアナウンスメント効果により、株価が上昇しました。

また、円が大量に市場に放出されたため、円の相対的な価値は下がり円安が進行しました。

では、この株価上昇と、円安効果が、企業業績にどのような影響を与えたのでしょうか。

まずは、株価上昇により、いくつかのメリットがあります。

1.資産効果

まず、企業は大量の有価証券を保有しています。そのため、株価の上昇が自己が保有する有価証券の含み益を大幅に増加させることになります。

企業がそれらの株式を売却すれば、売却益が収益として計上されますし、現在の会計基準では保有している株も時価評価を行うため、貸借対照表の純資産額が含み益の分増加することになります。

そのため、企業の業績は株価の値上がりで相当良くなるのです。

また、それに付随して、土地などの他の資産も値上がりするので、高度成長期のような資産効果が生まれたという側面もあります。

2.資金調達の容易化

市場にお金が供給されたため、企業の資金調達が容易になり、様々な投資が行いやすくなったという側面もあります。

銀行もどんどんお金を貸してくれますし、株式市場や社債市場での資金調達も容易になっています。

これも企業業績を押し上げる要因です。

また、円安効果により、輸出産業は為替差益が発生するため、利益がどんどんかさ上げされていきます。

1ドル80円の時と、1ドル120円の時では、

10,000ドルで輸出した商品の売上高が、800,000円から1,200,000円に増加するわけですから、そりゃあ業績が良くなります。

逆に輸入産業はその分仕入れ価格が上昇してしまうので大変です。

上記のような状況で株高と円安効果が発揮されたのですが、それに加えて、財政支出で景気を刺激したことと、さらに、景気が良くなるという雰囲気が蔓延したことで、お金を使う人が増え、世の中を循環するお金が増えたことも大きいと思います。

景気の気は『気』であるように、景気には国民のマインドがとても重要です。今後景気が良くなるという気持ちからお金を使うようになり益々景気が良くなる効果もとても大きいのです。

このように、我々庶民は、景気が良くなったという実感じづらいですが、実際問題、株高、円安効果、資産効果により、数値上は景気が良くなりました。

ただ、ここまでの、第一の矢、第二の矢は、根本的な経済力を高めたわけではなく、応急処置的な意味合いが強いので、最終的には第三の矢で持続的な成長をしていけるのかにかかっています。

人間でいえば、栄養ドリンクを10本一気飲みしたような状態ですので、第三の矢が失敗すれば、その反動で大きな痛手を負うことになりかねません。

このリスクがまだまだあるので、消費者の財布のひもは固く、本格的な景気回復にはいまだ黄色信号がともっている状況と言えます。

ただ、黒田バズーカは、株式市場を20,000円まで引き上げ、120円までの円安も誘導したところは確実に大企業の業績を良くしたのは事実ですので、今後の第三の矢である、規制緩和と、成長産業の育成が成功することを祈るしかないと思います。


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