梅沢講師

日商簿記検定第140回 1級(工業簿記・原価計算)の所感 梅澤講師(管理会計論)

umezawablog

先日、日商簿記検定がありましたね。

簡単ではありますが、1級の工業簿記/原価計算について解いてみた感想をお伝えしていきますが、工業簿記がとにかく難しい!!明らかに難易度が高いと思われます。工業簿記は部分点狙いに徹して、商業簿記/会計学/原価計算で稼ぐしかなかったのではないでしょうか。

1.工業簿記について

1-1.出題内容

問1:費目別計算 消費価格差異
問2:費目別計算 賃率差異
問3:製造原価報告書の作成
問4:製品単位原価の計算
問5:工場損益の計算
問6:本社販管費の計算
問7:期末製品内部利益の算定
問8:全社税引前営業損益の計算

1-2.工業簿記の所感

データの与え方が特殊な本社工場会計です。このような出題の仕方は初めてだと思いますので、事前に対策することは難しかったでしょう。ただし、本社工場会計特有の論点が難しいというよりは、データ記載の数値がどこの段階のものなのかが分かること、また費目別計算の細かい知識がしっかりと整理されていたかどうか、が問題になったと思います。

2.原価計算について

2-1.原価計算の出題内容

第1問 正味現在価値がゼロとなる操業度の算定
第2問 ネットキャッシュフローの算定 正味現在価値の算定
第3問 理論問題 耐用年数が異なる投資案の比較

2-2.原価計算の所感

設備投資意思決定は、差額原価と抽出して、正しいネットキャッシュフローを算定できるかどうかが重要ですが、落ち着いて抽出作業ができたか否かが問題となったでしょう。内容的には難しくないですので、高いレベルでの正答が望まれます。なお、耐用年数が異なる投資案の比較に関しては、私の講義を取られている方であれば学習している内容なので、さほど戸惑わずに解けたのでは?と思っています。

3.工業簿記・原価計算の全体的な所感と今後の対策

今回は工業簿記が難しく、ここで足切となってしまう受験生が多そうです。そういった意味では、学習の成果がしっかりと示せる問題ではなかったと思いますので、今回工業簿記ができずに不合格となってしまったとしても、合格できる実力が無いということではないですので、前向きに学習して頂きたいと思います。今回の工業簿記の難易度が基本ではないですので、今回の難易度に引っ張られ過ぎずに、学習してほしいと思います。逆に原価計算に関しては、さほど難易度は高くないと思われますので、ほとんど完答できるくらいの実力を養成してほしいなと思っています。


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