
「公認会計士短答式試験2015年5月 財務会計論(計算)の総評及び今後の学習方針について」亀尾講師(簿記)
公認会計士短答式試験お疲れ様でした(^*^)/
今回は財務会計論(計算)の短答式試験の総評及び今後の学習方針について書いていきます。
<総評>
今回の財務会計論(計算)は,前回(第Ⅰ回)とほぼ同様の出題形式,難易度でした。そのため,前回(第Ⅰ回)と同様に計算問題は点数が取りやすかったのではないかと考えています。
このため,財務会計論(計算)は50%~55%程度の得点が合格点になるかと思われます。
(より詳細な総評はCPAホームページの解答解説ページをご参照ください。)
以下では,論文式試験に向けた学習方針と次回の短答式試験に向けた学習方針を記載します。
<論文式試験に向けた学習方針>
短答式試験に向けて学習された方は,計算力自体は既に高まっていると思われるため,基本的には財務会計論(計算)はテキストや問題集を定期的に回転することで,実力の維持を行っていただければと思います。
その上で,論文式試験と短答式試験の違いとして,論文式試験は短答式試験とは異なり,問題文全体から必要な情報を自分の力で抜き出して解答する力が求められる,という点が挙げられます。
つまり,短答式試験の場合(特に個別問題)には,税効果会計の問題なら税効果会計に関する情報のみが与えられていましたが,論文式試験の場合には,問題文全体に税効果会計に関する情報がちりばめられているため,自分で税効果会計の解答に必要な情報を抜き出して解答する力が必要になります。
これは,総合問題形式の答案練習等を解くことで身に着く力になりますので,答案練習を解く際にはこの点にも留意してください。
<12月短答式試験に向けた学習方針>
今回の財務会計論(計算)で60%を下回ってしまった方は,基礎力に問題がある可能性が高いと思います。そのため,今回間違えてしまった問題の分析をし,弱点の強化を行うようにしてください。この際に意識してほしいのが以下の2点になります。
(記載している内容は2014年12月のブログと同じものです)
①問題を見たときに,解く手順や解答算定のために必要な情報が迷わず出てきたか?
②出題論点に関連する引っ掛けや注意点がすぐに出てきたか?
例えば,今回の試験の株式会社会計の問題(問題8)で間違えた場合には,以下が出来ていたかどうかを振り返ってほしいです。
①問題を見たときに,解く手順や解答算定のために必要な情報が迷わず出てきたか?
・解く手順
その他資本剰余金の期末残高が問われているので,その他資本剰余金の増減に関連する取引を中心に計算する。
・解答算定のために必要な情報
期首のその他資本剰余金,自己株式の株数・取得価額・取得・処分に関する情報,資本準備金の取崩しに関する情報
②出題論点に関連する引っ掛けや注意点がすぐに出てきたか?
自己株式の取得及び処分に係る付随費用の処理,その他資本剰余金が負の値となる場合の取扱い等
そして,上記について漏れがあった場合には,その漏れを失くすために,何をすべきかを考えて実行してください。(例えば,解く手順が出てこなかった場合には,テキストや問題集の問題形式を覚え込んでしまっている可能性があるため,普段の学習において,なぜそのように解くのか?の理由をしっかりと考えるようにする等)
この作業を普段の答練や模擬試験の際にも継続して行うことで,基礎力は強化されると思います。
それでは引き続き学習を頑張ってください!