複式簿記の原理!!~基本原理を理解し、会計マスターになろう!

簿記は最高に完成度の高い学問の一つだと思います。

だからこそ、世界中の先進国において企業の成績表である財務諸表の作成方法として、今なお君臨し続けています。

その簿記のもっとも重要な原理が、

『複式簿記』の原理です。

複式簿記の原理はみんな知っています。そしてその重要性もなんとなく理解していると思います。

しかし、複式簿記の原理を正確に説明できる人は多くないのではないでしょうか?

公認会計士の合格を目指すにも、簿記検定の合格を目指すにも、合格後に会計理論を用いて活躍するためにも、複式簿記の原理の本質的な理解はとても重要だと思います。

そのため、今回は、複式簿記の原理についてじっくり説明したいと思いますので、是非参考にしてみてください!

まず、複式簿記の意義は、一般的には、以下のように表現されます。

簿記において、全ての簿記的取引を、その二面性に着眼して記録していき、貸借平均の原理に基づいて組織的に記録・計算・整理する記帳法のことをいう。

つまり、取引を取引の8要素に分類し、取引の8要素の組み合わせとして表現すると。

この説明がわかりづらいのと、貸借対照表と損益計算書を混ぜて教えてしまうところに、日本の会計教育の課題があります。

では、以下の例を考えてみましょう!

1.株主が10,000円を出資し会社を設立した。出資金はすべて現金として保有している。

2.会社設立と同時に銀行から500万円を借金して現金を入れた。

上記取引を勘案して貸借対照表を作成すると

現金10,000円(資産の増加)/ 資本金10,000円(資本の増加)

現金 5,000円(資産の増加)/ 借入金  5,000円(負債の増加)

となります。

この時の財産の状態は、下記の図の期首の貸借対照表で表現されます。

この時、

資産は、会社が所有するすべての財産

負債は、支払い義務(将来の財産の減少額)

資本は、資産から負債を差し引いた会社の正味財産

と表現されるため、

表面上は、15,000円の資産を保有しているが、銀行に5,000円の借金の返済義務があるため、会社の正味財産は、10,000円ということを意味しています。

ここから、

会社が、下記の3つの取引を通じて、1年間で5,000円を儲けたとしましょう。

3.商品を8,000円で仕入れ、代金は現金で支払った。

4.給料2,000円を現金で支払った。

5.商品を15,000円で販売し、代金は現金で受け取った。

仕入 ?8,000円(費用の発生)/ 現金? 8,000円(資産の減少)

給料 ?2,000円(費用の発生)/ 現金 ?2,000円 (資産の減少)

現金15,000円(資産の増加)/ 売上 15,000円(収益の発生)

この場合、15,000円の収益を獲得し、10,000円の費用が生じているので、5,000円利益を獲得できました。

そのため、下記のように、期末の貸借対照表は、現金が5,000円増加し、会社の正味の財産である資本が5,000円増加します。

※??? 資本は、出資金は資本金、活動から稼いだ利益は繰越利益剰余金と表示します。

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上記の期末借対照表は、表面上は、20,000円の資産を保有しているが、銀行に5,000円の借金の返済義務があるため、会社の正味財産は、15,000円(元手10,000円、利益5,000円)という状態を意味しています。

つまり、会社が利益(儲け)を獲得することは、会社の資本(正味財産)が利益分だけ増加することを意味しています。

この時に、貸借対照表は、会社の財産の状態を表側と裏側からしっかりと開示しているのです。

例えば、AさんとBさんという人が、ともに、10億円の豪邸を所有していたとしましょう。
その場合に、Aさんは銀行から9億9,000万円を借金していて本当の財産は1,000万円しかない。

Bさんは、銀行から借金はしておらず、すべて自分の財産である。

この時に、貸借対照表は、

Aさんは

資産 10億  負債9億9,000万

資本   1,000万

Bさんは

資産 10億  負債       0万

資本      10億

と表現されます。

つまり、貸借対照表は、表面上どれだけの資産を保有しているかのみならず、裏側で、その資金をどのように調達してきているのかという負債と資本の内訳を開示することで、財産の状態を適切に開示できるようにしているのです。

そして、ここからが本題です。

複式簿記の原理は、取引を2面的にとらえるのですが、

それは、財産の状態の変化を、

貸借対照表の3要素(資産・負債・資本)の変化として、2面的に理解するということを意味します。

つまり、先ほどまでの5つの取引は、

1.の出資の取引は、現金という資産も増加するが、会社の正味財産である資本も増加する。

現金10,000円(資産の増加)/ 資本金10,000円(資本の増加)

2.の借入の取引は、現金という資産も増加するが、借入金という負債も増加する。

現金 5,000円(資産の増加)/ 借入金  5,000円(負債の増加)

3.の仕入れの取引は、会社の正味財産である資本は減少し、現金という資産も減少する

繰越利益剰余金 ?8,000円(資本の減少)/ 現金? 8,000円(資産の減少)

4.の給料の支払いの取引は、会社の正味財産である資本は減少し、現金という資産も減少する

繰越利益剰余金 ?2,000円(資本の減少)/ 現金 ?2,000円 (資産の減少)

5.の売上の取引は、現金資産も増加するが、会社の正味財産である資本も増加する。

現金15,000円(資産の増加)/ 繰越利益剰余金 15,000円(資本の増加)

つまり、すべての取引を貸借対照表の3つの要素(資産・負債・資本)の2つの項目の変動として考えていくのです。

結果、取引は、

資産が増加し、負債も増加する(銀行から借り入れをした場合など)

資産が減少し、負債も減少する(銀行の借入金の返済をした場合など)

資産が増加し、資本が増加する(収益の発生、出資など)

資産が減少し、資本が減少する(費用の発生など)

など、財産の状態の変動を、貸借対照表の3つの要素(資産・負債・資本)の変化として、2面的に表現しているに過ぎないのです。

しかし、上記のように貸借対照表の3要素(資産・負債・資本)だけで複式簿記を適用すると、利益が5,000円稼げたことや、各期の財産の状態は開示できるのですが、どのように利益5,000円を稼いだのかの内訳(収益と費用)がわからない。

そのため、簿記は、普段は、会社の正味財産である資本(純資産)の増加項目と減少項目を収益・費用として開示することにより、儲けの状況までも開示できるようにしたのです。

仕入 ?8,000円(費用の発生)/ 現金? 8,000円(資産の減少)

(繰越利益剰余金の減少)

給料 ?2,000円(費用の発生)/ 現金 ?2,000円 (資産の減少)

(繰越利益剰余金の減少)

現金15,000円(資産の増加)/ 売上 15,000円(収益の発生)

(繰越利益剰余金の増加)

だからこそ、損益計算書で算定した当期純利益の額だけ、期末の資本は増加することになります。もともと資本の増減項目を収益と費用で表現しているので、当然の結果と言えます。

なので、

収益は、資本(繰越利益剰余金)の増加要因

費用は、資本(繰越利益剰余金)の減少要因

と言われるのです。

上記関係を図示すると下記のようになります。

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このように、複式簿記は、貸借対照表の財産の状態の動きを常に、貸借対照表の3要素(資産・負債・資本)の変化として、2面的にとらえるということを基本構造にしているのです。

この部分が理解できていると、常に取引を2面的にとらえることが容易になる、B/SとP/Lという異なる財務諸表の関係性が理解でき、会計の本質的な理解につながります。

これが、複式簿記の原理においては、とても重要な理解です。

日本の多くの簿記教育や、会計教育においては、ここの基本原理の説明が不十分であるために、多くの人が、借方(左)、貸方(右)って、よくわかんないよね。2面的にとらえるって何なんだろうねという印象になり、会計を苦手にしている方が多くなっています。

是非、皆さんには、上記複式簿記の基本原理をしっかりと理解していただき、会計マスターになってもらえれば幸いです。

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