
「公認会計士試験科目 企業法 企業法あるある③ ~中級期の内容を理解しないまま上級期に進みがち~」菅沼講師ブログ(企業法)
こんにちは!
企業法専任講師の菅沼です。
先日,2016年合格目標の企業法の講義がスタートいたしました。
企業法は中級期全6回で,まず会社法の全体像を掴むための基礎的な事項,つまり上級期を学習するうえで土台となる事項を学習していきます。
ものすっごく大事な6回です。がんばっていきましょう!
さっそくですが,企業法あるあるです。
「中級期の内容を理解しないまま上級期に進みがち」
この状況に陥ってる受講生が多いと毎年感じます。
その原因として,どこまで理解すればいいのかというレベル感がわかりにくいということが考えられます。
講義では,本質的な理解をするためにも,「人に説明できるか」を意識しましょう!と常々お伝えしていますが,その際の「説明のレベル感」が大事なんですね。
例えば,ある規定を学習する際,その規定の趣旨が「会社債権者の保護」だとします。
そのとき,「この規定の趣旨は会社債権者の保護です」という説明では,不十分となります。
会社法は,会社を取り巻く利害関係者(会社・株主・債権者等々)の保護を図るために様々な規定を設けています。
つまり,「○○○の保護」を趣旨とする規定が多数存在するわけです。
ここで,説明のレベル感を間違わないために,以下の2点を意識するようにしてください。
① なぜその場面で○○○を保護する必要があるのか
② その規定があることによってどのように○○○が保護されるのか
もう少し具体的にいきましょう。
例えば,資本金制度の趣旨は会社債権者の保護ですが,上記2点を意識すると以下のような説明となります。
① なぜその場面で債権者を保護する必要があるのか
株主の責任は間接有限責任なので,債権者にとってはその債権を回収する際に当てとなるのは会社財産しかない。したがって,債権者のために会社財産を確保する制度が必要となる。
② その規定があることによってどのように債権者が保護されるのか
そこで,資本金制度を設けることによって,債権者は会社財産について株主に対する優先的な地位を有することとなり,債権者が保護される。
ここまで説明できるように意識すると「説明するレベル感」,つまり理解するレベルとしてはパーフェクトです。是非,意識してみてください!