
「公認会計士試験の短答式試験の直前期における暗記作業は修行! 暗記しなければならない論点を減らすために,日々,工夫して勉強しよう!」齊藤講師(監査論)
こんにちは。
公認会計士講座 監査論の専任講師の齊藤です。
3月も終わりに差し掛かり,5月の短答式試験を受験する方にとっては,直前期になってきました。これからの時期は,暗記するための時間が増えてくると思います。
しかし,暗記しても忘れてしまって,なかなか点数が伸びないし,暗記に頼る勉強は楽しくないから,暗記は苦手。。。という方も多いのではないでしょうか。
そのため,今回は,「短答式試験の直前期における暗記作業を行う際の心構え」と「暗記しなければならない論点を減らすために,自分が心掛けていたこと」を書いてみました。
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実は,自分も暗記が苦手(嫌い)でした。そのため,短答式試験の直前期は,勉強をあまり楽しめなかったことを覚えています。また,暗記に多くの時間を費やしても,自分が成長していると実感できなかったことも,直前期の勉強を楽しめなかった理由の一つでした。
しかし,そのような自分であっても,一緒に勉強していた先輩からの一言によって,直前期も学習量を落とさずに暗記作業を繰り返すことができました。その一言とは,
「自分が成長しているか分からないくらいのレベルに達していることは幸せなことなんだよ。合格者の多くが,その時間を過ごして合格を勝ち取っているんだから。」
という言葉でした。
自分は,その言葉を信じ,「公認会計士試験に合格するために必要な勉強(修行)だ!合格者の多くが同じ状況なんだ!」と自分に言い聞かせて,直前期の勉強をしていました。
しかし,今思い返してみても,会計士の受験勉強の中で短答式試験の直前期が一番辛かったな~と思っています。特に,直前の2週間くらいは,早く試験を受けたいという気持ちでいっぱいだったと。
ですので,5月の短答式試験を受験する方にとっては,勉強をあまり楽しめない時期に入ってきてしまいますが,「公認会計士試験に合格するために必要な勉強(修行)だ!合格者の多くが同じ状況なんだ!」と自分に言い聞かせて,短答式試験の直前期を乗り切ってほしいと思っています。
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次に,このような暗記嫌いな自分が,短答式試験の直前期における暗記作業を減らすために,日々の学習で心掛けていた重要な視点を書いていきます。
それは,「理解すること」と「定着させること」です。
(1) 理解すること
まず,自分は,「各論点の前提となる基本的な考え方を納得するまで徹底的に考える」ことを何よりも重視していました。なぜなら,各論点における様々な会計処理/規定/条文は,各論点の前提となる基本的な考え方と繋がっているからです。
そのうえで,各論点の前提となる基本的な考え方から個々の会計処理/規定/条文の必要性を説明できるようにしていました。このように,各論点の前提となる基本的な考え方から考えるようにしてからは,暗記する量が圧倒的に減ったような気がしています。
また,様々な規定について,出来る限り具体例を考えていました。具体例を考えることによって,自分の理解の間違いに気付くこともありましたし,矛盾に気付くこともありました。つまり,具体例とセットで多くの会計処理/規定/条文を理解していました。
自分は,このような学習をして一番良かったと思う点は,各論点の前提となる基本的な考え方からしっかり理解できた論点が増えることによって,自分が成長していることが実感でき,楽しく勉強ができたことです。
暗記嫌いな方にとっては,細かいところを暗記するよりも,各論点の前提となる基本的な考え方からしっかり考えるという勉強法の方がストレスを感じずに勉強することができると思います。暗記嫌いな方は,このような勉強法を是非試してみてください。
(2) 定着させること
自分は,学習したことを,その日のうちに電車やお風呂の中でテキストを見ずに確認するという,知識を整理する時間を取ることも大事にしていました。そのような作業を行うことによって,日々,学習した内容が頭に定着するようになり,直前期の暗記量は減ったと思っています。
このように,短答式試験の直前期における暗記作業を減らすために,論点の理解に割ける時間が多い時期に,各論点をしっかり理解し定着させるように工夫して学習することをオススメします。
しかし,注意してほしいことは,当たり前ながら,いくら工夫をして学習したとしても,暗記しなければならない論点がゼロになるわけではないということです。どの科目であっても,暗記した方が効率的な論点もありますし,短答式試験の直前期は,どんな方でも暗記しなければならない修行の期間があります。その点は注意しておいてください。
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自分は,今までに多くの合格者を見てきました。その合格者を見ていても,やはり理解のステップを踏んで,暗記の量を減らしてから暗記のステップに入っている方が多いと感じています。
しかし,最も大事なことは,皆さんが「楽しく勉強する」ことです。
そのため,自分は,「理解して納得するよりも暗記する方が楽しい」という方は,早い段階から暗記を重点的に行ってもよいと思っています。
齊藤 慶三