登川講師

簿記的に考える!簿記3級の知識でわかる決算セールを行う3つの理由 登川講師(簿記)

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仕事のパソコンはlenovoのThinkPadなのですが,つい先日壊れてしまいました…

壊れた以上もうしょうがないので,新しいパソコンを購入しようとlenovoのWebサイトを覗いたところ
たまたまセールをやっており,通常価格より35%も安い金額で購入できました!
最近は色々出費が重なっていたのでラッキーでした。

lenovoは頻繁に割引をしてますが,なかなか30%を超える割引はありません。

今回なぜこれほどの割引をしていたのかというと,たまたま決算セールをやっていたんですよ。

ちょうどこの2月から3月の時期は決算セールを見かけることが多いですよね。
(特に家電量販店なんかは大々的にやっていますね)

そもそも,なぜ決算セールをやるんでしょうか?

今回はこの点を”簿記的”に説明します!

1.そもそも決算セールの”決算”とは?

決算とは,一言で表現すると財務諸表を作成することです。
日本では3月31日までを1年間として財務諸表を作る会社が多いです。
そのため,財務諸表を作成する直前の2月3月に決算セールをすることで,より見栄えのいい財務諸表をつくることができるのです。

2.財務諸表から考える決算セールを行う理由

では,実際に財務諸表にどういう影響があるのかについて3つの視点で見ていきます。

2-1.損益計算書から考える決算セールを行う理由

当たり前ですが決算セールをすると売上があがりますので,当期の売上高を増やすことができます。
決算セールで売上が増加した分だけ損益計算書はよくなります。

2-2.貸借対照表から考える決算セールを行う理由①

貸借対照表においてもいい影響がでます。
仕訳で考えてみましょう。

決算セールで300売り上げた。

借方 金額 貸方 金額
現金 300 売上 300

この仕訳を貸方だけでなく借方にも注目しましょう。

この仕訳が意味するのは,貸方では売上が計上される一方で,その相手勘定では現金が増加しているということです。

つまり,売り上げることで,その分だけ現金が増加するのです!

ちなみに,貸借対照表の現金の金額は非常に重要です。なぜなら現金を持っている分だけ倒産する可能性が低くなるからです。

2-3.貸借対照表から考える決算セールを行う理由②

貸借対照表の観点からは,さらにもう1つあります。
さきほどの仕訳を分記法で書いて見ましょう。(商品の原価は100とします)

借方 金額 貸方 金額
現金 300 商品 100
販売益 200

この仕訳が意味するのは,
貸方では商品が減少し,借方で現金が増加しているということです。
つまり,決算セールで購入を促すことにより商品の金額を減らすことができるのです!

実は,貸借対照表的に在庫が多すぎるのはあまり見栄えがいいものではありません。
なぜなら在庫が過剰にある場合には売れ残りのリスクがあるからです。

3.まとめ

決算セールをすることで消費者に購入を促し,その結果当期の財務諸表を良くする事ができます。
その効果は売上を増やすという損益計算書の面だけでなく貸借対照表の面からも大きいのです。

決算セールが財務諸表に対する及ぼす影響をまとめると以下のようになります。

  1. ① 損益計算書の売上があがる!
  2. ② 貸借対照表の現金が増加する!
  3. ③ 貸借対照表の商品が減少する!

決算セールの財務諸表に対する影響のまとめ

簿記を勉強すると,取引を2面的に捉える(取引を2つにわける)という考え方が身につきます。

売上という1面的に捉えるだけでなく,2面的に捉えることでより決算セールをする意味が見えてくるというわけです!

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CPA会計学院
財務会計論講師
登川雄太(Twitter)

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