亀尾講師

「公認会計士 2015年5月短答式試験及び8月論文式試験に向けた財務会計論(計算)の学習方針」亀尾講師(財務会計論)

こんにちは(^*^)/

短答式試験の合格発表も終わりましたので、今回は短答式試験及び論文式試験に向けた財務会計論(計算)の学習方針について書いていきたいと思います。

● 短答式試験に向けた学習方針 ●

次回の短答式試験を受験する方は、今の時期に財務会計論(計算)を含めた計算科目の実力の底上げを行い、直前の時期には、その実力を維持した上で理論科目の覚え込みを行っていく、というのが全体的な学習方針となります。

そのため、財務会計論(計算)はテキストや問題集の内容の理解に注力し、自分が弱い論点は講義を見直す等により実力の底上げを行っていただければと思います。

なお、ここでいう理解とは、会計処理や問題の解法について「自分の言葉(原文どおりの堅苦しい言い回しでなくても大丈夫という意味です)でよいので説明できる」というレベルを意味します。さらに、この説明については「定義から説明できるかどうか?」という点を意識して頂きたいです。

例えば、以下のような問題があったとします。

① 当期首将来減算一時差異:1,000

② 将来減算一時差異の当期発生:500

③ 将来減算一時差異の当期解消:300

④ 当期末将来減算一時差異:1,200

このとき、当期末貸借対照表に計上される繰延税金資産を求めなさい。(税率40%)

このとき、「この問題は、問題文④で与えられている1,200に税率40%を乗じれば答えが出る」ではなく、「この問題で問われている繰延税金資産は、その時点における一時差異に対応する税金の額(=定義)だから、問題文④で与えられている1,200に税率40%を乗じれば答えが出る」と説明できるかどうか、というようなことを意識して頂きたいです。

なぜ上述した点を意識して頂きたいかというと、前者の説明に基づく理解の場合、この問題しか解けなくなってしまう可能性が高いためです。(簿記を苦手とする方にありがちな「問題集の問題は解けるけど、初見の問題は解けない」という状態です)

イメージが湧きづらいと思いますので、先程の問題について、問題文が①~③のみで④がなかった場合を考えてみましょう。

① 当期首将来減算一時差異:1,000

② 将来減算一時差異の当期発生:500

③ 将来減算一時差異の当期解消:300

このとき、当期末貸借対照表に計上される繰延税金資産を求めなさい。(税率40%)

この場合、前者の説明に基づく理解は、問題文④がある前提のものでしたので、解答を算定できなくなってしまう可能性が高いと思われます。これに対して、後者の説明に基づく理解では、「繰延税金資産は、その時点における一時差異に対応する税金の額」という定義が前提となっていますので、問題文①~③の情報から問題文④で与えられていた1,200を算定することで解答を算定できると思われます。

短答式試験を受験された方にとっては、ちょっと簡単な具体例でしたので、「そんなことわかってるよ」と思われた方も多いかと思いますが、「定義から説明できるかどうか?」という点は非常に大事になりますので、意識して頂ければと思います。

● 論文式試験に向けた学習方針 ●

論文式試験を受験する方は、租税法や選択科目の学習や理論科目の論文対策を中心とした上で、計算科目の実力の維持を行う、というのが全体的な学習方針となります。

そのため、財務会計論(計算)はテキストや問題集を定期的に回転することで、実力の維持を行っていただければと思います。

1点付け加えるのであれば、論文式試験は短答式試験とは異なり、問題文全体から必要な情報を自分の力で抜き出して解答する力が求められます。

つまり、短答式試験の場合(特に個別問題)には、税効果会計の問題なら税効果会計に関する情報のみが与えられていましたが、論文式試験の場合には、問題文全体に税効果会計に関する情報がちりばめられているため、自分で税効果会計の解答に必要な情報を抜き出して解答する力が必要になります。

これは、総合問題形式の答案練習等を解くことで身に着く力になりますので、答案練習の解き直しも定期的に行うようにしてください。

それでは引き続き学習を頑張ってください(^*^)/


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