
「公認会計士 短答式試験の総評とこれからの時期の財務会計論(計算)の学習方針」亀尾講師(財務会計論)
短答式試験お疲れ様でした(^*^)/
今回は財務会計論(計算)の短答式試験の総評及び5月短答式試験に向けた学習方針について書いていきます。
<総評>
今回の財務会計論(計算)は,今までと出題形式が大きく変わったことから戸惑われた方も多かったと思いますが,計算問題のボリュームが減少したことや,全体的に易しめ~標準的な難易度の問題が多かったため,点数は取りやすかったのではないかと考えています。
実際に受講生の反応を見ても「普段の模擬試験等に比べると時間に余裕があった」という感想が多かったため,落ち着いて問題を解けたという方が多かったのではないでしょうか。
このため,財務会計論(計算)は65%~70%程度の得点が合格点になるかと思われます。
<5月短答式試験に向けた学習方針>
今回の財務会計論(計算)で60%を下回ってしまった方は,基礎力に問題がある可能性が高いと思います。そのため,今回間違えてしまった問題の分析をし,弱点の強化を行うようにしてください。この際に意識してほしいのが以下の2点になります。
①問題を見たときに,解く手順や解答算定のために必要な情報が迷わず出てきたか?
②出題論点に関連する引っ掛けや注意点がすぐに出てきたか?
例えば,今回の試験の現金預金の問題(問題4)で間違えた場合には,以下が出来ていたかどうかを振り返ってほしいです。
①問題を見たときに,解く手順や解答算定のために必要な情報が迷わず出てきたか?
・解く手順
貸借対照表に記載される現金及び預金の額が問われているので,現金実査額と銀行勘定調整表の調整後残高の合計を算定する
・解答算定のために必要な情報
決算時における通貨,通貨代用証券,当座預金勘定残高,残高証明書残高,不一致の原因等の情報
②出題論点に関連する引っ掛けや注意点がすぐに出てきたか?
小切手の振出日や振出人を注意する等(先日付小切手や自己振出小切手に該当するか否かを判断するため)
そして,上記について漏れがあった場合には,その漏れを失くすために,何をすべきかを考えて実行してください。(例えば,解く手順が出てこなかった場合には,テキストや問題集の問題形式を覚え込んでしまっている可能性があるため,普段の学習において,なぜそのように解くのか?の理由をしっかりと考えるようにする等)
この作業を普段の答練や模擬試験の際にも継続して行うことで,基礎力は強化されると思います。
また,5月短答式試験も今回の出題形式で実施される場合には,試験時間に余裕があることから,集計量が多くて多少手間がかかる問題についても,丁寧に集計して得点することが合格点+αを取るために必要であると思います。(今回の本試験でいうと総合問題の「利益剰余金」や「営業活動によるキャッシュ・フロー」の金額がこれに該当します。)
そのため,集計を苦手にしている方は,この点も意識した上で学習して頂ければと思います。
5月の短答式試験を受験される方は参考にして頂ければ幸いです。
それでは引き続き学習を頑張ってください!