登川講師

「転換社債型新株予約権付社債を理解する!~区分法と一括法の会計処理の違い~」登川講師(簿記)

テーマ:財務会計論(簿記)の論点解説

論点:社債(転換社債型新株予約権付社債)
対象:公認会計士試験
重要性:★★☆

新株予約権付社債には「転換社債型」と「それ以外」があります。

この内,転換社債型の方は社債と新株予約権が一体となっているという特徴から「区分法」と「一括法」の2つの会計処理が認められています。

今回はその2つの会計処理をみていきたいと思います。

【設例】
(1)発行条件等
・当期首に転換社債型新株予約権付社債を100円で発行した。
・発行価額の内訳は社債94円,新株予約権6円である。
・償還期間は3年である。

(2)権利行使について
・当期末にすべて権利行使され,社債を株式に転換した。

「区分法」における権利行使の仕訳
(借)新株予約権付社債96 (貸)資本金102
(〃)新株予約権6
※新株予約権付社債:94(発行価額)+2(償却原価法)=96?

「一括法」における権利行使の仕訳
(借)新株予約権付社債100 (貸)資本金100

この両者の仕訳は一回理解してしまえば,特に難しいことはありません。
ご覧の通り,区分法と一括法の仕訳は異なっています。

ただ,何か違和感を感じないでしょうか?

資本金の増加額に注目しましょう。

同じ取引にも関わらず,会計処理の違いにより増加する資本金が異なっています!

これはどういうことでしょうか?

どっちの会計処理を採用するかによって結論が大きく違うものになってしまうのでしょうか?

実はこれにはからくりがあるのです。

そこに気付くためには,この仕訳だけ眺めていてもわかりません。

そこで,貸借対照表をみてみましょう

一括法区分法.ai

???

区分法の場合には利益剰余金が△2となっています。

これは償却原価法によるものです。

(借)社債利息2 (貸)新株予約権付社債2

今回の設例において,区分法では権利行使の前にこの仕訳が行われます。

そのため,償却原価法の分だけ利益剰余金が2だけマイナスになっているのです。

その結果,区分法・一括法とも純資産合計は100となっており,全体としてみれば一致しているのです。

つまり,最終的な辻褄は上手く整合しているのです!

それもそのはず。

結局この取引全体で考えると,会社に払い込まれた金額は100です。

よって,増加する純資産は当然100になります。

それ以上にもそれ以下にもなるはずがないのです。

しかし,区分法か一括法かによってその内訳が異なってしまう,ということなのです。

どうでしょうか?

このように理解するとよりクリアに転換社債を理解することができると思います!

是非とも両方の会計処理をおさえましょう!

【簿記の細道~転換小話】
ボブ「区分法と一括法,難しいと思っていたのですが意外と単純な話だったのですね。転換社債を難しく考えすぎていました。」

ノボ「一見複雑そうなものこそシンプルに考える。発想の”転換”が必要だ!」

 

⇒To Be Continued…!? *

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CPA会計学院 財務会計論講師 登川雄太(Twitter

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