永田講師

「公認会計士論文式本試験(14年8月)の講評」永田講師(経営学)

本試験を受験された皆様、本当にお疲れ様でした!

経営学は本試験最後の科目なので、体力的にも精神的にも疲弊した中での戦いだったと思いますが、感触はいかがだったでしょうか?

今回は、経営学の本試験の講評について簡潔に述べていきたいと思います。

まず、第1問について。経営管理は過去2年連続で記述式の問題が中心だったのに対し、本年度では用語を解答させる問題の割合が若干増えたなという印象でした。

問題1はテイラーとファヨールの理論を中心とした出題でした。

問題1で必ず解答しなければならないのは、問1、問5、問6となります。問1の「成行管理」と問5の「選択と集中」は上級答練第1回にて出題していますので、確実に得点できるでしょう。問6は直接的に答練等で出題はしていませんが、管理会計論の予算管理の論点をおさえていれば、「統制」という用語は容易に推測できたものと考えられます。

次に、可能であれば解答できてほしいのは問4です。問4は企業法で学習した知識を用いることである程度正しい内容は記述できたと思います。ただ、合資会社は主に短答用の論点なので、完璧な解答はできなかったかもしれません。

一方、問2と問3は細かすぎる内容なので、出来なくても問題ないでしょう。

問題2は競争戦略とCSRを中心とした出題でした。

問題2で必ず解答しなければならないのは、問2と問4となります。問2の「VRIO」は上級答練第3回、問4の「イノベーターのジレンマ」の定義は直前答練第3回にてそのまま出題しているので、これらは完璧に解答できたと思います。

次に、可能であれば解答できてほしいのは、問1、問3、問6となります。問1は具体的な製品等の名称を挙げながら、ある程度正しい方向性の内容が記述できていれば十分でしょう。問3の「顧客の創造」は直前答練第1回にて「イノベーション」と「マーケティング」を挙げさせる問題を出題しており、問6の「BOPビジネス」は論文模試第2回にて取り上げていますので、しっかりと覚えられていた方は解答できたと思いますが、忘れてしまっている方も若干名いるのではないかと思われます。

一方、出来なくても問題ないのは問5と問7ですが、問5の「三方よし」は直前答練第1回にて触れてはいるので、何かしらそれらしいことを記述できているのであれば十分です。ところで、問5と問7はいずれもCSRに関連する問題であるため、「社会に貢献する」といったニュアンスの内容を織り込めてさえいれば、多少なりとも加点対象になるのではと思われます。直前のブログにも書きましたが、分からなくても諦めずに記述できたかどうかが、問5と問7では重要だったと思います。

第1問の合格ラインとしては30点程度の得点が必要になるのではと思われます。

次に第2問について。財務管理は一昨年が40問、昨年が30問と、出題問数の減少が見受けられましたが、本年度は昨年と同様30問の出題となりました。よって、時間に余裕はあるはずなので、正確に慎重に解答できたかどうかが重要だったと思います。更に、本年度は難易度が例年よりも易化傾向にありますので、満点に近い方もいるのではと思います。ただ、換言すれば、財務管理で失敗するとかなり致命的だということもできます。

問題1の企業価値の算定は、2012年本試験の類題であるとともに、上級答練第3回、論文模試第1回、直前答練第4回でも取り上げているので、非常に解きやすかったと思います。特に、ROAやROE等を算定する際の負債と資本は簿価、WACCを算定する際の負債と資本は時価を用いる点、フリーキャッシュ・フローとEBITDAを算定する際の違い(税引後営業利益を用いるか税引前営業利益を用いるかの違い)は何度も説明してきたので、CPA生ならば完答できている方も多いのではと思います。

問題2は海外資産への投資と為替予約に関する問題でした。本問は一見すると複雑そうですが、これと似た問題は直前答練第3回にて出題しておりますし、誘導形式になっているので、計算ミスにさえ注意すれば⑥以外は完答できます。ただ、⑤は難しくはないのですが、計算量が若干多くミスしやすい問題なので、これも落としていてもさほど問題ないでしょう。他の問題は、いかにミスを軽減できたかが重要だったと思います。

問題3は金利スワップに関する問題でした。まず、④と⑦~⑩は上級答練第4回にてそのまま出題していますので、確実に解答できていてほしいところです。また、①の「プレインバニラスワップ」も上級答練第4回にて出題しているので、できた方も多かったのではないでしょうか。一方、②③⑤⑥は細かい内容なので出来なくても問題ないでしょう(②と③が勘で出来ていればアドバンテージになります)。

第2問の合格ラインとしては30点程度の得点が必要になるのではと思われます。財務管理をかなり対策していた方であれば、40点以上の得点も可能な問題だったと思います。

経営学全体としては60点程度得点する必要があるでしょう。

講評は以上ですが、実際の本試験では緊張状態にあるため、「間違えて違うことを書いてしまった!」、「計算ミスをしてしまった!」という方も非常に多いと思います。よって、実際の合格点はもう少し低くなるかもしれません。

11月の合格発表まで自分は合格しているものと信じましょう。今は、休みを満喫することで今までの疲れをゆっくりと癒して下さい。本当にお疲れ様でした!

☆現在UP済みの論文式本試験の他科目の講評一覧☆

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齊藤講師(監査)ブログ 「論文式試験を振り返って」

梅澤講師(管理会計論)ブログ 「論文式本試験講評」

菅沼講師(企業法) 「論文式試験お疲れ様でした!」

有賀講師(租税法) 「公認会計士論文式試験講評」

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