公認会計士の仕事内容 ~監査業務の種類・公認会計士の独占業務である監査とは何か?~
本日は,公認会計士の独占業務の監査業務の種類について説明していこうと思います。
公認会計士が実施する監査業務には,実はいろいろな種類があります。
まず財務諸表の適正性を監査する会計監査についても,法律で監査が義務づけられている法定監査と,法律では義務づけられていないが,企業が任意に行う任意監査に分けられます。
法定監査は,金融商品取引法監査,会社法監査,その他の法定監査に分類されます。
金融商品取引法監査は,東京証券取引所などに株式を上場している企業は,公認会計士の監査を受けなければいけないという規定に基づいて行われる監査です。
会社法監査は,上場企業に限らず,会社法上の大会社(資本金5億円以上または負債総額200億円以上)に該当するものは,公認会計士の監査を受けなければならないという規定に基づいて行われる監査です。
金融商品取引法監査も会社法監査も,規模が一定以上の会社は,企業を取り開く利害関係者も多く,財務諸表に粉飾決算が生じた場合の影響も甚大であるため,法律で公認会計士の監査が義務図けられているのです。
その他の法定監査としては,学校法人監査・独立行政法人監査・国立大学法人監査・公益法人監査・信用金庫及び信用組合監査・地方公共団体監査・政党助成法監査・などもあります。今後,益々情報公開社会が進むにつれ,法定監査の範囲は,増大していくことが予想されます。
次に,法律では義務づけられていないが,企業が任意で監査を行う任意監査もあります。任意監査は,公認会計士の監査を受けることで,会計情報の信頼性を確保し,様々なメリットを享受するために,企業が自主的に受ける監査です。
具体的には,株式上場準備のための監査・企業買収に対して被買収企業の調査のための監査・内部監査・医療法人監査・社会福祉法人監査・NPO法人監査など多様なものがあります。
また,公認会計士が行う以外の監査としては,システムが正常に稼働しているかを監査するシステム監査や,情報セキュリティが機能しているかをチェックする情報セキュリティー監査,環境対策を適切に実施しているかの環境監査など,監査のフィールドは様々な分野に拡大しています。
同じ監査でも,様々な種類により,求められる知識ややりがいも異なりますので,自分に適した監査業務を探してみるのも面白いかもしれません。