公認会計士のキャリア・やりがい ~ 一流になるとなぜ収入が上がるのか?~
本日は、一流になると収入が上がる仕組みについて説明していきたいと思います。
一流になれば,個人が提供できる価値が高まるので,収入が上がるのは当然と思うかもしれません。もちろん,それは一つの理由としては正しいですが,もう一つ大事な理由があります。
それは,分業のメリットです。
たとえば,公認会計士が1分でわかる税金の課題を,弁護士は30分考えてもわからないことがあります。逆に,公認会計士が30分かけてもわからない法律の課題を,弁護士は1分でわかることがあります。この時,お互いに得意分野を委託し合えば,1分ずつの時間で済み、一人では30分以上かかる仕事を分業し合えば2分で終わります。
このように,自分の専門分野以外のことをお願いできる他の分野の専門家とのネットワークが,分業のメリットを生み出すためには必要です。
このようなネットワークが、多くの専門領域に対して構築できていれば、分業のメリットは何倍にも大きくなります。
この時に,もう一つ気をつけなければいけないのが,自分がネットワークを組める他の分野の専門家は,自分と同じレベルの人になる可能性が高いということです。つまり,自分がメリットを享受するためには,相手も同レベルのメリットを享受できていると感じている必要があるので,自然と同じレベルの人としかネットワークを構築することが難しいのです。
よって,自分がある分野で一流になっていれば,他の分野の一流の方とネットワークを組み,より強力な分業のメリットを享受できるのです。
仕事ができる人が他の人の何倍もの成果を上げる一つの要因に,この分業のメリットがあるのです。
だからこそ,色々な分野に手を出して,すべてが2流・3流でとどまるリスクを取るよりは,ある特定の一つの分野に専念し,ここだけは誰にも負けないというレベルにまで持っていく方が効率的である場合が多いということは,意識しておいてほしいと思います。
限られた時間の中で、すべての分野の専門家になることは困難ですので、自分がどのようなスキルを磨いていくのかということは、戦略的に考えていくことが重要なのかもしれません。