公認会計士試験 勉強方法 ~優先順位の判断を正しく行おう!~
今回は、勉強方法の優先順位について、説明していきます。
優先順位には、公認会計士の勉強と両立を図るものとの優先順位と公認会計士の勉強内容の優先順位があります。
前者については、学校・仕事・サークル・バイト・友人づきあい・デートなど様々なものがあります。この時に、今やるべき優先順位をしっかりと考えてもらいたいと思います。
・カリキュラムから送れない
当たり前のことですが、カリキュラムから遅れないだけで、合格に必要な事の半分はこなしたと言えます。しかし、ここで意味するカリキュラムは、講義のみを意味しているわけではなく、その復習・定期的な反復、答案練習の受験など、必要なことをしっかりこなすことを意味しています。
実は、カリキュラムから遅れてしまった場合には、それを取り戻すのは、想像以上に相当難しいです。なぜなら、通常のカリキュラムをこなすことに加え、遅れている部分もやらなければいけないため、カリキュラムの遅れを取り戻すのは、カリキュラムから遅れないようにすることの2倍ぐらい大変になってしまいます。
過去の学生さんを見ていても、一度遅れてしまい、それを取り戻せずにどんどん遅れてしまうという悪循環に陥ることもおおいです。だからこそ、絶対にカリキュラムからは遅れないという覚悟を持つことをお勧めすします。
もちろん、ほとんどの方が、様々なことと両立をしながら勉強をすることになりますが、すべてのものと両立することは困難ですので、今やるべきことなのかという点から、ある程度の取捨選択をする必要があります。
そのため、公認会計士の勉強中に、なるべく時間を割かないことをお勧めするのが、漫画・ゲーム・テレビなどが挙げられます。これらは、優先順位の観点からしても、勉強中に時間を使う必要は本来ないはずです。できれば、合格した後に、時間を使うことをお勧めします。
アルバイトについては、アルバイト自体を行うのはいいが、深夜のアルバイトだけは避けた方がいいと言えます。規則正しい生活をしないと疲れが、余計にたまってしまうため、徹夜するような深夜バイトはあまりお勧めできません。
・学習の中身の優先順位
公認会計士の学習内容の優先順位とは、学習時期ごとの重要性と論点自体の重要性について、正しい優先順位をつけることです。いくら努力をしても、間違った努力であった場合には成果は出づらくなってしまうため、重要性の判断は大切にしてほしいと思います。
学習時期ごとの重要性は、ご自身が通っている専門学校の講師の指導に従ってもらえればと思います。
次に、論点ごとの重要性です。
CPAでは、すべての教材で、重要性を次の4段階に区別し、掲載しています。
『重要度A』:最も重要な論点であり、しっかりと理解し、多少の応用問題が出題された場合においても、必ず得点してほしい論点
『重要度B』:重要な論点であり、典型的な出題論点であれば、必ず得点してほしい論点
『重要度C』:得意科目にしたい場合には、典型的な出題論点であれば得点してほしい論点である。また、得意科目にしないのであれば、得点できなくてもよい論点
『重要度D』:出題可能性は極めて低く、学習しなくてよい論点
大きな、目安は、重要度Aと重要度Bができれば、ぎりぎり合格点をとれることを意味しています。
本番での出題可能性と学習範囲のボリュームのイメージは以下のような感じです。
本試験の出題割合 学習範囲のボリュ-ム
重要度A:40% 25
重要度B:25% 15
重要度C:15% 10
重要度D:20% 100
A・B論点を確実に得点できるようにした上で、C論点は最低限基本を習得することであれば、時間の50%で出題可能性の80%を網羅できます。
ただし、A・B論点について、確実にということを強く意識することが大切です。
多くの人が、この確実にを疎かにしている結果、A・B論点でも失点が多いという状態があります。
さらに、A・B・Cに同じ学習時間を使ってしまうという問題も生じやすいです。
C論点は、一つ一つの論点の出題可能性は、A・B論点に比べてかなり低いため、強弱をつけることは非常に重要です。
そして、D論点には、一切時間を使わないということが、重要性をうまく使いこなす基本的な考え方となります。
・優先順位で陥りがちなミス
この時に、多くの人が陥りやすい状況は、以下の4つです。
1.勉強よりも他の優先順位が高い
アルバイト・遊び・人付き合いなど、勉強と両立する必要があるものと勉強の優先順位が逆になってしまっている場合には、空いた時間に勉強しようとするので、どうしてもカリキュラムから遅れがちになります。そのため、まずは勉強時間を優先的に確保し、空いた時間で他のこととの両立を図るようにすることがお勧めです。
2.重要性の判断に、個人の好き嫌いが入っている
『この論点は、嫌いなのでやらない』
これは、効率的に合格点を取るために、大きなマイナスなので、やらないことをお勧めします。一番大切なことは、合格することなので、どうでもいいことにこだわらないようにするべきです。
3.重要性A・Bについて、精度のこだわりが弱い
論点をわかっている状態と完全にできる状態(習得)は違うことを理解せず、C・D論点に必要以上の時間を費やし、結果として、A・B論点で多くの点数を失ってしまうことです。
そうならないためには、まずは、A・B論点の精度を高くすることに意識を強く持つことが大切です。
4.D論点が気になって、どんどん時間を使ってしまう
これは特に注意してほしいです。特に、本番直前の答案練習や模擬試験は、D論点が一定割合出題されます。本試験の練習をするために、あえて出題しているのです。
しかも、D論点全体が100ある中の1とか2を出題しているもで、本番で同じ論点の問題が出ることは限りなくゼロに近いと言えます。
それにもかかわらず、自分の知らない論点が出題されるとマスターしないと気が済まない人や、知らない論点を学習するために、ひたすら、色々な問題を集め、D論点の勉強を行っている人もいまます。 確かに、知らない知識を習得することは、気持ちがいいですし、知的好奇心を満たしてくれます。ただ、短期合格には、確実にマイナスになります。
なぜなた、その分、必ずと言っていいほどA・B論点に費やす時間が減るため、A・B論点の精度が下がっていくというデメリットが大きいからです。もし、D論点をすべてマスターしようとしたら、テキストが5倍になりますので、如何にD論点を学習することが不効率であるか伝わると思います 短期合格を目指すのであれば、D論点は一切触れない、これに尽きるのです。
効率的に学習するためにも、勉強の優先順位を正しく判断してほしいと思います。