社会人なら知っておきたい会計基礎知識 ~損益分岐点とは?

ビジネスを行う際に、最も意識するリスクが倒産することだと思います。そして倒産しないためには、毎年利益を稼いでいくことが何よりも重要になります。

毎年利益を稼いでいれば会社が順調に成長していきますが、赤字が何年も続いてしまえば倒産のリスクも高まってしまいます。

そのため、ビジネスを行う際には、将来の経営計画でどれぐらいの利益を確保できるのかという予想が非常伊大切になります。

その経営計画を立てる際に、自社の原価の構成要素と売上予測から、利益額予測し、如何に赤字を出さないか、『損益分岐点』を超えることができるのかを検討することになります。

ここで、損益分岐点とは、会社の損益がゼロになる売上高のことです。

以下では、簡単な例を使いながら、損益分岐点の考え方を見ていきたいと思います。

商品を@100円で販売する商売を考えてみましょう!

この時に、10,000個の商品を販売した場合に、

売上1,000,000円

原価800,000円

利益200,000円のビジネスについて考えてみたいと思います。

この時に、何とか赤字にならない売上高はいくらになるでしょうか?

実はこの問いに関する回答は、800,000円の原価の構成が、変動費がいくらで固定費がいくらかによって変わってしまいます。

以下の2つのケースを考えてみましょう!

【ケース1】 固定費が200,000円、変動費が600,000円の場合

【ケース2】 固定費が600,000円、変動費が200,000円の場合

【ケース1】の場合

ケース1では、変動費が600,000円ということは、商品1個当たり変動費が@60円と分ります。その場合、製品を一個販売するごとに限界利益(売上から変動費を控除したもの)が@40円獲得できます。そのため、固定費200,000円を回収するためには、200,000円÷@40円=5,000個と計算できるので、5,000個販売した時に損益分岐点となります。

5,000個販売時には、

売上500,000円

原価500,000円(固定費200,000円、変動費300,000円)

となります。

【ケース2】の場合

ケース2では、変動費が200,000円ということは、商品1個当たり変動費が@20円と分ります。その場合、製品を一個販売するごとに限界利益(売上から変動費を控除したもの)が@80円獲得できます。そのため、固定費600,000円を回収するためには、600,000円÷@80円=7,500個と計算できるので、7,500個販売した時に損益分岐点となります。

7,500個販売時には、

売上750,000円

原価750,000円(固定費600,000円、変動費150,000円)

となります。

このように、固定費が低いケース1の方が、売り上げが下がった時に、原価も下がる金額が大きいので、損益分岐点は低くなります。逆に、固定費が高いケース2では、売り上げが下がった時に、原価の下がる金額が小さいので、損益分岐点は高くなります。

では、変動費が大きい方がビジネスでは有利なのでしょうか。実はそうとも言い切れません。

なぜなら、商品を20,000個販売した時には、ケース2の固定費の大きい方が利益は大きくなります。

【ケース1】の場合

売上2,000,000円

原価1,400,000円(固定費200,000円、変動費1,200,000円)

利益600,000円

【ケース2の場合】

売上2,000,000円

原価1,000,000円(固定費600,000円、変動費400,000円)

利益1,000,000円

つまり、売上高が損益分岐点を超えた後は、変動費が小さい方が、限界利益が大きくなるため、利益の拡大幅は大きくなるという性質を有しているのです。

そのため、固定費の割合が高い方が、ビジネスの規模が拡大した後は利益が多くなりますが、損益分岐点が高いため、起業当初は赤字になるリスクが高まります。

逆に、変動費の割合が高い方が、企業当時は損益分岐点が低いので赤字になるリスクを下げることができますが、ビジネスが拡大していった後には利益額が小さくなるというデメリットがあります。

そのため、ビジネスをする際には、当初はできるだけ固定費を少なくし、ビジネスリスクを軽減するとともに、ビジネスが軌道に乗っていくのと並行して、徐々に固定費の割合を増やすことで利益の拡大を図るという方向がお勧めになります。

起業で失敗する方は、起業当初から固定費を高くしてしまい、倒産してしまうこともあります。オフィスの賃借料や、正社員の給料などが代表的な固定費になります。

上記損益分岐点と原価の構成要素の関係を理解し、適切なコストコントロールを図ることが重要になります!

また、損益分岐点分析を発展させ、CVP分析という概念を使い、目標利益を達成するためには、いくらの売上高目標が必要なのかを分析することができます。

先ほどと同じ例で、10,000個の商品を販売した場合に、

売上1,000,000円

原価800,000円

利益200,000円のビジネスについて考えてみたいと思います。

この時に、1,000,000円の利益を獲得するために必要な売上高はいくらになるでしょうか?

この問いに関する回答も、800,000円の原価の構成が、変動費がいくらで固定費がいくらかによって変わってしまいます。

以下の2つのケースを考えてみましょう!

【ケース1】 固定費が200,000円、変動費が600,000円の場合

【ケース2】 固定費が600,000円、変動費が200,000円の場合

ケース1では、変動費が600,000円ということは、商品1個当たり変動費が@60円と分ります。その場合、製品を一個販売するごとに限界利益(売上から変動費を控除したもの)が@40円獲得できます。そのため、固定費200,000円を回収し、さらに目標利益1,000,000円を獲得するためには、1,200,000円÷@40円=30,000個と計算できるので、30,000個販売した時に目標利益を達成できるのです。

【ケース2】の場合

ケース2では、変動費が200,000円ということは、商品1個当たり変動費が@20円と分ります。その場合、製品を一個販売するごとに限界利益(売上から変動費を控除したもの)が@80円獲得できます。そのため、固定費600,000円を回収し、さらに目標利益1,000,000円を獲得するためには、1,600,000円÷@80円=20,000個と計算できるので、20,000個販売した時に目標売上高を達成できるのです。

このように、CVP分析を使えば、目標利益を獲得するために、商品を何個販売すれば達成できるのか、また、販売価格をいくら値上げすれば達成できるのか、固定費をいくら削減すれば達成することができるのかなど、様々な状況の分析をすることが可能になります。ビジネスでは、まずはCVP分析を実施し、その上で実行可能な選択肢を意思決定していくことになるのです。

損益分岐点分析とCVP分析の概要を理解しておくことは、自分が行っているビジネスの収益性や安定性を判断するためにとても重要ということを理解しておいてもらえればと思います。

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