亀尾講師

公認会計士論文式試験(15年8月)財務会計論(計算)の総評」亀尾講師(簿記)

論文式試験お疲れ様でした(^*^)/
今回は財務会計論(計算)の論文式試験の総評について書いていきます。

<会計学 第3問>
第3問の計算問題では,リース会計の借手側と貸手側の仕訳問題と個別キャッシュ・フロー計算書の総合問題が出題されました。昨年度までは,第3問は連結財務諸表の作成問題が主流でしたので,傾向ががらりと変わりましたね。

リース会計について,貸手側の会計処理は普段あまり触れることはないと思いますが,計算自体は非常にシンプルなものになりますので,6箇所中3~4箇所は取りたいところです。

個別キャッシュ・フロー計算書も非常にシンプルな形式で調整項目も少ないため,得点がし易かったと思います(とは言え,こういう問題こそ点数差がつきやすいので要注意!)。10箇所中5~6箇所は取りたいところです。

余談ですが,今回の個別キャッシュ・フロー計算書は,平成19年の論文式試験で出題された問題とほぼ同じでした。短答式試験では,過去に出題された問題が使いまわされることはちょこちょこあるのですが,論文式試験では初めて見た気がします。第5問の作成に力を入れすぎて,第3問は気が抜けちゃったんですかね。

<会計学 第5問>
第5問の計算問題では,連結会計の総合問題が出題されました。総合問題といっても連結精算表の利益剰余金部分をより細かく書き出したような形式で,おそらくほとんどの受験生が初見となるものでした。
精算表形式というだけでも面喰ってしまうのに,決算日が不一致となる場合の連結会社間取引の修正,子会社株式の減損,子会社の欠損時の利益の按分,持分法適用会社の子会社の利益の扱いなど,計算問題としてはほとんど出題実績のない細かい論点がもろもろ問われていたため,ひととおり問題を見た時点でほとんどの受験生がゲンナリしたのではないでしょうか?

配点について気になっている方も多いと思いますが,解答欄が70箇所ある時点で,1問1点与えたとしても70点になってしまい,第5問の上限の点数となってしまいます。
そのため,点数が来る箇所と来ない箇所があると考えるのが妥当だと思います。その上で,0と解答する箇所には点数が来ず,それ以外の数値が埋まる箇所に点数が来る可能性が高いと思われます。これは,0と解答する箇所にも均等に点数を振り当てると,訳も分からずとりあえず0と書く人(普段の答練でもけっこういます)にも多くの点数が振られてしまう結果,実力が図れなくなる恐れがあるためです。
とは言え,配点はあくまで予測なのでどうなるかわかりませんが,第5問の計算についてはほとんど全滅に近くても問題ないと思われます。

これも余談ですが,会計士試験の連結会計の問題は,タイムテーブルを作成すれば連結修正仕訳を書かずとも解答できる性質の問題が多いため,連結精算表はそこまで重視されるものではないです。しかし,実務では仕訳がすべてデータ化されており,それを連結精算表に集約して連結財務諸表を作成するため,連結精算表の作成の考え方は非常に重要です。
今回の第5問は実務寄りの論点も多く出題されていることから,実務家の方が作成されているものと思います。今回の問題は,連結精算表の作成の考えはよくわからなくても,タイムテーブルから解答が作成できてしまうため,最終的になんとかなってしまう傾向への警鐘なのかな,と思ったりもしましたがどうなんでしょう。

<総評>
計算問題は,第5問があるため,難化していると言えますが,最終的には第3問の得点で差がつくと思います。
そのため,最終的に標準的なレベルの問題をしっかり拾える力が大事になるものと思われますので,来年論文式試験を受験される方はこの点を意識して頂ければと思います。

以上が総評となります。

それでは皆さんいい報告が聞けることを心より願っております!お疲れ様でした!!

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